箱根駅伝予選会が終了し、新体制のチームがスタートを切って約1ヶ月が経過しました。10/31~11/1 に開催された筑波大競技会において、多くの学生が自己ベストを更新し勢いを増す中、日体大長距離競技会1万mに7名の学生が出場しました。
とくに岩佐一楽(体育2)が、従来の筑波大学記録(渋谷俊浩先輩 28分45秒9=1984年)を36年振りに約4秒更新する28分41秒71をマーク。チームに自信をもたらす素晴らしい走りをしてくれました。その結果を報告させていただきます。(担当:伊藤)
11/14 10000m
【3組目】
チームのトップバッターとして、永山(体育2)が出走。30分台前半のタイムをターゲットにスタートしたが、3000m過ぎから徐々にラップタイムを落とすと、そのままペースアップ出来ずに失速。目標には遠く及ばない結果に終わってしまった。練習の出来からする不本意であり、本人も首をかしげる残念な結果に終わった。
【4組目】
この組には、山本(応理3)と五十嵐(体育2)が共に29分台を目指し出走。レースは3分/kmを切るペースで推移し、29分台を目指す二人には好都合のレース展開となったが、山本は5000m手前、五十嵐は5000m過ぎで集団から離れ出し、後半は単独走となる苦しい走りとなった。
終盤に粘りの走りを見せるも、目標の30分切りとはならなかった。しかし、二人とも5000mを14分台で通過する1万mは初めての体験。その中で、山本は自己ベストを更新し、五十嵐も自己ベストに肉薄する走りを見せた。力が付いていることは証明でき、次に繋がるレースはできたと前向きに捉えてもらいたい。
【5組目】
5組目は、福谷(体育2)と皆川(物理1)が出走。日差しが強く暑く感じる中でレースは始まった。それでも、箱根駅伝予選会で好走し、勢いに乗る2人の走りに期待がかかる。序盤から良いペースで進み、共に5000mを14分50秒前後で通過(皆川は5000mの自己記録を上回って通過している)。
後半のペースアップで大幅なタイム短縮を狙ったが、皆川が集団から徐々に遅れ、単独走に。一方の福谷は、先頭集団の中でレースを進め終盤に少し遅れるも、自身初の29分台をマークした。若干の暑さがあった事を考慮すると、厳しい条件であったことは確か。伸び代十分な二人には、今後の記録短縮を引き続き期待したい。
【8組目】
8組目は、岩佐が出走。日が落ちて、気温も下がってきたためコンディションは良く、先日の記録会5000mで14分00秒をマークした岩佐は、28分台の記録を狙ってスタートした。しかし、150mほど進んだところで、記録計測装置の不具合?でレースは止められ、スタートのやり直しに。嫌なムードが漂う。そんな中で再スタートが切られた。
仕切り直しの2度目は、スタートが良過ぎて先頭に出てしまい600mまで先頭を走ると、あとは終始3番手をキープ。常に良い位置でレースを進める姿に気迫が感じられる。5000mを14分27秒で通過すると、その後もペースを落とすことなく終盤へ。8000mから集団の先頭に出て、そのままラスト1周までペースをキープ。最後に猛スパートをかけて2位でゴールした。
フィニッシュタイムは28分41秒71。36年振りに筑波大学記録を塗り替える激走だった。
まだ2年生の岩佐は、入学当時5000mで15分をギリギリ切る程度の選手だった。短期間に、これほどの伸びを見せるのは驚異的と言えるのではないだろうか。この日の余裕あるレースぶりを見ると、かなりの伸びしろが残されていると感じる。どこまで強くなるのか、楽しみである。
【9組目】
最終組に杉山が28分台を狙って出走。先頭集団は、28分台前半のタイムを目指しラップを刻むハイペースで流れた。果敢に集団に食らいつくも3000m過ぎになると、徐々に遅れ始めて単独走に。そこから粘りを見せるも本来の走りをする事が出来ずに悔しい結果に終わった。
夏から岩佐と同レベルのトレーニングを積んできた杉山だが、予選会後から歯車が合っていない感じがする。実力がないわけではないので、噛み合えば、いつでも良い記録を出せる手応えを掴んでいる。それ故に、歯がゆさは残るが、上手く修正をかけて、この後、予定されている記録会で大幅な記録更新を期待したい。
組 | 順位 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
3 | 28 | 永山龍吉 | 体育2 | 32’04″48 | |
4 | 11 | 山本尊仁 | 応理3 | 30’29″56 | PB |
16 | 五十嵐優汰 | 体育2 | 30’44″32 | ||
5 | 5 | 福谷颯太 | 体育2 | 29’51″02 | PB |
17 | 皆川和範 | 物理1 | 30’34″40 | ||
8 | 2 | 岩佐一楽 | 体育2 | 28’41″71 | PB 筑波大新 |
9 | 24 | 杉山魁声 | 体育3 | 30’17″52 |
【選手のコメント】
山本のコメント
「5000mに続き自己ベストを達成でき良かったです。たくさん課題が見つかったので、来月の記録会までに改善していきます。」
福谷のコメント
「今回は年間目標である29分50秒に迫るタイムで走れましたが、目標タイムとしては29分25秒を目指していたことや消極的なレースをしてしまったことを考えると、納得のいくレースとは言えませんでした。今年は上半期にじっくり練習を積めたこともあり5000m~ハーフマラソンで自己ベストを出せているので、次の大会ではタイム・内容ともに納得のいくレースをし、新体制のチームを勢いづける走りをします。」
岩佐のコメント
「まず、このような社会状況の中で記録会を開催していただき、そこに参加させていただけたことを本当にありがたく、嬉しく思います。
ありがとうございました。
レースについては、今回は中盤(3000mから8000m)の走りをテーマにして、イメージとしては最初の5000mを14分20秒くらいでいきたいなと思っていました。11月1日の5000mで良い感覚を得られていたので、最初に突っ込んで、そこから粘ろうというプランでした。実際のレースでは5000mの通過が14分27秒で少し焦りましたが、監督、コーチから慌てなくて良い!と声をかけてもらい、また、余力が想定以上にあり29分は切れそうだと思えたので、落ち着いて走ることが出来ました。
残り2000mになって集団の先頭の方にいれば、勝負してこい!とレース前にコーチからアドバイスを頂いていたこともあり、残り2000mまで我慢し、そこから切り替えて勝負しにいきました。結果的に2着で勝ち切ることは叶いませんでしたが、ラストの2000mを5分33秒(2.51-2.42)に上げられたことは自信になりました。これまでの筑波大学の記録を更新出来たことも本当に嬉しかったです。
しかし、最終組のレースをみて、対校戦で戦う力が全然足らないと思い知らされました。もっと上のレベルで戦えるような力をチームとしても、個人としてもつけていきたいです。冬にしっかり練習を積みたいと思います。」
今回は、岩佐が筑波大記録を更新し、チームの勢いが増す結果を残してくれました。一方で、自己ベスト達成者が3名に留まったことは、少し物足りなさを感じます。チームとして、この先にある記録会で、全員が自己ベストを達成できるよう全力で取り組んでいきたいと思います。
今回は、大変な社会状況とコロナ禍の中で大会を開催して下さり、本当にありがとうございました。レースに出場できることに感謝して、これからも一戦一戦を大切に頑張っていきますので、応援よろしくお願い致します。