筑波大学 箱根駅伝復活プロジェクト http://tsukuba-hakone.win 箱根駅伝に向けて、私たちの「今」を伝えたい。 Tue, 13 Feb 2024 00:31:50 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=4.7.28 一年の計は冬季練習にあり!? 冬季練習レポート http://tsukuba-hakone.win/topics/2024_winter-training_report/ http://tsukuba-hakone.win/topics/2024_winter-training_report/#respond Tue, 13 Feb 2024 00:21:22 +0000 http://tsukuba-hakone.win/?p=7976 現在チームは駅伝主将の古川幸治を中心に、第101回箱根駅伝予選会を突破し箱根路に返り咲くべく、冬季練習に取り組んでいます。本レポートではその様子をお伝えしていきます(文責:熊谷)


年明けから本格的に始まった冬季練習も早いもので1カ月(準備期間を含めると昨年12月中旬から)が経過しました。箱根駅伝予選会という大きな目標達成のために、冬季練習は「すべての土台となる基礎作り」を目指すものです。

筑波大学・男子長距離チームは、この冬季練習を重要視しており、実際に過去の先輩を見ても、冬季練習をしっかり消化するほど、春シーズンにおいて一気にブレイクする傾向にあると感じます。

つまりは、「冬季練習の完全消化」→「トラックシーズン」という流れで「大幅自己ベスト更新」→「過酷な夏合宿を乗り越える」→「予選会で戦える選手になる」→「箱根駅伝本選出場」という段階的な成長曲線を描くためにも、今の時期は重要な期間なのです!

【冬季練習は何をするのか】

ここからは冬季練習で実施しているトレーニングを3つに分けて(本当はもっと細かく目的が分けられています)説明させていただきます。

①坂やクロスカントリーを使った脚づくりとフォーム改善

坂やクロスカントリーの活用は冬季練習に限ったことではなく、年間を通して行っていますが、冬季練習では特に大切にしています。

坂では大きな動きで身体全体の動きを調和させながら「伸びのある走り」を意識して練習を行っています。例えば、坂走を行ってからトラックでペース走を実施するなどしています。

クロスカントリー走は、ペースを抑えたロング走やインターバルに活用しています。細かいアップダウンと不安定な足場での「筋腱強化」「心肺刺激」「フォームづくり」などの効果が期待できる練習場所です(つまり、負荷は高い)。トラックやロードといった平坦な場所だけでなく、起伏を利用することで、1年間の練習に耐えうるカラダの土台を作っていきます。

懸命に坂を駆け上る様子=競技場横にダッシュできる坂が設置されている

②サーキットトレーニング

二つ目はサーキットトレーニングです。これはいわゆる「筋トレ&総合動作」を何種類も組み合わせて身体に負荷をかけていくトレーニングです。冬季練習では「走ること以外」で身体に負荷をかける練習が組み込まれます。

ただ、走ることではなくても「走りの改善」に直結するメニューになっており、走りの特徴と種目の得意不得意は分かりやすくリンクしています。

例えばメディシンボール(3~5キロのバスケットボールをイメージしてください)を正面や背面で遠くに飛ばす動きは一見走りに関係ないように見えますが、股関節に溜めた力を一瞬でボールに正確伝えるという点で走りの改善につながります。

また、単純に腹筋を繰り返すメニューでは涼しい顔でこなす上級生の隣で今年初めて冬季練習に取り組む一年生が苦しんでいる様子がよく見られます。サーキットトレーニングで走動作とは違った動きを行うことで、正しい身体の使い方を習得し走りに落とし込んでいます。

冬季練習を開始した頃は、サーキットトレーニングの次の日の朝は全身筋肉痛になります。それだけ効果的な練習だと思います。

腹筋メニューは新入生にとって鬼門になる

走り以外の動きで身体の使い方を覚える

③ハーフマラソンの距離に慣れる

 

つらい練習こそみんなで乗り越える

三つ目はロングジョグや距離走です。ハーフマラソンで勝負するために、走り続ける「時間」や「距離」に対する抵抗をなくし、それに耐え得うる身体をつくることが目的です。

冬季練習の導入部分では週末にサーキットトレーニングとセットで120分走ることで全身の持久力と距離、時間に対する慣れを目的にメニューが組まれました。

1月後半から2月初旬にかけては、ロードを活用したハーフマラソン以上の距離走を行ってきました。距離走はじわじわと身体がキツくなる練習ですが、上級生が積極的に先頭を引っ張り下級生を背中で引っ張る場面が多くみられたように思います。

【今後のチーム強化の流れ】

冬季練習の前半期間は、チームとして非常にいい雰囲気で練習を消化することができました。ここから3月の学生ハーフマラソンやトラックシーズンに向けて、走り(スピード)を意識した練習が入ってきます。

これまで培った土台を走力向上へと繋げていくことができるよう、駅伝主将の古川を中心に、チーム一丸となって全力で冬季練習を継続していきます!

今後とも変わらぬご支援よろしくお願いいたします。

 

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2023年の締めくくり!12月の試合結果をお知らせします!! http://tsukuba-hakone.win/topics/competition_2023-12/ http://tsukuba-hakone.win/topics/competition_2023-12/#respond Sun, 10 Dec 2023 13:18:38 +0000 http://tsukuba-hakone.win/?p=7926 12月2日・3日・10日の三日間で2023年ラストレースが開催されました。出場した選手のうち、大幅に自己記録を更新した選手から悔しい結果に終わった選手まで、結果はそれぞれでしたが、各自が課題と手応えを得ることの出来る貴重な経験となりました。

今回のレースを良くも悪くも糧にして来年度以降の飛躍に繋げられるよう、選手一同精進して参ります。

今回は年内ラストレースの結果をご報告させていただきます。(担当:宮代、熊谷)


【12/2日体大長距離競技会10000m】

小山洋生(体育2)、川﨑颯(体育1)、平山大雅(体育4)の3名が出場した。

今大会は、10000mで自己記録が30分以内という参加標準記録が設けられており、標準を突破している下級生エースの2人が全日本大学駅伝予選会出場に向け、チーム平均タイムを短縮すべくレースに臨んだ。

(2組目)

小山は、先月の10000m挑戦会で収穫のあるレースを経験し、直近の1週間で更に調子を上げてきていたこともあり、28分台が十分に狙える状態でスタートラインに立った。レース序盤から冷静に集団の力を借りながら、7000mまで2’55/㎞ペースで推移した。しかし8000m過ぎに集団のペースが上がった所で対応できず、結果は29’17″と僅かな自己記録更新に留まり悔しさを滲ませた。自己ベスト更新の喜びよりも、28分台に届かなかった悔しい気持ちが上回ったのは当然だろう。

小山洋生(体育2)

(3組目)

10000m挑戦会でPBを30秒更新し波に乗っていた川﨑は、本番5日前の体調不良により不安のある中でのレースとなった。6000mまで2’55/㎞ペースで淡々と集団で推移するも、8000m手前から少しずつタイムを落とし、我慢の時間が続いた。ラストは渾身のスパートを見せ、結果は29’29”15と、体調不良明けながら見事自己記録を更新した。

川﨑颯(体育1)

(6組目)

平山大雅は、1か月間の実業団合宿直後の疲労状態の中、28分台が多く揃うハイレベルな組で自己記録更新に挑んだ。レース序盤からハイペースで集団が推移し、平山は2000m過ぎで苦しい表情を浮かべ、対応できずペースを落とした。その後は単独走となり、30’21’’55でゴールした。合宿の疲労が響き、悔しい結果となった。

【川﨑コメント】

「先日行われました日体大記録会におきまして、10000m29’29″15で自己ベストでした。28分台を目指して挑みましたが、ラスト3000m付近から失速してしまい、目標には全く及ばすの結果になりました。課題を多く見つけることができたレースとなったので、冬季練習で1つずつ課題解決に向けて取り組んでいきたいと思います。応援ありがとうございました。」

【日体大長距離競技会10000m試合結果】

 着順  氏名  所属  記録  備考
 2  12 小山洋生 体育 2 29’17″71  PB
 3 18  川﨑颯 体育 1  29’29″15  PB
 6  26  平山大雅 体育 4 30’21″55

【12/3第8回筑波大学記録突破会5000m】

今大会には20名が出場した。今大会では次週の12/10東海大学記録会に向けた最大負荷練習の目的も兼ねていた(東海大記録会には16名が5000mに、4名が10000mに出場する予定であった)。10000mに出場予定の4名は、全日本大学駅伝予選会の出場権獲得を目標に、チームの10000m上位8名の平均タイムの短縮を目指しており、最低でも現時点でのチーム8番手のタイムである30’27’’70を更新する必要がある。

そのためにも今大会では最大負荷の刺激入れつつ、各自が状態の確認をすることを目的にレースに臨んだ。

レース序盤、次週の5000mで自己記録の更新を狙う堀口(体育2)が飛び出し、2’50″前後のペースで2000mを通過するも、徐々にタイムを落とした。第二集団は、3000mを8’50″を切るペースで通過し、金子(工シス3)、丸子(工シス2)、大津(体育2)が集団を牽引し、伊佐(体育1)が必死に食らいつく。その後方、3000m過ぎにラップを落とした選手たちは我慢の時間が続く。先頭集団では、丸子、金子、大津、伊佐が順にゴール。丸子と伊佐が自己記録を更新し、好調をアピールした。その後方では、粘りきれず悔しい結果となった選手が多かった。

結果はそれぞれであったが、1週間後の年内ラストレースに向けて、各々が目的通りの刺激を入れることが出来た。今回のレースで感じた課題や手応えを反省し、次週のレースに活かせるように最大限準備していきたいと心決めたのであった。

【丸子コメント】

「今回の競技会は10000mに向けての練習の一環としての参加でしたが、前半少し速いペースでも余裕を持つことができたことで後半うまく絞り込むことができました。5000m等のスピードは課題なので、しっかり向き合って来シーズンに飛躍できるように練習を積み重ねていきます。引き続き応援していただけるように精一杯頑張って参りますので今後ともよろしくお願いいたします。」

【筑波大学記録突破会5000m試合結果】

 着順  氏名  所属  記録  備考
 1 丸子晴樹 工シス 2  14’43″89 PB
 2  金子佑太朗 工シス 3  14’45″54
 3  大津勇人 体育 2  14’46″43
 4  伊佐昴大 体育 1  14’48″35  PB
 5  鈴木将矢 医学 2  14’54″44
 6  鍔颯人 体育 2  14’56″99
 7  長谷川健太 資源 3  14’58″48
 8  山本健介 人文 2  15’00″07
9  堀口花道 体育 2  15’17″61
 10  小牧直登 体育 2  15’22″65
 11  熊谷秀人 国際 3  15’29″41
 12  斉藤一樹 体育 3  15’32″26
 14  中山純静 体育 3  15’39″91
 15  小野木宏太 体育 3  15’40″78
 17  大瀧圭佑 応理 1  16’05″96
 19  平尾快 総合Ⅰ 1  16’06″42
 20  源侑也 応理 2  16’47″14
 小山陽生 体育 1  8’44 (3000mまで)
 黒木聖 日文 2  9’10 (3000mまで)
 伊藤俊 障害 2  9’34 (3000mまで)

【12/10東海大学記録会5000m】

12月10日に行われた東海大学記録会には年内ラストレースとして、まず5000mに17名の選手が出走した。

(4組目)

この組には伊藤俊(障害2)が出場した。伊藤はスタートから集団の中盤に位置取り、冷静にレースを進めた。ペースも伊藤が目標としていた15分台が狙える絶好のペースだった。しかし集団が縦長になりばらけ始めると、伊藤も対応できず粘りの走りになった。手元ではぎりぎり自己ベストを更新したかどうかというところだったが、正式結果は自己ベストにコンマ数秒届かなかった。

伊藤俊(障害2)

(7組目)

この組には小野木宏太(体育3)・黒木聖(日文2)・源侑也(応理2)・大瀧圭佑(応理1)の四名が出場した。集団は最初の1kを3分前後のペースで進んだ。小野木、黒木、大瀧は集団の中でレースを進め、源はレース序盤まら苦しい走りになった。レースが進み集団がばらけ始めると、それぞれが目の前の選手に懸命に食らいついていった。特に大瀧は自己ベストを14秒更新する快走を見せ、16分台で入学し、夏には大きな怪我を経験したものの地道に努力を重ねてきた成果を発揮するレースとした。

左:小野木宏太(体育3)、右:大瀧圭佑(応理1)

(8組目)

この組には斉藤一樹(体育3)・大津勇人(体育2)・小山陽生(体育1)の三名が出場した。14分台が確実に狙える組であり、それぞれが目標をもってレースに臨んだ。小山陽生は集団の前方でレースを進め、中盤は先頭を引っ張る積極性も見せた。最後はペースが上がりきらなかったが、ポテンシャルの高さを感じさせるレースだった。斉藤は14分台を目標に練習を積んできており、レースでも順調にラップを刻んでいったが、3000m過ぎから徐々にペースダウンしてしまった。それでも自己ベストを更新し、シーズンラストのレースで気概を見せた。大津は体調不良の影響が響き途中棄権となった。

斉藤一樹(体育3)

(9組目)

この組には熊谷秀人(国際3)・山本健介(人文2)の二名が出場した。先頭が最初の1000mを2’50″前後で入るレースになり、山本は集団の前方、熊谷は中盤でレースを進めていく。山本は先頭が見える位置で終始レースを進めていき、一番きつい終盤も粘りの走りを見せた。熊谷は自己ベストが狙えるペースで3000mを通過するも、終盤耐えることができず苦しいレースになった。山本はラストの切り替えを見せて自己ベストを更新した。シーズン初めは15分台の選手だったが、夏合宿で覚醒し、箱根駅伝予選会にも出走した。急成長の1年間を象徴するような会心のレースとなった。

山本健介(人文2)

(10組目)

この組には金子佑太朗(工シス3)・鍔颯人(体育2)・小牧直登(体育2)・伊佐昴大(体育1)の4名が出走した。留学生選手が集団を引っ張る展開になったが、4名とも集団の中でレースを進めた。2000m過ぎで鍔が集団から遅れ始める。金子は先頭から3番目をキープしてレースを進め、その後方で伊佐、小牧と続いた。金子はラスト1000mで先頭に立つとそのまま鋭いラストスパートを見せ、組トップでゴールした。復帰から2週間のレースとは思えない走りで、改めてそのポテンシャルの高さを見せてくれた。伊佐も集団に食らいつき自己ベストを更新した。

金子佑太朗(工シス3)

(12組目)

最終組には小山洋生(体育2)・堀口花道(体育2)の二名が出場した。両名とも関東インカレの標準記録を狙ってのレースになった。小山は2000m過ぎから集団を先頭で引っ張る積極性を見せた。堀口も集団の中で4000mを通過した。小山はラストのトップ争いを繰り広げ、自己ベストを更新した。終始引っ張った中でのタイムであり、実際の価値はタイム以上のものがあるといえるだろう。堀口は得意のラストスパートが決まらず、自己ベスト更新とはならなかった。

左:堀口花道(体育2)、右:小山洋生(体育2)

山本コメント

「日頃から応援、サポートをしていただきありがとうございます。先日行われた東海大記録会の5000mにて自己ベストを更新することができました。最近の試合ではなかなか思うような結果を出せていませんでしたが、今回の試合では練習の成果を発揮でき、今シーズンの最後をいい形で締めくくることができたので良かったです。来シーズンにより強くなれるようこれから始まる冬季練習でしっかりとした土台を作れるようにしていきたいと思います。」

【金子コメント】

「日頃より多くのご支援を賜り、ありがとうございます。東海大記録会5000mに出場し、14’27″28でした。組1着という最低限の目標は達成できましたが、箱根駅伝予選会後の故障が響き、タイム短縮という形でチームに全く貢献できなかったことを非常に悔しく思います。チームはこれから本格的な冬季練習を迎えます。来年の春に他大学のエースと競うため、そしてチーム力の底上げのため、チームを引っ張る覚悟を持って取り組みます。」

【小山洋コメント】

「日体大記録会では終盤での切り替えができずペースが上げられなかったので、今回はラストの切り替えをテーマに走りました。前半から自分でペースを作る慣れない展開になり速いペースで引っ張ることができず、記録は出ませんでしたが、ラスト1周で切り替えて反省を活かすことができました。内容には収穫があったので、春のトラックレースに繋げたいと思います。応援ありがとうございました。」

【東海大学記録会5000m試合結果】

 組 着順  氏名 所属  記録  備考
4 15 伊藤俊 障害2 16′ 16″80
 7 12  黒木聖 日文2  15’22″64
 14  小野木宏太 体育 3  15’33″94
 17  大瀧圭佑 応理 1  15’35″41 PB 
 32 源侑也 応理 2  16’37″32
 平尾快 総合Ⅰ1  DNS
 8  13  小山陽生 体育 1  15’03″62
 20  斉藤一樹 体育 3  15’21″29 PB 
 大津勇人 体育 2 DNF
 9 8  山本健介 人文 2  14’45″83  PB
19  熊谷秀人 国際 3  15’07″83
 10  1  金子佑太朗 工シス 3  14’27″28
7  伊佐昴大 体育 1  14’46″30  PB
 23  小牧直登 体育 2  15’08″98
 26  鍔颯人 体育 2  15’18″58
12  4  小山洋生 体育 2  14’22″29  PB
 12  堀口花道 体育 2  14’38″23

【12/10東海大学記録会10000m】

同日に行われた10000mには長谷川健太(資源3)・丸子晴樹(工シス2)・鈴木将矢(医学2)・平山大雅(体育4)が出場した。

今回のレースでは、平山がペースメーカーとして3人をサポートした。2000m前で長谷川は集団から遅れ、厳しい走りになった。丸子、鈴木は平山にぴったりと付き冷静にレースを進めた。5000mを14分台で通過し29分台が狙えるペースだったが、7000m過ぎで目標ペースから遅れだした。二人とも苦しい時間が続いた中、ラスト一周で鈴木が丸子を抜きゴールした。事前の練習が順調に詰めていただけに悔しいレースとなった。

左:丸子晴樹(工シス2)、中央:鈴木将矢(医学2)、右:平山大雅(体育4)

鈴木コメント

「今回10000mを走らせていただき、30’53″53と自己ベストに17″22届かない結果となりました。悔しい反面、レース自体は現4年生である平山先輩に3’00”/kmで引っ張ってもらいタイムを狙えた分、自分の実力不足と課題の見つかるレースになったので、これから冬季練習を乗り越えて、より一層強くなれるよう頑張ります。」

【東海大学記録会10000m試合結果】

 着順  氏名  所属  記録  備考
 19 平山大雅 体育 4  30’35″51  (PM)
 24  鈴木将矢 医学 2  30’53″53
 25  丸子晴樹 工シス 2  30’53″47
 27  長谷川健太 資源 3  31’38″61

総括

2023シーズンの締めくくりとして臨んだ記録会でしたが、思い描いていた結果には繋がりませんでした。箱根駅伝予選会からの秋シーズンも、チームとして殻を破れない試合が続きました。しかし、チームはこの反省を胸に、既に冬季練習を開始しています。来年が終わるとき「この経験ができてよかった」、そう思えるようにチーム一同気持ちを新たに取り組んでまいります。今後ともご支援、ご声援の程よろしくお願いいたします。

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【結果報告】PB更新多数!筑波大競技会⑦,⑧&10000m記録挑戦競技会 http://tsukuba-hakone.win/topics/competition_2023_autumn/ http://tsukuba-hakone.win/topics/competition_2023_autumn/#respond Wed, 06 Dec 2023 03:55:54 +0000 http://tsukuba-hakone.win/?p=7841 箱根駅伝予選会での敗退から1か月以上が経過し、選手たちはすでに来年を見据えて秋のトラックシーズンを過ごしてきました。筑波大学にとって、5000mと10000mを通したトラック競技の強化は、箱根駅伝本戦出場に向けた重要な課題となっています。

また、この期間にどれだけタイムを短縮して今年を締めくくれるかは、今後の冬季練習を積んでいく上でも大切です。箱根駅伝予選会での悔しさを受け、新体制となったチームで厳しい練習に取り組んできました。

今回は10月と11月に行われた筑波大競技会⑦と⑧について報告させていただきます。(担当:寺田、伊藤)


10/22 筑波大競技会⑦5000m

 この競技会には、主に予選会の選手にはなれなかったものの、トラックレースにシフトして練習を積んできた学生が出場した。夏には合宿を通してかなりの距離を走ってきており、十分な強化がなされている選手ばかりであることから、より多くの自己記録更新が期待された。1組目14分半前後を狙う集団と15分切りを狙う集団の2つに分かれてレースを進めるプランになっていた。

【1組目】

 レース序盤、14分半前後を狙う選手たちは、事前に選手間で打ち合わせていたように1000mごとに先頭を入れ替えながら、一列の集団を形成していた。また15分切りを目標とする集団では、駅伝主将の平山大雅(体育4)が予選会から日も浅いなか、ペースメーカーとして15分切りのために集団をリードした。

予選会の1週間後に後輩のために先導役を務める平山

前の集団が中盤あたりで分かれ始めてくると鍔颯人(体育2)、立野晴士(体育1)、堀口花道(体育2)の3人での先頭集団となる。3人のままペースを大きく落とすことなくラスト1周を迎えると、満を持したかのように堀口が先頭へ躍り出た。スパートの勢いを落とすことなくゴールし、自己新となる14’32”54をマークした。鍔、立野もラストでペースを上げ、共に自己記録を更新した。

互いに引っ張り合い記録短縮を目指す

堀口は夏までのレースでは思うような結果が出ていなかったものの、それを払拭するような力強い走りを披露してくれ、本人も自信を取り戻したようだった。15分切りを狙う集団の方もラスト1000mを切ってペースを上げた中山純静(体育3)、山本健介(人文2)が自己記録を更新した。

筑波トレインで自己記録更新を目指す(左から:小牧、伊佐、鍔、長谷川、立野、堀口)

 ここで取り上げたいのが山本だ。元来怪我が多く、今シーズン前半は1レースも出場が叶わなかったのだが、夏に入り目を見張るほどの急成長を果たし、その勢いとどまることなく箱根予選会出走メンバーにまで上り詰めたのである。

次のステージに向けて記録短縮は必須

そんな山本だが、5000mの自己記録は高校時にマークした15’30”のままであり、11月にある10000m記録挑戦会のエントリー条件となる14分台を出す必要があったため、予選会からまもなくだったが今レースに出場した。結果として危なげなくベストを40”近く更新し、本人も余裕があったと言っていたことからその成長が確かなものであることを示してくれた。

【2組目】

 2組目には本村春人(資源3)と大瀧圭佑(応理1)が出場した。両者とも今シーズン、練習を離脱していた期間があった。2組目は学外出場者が多く、1組目よりは望むレース展開になりづらいところがあったが、大学で初5000mとなった大瀧が高校時の自己記録を更新する走りを見せた。常に冷静に自己分析をし、自身の課題解決に対して地道に取り組む大瀧だが、ここから確実にステップアップしてくるだろう。

入学して初の5000mで自己ベストをマークした大瀧(左)

【堀口コメント】

怪我での離脱からのレースで不安もありましたが目標としていた自己ベストを出せて嬉しいです。
前半シーズンは記録を伸ばす事が出来ず悔しい思いをしたので後半シーズンは今回のレースの流れに乗り関カレB標準の14分20秒切りを目標に頑張ります。

【鍔コメント】

今回は自分たちで引っ張りあうレースでしたが、その中ではうまく結果に繋げることができたと思います。今シーズンもあと少しで終わるので、最後に良い締めくくりができるようしっかりと練習を積んでいきます。

〈筑波大競技会⑦試合結果〉

   着順 氏名  所属   記録  備考
 1 1  堀口花道  体育2  14’32″54 PB
 2  鍔颯人  体育2  14’35″14 PB
 3  立野晴士  体育1  14’38″15 PB
 4 長谷川健太  資源3  14’51″23
 5  中山純静  体育3  14’52″54 PB
 6  山本健介  人文2  14’52″54  PB
 7  熊谷秀人  国際3  14’57″33
 9  小牧直登  体育2  15’22″51
 10  小野木宏太  体育3  15’25″07 PB
 11  伊佐昂大  体育1  15’27″00
 13  源侑也 応理2  15’57″05
2  4  大瀧圭佑  応理1  15’54″17  PB
 5  本村春人 資源3  16’03″98

11/6 筑波大競技会⑧5000m

 この競技会は秋シーズンの最大目標を達成する上での踏み台として出場したレースであった。その意図が表れているのが、今回一部の選手が敢行した5000mの2レース連続出場の取り組みである。

10月後半から、チームは主に10000mを目標とするグループと、5000mを目標とするグループに分かれて練習しており、今回の取り組みは10000mを目標とする選手たちの10000mレースに向けてのものであった。

ここでの狙いは1レース目を最大負荷を課して走った後、時間をおかずに2レース目をスタートさせ、疲労状態でもペースを維持させて走り切ることにあった。筑波大競技会における初の試みは、身体的にも心理的にも一段上を狙う、まさにステップアップとしてのレースであった。

レース直前の集合の様子

【1組目】

 1組目がスタートし、14分半切りを目標としたイーブンペースでレースが進められる。3000m通過前で余裕のない選手が一列に進む集団から徐々に遅れを取り始めた。


一方、レース後に「余裕があった」と述べていた川﨑颯(体育1)、立野晴士(体育1)、堀口花道(体育2)、そして小山洋生(体育2)らは4000mまでペースを落とすことなく、淡々とした走りをみせる。

14分半以内を目指して後半は小山がリード

第2集団で自己ベストを目指す

ラスト1000m、激しい競り合いとなり、一着でゴールしたのは1年の川﨑。14’20”の好記録をマークした。

従来の自己記録を30秒近く更新して1着となった川﨑(1年)

続いて立野、小山、堀口がゴールし、立野と堀口は2戦連続での自己記録更新であった。またラストで粘ることができた小牧直登(体育2)、中山純静(体育3)、宮代和騎(体育3)も自己記録を更新した。

終盤の苦しい場面を粘ることで自己ベストに繋げた

【2組目】

 続く2組目。10000mグループの選手たちは1組目でゴールした後、数分のうちにゼッケンを付け替え、十分に息を整える前に再びスタートラインに立った。ここでは15分切りが目標とされ、比較的大きな集団でレースが進められた。

ここでも川﨑、立野の1年生コンビと2年の小山が躍動した。ラスト1周は猛烈な競り合いとなり、胸の差で川﨑が小山を交わし、14’58”79のタイムで再度組トップとなった立野も15’02”12でゴールし、今回の競技会での2連続5000mというミッションをほぼパーフェクトで完遂してみせた。川﨑と立野の1年生二人は入学してから飄々と練習をこなしてきたのだが、いまだその可能性に底が見えない。

 

2レース目にデッドヒートの末にゴールする二人

余談となるが、この二人の能力の高さは今年春に行った体力測定において既に数値として表れていた。筑波大では例年、体育専門学群の研究施設にて呼気ガス測定、血中乳酸濃度測定などを用いて現状の自身の体力を推し量る測定を行っている。具体的な測定値としては、VO2maxやOBLA、LT値などがある。この測定において、入学してまもない川﨑と立野であったが、二人はチーム内でトップレベルの数値を示していた。

 

未完の大器 1年生(川﨑と立野)の今後が楽しみ!


チームの方針として1年生は春シーズンに積極的にトラックレースを狙うことはないため、レースでの強さは未知数であった。秋シーズンになり、いざトラックレースの舞台に立った二人が今、数値として表れていた能力をいかんなく発揮している。ここから、どれだけのレベルの選手に成長していくのか。非常に楽しみである。

【川﨑コメント】

第8回筑波大競技会におきまして、14分20秒31で自己ベストを約30秒更新する走りができました。今競技会は、10000mを強化して行く上での通過点という位置づけではありましたが、その中でも5000m×2というタフな内容をイメージ通りこなすことができた点は良かったと思います。ただ、関東インカレB標準まであと0.31秒届かなかった点に悔しさが残ります。シーズンオフまで更なる記録更新を目指して頑張ります。応援ありがとうございました。

【立野コメント】

今大会において、5000mに出場し14’26”32の自己ベストを更新することが出来ました。調整の無いレースであったため、まだまだいける感覚を得られたことと、2本連続の5000mを通して10000mの記録向上に向けた力を確かめることが出来たことが今回の収穫です。川﨑には負け続けているので、切磋琢磨しながら力をつけてリベンジします。
今後とも応援の程よろしくお願い致します。

〈筑波大競技会⑧試合結果〉

【1組目】

 着順 氏名 所属 記録 備考
1  川﨑颯 体育 1 14’20″31  PB
 2  立野晴士 体育 1  14’26″32  PB
 3  小山洋生 体育 2  14’27″32
 4  堀口花道 体育 2  14’27″79  PB
 5  鈴木将矢 医学 2  14’39″07
 7  小牧直登 体育 2  14’46″46  PB
 8  中山純静 体育 3  14’48″59  PB
 9  宮代和騎 体育 3  14’49″53  PB
 10  丸子晴樹 工シス 2  14’51″39
 12  伊佐昂大 体育 1  14’58″04
 13  余村佑太朗 体育 1  15’02″44
 14  山本健介 人文 2  15’03″20
 15  長谷川健太 資源 3  15’18″91

【2組目】

 着順 氏名  所属  記録 備考
 1 川﨑颯 体育 1 14’58″79
 2  小山洋生 体育 2  14’58″83
 3  平山大雅 体育 4  15’01″16
 4 立野晴士 体育 1  15’02″12
 6  鈴木将矢 医学 2  15’07″51
 8  熊谷秀人 国際 3  15’14″85
 9  丸子晴樹 工シス 2  15’21″51
 12  斉藤一樹 体育 3  15’46″91
 13  大瀧圭佑 応理 1  15’49″03 PB
 15  源侑也 応理 2  15’59″03
 16  宮代和騎 体育 3  16’04″71
 19  小野木宏太 体育 3  16’24″29
 21  伊佐昂大 体育 1  16’46″20

 


〈11月19日10000m記録挑戦競技会〉

11月19日10000m記録挑戦競技会が国立競技場で開催されました。今大会は、誰でも出場できる大会ではなく、以下の記録を昨年4月以降に突破している必要があります。

5000m 15’00’’00未満、②10000m 30’45’’00未満

以上の参加標準記録を突破した13名の選手が、10000mのチーム平均記録を短縮すべく出場しました。

筑波大競技会⑧後から2週間の間、選手たちは10000mのレースを想定した練習を順調に積むことが出来ました。その成果を発揮し、目標記録を達成すべく、自分自身に対して果敢に「挑戦」するといった目的を持って各々がレースに臨みました。

今回は、その結果を報告させていただきます。(担当:宮代)


10月14日の箱根予選会敗退から1か月が経過した。4年生が引退し、新チームとしての最初の公式戦の試合となった。

箱根駅伝本選出場を逃し、大きな目標を失った私たちは「全日本大学駅伝出場」を目標に、来年6月に行われる全日本大学駅伝の選考会を勝ち抜くことを決心した。しかし、その選考会に出場するためには「チーム上位8人の10000m記録」を出場校20位以内に入る必要があるが、筑波大学は11月17日時点で26位。このままでは全日本大学駅伝はおろか、選考会の参加出場権さえも得ることが出来ない。

そして、来年の春シーズンは関東インカレの開催や4年生の就職活動、教育実習期間に加え、暑さによる気候の影響も考えると、10000mの記録短縮に専念できるのは、夏~秋の強化の成果を存分に発揮できる、年内の試合が最大のチャンスとなるのだ。それを自覚し、チームでは箱根予選会後からトラックレースに向けた強化を行ってきた。

選手層が未だ課題として挙げられる中で、体調不良や怪我の影響で試合の出場が叶わなかった選手が多かったことは非常にもどかしいが、出場した選手たちは「自分が記録を短縮するんだ」という強い覚悟を持って試合に臨んだ。

【2組目】

2組目には、熊谷(国際3)、小牧(体育2)、山本(人文2)、余村(体育1)の4名が出場した。この組は30分30秒切りを目標にしている選手が多く、先頭は1000mを2’58、2000mを6’00で通過した。ところが、集団が牽制し合いペースが一気に落ち、3000mを9’08で通過した。このペースの変動に対応できず、3000m手前で小牧が、4000m手前で熊谷が、集団から大きく離されてしまう。

一方で、山本と余村は、先頭集団に反応し、積極的に前方でレースを進める。2人は5000mを15’17で通過し、後半の更なる追い上げを図る。しかし、6000m手前で山本がペースを一気に落とし第2集団に飲み込まれた。余村は6人の先頭集団の中でうまく集団の流れに乗りながら、8000mを24’34で通過するがペースアップに対応できず少しずつ遅れを取った。

初10000mとなった1年生の余村が30’50’’59の力走。その後方で山本が31’22’’32、小牧が32’50’’79、熊谷が32’56’’04でゴールした。30’30切りという目標に届かず、悔しさと課題の残るレースとなった。

先頭にぴたりと付く余村と山本

果敢に前を追う熊谷と小牧

【4組目】

4組目には、中山(体育3)、鍔(体育2)の2名が出場した。2人は29分台を目標にレースに挑んだ。

中山は序盤目標としていた30分切りに向けて果敢に先頭集団に食らいつく。中山はこれまで後方でレースを進め後半にかけてペースアップするレーススタイルが多かったが、この日は積極的に集団に食らいついていく姿勢を見せた。後半は暑さもあり粘りの走りになったが、新最上級生としての心意気を感じさせる気迫の走りで、30’56″56 でゴールした。

鍔は夏合宿から順調に練習をこなし直前のレースでも自己記録を更新し波に乗っている選手だったが、直前に体調不良に見舞われ状態を確認するレースとなった。暑さも目立つ昼のレースということもあり、ゴールタイムは32’08″91と苦しい走りになったが、この経験を次に活かしてくれるはずだ。

前半から積極性を見せた中山

集団の中で走る鍔

【5組目】

5組目には、長谷川(資源3)、宮代(体育3)、鈴木(医学2)、堀口(体育2)、丸子(工シス2)の5名が出場した。いずれの選手も29分台を目標にしてレースに臨んだ。集団前方に、宮代、鈴木、堀口、丸子の4名、集団後方に長谷川が位置し2000mまでは3’00/㎞を切るペースで推移した。

先頭集団のペースが落ちたタイミングで、堀口が先頭に立ち積極的に集団を引っ張る。ペースの変動により3000m過ぎには集団がばらけ、堀口、丸子、鈴木の3名は先頭集団に反応し、先頭集団を形成した。反応に遅れた宮代が第2集団に、キツい表情の長谷川はその後方に位置した。

前の3人は、うまく集団の流れに乗るも、5000m~7000mにかけて先頭集団から少しづつ離されていく。その後方の宮代と長谷川もひたすら粘る時間が続いた。そのまま順位を上げられず、鈴木30’41’’52、丸子30’47″12、宮代30’47″89PB、堀口30’54″96、長谷川31’43″07という結果になった。これまでの練習を順調に積めていただけに、5人の表情には悔しさがにじんだ。

積極的に先頭に立ってレースを進める堀口

3人で果敢に前の集団を追う(宮代、丸子、鈴木)

【7組目】

7組目には、川﨑(体育1)が出場した。川﨑は入学以来大きな怪我なく順調に練習を継続してきた。もともとのポテンシャルの高さは弘山駅伝監督からも一目置かれる大器だ。直前の記録会でも5000mの自己記録を30秒近く更新しており、本人はこの記録会で関東インカレB標準の突破を目標にしていた。

レースは帝京大学の集団がハイペースで引っ張る展開になったが、川﨑は落ち着いて対応する。5000mを14’31”のハイペースで通過した後も淡々とペースを刻んだ。ラストは集団の中での競り合いとなった。ゴールタイムは29’33’’88と、関東インカレB標準を突破する有言実行の走りだった。この日も、彼のレースでの能力発揮力の高さを見せてくれた。

ハイペースな先頭集団に食らいつく川﨑

【10組】

10組目には、小山洋(体育2)が出場した。28分台を目標に、前半から積極的なレースが求められた。小山は前半から先頭に近い位置でレースを進めた。箱根駅伝出場校の主力と前半は肩を並べるレースとなったが、後半から徐々に苦しいレースとなった。

ゴールタイムは30’06’’49であったが、前半の5000mを14’30で通過し、28分台に向けた経験を積むことが出来た。2年生ながらチームの主力として関東インカレや箱根駅伝予選会を経験してきた小山は、この悔しさをシーズン最終戦にぶつけてくれるはずだ。

小山洋は前半から積極的に28分台ペースを経験した。

【10000m記録挑戦会試合結果】

 組  順位 氏名 所属 記録 備考
 2  6 余村佑太朗 体育1 30’50″59 PB
2 10 山本健介 人文2 31’22’’32
2 19 小牧直登 体育2 32’50″79
2 20 熊谷秀人 国際3 32’56″04
4 12 中山純静 体育3 30’56″56
4 21  鍔颯人 体育2 32’08″91
5 13  鈴木将矢 医学2 30’41 ”52
5 14 丸子晴樹 工シス2 30’47″12
5 15 宮代和騎 体育3  30’47″89 PB
5 18 堀口花道 体育2 30’54″96
5 26 長谷川健太 資源3 31’43″07
7 8 川﨑颯 体育1 29’33″88 PB, 関カレB標準突破
10 16 小山洋生 体育2 30’96″49

今回は箱根予選会後に行われた2回の筑波大競技会と、11月19日の10000m記録挑戦会の結果を報告させていただきました。

2回の筑大競においては多くの自己新記録が生まれたりと、ここまでの練習の成果を実感できる良い機会となりました。その一方で、全日本大学駅伝予選出場の記録短縮を目的に出場した10000m記録挑戦会では、設定していた目標からは程遠く、悔しさと課題の残る試合となりました。

好記録を出す仲間の存在と目標に届かなかった悔しい思いとが新たなモチベーションとなり、年内最後となる12月初旬のレースに向けて気持ちを切り替え、良い雰囲気で練習に取り組めています。今現在ステップアップしている選手たちが、今シーズン残る数試合で目標にチャレンジする様子を応援していただけますと幸いです。

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http://tsukuba-hakone.win/topics/competition_2023_autumn/feed/ 0
第100回箱根駅伝予選会を戦い終えて(駅伝監督レポート) http://tsukuba-hakone.win/topics/hakoneekidenn_yosen_2023-10-14/ http://tsukuba-hakone.win/topics/hakoneekidenn_yosen_2023-10-14/#respond Tue, 17 Oct 2023 06:21:22 +0000 http://tsukuba-hakone.win/?p=7789 第100回箱根駅伝予選会が終わりました。結果は下表の通り、総合10時間49分07秒の20位で、予選突破を果たすことができませんでした。

1kmで古川が捻挫し、痛みを抱えたままの戦いになった他、8km付近では、富山と丸子が前の選手たちの転倒に巻き込まれて転倒するアクシデントがありました。

悔やまれる要因はありましたが、予選通過となる13位とは、9分20秒という大きな差(開き)には、悔しい感情というより、いろんな意味で実力不足を突き付けられた気がします。

この“いろんな意味で”ということを説明できる考察になればと、今回の箱根駅伝予選会のを振り返ってみたいと思います。

▼気象条件が好転したことによる記録向上

昨年は、多くの選手が高温多湿の気象条件に苦しめられ(どちらかというと多湿)、各校ともタイムは伸びませんでした。下表は、昨年(99回大会)と今年(100回大会)の記録を比較したものですが、右列のタイム短縮で示すように、大幅な記録の向上が見られました。

100回記念大会という意気込みの表れだとは思いますが、気象条件の違いが、この記録向上の最大の要因であることは間違いありません。

気象コンディションの比較をすると、

・2022年 99回大会:気温20℃→21℃ / 湿度85→75%
・2023年100回大会:気温16℃→18℃ / 湿度55→50%

不快指数で表すと、昨年は68を超えていたが、今年は60程度でした。相当に走りやすい気象条件であったことがわかります。

各大学が軒並みタイムを短縮したのもうなずけますが、それにしても、予想以上の記録向上でした。昨年との比較では、通常の予選通過ライン10位の記録が10分57秒、記念大会の今年の通過13位で12分15秒も短縮されています

エースとして不完全燃焼と言える走りだった平山駅伝主将

▼予選通過圏外からの驚異的な巻き返し

昨年の予選敗退から今年 予選突破を果たした日本大、神奈川大、中央学院大、東京農業大、駿河台大は、12分~16分もの記録短縮を果たしています。一人、1分12秒~1分36秒も短縮している計算です。

2年連続トップ通過の大東文化大学が7分00秒(一人42秒)の短縮に留まっていることから、全体(予選通過圏外)のレベルアップが図られたことは明らかです。予選通過圏外の大学は、予選通過圏内にいる大学に比べて、記録短縮が倍近い驚異的な伸び率になっています。

それに比べて、筑波大学は4分43秒しか記録を短縮することができませんでした。昨年と今年の気象条件の違い(好転)から、この程度のパフォーマンスアップでは、太刀打ちできるわけがありません。実際に、筑波大が今年13位になって予選通過するには、14分04秒の記録短縮が必要でした。

ですから、さらに約10分(一人1分)の短縮が求められたわけです。さすがに・・・それは無理だよ!と言いたくなりますが、現に、4校はそれを成し遂げているわけですから、伸び幅の限界や程度を、自分たちの尺で測っているようでは、現代の箱根駅伝には置いていかれるだけだと痛感しました。

レース前半を予定通り通過する藤原(左)と金子(右)

▼1万mの走力が表れた今年の予選会

ただ、今回のチーム力を、エントリー選手10人の1万m平均タイムで比較すると、筑波大学の成績は妥当であったと言え、10000m持ちタイムの上位13校がそのまま予選通過したようなかたちになっています。唯一、10000mランキング3位の東京国際大と16位の駿河台大が入れ替わっただけです。

今年の予選会は、トラック種目の走力がそのまま表れた結果だということが言えると思います。予選会10位以内で見ると、日本大学の29分19秒が最も遅いタイムになり、さらにその上にシード校10大学がいることを考えると、唖然としてしまいます(唖然としているようでは駄目ですが・・・)。

筑波大学は、1万mランキング22位のところを20位なので、健闘したと思われる方はいると思いますが、毎年、このランキング順位を7校ほど逆転してきたので、今年は9校を逆転する気持ちで強化に励んできました。

1万mの記録通りになった今年の予選会において、筑波大学は順当な結果だったと受け入れるべきなのかもしれませんが、我々の熱意とは遠く離れた結果だったと言っておきます。

気象条件が悪くなる=高温多湿の場合は、暑熱馴化とスタミナが必要になるため、10000mのランキング通りに決まるとは限りませんが、来年に向けては「10人平均で29分20秒という記録を目標にしていかなければならない」と覚悟を決めて取り組んでいきたいと思います。

レース終盤に苦しむ金子

▼筑波大学が10000mの記録を伸ばすのは大変

ただ、それが筑波大学にとっては至難の業であることを少し説明したいと思います(諦める気はありませんが)。下表を見ていただくとわかりますが、今回エントリーした14人の高校時代の5000m平均タイムが15分18秒で、予選会で10番目までに入った10人の高校時代の5000m平均タイムは、なんと15分16秒でしかありません

第100回予選会の出場校でかなり遅い部類に入り、後ろから数えたほうが早いと思います。もしかしたら、箱根駅伝出場を目標に掲げている大学の中では最下位かもしれません。そのくらい低いタイムだと思います、

その選手10人が持つ現在の10000m平均タイムが29分53秒です。ここまで引き上げている事実は、学生の努力を示すものだと思いますが、それを来年までに10人の10000m平均タイムを29分20秒に伸ばすのは、相当な努力の上積みが必要で、大変な作業が待ち受けるであろうことが容易に想像できます。

そんなことを言っても始まらないので、そこを目指して、今から早速、具体的な目標値として向き合っていきたいと思います。

高校時代の記録を更新し続けて予選会で戦う長井

▼一万mの記録通りの結果ではなかった筑波大学

今回、涼しい気象条件だったので、10000mの記録がそのままハーフマラソンのパフォーマンスに反映されやすいと前述しましたが、筑波大のチーム内の成績(順位)では、その通りになりませんでした。

10000mチーム内ランキング9位の塚田がチームトップで、ランキング7位の1年生 川崎がチーム5位、ランキング11位の長井がチーム7位という結果になっていることが、今回、20位に留まった理由であることが結果(チーム内順位)から見えてきます。

塚田は、ロードになると急激にパフォーマンスを上げる選手ですが、10000mで9番目の走力しか有さない選手であることに変わりはないので、この逆転現象が起こった事実に目を向けなければなりません。直近(9/23)の記録会でも6位だった選手が、ハーフマラソンでチームトップになるのは、チームの実力発揮度から言って、あってはならないことです。

ロードで強さを発揮する塚田

つまり、塚田の快走を褒める一方で、その他の10000m走力上位者の不甲斐ない走りを叱責する必要が出来てきます。まあ、私の指導にも何らかの問題があるはずなので、もちろん叱責はできませんが、少なくとも塚田より4人は速く走らなければなりませんでした。

つまりは、63分36秒以内に4人がいたことになり、ここに記録の伸び幅を小さくした最大の要因がある考えられます。もちろん、タラレバの話であることは承知の上で、パフォーマンスが低調に終わった考察という立場での言及であることを理解していただきたいです。

塚田が走り過ぎたのか!?という議論もなくはないですが、陸上競技の世界で、“まぐれ”はありません。塚田が100%の力を発揮できたとして、上に来るはずの4人の実力発揮度が低かったと言って問題ないと思います。それは、それまでの練習過程を知る指導者として断言できます。

力を出し切れなかった次期エースの小山

同じことが、1年の川崎颯を基準にして言えることがあります。川崎は、夏の選抜合宿に唯一残った1年生です。ランニングフォームは課題だらけですが、天性の素質と強い筋腱に支えられて、スポーツ障害を回避しながら順調に力を付けてきました。相当な選手になる可能性を秘めている学生です。

高いポテンシャルを有する川崎。初ハーフを難なくこなした

ただ、1年生なだけに、ハーフマラソンとなると、持久力の観点から走力評価は下がります。練習においても、20kmを超える距離の練習では、後半のパフォーマンス低下が顕著に表れていました。だからこそ、1万mのPBや長距離走の練習状況、経験値を加味すると、長井や古川、富山などは川崎よりも上の順位でゴールしなければならなかったはずです。

コツコツと努力を重ねて強くなり、予選会で力走した富山

▼不発に終わった持久力

毎年9月末に実施する1万m記録会は、予選会のレース後半の粘りを確認するために、敢えて調整せずに臨ませています。9月23日の結果からは、例年よりも手応えを掴むことができていました。「持久力に不安なし!」という判断をしたわけですが、今回の予選会では、後半の失速が目立ちました。

それは何故か?正直に言うと、現時点でその答えは出ていません。持久力はあっても、スピード持続力(←レース速度の)が不足していたということになるのでしょう。速いペースを持続する練習が足りていなかったのだとしたら、今回の涼しい気象条件下のハーフマラソンでは、その不足が如実に表れてしまったような気がします。

1km過ぎの捻挫で不本意なレースとなった古川

しかし、毎年、同じような練習過程を踏んで、予選会でスピード持続力勝負でも負けていなかった卒業生のことを思い出すと、そうではないとも思えてきます。ここは、きちんと検証して、悶々と進んでいくことがないようにしたいと思います。

さらに敗因を挙げるとすると

▼薄い選手層

薄い選手層という表現を使うのは、トラック種目の走力が高い選手が少ないという意味です。前記の表の通り、高校時代に5000mで15分を切っている選手は少ないです。現在までに記録を伸ばし人数は増えているのですが、箱根駅伝予選会で戦うためには、最低でも14分半を切ることが必須条件ですし、さらに、そのレベルを向上させる必要があります。

現状は下表の通りなので、これでは、1万mの10人の記録を29分20秒まで持っていくのは不可能です。

そこで、上表の下部に示したような内訳で、来夏までに14分半以内の選手25人を揃えて、箱根駅伝予選会を戦う準備に入っていく必要があると思っています。

▼選手層を薄くさせるスポーツ障害の発症

今回は、ハーフマラソンでは絶大な信頼があるエース皆川の怪我による欠場も響きました。皆川がいて、塚田の前に5人がゴールしていれば、状況は一変していたと思えてきますし、3年生の吉田も予選会のエントリー後にスポーツ障害を発症してしまい、戦力外になってしまったことも痛かったです。

また、他にもスポーツ障害発症に伴う練習離脱者がいて、選手層が薄くなってしまっている現状があります。期待を込めて名前を挙げれば、3年:長谷川、2年:鍔・大津・堀口・松浦、1年:伊佐・立野・余村、などがそうです(他にも可能性のある学生は多いです)。高いポテンシャルを有する彼らが予選会の選手争いに絡めなかったことが、チーム力の低下を招いた要因の一つと言えると思います。

夏から急激な成長を遂げ選手になった山本

在籍する選手の層が薄いわけでは決してありません。スポーツ障害発症が招く選手層の希薄化をどう防ぐかが重大な問題として、常に立ちはだかるのが筑波大学なのです。

理由は様々です。高校までに経験のない練習量の多さ(キャパオーバー)、選手自身の筋腱骨の弱さ、ランニングフォームの課題、文武両道によるケアに費やす時間の足りなさ、睡眠時間の少なさ、など挙げられます。

これらの課題に対策を講じてはいますが、カラダが追いついていない現実があります。授業の忙しさを考慮してのグループ化を図るなど、この機会に考えていきたいと思っています。

2年生まで怪我に苦しんだ宮代も3年生となって急成長

▼どのような成長過程を踏ませるか

学生自身の成長と予選会で戦えるチームになることは、イコールではありません。ハッキリ言うと、成長速度の話です。

例えば、高校時代に5000mで15分台だった学生が、小さな自己新を積み重ねて、14分台を出したとしても、予選会で戦えるチームにはなりません(翌年を見据えての強化なら問題なし)。その年の予選会で戦うには、直近の記録として前述の14分半以内に成長し、さらに、上の成長を遂げる選手育成をしなければならないのです。

指導者として教育者として、それぞれの側面に立つ身としては、両面に挟まれてのジレンマが生じてきます。その両面を簡単に表現するなら「怪我無く安全に成長を促すが予選会では戦えない」「リスクを承知の上、予選会で戦うチームを作る努力をする」という狭間で活動していくことになります。

5000m 14分台の選手が多く入学してこない “筑波大ならでは” の苦悩がここにあります。でも、だからこそ、学生の成長を育む環境であると言えると思います。

文武両道を貫きながら努力する丸子

この部分は、筑波大学にとって、永遠のテーマです。詳細は割愛しますが、シーズン中、常に自問自答を繰り返しています。学生たちも、きっと同じです。「僕は、どういう道を辿って成長していけばよいのか」と。

でも、その岐路に立つ学生に、最初から正しい答えは用意されません。「進んだ道を正解にする」強い意志で、目標を達成し続けていくしかないのです。

筑波大学には、そういう気概を持った学生たち多いです。だから、(競技力で言えば)雑草集団のような弱小チームが、箱根駅伝を目指すことができるのだと思っています。

スタート前にエンジンを組み健闘を誓いあう学生たち

今年は惨敗と言える結果に終わりましたが、来年に向けて必ず巻き返します。

そのために、今回の敗因がどこにあるのか?をハッキリさせなければなりません。

多く存在するであろう課題を明確にし、一つ一つ潰していく作業を始めていきたいと思います。

これまでも多くの方々にご支援と応援をいただいているので、今回の予選敗退は、期待を裏切るかたちとなり申し訳なく思っています。

でも、箱根駅伝を目指して、苦労しながらも学生たちは文武両道を元気に(ときには疲弊して)邁進しています。そんな学生たちの活動は、皆様のご支援に支えられ、充実したものになっています。本当に有難く思っています。

皆様の支援で成り立つ活動の充実化を競技成績に変換できるよう、私自身も精進を重ねていく所存ですので、今後とも応援をよろしくお願いいたします。

予選会終了後に応援に駆けつけてくださった方々へ挨拶する筑波大チーム


箱根駅伝出場を目指す国立大学の本気の挑戦!
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私たちの箱根駅伝を目指す活動は、
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勝負の夏は第3次強化へ!日々の分岐点に向き合う学生たち! http://tsukuba-hakone.win/topics/report_summer_camp_2023_1/ http://tsukuba-hakone.win/topics/report_summer_camp_2023_1/#respond Tue, 22 Aug 2023 13:50:22 +0000 http://tsukuba-hakone.win/?p=7726 ▼厳しさを増す箱根駅伝の予選突破

今年度、第100回記念大会を迎える箱根駅伝は、隆盛を極めるかのうように素晴らしい発展を遂げてきた。その注目度と人気の高まりは、止まりのない青天井のようだ。

箱根駅伝がもたらす様々な恩恵があるからこそ、各校は箱根駅伝に力を注ぐのであろうが、社会が少子化に向かっていることを感じさせない「参戦する大学の増加」には驚くばかりである。

今度の箱根駅伝予選会は、記念大会として予選通過枠が特別に3校増やされる(予定?)。予選突破の圏内にいると目される大学が20校以上にもおよぶ今、この群雄割拠の箱根駅伝予選会を通過する絶好のチャンスが訪れることになる。各校の熱の入れようが半端ないでことは容易に想像できる。

その象徴の一つが、予選通過圏内と目される大学のほとんどが、外国人留学生を擁して予選突破を目指し始めているところに表れている。

予選会がさらにハイレベル化するのは必死で、群雄割拠状態に益々拍車がかかるのは間違いない。我が国立大にとって、さらなる厳しい戦いを覚悟せざるをえない状況に、気を引締めざるをえない。

その激戦の予選会に、東京国際大学や帝京大学、明治大学、中央学院大学など、シード校並みの実力を備える顔ぶれがあるのだから、3つの増枠に、チャンス到来という気分は全くないというのが正直な気持ちである(すくなくとも本学にとっては)。

▼近年の惜敗からは記念大会ならチャンス!?

筑波大学は、2019年に予選突破を果たして(予選会6位)以降、予選通過にあと僅かの年が続いた。

2020年:11位(10位と18秒差)
2021年:13位(2分33秒差)
2022年:15位(4分55秒差)

年々順位を落とし、10位とのタイム差も拡がっている。だが、この差であれば、13位までが予選通過する今年は圏内に入らなければならないと思っている。

いやいや、そんな流暢な気分にはなれない。年々 拡がるタイム差に加えて、外国人留学生を加入する大学が増えていることを考えると、さらなる成績下降は免れないという見立てをしなければならないだろう。

今春、筑波大学は、全日本大学駅伝関東予選会への出場を目指した。8人の平均を29分34秒56という、筑波大学では史上最高記録に引き上げた。

しかし、シード校を除く上位20チームに入ることができず、補欠3番目の23位甘んじた。他大の記録向上は驚異的で、つまりは、関東での1万mの実力(8人)では、全日本大学駅伝のシード8校を含めると31番目となる計算である。

▼夏に逆転する筑波大学

仮に、ランキングそのままを春のチーム力とした場合に、箱根駅伝予選会では(箱根のシード10校を除くので)21番目の評価となる。つまりは、本学より上位の8校に勝たないと予選突破できないことになる。

実は、昨年度も全日本大学駅伝関東予選会も補欠3番目の23位で出場できなかった(今年度同じ)。春時点での1万m走力では関東31位(箱根駅伝予選会出場校では21位)のランキングながら、箱根駅伝予選会では15位になっている。

全日本大学駅伝のシードは8校、箱根駅伝のシードは10校なので、全日本大学駅伝予選の1万mの申し込み記録順に2校マイナスとなるのが、箱根駅伝予選会の1万mランキングである。

年度別に「春時点の関東での1万mランキング」「その年の箱根駅伝予選会の成績」表すと

年度 春時点の1万m
箱根予選会
ランキング
箱根駅伝
予選会順位
夏を経て
の逆転数
2020 17位 11位 6校
2021 20位 13位 7校
2022 21位 15位 6校
2023 21位 ?位 ?位

1万mからハーフマラソンという距離の違いはあるのせよ、筑波大学は春の1万mランキングに対して、毎年、夏を越して7校前後を箱根駅伝予選会では逆転していることになる。

このような例年に習い(希望を持って)、春からの逆転劇を懸けた戦いが7月から始まった。勝負の夏に突入である!

なぜ筑波大学が夏に成長を遂げることができるのか?
なぜ夏が勝負なのか?

▼待ちに待った夏休み

学期中は、授業や研究が忙しい(筑波大学だけが、そうだと言うつもりはさらさらないことは、予め断っておく)。

現在、男子長距離ブロックの所属する学生の4割以上が体育専門学群以外であり、それらの学群は授業が6限(18時)まであることが多い(ちなみに、体育専門学群の授業は5限まで)。

そうなると、練習の開始時刻は18時15~30分である。そこから練習をこなすと、終わりは20時を過ぎる。宿舎に帰って、夕食後に課題やレポートに向かうとなると、いったい、就寝時刻はいったい何時になるのか。

そして、翌朝の6時に朝練習の集合がある。こんなハードな生活で、トレーニング効果を獲得し続けるには、相当な努力が必要だと感じる。いや、至難の業かもしれない(でも、実際は、筑波大学の学生たちは、やり遂げている)。

ましてや、春は、日に日に気温が上昇していくので、忙しさと相まってカラダを消耗させている可能性もある。春学期に記録が伸びにくい状況にあるのは、そういうことなのだろうと思う。

だから、待ちに待った夏休みなのであり、

陸上競技に没頭できる日々は、学生たちにとって、待ち焦がれた「伸びる夏」「強くなれる夏」なのである

これが、筑波大学が夏に勝負をかけて、箱根駅伝予選突破を狙う理由である。

理由は、もう一つある。

▼選手育成の流れの中で迎える夏

筑波大学陸上競技部(男子長距離ブロック)には、競技実績が高くない高校生が入部してくる。素質はあるが、高校で花を開くような部活動ができなかった可能性があるのかもしれない。

仮に、そうだとすれば、時間をかけて成長を促せば、箱根駅伝予選会で戦うことができるレベルには到達することができるはずだ。

そのため、筑波大学に入学してくる学生たちには、基礎から作り上げるプロセスは欠かせないのである。

その基礎作りは、ただ単に体力を上げることではない。トレーニングを消化するための基盤となるカラダ作りが必要で、筋腱や骨の強化が先決となる。人間のカラダ(組織)は、負荷をかけないと強化されない。少ないトレーニングで強いカラダを作ることは、ハッキリ言って不可能。

そこで、筑波大学では、シーズンを期分けして、選手育成をしている

第1期(冬季)
基礎鍛錬(筋腱強化、総合体力養成)

第2期(春季)
スピード持続力養成(スピード走の強化、フォーム改善)

第3期(夏季)
走り込み(脚づくり、最大酸素摂取能力の向上)

第4期(秋季)
長距離走におけるパフォーマンスの最大化

第3期までが上手くできた時に、第4期で最高のパフォーマンスが発揮されるのだ。いづれかの期間で練習が途切れると最大値が下がるのは当たり前である。

今は、この第3期目の真っ最中。カラダへの負荷が1年で最も高くなる走り込みが敢行される期間である。

1年生は、入学してしばらくの間は、第1期のトレーニングを積むので、第2期が必然的に短くなるので、第3期を乗り越えるのは、なかなか大変だと思う。

▼勝負の夏は、合宿を重ねてステップアップ

夏の強化は9月末までになり、その期間を期分けし、それぞれの期でトレーニングの狙いや獲得したい体力を明確にしている。

第1次強化はすでに終了し、8月から第2次強化、そして、現在は第3次強化となっている。第3次強化から選抜合宿に入っていくのは、例年のパターンである。

我がチームは、様々な工夫をしないと複数回の合宿を実施することができないので、下記の条件が整う地域を探してきたが、今では、合宿の実施場所は定着している。

①滞在費が安くなる国営宿舎がある、または、②自治体から合宿誘致の助成金がある地域
②涼しい気候が期待できる地域
③丘陵地域

という条件で合宿地を選定し、トレーニングの費用対効果を最大限に高めることを目指している。費用を安く抑えることができれば、滞在日数や合宿回数を増やすことができるからである。今年は、6回の合宿実施を目標に、関係者の方々に協力をお願いしている。

以前まで実施していたクラウドファンディングを、昨年から継続寄附型サポーター制度に切り替えて、継続したご支援をお願いしている。その支援の恩恵は計り知れないものがある。本当に有難い限りです。

<筑波大学箱根駅伝復活プロジェクト・サポーター制度>
「文武両道で箱根駅伝を目指す!筑波大学が「継続寄付」で育む応援の輪」
https://blog.readyfor.jp/n/nc12c9a1ffbe0

▼チームが強くなるための夏合宿

現在は、選抜合宿中だが、選抜選手と言っても、筑波大学では、走力の差が大きい。ここに一筋縄ではいかない難しさがあるのが、筑波大学の選抜合宿になる。

レベルが低い底辺を引き上げること(底上げ)が鍵を握るのが、最近の予選会の成績で示されている。

チーム内の上位5人は他大と戦えるが、下位5人は戦えていない。合宿では、上位選手の走力をさらに伸ばしつつ、チームの底上げも図ることが求められる。

「競技力が高い選手が多い」「中位以上で実力が拮抗していて人数が多い」ならば、皆で一緒に!という方法が可能だが、走力に差がある場合、全員を強くするのは、なかなか大変な作業になる。その差が大きいのが筑波大学の特徴である。

言っておくが、私を含め、チームの皆がそれを悲観していない。学生たちは、むしろ、このチーム状況を受け入れている。「全員競技活動=多様な価値、各々の成長とスキルアップ」ということを身をもって知っているからである。

▼学生主体の合宿進行

「この難解な工程をどうプロデュースして、アレンジしながら進めるのか?」そのためには、学生同士の議論(ミーティング)が欠かせない。

その日その日の状態を確認し、グループ形成とシミュレーションを重ねるのだ。このグルーピングと練習の負荷設定は、夏特有の気候により、さらに難しくなる。暑さに強い・弱い、スタミナの有無など、考慮すべき点が増えるからである。

学生が選手としての自分自身をどれだけ正しく評価できるか、チームメイトのことを気にして評価しているか。その評価をテーブルに並べて、練習の組み方を工夫し、方向性を定めていく作業の繰返しの毎日になる。

結局は学生たちに任せる部分を増やしたほうが良いと私は思っている。

指導者の客観的な目と分析が欠かせないのは当たり前としても、学生たちの主観的評価や予測を尊重し、「仲間と共に強くなる」という意志を信頼し、瞬時の判断や考察力、チームワークを育むようにしている。

▼毎日が分岐点

我々の活動(競技)は、常に分岐上に立っている。「今を分析・評価し」「今後を予測し」「その予測から何を考え」「実際に何をするのか」そんな評価と思考、選択、実践を回しながら連続で進んでいくのだ。結局は、PDCAサイクル(Plan-Do-Check-Act cycle)の機能になる。

サイクルだが、通り過ぎた分岐点には戻れないと思ったほうがよい。それくらいの真剣勝負の毎日(分岐の瞬間)だと思う。

チームメイトの数だけ、体力や走力の差だけ、主観的・客観的な評価と意見は増える。PDCAサイクルの中は混沌とするはずだ。だが、それを迷いにしない確信へと変えるチームワークによって、次々と現れる難解な分岐点を通過していく必要がある。その先に、箱根駅伝予選突破があるのだ。

箱根駅伝予選会が、あと50日ほどに迫る今、学生全員がそれぞれの目の前にある分岐点をどう進むのか、チームとしての分岐点を誤らずに選択していく議論と意思の統一ができるのか、緊迫した状況が続く。だが、学生たちには、この緊張感を楽しむ余裕を持ってもらいたいし、持たせたいと思う。

10月14日、「各分岐点で間違わない選択をしてきた」と振り返ることができるように導いていくのが私の役目。コーチングは“導き”と言われる所以でもある。

そういう思いで、学生と共に、毎日の分岐点に向かっていきたいと思います。応援よろしくお願いいたします。

筑波大学 陸上競技部
男子駅伝監督 弘山勉


箱根駅伝出場を目指す国立大学の本気の挑戦!
サポーター募集中!

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頑張る学生たちの伴走者(サポーター)として応援していただける方を募集しております。よろしくお願いいたします。


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【結果報告】上半期の締めくくり!ホクレンDC、順大記録会に多数の学生が出場!! http://tsukuba-hakone.win/topics/report_competition_202307/ http://tsukuba-hakone.win/topics/report_competition_202307/#respond Mon, 14 Aug 2023 06:41:24 +0000 http://tsukuba-hakone.win/?p=7682

7月に入り、選手たちは今季のトラックシーズン前半最後となるレースに出場しました。その一つである順大記録会は、毎年、チームの選手多数が出場する大会で、この時点でのチームの立ち位置を確認する重要な意味合いを持っています。今回の記録会で14’30切りを目指した18名は、6月の学内レースで悔しい結果を受けた後、例年以上に厳しい練習を乗り越えスタートラインに立ちました。

ホクレンディスタンスチャレンジ大会には、チームを代表するエース2人が出場しました。他大学のエースや実業団選手たちが多く出場するこの大会は、記録を狙うには貴重な機会であり、どこまで記録を伸ばせるかが期待されました。

六大学対抗戦には、1年生の2人が出場しました。例年1年生が出走することが多い今大会での選手の頑張りは、夏合宿に向かうチームに勢いをもたらします。今年の1年生が他大学に対してどこまで勝負できるかが期待されました。

今回は7月に開催されたこれらの大会の結果について報告いたします。(担当:伊藤、寺田)


7/5, 12 ホクレンDC深川大会・北見大会

ホクレンDCには例年チームのエース格が出場しており、今年はスピードに自信のある吉田(体育3)とエースとしての座が固まりつつある小山洋(体育2)が北の大地へと飛んだ。

今大会に出場する目的は、北海道の冷涼な気象コンディションのなか、実業団選手や各大学の主力選手が数多く出走するレベルの高いレースで自己記録を更新することにある。また、今年は新たに電子ペーサー「ウェーブライト」が全レースで導入されることもあって、大幅な記録更新が期待された。

チームからはまず、小山洋が5日に行われた深川大会の5000m(B組)に出場した。当日のコンディションは、最高で30℃を超すほどの暑さとなった。1日に行われた士別大会が10℃台で推移していたことを考えると、天候には恵まれなかったといえる。

レースでは、通常のペースメーカーに加え、ウェーブライトによってライトの色別に3つのペース設定が用意された。13分台を狙う小山は、序盤から同じく13分台を目標とする集団の中でレースを進めていった。2000m過ぎに集団が分かれ始め、小山は後続の集団に位置した。暑さの影響か、周回を重ねるごとに集団は崩れていき、小山のラップタイムも落ちはじめる。先頭が13分台を記録したなか、小山は組8着でゴールし自己記録更新とはならなかった。

時系列が前後してしまうが、順大記録会の後の12日に行われた北見大会5000m(D組)に吉田が出場した。小山が出場した深川大会とは打って変わって、この日の天候は雨となった。ウェーブライトの設定は14:05と14:15の2つが設けられ、記録更新に期待がかかった。

集団が一体となってレースを進めるなか、吉田は後方に位置し落ち着いて周回を重ねていく。徐々にポジションを上げていき13分台も見える展開となったが、3600mを過ぎて吉田の表情が歪む。ラップタイムも急落し、自己記録には届かなかった。中盤までは非常に良い走りだったために、悔しさが残る結果となった。

【小山コメント】

大幅な自己ベストで13分台を出すことを目標としていましたが、3000m以降にペースを落としてしまい、悔しい結果になりました。しかし、同じレースで13分台が出るのは初めてだったのでどれだけ差があるのかを感じることができました。5000mで記録を狙うために行った練習をハーフマラソンに生かせるように夏の走り込みに励んでいきます。応援ありがとうございました。

【吉田コメント】

前半シーズンの締めくくりとして14分1桁を目標としてレースに臨みましたが、3000m以降失速してしまい、目標達成とはなりませんでした。しかし今シーズンはなかなか思うように走れず、課題も明白になっていなかったため、今回のレースで自分の課題とやるべきことに気づくことができ、いい経験となりました。

〈ホクレンDC 5000m結果〉

 大会 着順 氏名 所属 記録  備考
 深川大会・男子5000mB 8 小山洋生 体育2 14’35″87
 北見大会・男子5000mD 14  吉田海渡 体育 3  14’26″53

 


7/8 第5回順天堂大学記録会

 7/8に行われた順大記録会は、上半期の総決算となるレースとして位置づけられた。すなわち、トラックレースのタイム向上を上半期の主眼とするチームにとって、上半期のラストレースとなる今回の記録会において、どれだけ5000mの記録を短縮できるかが問われた。

チームは今季、試合本番で思うような結果を出せない選手が多く、強化の途中経過として出場した6月の学内競技会の5000mにおいても多くの選手が後半に失速し、悔しい気持ちと課題が残った。しかしながら選手たちは、5000mの自己記録の大幅な短縮という当初の目標を変えることなく、より熱意をもって残りの強化練習に取り組んできた。

一つ一つの練習に対する集中力が増していき、内容はよりハードになりながらも遅れることなく走り終える選手たちの様子からは、目標に対する強い思い、そしてチームとしての一体感が感じとれた。

迎えた記録会当日。会場となる順天堂大学さくらキャンパスに降り立つと、そこでは日が落ちてもなお残る暑さと高い湿度、煽られるほどの強風が選手を待ち受けていた。当然、長距離種目としては厳しい条件であり、選手たちは不安を抱えながらも来る本番に向けてアップを行っていく。

スタート直前になってもコンディションは依然厳しいままであったが、これまでの練習を信じて選手たちはスタートを切った。

まず、3組に15名が出走した。レース展開としては他大学の選手が若干のハイペースで入ると、筑波大の選手ほとんどが後方に位置づけた。早々に集団が縦長になるなか、藤原(体育4)と富山(地球4)、金子(工シス3)は、徐々にポジションを上げ始める。

一方、入りで余裕を持てなかった選手は少しづつ遅れ始める。2000mを過ぎてから集団は2つに割れ、先頭集団に藤原、金子、富山、川﨑(体育1)、丸子(工シス2)、堀口(体育2)、鍔(体育2)が集団に付き、やや離れた第2集団に古川(体育3)、松浦(化学2)、鈴木将(医学2)、中山(体育3)が位置した。小牧(体育2)、寺田(人文2)、長谷川(資源3)、小林(体育4)らは既に集団からこぼれてしまい、苦しい走りとなる。

暑さの影響で全体的にペースが停滞し始め、順調に走っていた選手も苦しくなり始める。ラスト1000mを切って、先頭争いに金子、藤原、富山が加わり、第2集団にいた松浦が猛追を開始する。ラスト1周は、単独先頭に立った金子が後続との差を引き離し、組1着でゴールした。

上半期は故障で苦しんでいた金子だが、今回のレースで完全復活を印象付けた。後続では、崩れることなく走っていた丸子がラスト一周で切り替えると、負けじと松浦も猛烈なスパートで一気に追い上げ、並んでゴールし二人ともに自己記録を塗り替えた。

【丸子コメント】

気象条件はよくありませんでしたが春シーズンのまとめとして練習してきたことを出し切って上位でゴールすることだけを考えて走りました。結果として自己ベストを出すことができ、嬉しく思います。これからさらに力をつけていきます。

〈5000m 3組結果〉

 着順 氏名 所属 記録 備考
 1  金子佑太朗 工シス3  14’37″85
 2  藤原潤乃佑 体育4  14’42″37
 3  富山翔太 地球4  14’45″55
 5  松浦海瑠  化学2  14’47″05  PB
 6  丸子晴樹 工シス2  14’48″55 PB
 13  古川幸治 体育3  14’59″30
 14  川﨑颯  体育1  15’06″85
 16  鈴木将矢 医学2  15’09″76
 17  小牧直登 体育2  15’13″99
 22 中山純静  体育3  15’18″06
 24 寺田周世 人文 2 15’23″18
 26 堀口花道  体育2  15’30″40
 27  鍔颯人  体育2  15’32″87
 28  小林大晃  体育4  15’39″06
 29  長谷川健太  資源3  15’49″09

続く4組には、13分台を視野に入れる平山(体育4)、吉田、そしてホクレンDCから連戦となる小山の3名が出走した。スタートして、平山が勢いよく飛び出して2番目に位置づける。1周目は64″、1000m通過は2’47”と序盤からハイペースの展開となる。

吉田と小山もしっかりとペースに対応し、集団の前方でレースを進める。3組目とは異なり、ハイペースながらも集団は大きなまま推移していたが、やはり悪コンディションは選手たちの体力を蝕み、だんだんと集団がばらけ始める。小山は先頭集団に食い下がるが、平山と吉田は遅れ出す。

3000mを過ぎると、先頭の13分台のペースに小山もついていけなくなる。ペースの落ち込みを必死に止めようとする小山だが、徐々に自己記録更新が危うくなる。先頭を形成していた他大学の選手らが13分台でゴールするなか、小山も体力を振り絞ってラストスパートをかけるも僅か0.96秒自己記録に及ばなかった。

中盤大きくペースを落とした平山はラストで複数人を追い抜くスパートを見せたが、目標には届かなかった。

上半期の締めくくりとして臨んだ今大会だが、出場した15名のうち自己ベストは2名にとどまった。弘山監督も「20秒はハンディとみていい」と言うほどの悪コンディションではあったものの、記録更新を目標にしてきただけに選手たちは悔しさを滲ませた。

〈5000m 4組結果〉

着順 氏名 所属  記録 備考
 8  小山洋生 体育 2 14’25″07
 16  平山大雅 体育 4  14’37″79
 29  吉田海渡 体育 3  14’55″05

7/23 六大学対抗戦

六大学対抗戦は、日本大学・東海大学・順天堂大学・中京大学・日本体育大学・筑波大学の6校の代表選手によって総合得点を競う大会であり、今回は中京大学以外の5校が出場した。朝から気温が高くタフな環境であったが、筑波大学から応援として多くの部員が参加しており、選手二人の顔はいつも以上に引き締まっているように見えた。

レースは序盤から他大学の選手がハイペースで引っ張る展開となり、立野と川﨑は集団後方に二人並んでレースを進めた。1000mを2’48で通過すると、2000mもペースを変えることなく通過した。その後先頭のペースが上がり始めると、立野は少しずつ苦しくなり、集団からこぼれ始めた。

川﨑は苦しくなりながらも前に食らいつく粘りを見せた。先に遅れた立野も大きくペースを落とすことはなく、ラスト1000mを2’58でまとめる強さを見せ、自己ベストを更新した。川﨑は惜しくも自己ベスト更新とはならなかったが、安定した強さを見せた。入学以来、安定した強さを見せる二人の夏を超えたさらなる飛躍が楽しみである。

集団内で落ち着いてレースを進める川﨑

【立野コメント】

今大会において、3000mに出場し8’37”80の自己ベストを更新することが出来ました。これから箱根駅伝予選会への強化に向けて、良いスタートを切る事ができたように感じます。しかし、他大学とのレベルの高いレースの中でただついて行くことしかできず、現段階でのレベルの差を体感しました。その差を埋めるために練習に精進します。今後とも応援の程よろしくお願い致します。

〈六大学対抗戦3000m結果〉

 着順  氏名 所属  記録  備考
 17  川﨑颯 体育 1 8’32″68
 18  立野晴士 体育 1  8’37″80 PB

 


上半期は、多くのレースで気象条件に味方されなかったこともあり、目標に届かなかった選手が多かった。しかし外に目を転じると、記録を大きく伸ばした他大学の選手は数多くおり、気象条件は言い訳にしかならない。上半期のレース結果だけを見ると、秋の予選会に向けては黄色信号だと言えるだろう。

しかしながら、上半期のなかでも選手たちの練習の質は向上しており、多くの選手が成長していることは確かだ。何より、上半期を終えて選手たちが感じた悔しさ、そして「このままではいけない」という危機感はチームのカンフル剤となり、選手たちの取り組みのレベルを引き上げてくれている。

現在チームは本格的な夏季強化に入っているが、この夏季強化を超えると箱根駅伝予選会は目前に迫る。つまり今が予選会突破に向けて正念場であるわけだが、逆境に立って士気が高まっているチームは上半期の遅れを取り戻す以上の成長を見せてくれるだろう。

箱根駅伝予選会に向けて、チームは本気で強化に励んでします。これからも応援よろしくお願いします。

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http://tsukuba-hakone.win/topics/report_competition_202307/feed/ 0
【結果報告】チームに新たな風を! 〜5月・6月の筑波大競技会 総まとめ〜 http://tsukuba-hakone.win/topics/competition_report_may-june_2023/ http://tsukuba-hakone.win/topics/competition_report_may-june_2023/#respond Tue, 04 Jul 2023 01:43:08 +0000 http://tsukuba-hakone.win/?p=7602 関東インカレが終わり、早くも1ヶ月以上が経過しました。現在チームは、トラックレースに向けたスピード練習に加えて、夏合宿に向けた持久的な練習にも取り組んでいます。日に日に暑さが増す中ではありますが、夏の強化を乗り越えるためにも、今の時期からスピードと持久力、両面の向上に励んでいます。

5月から6月にかけて開催されました筑波大競技会には、1年生が入学後初めてのレースに出場し、多くの選手が頭角を現しました。また上級生は6月中旬の5000mと1500mに出場。厳しい気象コンディションの中で、タフなレースとはなりましたが、それぞれの選手が自身の現状と課題を見つける貴重な機会となりました。

今回は5月・6月に開催された各競技会の結果について報告いたします。(4年:藤原潤乃佑)


5/20,21 第1回筑波大競技会

関東インカレから1週間後に開催された筑波大競技会。今回の競技会にはインカレ選手を除いた多くの学生が出場した。上級生は約1ヶ月ぶりの試合、そして1年生にとっては “待望の大学デビュー戦” となり、チームとしても注目度の高い試合となった。

大学初レースを迎えた1年生(前列中央3名)

今回の1500mと3000mの目的は様々だが、特に1年生は入学後1ヶ月半の練習を経て、大学受験期から「どれくらい基礎体力が戻ったのか」という確認ができる絶好の機会となった。加えて関東インカレに出場した選手が、チームによるインカレまでのサポートと応援への感謝の意を込め、ペースメーカーを務めることとなった。筑大競ならではのサポート体制を受け、選手はスタートラインに立った。

【5/20(土) 男子1500m】

初日の1500mには14名の選手が出場した。また関東インカレの1500mに出場した藤原(体育4)と小牧(体育2)、3000mSCに出場した鍔(体育2)がペースメーカーを務めた。

〈1組〉

目標タイムを3分55秒切りに設定した1組目。PMの小牧を先頭に鈴木将(医学2)と川崎(体育1)が400mを60秒で通過しハイペースで押していく。後ろの集団もPMの藤原を先頭に400mを62秒で通過し、十分に目標タイムを達成できる展開でレースは進んだ。

PMの小牧に食らいつく鈴木将と川崎

レースは800mを通過すると、第2集団を走っていた小山陽(体育1)が先頭を猛追、一気に先頭に躍り出るとそのまま先頭でフィニッシュ。約4年ぶり且つ8秒も自己ベストを更新(4:02.81→3:54.25)する走りで、実力を示す結果となった。

また、2着に入った松浦(化学2)はラスト400mを58秒でカバーし、自己ベストをマーク。怪我に泣かされ続けた1年時の鬱憤を晴らす走りに、これからの活躍へ向けての決意を感じられた。

一気に集団から飛び出した小山陽

〈2組〉

2組目は関東インカレ 3000mSC に出場した鍔(体育2)がペースメーカーを務め、4分切りの目標達成に向けてサポートをした。鍔の引っ張りもあった中だが、出場した3選手は序盤から苦しい走りとなってしまう。

タイムこそ目標に遠く及ばなかったが、特に鈴木晨(体育4)には大きな声援が送られた。鈴木は今年からプレイングマネージャーとして活動しており、普段は選手のサポートをしながら少ない時間を使って練習に取り組んでいる。その苦労を見ている選手たちは、日頃の感謝の想いを精一杯の声援に換えて届けていた。

選手サポートをしながら練習を続けている鈴木晨

【小山陽コメント】
「2年半振りのトラックレースでした。まずこうして再びレースの舞台に戻って来れたことを嬉しく思っています。復帰レースをPBラインでまとめることができて一安心な一方で、まだまだ実力不足です。慣れない練習が多く、思うように継続できない日々が続いていますが、心は熱く精進していきます。ありがとうございました。」

【松浦コメント】
「今競技会において、1500mに出場し、3’55″64で、自己記録を約2秒更新できました。まだまだ誇れるタイムではありませんが、試合に出走できたこと、自己ベストを出せたことが昨シーズンの苦難を考えると、心から嬉しく思います。今後は、昨年は参加すら叶わなかった夏合宿を乗り越えて、ハーフマラソンまでの距離に対応できる走りを身につけ、第100回大会への出場に貢献できる選手になることを目標に頑張っていきます。今後とも、ご声援の程よろしくお願い致します。」

〈男子1500m 1組 結果〉

着順 氏名 所属 記録 備考
1 小山陽生 体育1 3:54.25 PB
2 松浦海瑠 化学2 3:55.64 PB
3 鈴木将矢 医学2 3:56.75
6 川﨑 颯 体育1 4:01.21
7 丸子晴樹 工シス2 4:02.95 PB
8 富山翔太 地球4 4:02.97
9 立野晴士 体育1 4:08.51
10 大崎友裕 体育3 4:09.54
11 寺田周世 人文2 4:11.67
12 中山純静 体育3 4:12.23
13 小林大晃 体育4 4:13.38

〈男子1500m 2組 結果〉

着順 氏名 所属 記録 備考
8 本村春人 資源3 4:19.15
9 鈴木晨耀 体育4 4:20.36
10 照内淳和 医学4 4:27.22

【5/21(日) 男子3000m】

前日の1500mに続いて3000mには15名が出場した。3000mのペースメーカーには1500mでも務めた3名に加え、平山(体育4)と吉田(体育3)、小山洋(体育2)と計6名が参加した。

スタート前の集合で気持ちを高める選手たち

レースは2000mの通過目標を定め、ペースメイクしていくこととなった。かなり蒸し暑さを感じるタフなコンディションの中、それぞれが立てた目標を達成すべくスタートラインに臨んだ選手たち。前日の1500mで悔しい思いをした選手も多く、3000mで挽回しようと意気込んでいた。

完璧なペースメイクを見せた平山(左)と吉田(中央)

レースは2000mを5分40秒、50秒、6分切りと3グループに分かれて進んでいった。そして、2000mを過ぎ、PMが離れていくと最後の絞り込みが始まっていく。先頭集団からは、前日の1500mで悔しい思いをした鈴木将(医学2)が抜け出し1着フィニッシュ。持ち前のスピードを活かし、今後長い距離にも対応していくに当たって足がかりとなるレースになった。

PMの小山洋を先頭に走る第2集団

【鈴木将コメント】
今競技会において、3000mに出場し、8’31″12で、自己記録を約1秒更新することができました。この先の順大5000mのことを考えるとまずまずのタイムを出すことが出来、幸先の良いスタートを切ることが出来ました。ですが、夏合宿、予選会を見据えるとまだまだの実力なので、より一層努力していきたいと思います。今後とも、ご声援の程よろしくお願い致します。

〈男子3000m 結果〉

 着順 氏名 所属 記録 備考
1 鈴木将矢 医学2 8:31.12
2 松浦海瑠 化学2 8:34.61 PB
3 富山翔太 地球4 8:35.77 PB
4 小山陽生 体育1 8:37.81 PB
5 丸子晴樹 工シス2 8:43.90 PB
6 川﨑颯 体育1 8:43.94
8 中山純静 体育3 8:50.54 PB 
9 寺田周世 人文2 8:50.81
10 大崎友裕 体育3 8:55.71 PB
11 立野晴士 体育1 9:04.07
12 熊谷秀人 国際3 9:06.03
13 照内淳和 医学4 9:08.36
15 小林大晃 体育4 9:11.27
17 本村春人 資源3 9:29.89
18 鈴木晨耀 体育4  9:36.77

6/10,11 第2回筑波大競技会

第1回の筑波大競技会から3週間後。今回の競技会は、7月の5000mに向けた強化練習の一環として、5000mと1500mに出場した。季節の変わり目となる6月、安定しない気候に左右されながらも、各選手が現状の走力とチーム内での立ち位置を確認する良い機会となった。

【6/10(土) 男子5000m】

湿度が高く、外にいるだけで汗ばむような気候の中で開催された5000m。7月の記録会で自己ベストを狙うべく、多くの選手が3000mの通過タイムを意識してスタートラインに立った。

主将の引っ張りに応えたい選手たち

レースは先頭が1000mを2分48秒前後とハイペースで入ったこともあり、その後は、蒸し暑さに全員が苦しむ展開となってしまった。中盤以降タイムを落としていく選手が続出し、自己記録を更新した選手は0名と厳しい結果となった。

蒸し暑さとの戦いとなった

しかし、教育実習から帰ってきた主将の平山がペースを作り、教育実習から一時帰宅した副主将の皆川が中盤以降先頭を引っ張るなど、どんよりとした蒸し暑さを吹き飛ばすようなレースでもあった。頼れる主将、副主将が戻ってきたことで、さらに活気あるチームになっていくことが期待できるレースであった。

教育実習中ながら1着をもぎ取った皆川(右)

〈男子5000m 結果〉

着順 氏名 所属 記録 備考
1 皆川和範 物理4 14:42.91  PM
2 吉田海渡 体育3 14:45.65
3 富山翔太 地球4 14:53.02
4 藤原潤乃佑 体育4 14:56.46
5 鈴木将矢 医学2 14:57.94
6 平山大雅 体育4 14:58.27 PM
7 小山洋生 体育2 15:00.54
8 塚田萌成 医学4 15:02.97
9 中山純静 体育3 15:04.94
10 丸子晴樹 工シス2 15:05.36
11 小牧直登 体育2 15:05.46
12 寺田周世 人文2 15:06.88
13 堀口花道 体育2 15:14.90
14 長谷川健太 資源3 15:17.78
15 大崎友裕 体育3 16:03.81

【6/11(日) 男子1500m】

前日の5000mの疲労もある中、短い距離のスピード持久力を試す絶好の機会となった1500m。またこの1500mには1年生も出場し、上級生にとっては負けられない一戦となった。

5000mに続き1500mも平山が先頭に

主将の平山がペースを作った1500m。序盤からペースを維持し先頭でゴールしたのは、現在のチームで最も速い3分46秒台の記録を持つ吉田(体育3)であった。そしてその吉田に最後まで果敢に食らいついたのは小山洋(体育2)。2年生ながらチームのエースとして期待される小山が1500mのスピード領域でも対応できることを証明し、この夏の好記録に期待が持てる結果となった。

意地の1着 吉田(前)と大幅PBの小山洋(後)

また、入学後から実力を遺憾無く発揮し続けている川﨑(体育1)も自己ベストを更新。惜しくも関東インカレB標準(3’54″00)には届かなかったが、今後の活躍への期待が大きくなるレースとなった。

今シーズン好調のルーキー川崎(20番)(写真は別日)

【小山洋コメント】
「前日の5000mで納得のできる走りができず、1年ぶりの1500mであまり自信はなかったですが、一定のペースで1000mまで落ち着いて走り、ラスト1周で切り替えて絞り出すことができました。関東インカレ後から出力を上げた練習をしてきたので、その成果を記録として出すことができてよかったです。次のレースが前半シーズンの最終戦となるので、狙った記録を出して、いい流れで夏を迎えられるよう更に頑張っていきます。応援ありがとうございました。」

【川崎コメント】
「第2回筑波大学競技会におきまして、3分54秒67で自己ベストを約4秒更新する走りが出来ました。自己ベストではありますが、関東インカレB標準の3分54秒00を切るという目標を持って挑んだレースだったため、少し悔しさが残っています。筑波大学に入学してから順調に練習等もこなすことができているため、この調子で今後も成長し続けられるように頑張ります。」

全体としては前日に蒸し暑さの中走った5000mの疲労が大きかったのか、スタート直後からスピードに乗り切れない選手が多くみられた。課題が多く残るレースとなったが、7月の記録会に向けて「選手それぞれが取り組むべき課題を明確にできた」と前向きに捉え、残りの強化期間に向かっていくことができそうだ。

着順 氏名 所属 記録 備考
1 吉田海渡 体育3 3:51.01
2 小山洋生 体育2 3:52.07 PB
3 川﨑颯 体育1 3:54.67 PB 
4 鈴木将矢 医学2 3:56.22
5 藤原潤乃佑 体育4 3:57.46
6 富山翔太 地球4 4:00.08
7 余村佑太朗 体育1 4:02.36 PB
8 堀口花道 体育2 4:03.75
9 小牧直登 体育2 4:03.86
10 長谷川健太 資源3 4:05.74
11 丸子晴樹 工シス2 4:07.13
12 中山純静 体育3 4:11.20
13 寺田周世 人文2 4:12.56
14 塚田萌成 医学4 4:16.50
15 大崎友裕 体育3 4:22.04
16 源侑也 応理2 4:25.48
DNF 平山大雅 体育4 PM

6/24,25 第3回筑波大競技会

ここ1ヶ月で3回目となる筑大競、今回は春先から基礎鍛錬を続けてきた1年生と怪我明けの復帰組が出場した。1年生が取り組んできた基礎鍛錬は、これから4年間をかけて成長し続けるための大事な土台づくり。練習量も多く、全身が悲鳴を上げながらも我慢強く取り組んできた成果を発揮する機会となった。

基礎練習を重ねてきたメンバー

【6/24(土) 男子1500m】

9名が出場した1500m。1組目は今シーズン好調を維持し、関東インカレの標準記録(B 3’54″00)突破を狙う川﨑(体育1)が集団を引っ張り、渡辺、余村(共に体育1)が続く形となった。先頭に食らいつく渡辺はこれが大学デビュー戦。久々のレースとなったが意地の3分台で走り切り、見事自己ベストを更新した。続いた余村は惜しくも3分台とはならなかったが、自己ベストを更新する走りを見せた。

先頭を走る川崎に食らいつく余村(8番)、渡辺(5番)

また、このレースで長井(体育4)が復帰。長かった故障期間に加え、4週間もの教育実習から帰ってきた事でチームに再び競争の嵐を巻き起こしてくれるだろう。

帰ってきた長井

【渡辺コメント】
「今回の競技会が大学デビュー戦となりました。多くの課題が浮き彫りになるレースとなってしまい、タイムも内容も満足できるものではありませんでしたが、久しぶりのレースで1500mと3000m共に最低限のタイムで走ることができた点は良かったと思います。確実に練習を積み、今後のレースではもっと良い走りができるように精進していきます。」

【余村コメント】
「第3回筑波大競技会において、1500mで自己ベストを更新することができました。ラストで上げ切ることができず、まだまだ持久力に課題があるなと感じました。これから箱根駅伝予選会に向けて、まずは夏合宿をこなせることができるように体力をつけて、怪我等で離脱することがないようにしていきます。」

2組目には、成石(国際1)、大瀧(応理1)の1年生コンビと伊藤(障害2)が出場。体育専門学群以外の学生も活躍することができるのも筑波大の魅力。それを体現するかのように懸命な走りを見せ、成石は自己ベストを3秒近く更新(4:17.38→4:14.51)。これからの飛躍に期待したい。

練習を開始して間もない成石だが 1500mで自己ベストをマーク

どんどん記録を伸ばしていきたい大瀧

〈男子1500m 1組 結果〉

着順 氏名 所属 記録 備考
3 川崎  颯 体育1 3:59.69
4 渡辺大星 体育1 3:59.93 PB
6 余村佑太朗 体育1 4:01.94 PB
7 長井隆星 体育4 4:02.59
12 斉藤一樹 体育3 4:12.77 PB
14 源侑也 応理2 4:18.64

〈男子1500m 2組 結果〉

 着順  氏名  所属  記録  備考
9 成石昌平 国際1 4:14.51 PB 
14 大瀧圭佑 応理1 4:29.98
15 伊藤  俊 障害2 4:37.82

【6/25(日) 男子3000m】

日差しが降り注ぎ、蒸し暑さの感じられる中で行われた3000m。前日の1500mに出場した9名が、3000mにも出場した。1500mと同じく、これまでの基礎鍛錬の成果を発揮できるか、期待された。

レースは中距離ブロックの井内先輩(M2)の引っ張りで、8分30秒ペースで進んでいった。川﨑、余村に加え、3年目の飛躍を目指す斉藤(体育3)が果敢に食らいつく展開となった。そして中盤以降ペースを落とさず走り切ったのは川﨑。安定した強さを見せ、ほぼ目標タイム通りに走り切り、その実力を発揮した。

安定した強さを見せる川崎

余村、斉藤は苦しい走りとなったが、臆せず突っ込んだことは評価できるだろう。この経験をどう活かしていくか、これから楽しみだ。

そして特筆すべきは成石だろう。1500mに続いて3000mでも自己ベストを更新し、更なる記録の更新が楽しみな選手の一人である。これまでの基礎鍛錬、そして迎える夏を越えた先で、どのような選手に成長していくのか大いに期待したい。

誰にも負けない向上心を見せる成石(中央K)。これからに期待大である

【成石コメント】
「第3回筑波大競技会において、1500m、3000mで自己ベストを更新することができました。どちらも後半粘りきれず、目標タイムには届かなかったのですが、入学後初レースでどちらの種目でも自己ベストを出すことができて良かったと思います。しかし、箱根駅伝を目指す上ではまだまだ遠く及ばない自己記録なので、今回のレースで得たことを今後の練習に生かしながら、もっともっと力をつけていきます。」

〈男子3000m 結果〉

着順 氏名 所属 記録 備考
1 川﨑颯 体育1 8:31.13
2 余村佑太朗 体育1 8:51.40
4 長井隆星 体育4 8:55.85
5 渡辺大星 体育1 8:57.93 PB 
9 成石昌平 国際1 9:11.96 PB 
10 源侑也 応理2 9:18.70
12 斉藤一樹 体育3 9:32.58
14 大瀧圭佑 応理1 9:45.49
15 伊藤俊 障害2 10:02.66

チームはこれから7月上旬の記録会にて5000mに出場し、夏の強化練習へと移っていきます。 選手一人一人が夏の強化を越えた先の未来を良いものとできるよう、走り続けます。今後ともご声援のほど、よろしくお願いいたします。
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スポーツを応援するクラウドファンディングに訪れる “夢の続き” http://tsukuba-hakone.win/topics/column_hiroyama_20230610/ http://tsukuba-hakone.win/topics/column_hiroyama_20230610/#respond Sat, 10 Jun 2023 08:44:43 +0000 http://tsukuba-hakone.win/?p=7542 スポーツを応援するクラウドファンディングには夢の続きがある

筑波大学 陸上競技部
男子駅伝監督 弘山勉

欧州グランプリを目すホクレン・ディスタンス・チャレンジ

ホクレン・ディスタンス・チャレンジ大会は、北海道で開催される長距離レースのサマーシリーズとして、夏の風物詩となっている。大会名にも含まれる「チャレンジ=記録への挑戦」のために、日本のアスリートたちが集う場として、その存在価値を高めてきたからである。

私は、駅伝監督就任2年目の2016年の夏、筑波大生をホクレン・ディスタンス・チャレンジに連れて行った。学生たちが、まだまだ弱い頃のことである。

「弱い筑波大学が箱根駅伝に出場するために、上の舞台を経験させたい」という思惑。つまりは、身の丈より上の挑戦になるが、そんな筑波大学を大会は暖かく迎えてくれ、多くの観衆が、集団の後方でレースを進める学生たちに温かい声援を送ってくれた。

2017 ホクレンディスタンスチャレンジ 1500m で筑波大新を出した森田と小林

そんなホスピタリティに溢れる大会の雰囲気に加え、「北の大地・涼しい気候・夕暮れからグッと下がる気温」という条件が揃うホクレン・ディスタンス・チャレンジは、北欧で開催されるグランプリ大会『ビスレットゲーム(ノルウェー)』『「DNガラン(スウェーデン)』を彷彿させる。

妻(弘山晴美)が 5000m 14分台 を狙うために選んだのも「DNガラン」だった。涼しい気候と観衆の大声援に後押しされて、レースの終盤に外国人選手を次々と抜き去り日本新記録をマークすることができた。

15分3秒と僅かに14分台には届かなかったが、日本人初の14分台を目指した挑戦は、極上の体験と私たち夫婦に自信をもたらし、世界陸上1万m4位に繋がったと確信している。

挑戦に必要な舞台設定

挑戦は楽しく、挑戦への道のりは、充実したものになる。でも、どんなに挑戦が楽しかろうが、道のりが充実していようが、挑戦する場の舞台設定が整わなければ、挑戦はノーチャンスとなるリスクが付きまとう。

長距離走の場合、天候・気温・風・会場の雰囲気・ペースメイク=全てが揃った時に、選手が発揮する能力が好記録に置き換わる。重要なのは「舞台設定」として間違いないだろう。

ホクレン・ディスタンス・チャレンジが認められるのは、試行錯誤を重ねて、舞台設定の質を高めてきたからに他ならない。

そのホクレンディスタンスチャレンジが、今年も盛大に開催される。高揚感が増す中、大会の情報を取得している時に “あること” に目が留まった。

「日本の陸上を一歩前へ。目標記録達成のために電子ペーサーの導入を!」

と題したクラウドファンディングの実施(目標金額300万円)のお知らせである。


そもそも、ホクレン・ディスタンス・チャレンジは、実業団の監督やコーチが海外のグランプリ大会に遠征した時に「日本でもこんな大会(シリーズ)をやりたいよね!」と構想したことが発端と聞く。

その構想を実現すべく、開催地と協賛企業・団体、日本陸上競技連盟、実業団チームなどが協力し合い、皆の手で創り上げてきた大会である。大会もチャレンジしているのが、今回のクラウドファンディングという取り組みに表れており、「手作りを地で行く大会」として、そのコンセプトに相応しい “らしさ” が出ていると思える。

欧州では、中距離レースが人気だ(今も?)。観衆と一体化したレースは最高に盛り上がる。その空間にいるだけで幸せになることができるのだ。「大会に集う全ての人を幸せにすること」それこそが、ホクレン・ディスタンス・チャレンジのスタッフが目指す姿なのだろう。

2022 ホクレンディスタンスチャレンジで自己ベストをマークして笑顔

「盛り上がり」-そこにあるのは 挑戦への応援-

ペースメーカーに導かれた選手たちが華麗に走り、颯爽とゴールを駆け抜ける。そうした選手のパフォーマンスを観衆はスタンディングオベーションで讃える。その一体感を味わうために、人々はスタジアムに足を運び、声援というエネルギーを選手に与えるのだ。

そう、白熱したレース(高い競技パフォーマンス)は、紛れもなく、ペースメーカーの存在とスタジアムの雰囲気によってもたらされるのだ。観客の期待、選手のモチベーション、ペースメーカーの使命感、大会スタッフの奉仕、これらが呼応し合い、共鳴することでスタジアムはヒートアップしていく。

そんな大事な一端を担うペースメイクのために、今年、ホクレン・ディスタンス・チャレンは、電子ペーサーの導入を目論む。タイムアタックであるホクレン・ディスタンス・チャレンジのレースにおいて、目標はタイムでしかない。

ということは、目標達成のためにペースをコントロールすることが重要だ。その役割を担うのが電子ペーサーなのである。

コニカミノルタ陸上競技部チャンネル「八王子ロングディスタンスLIVE配信」より

2017年、人類初のマラソン2時間切りを目指した「ブレイキング2」において、ランナーの前を走る車両から目標ペースが光になって路面に映し出されていた。ペースの見える化である。

その挑戦の終盤、ブレイキング2の光から遅れるキプチョゲをハラハラドキドキ応援したことを思い出す。

そのトラックレース版とも言える電子ペーサー。光に付いていくことができれば、目標設定されたタイムをクリアすることになる優れたシステムである。

点灯しながら進むライトとの競走とも言える「一目瞭然の観戦」は、レースを楽しむための強力なツールとなるはずだ。ランナーにとっても、記録誕生を願う観客にとっても、コーチにとっても、大会スタッフにとっても、ペースの見える化の恩恵は絶大だろう。

コニカミノルタ陸上競技部チャンネル「八王子ロングディスタンスLIVE配信」より

大会は人が集う「Meeting」

今回、この取り組みをクラウドファンディングで実施することを知り、私は、良い企画だと思った。なぜなら、このレースに参加する人がそれだけ増えるからである。

支援の数だけ、熱量は増す。海外では、大会をよく「meet(meeting)」と呼ぶ。人々(選手と観衆)が集い、共に熱くなるのが大会であるということが由来だろう。ということは、観衆も立派な主役である。

そういう意味では、電子ペーサーのクラウドファンディングは、大会を盛り上げる人々の「meeting」そのものになる。ペースメイクをしているのは、まさしく支援者になるからだ。「支援者らが、新記録を誕生させることになる」と言っても過言ではあるまい。

「新記録をマークした選手が、世界大会に出場することになったら・・・」そんな夢の続きも期待できる。そうなった場合、今大会だけに留まらない支援ということになる。

クラウドファンディングも「Meeting」

私は「筑波大学箱根駅伝復活プロジェクト」の活動において、毎年クラウドファンディングを実施してきた。現在は、クラウドファンディングから継続寄附型サポーター制度になっているが、そこで集めているのは資金だけではない。応援(愛)であり、多くの「meet」 なのだ。

箱根駅伝出場を目指す国立大学の本気の挑戦!サポーター募集中!

筑波大学が2019年の箱根駅伝予選会を突破する前から突破後まで、1000人近い方々から支援いただいた。その方々と一緒に箱根駅伝を戦ってきたつもりだ。支援がなかったら、箱根駅伝には出場していないし、それどころか、予選会において、下位で低迷していた大学のままだったろう。

クラウドファンディング支援者は、チーム強化を担う「れっきとしたチーム筑波大学の一員」なのである。

26年振りの箱根駅伝出場を決め、支援者を含めたチームつくばに訪れた歓喜の瞬間

支援者側に立つと、箱根駅伝には直接的には縁もない立場から、懇意に応援する大学ができることになる。沿道やテレビ中継を通して、熱い応援になるのは間違いなく、普通の応援に留まらない「深く入り込んだ」箱根駅伝参加になるはずである。

-クラウドファンディングから繋がる夢の続き-

今年、長野マラソンで優勝した筑波大卒の「西  研人(現:大阪ガス所属)」が、MGC(マラソン グランド チャンピオンシップ)出場権を獲得し、秋にはオリンピック代表に挑むことになった。この背景には、紛れもなく、筑波大学箱根駅伝復活プロジェクトのクラウドファンディングの存在がある。

クラウドファンディングによって、筑波大学は、箱根駅伝に出場するための環境整備と強化を進め、西 研人は、学生時代に支援を受けることで成長し、実業団チームに進むことで、オリンピック代表という夢への挑戦が可能となったからだ。

クラウドファンディングによる支援を受けて箱根駅伝の舞台に立った西研人(現:大阪ガス所属)

オリンピック挑戦の権利獲得について、本人の能力や努力を無視して語るつもりはないが、クラウドファンディングによる支援があったからこその能力開花だとすれば、クラウドファンディング支援者の方々は「私が西研人を育てた」と言っていただいて、何ら問題ないことになる。

そんな繋がりこそが、広い意味では選手育成のチーム戦であり、選手と応援・支援のmeet がもたらした夢の続きとなるのだ。

今年度、箱根駅伝は、第100回という記念すべき節目を迎える。学生たちは、出場を目指して頑張っています。奇しくも第100回箱根駅伝予選会が10月14日、パリ五輪選考会のMGCが10月15日に開催されるのは、奇遇というより吉兆に思えてくる(笑)。

この両日、筑波大生を育ててくださったクラウドファンディング支援者の皆様は、ご自身が選手育成に係わった現役学生と西 研人に、熱い声援を送っていただきたい。

その前に、数名の学生が筑波大学記録更新を目指して、ホクレン・ディスタンス・チャレンジに参戦予定です。ホクレンディスタンスチャレンジ電子ペーサー導入のクラウドファンディングへの応援もよろしくお願いいたします。

日本の陸上を一歩前へ。目標記録達成のために電子ペーサーの導入を!

多くの方々にとって、夢の続きが訪れますように!! 2023 ホクレン・ディスタンス・チャレンジの成功を祈念しております!

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【結果報告】第102回関東インカレ結果報告(5.11-14) http://tsukuba-hakone.win/topics/competition_report_20230511-14/ http://tsukuba-hakone.win/topics/competition_report_20230511-14/#respond Thu, 25 May 2023 06:01:29 +0000 http://tsukuba-hakone.win/?p=7451 5月11-14日に神奈川県相模原ギオンスタジアムで開催された 第102回 関東学生陸上競技対校選手権大会の結果を報告させていただきます。(担当:熊谷秀人 宮代和騎)


  • 1日目 男子1部 1500m予選、男子1部 10000m決勝

【1部 1500m予選】

関東インカレ中長距離種目は1500mで開幕し、男子長距離ブロックから小牧直登(体育2)、藤原潤乃佑(体育4)、吉田海渡(体育3)の3名が出場した。

昨年の関東インカレ1500mで6位入賞を果たしている吉田と、順調に調子を上げ初関カレの切符を掴み取った藤原、小牧の活躍に期待がかかる。

【1500m 予選1組目】

1組目には、小牧が出場。小牧は冬季練習で調子を大きく落としていたものの、怪我を一度もすることなく継続して練習に励んできた。春シーズンに入り順調に調子を上げ、トラックレース初戦では 3‘53’‘26 の自己記録をマークし、関カレの出場権を得た。

決勝進出ラインである組5着以内を目指し、小牧はスタートを切った。レースはスタート直後からスローペースで推移したが、残り600mを切ったところで集団のペースが一気に上がった。

「中距離は格闘技」と呼ばれるように、位置取り争いが激化した。後方に押し出された小牧は必死に前に食らいつくが、先頭集団のペースが更に上がり、どんどん差を離されていく。最終的に小牧は先頭と10秒の差を付けられ、1組目 15着、タイムは 4‘00’‘00 と、悔しさの残るレースとなった。

積極的な位置取りで予選突破を狙う小牧

【小牧のコメント】
「この度、関東インカレの1500mに出場させていただきました。このような大きな舞台で走ること自体初めてであったため、緊張感というよりも高揚感の方が上回っていました。しかし、ただ走るだけで終わりたくはなかったため、スタートからはできるだけ前方で積極的にレースを進めた。

2周を過ぎた辺りで、集団のペースが少し上がりました。その瞬間集団に呑まれ、後ろに弾き出されてしまいました。そのまま切り換えることができず、結果は 4’00″00 予選1組 15着で、目標としていた決勝進出には及びませんでした。

しかし、今回のレースで入賞するためにはどのくらいの力が必要か、どのようなレース展開になるのかなど、色々と肌で感じることができました。この経験を活かして、来年再来年に向けてさらにレベルアップしていきます。

関東インカレ後からは、5000mで14分30秒切りを20人出すという上半期のチーム目標に向かって練習を始めています。1500mで培ったスピードを、まずは5000mまで上手く落とし込み、14分52秒66 から大幅にベストを更新できるように頑張っていきます。」

【1500m予選2組目】

2組目には、昨年度同大会同種目で7位入賞を果たしている吉田と、昨年度 3’49’’34 の好記録をマークし、トラックレースの勝負強さに定評のある藤原が出場した。

風の影響からか、1組目と同様に序盤からスローペースでレースが進んだ。ラスト500m地点で集団のペースが一気に上がり、集団が少しずつ縦長になっていく。

2人は懸命にラストスパートをかけ、ラスト1周を56‐57秒でカバーするも吉田は組9着、藤原は11着でゴールした。ハイレベルな上に、今まで経験したことのない難しいレースを強いられ、予選通過とはならなかった。

吉田は4日目の男子1部 5000m決勝にも出場予定である。気持ちを切り替え好走に期待したい。

混戦模様の1500m2組目 これぞトラックの格闘技

【藤原のコメント】
「関東インカレ1500mに出場しました、まず、たくさんの応援をありがとうございました。結果は予選落ちとなり、目標としていた決勝進出には届きませんでしたが、ハイレベルな駆け引きやスパート合戦を経験することができ、これまで経験してきたレースの中で一番楽しかったです。

関東インカレが終わった今、次の目標は箱根駅伝です。個人としては競技人生の集大成を、チームとしては第1回大会出場校としての意地とプライドを胸に、出場権獲得のために頑張っていきます。これからも応援、ご支援のほどよろしくお願いいたします。」


【男子1部 10000m決勝】

関東インカレ初日の夕方、男子1部10000m決勝が行われた。男子長距離ブロックからは主将兼エースである平山大雅(体育4)と、入部後から飛躍的な成長を遂げている期待の小山洋生(体育2)の2名が出場した。

10000mには箱根駅伝常連校の大学の選手も多くエントリーされ、ハイレベルなレース展開が予想された。この日は冷たい雨に見舞われ、悪天候の中レースがスタートした。にもかかわrず、序盤から2‘50/㎞前後のハイペースで推移し、集団はかなりの縦長になった。

2人は後方から落ち着いてレースを展開するも、先頭集団のペースが速く、徐々に離される苦しい展開に。小山はうまく集団を見つけレースを進めたものの、平山は集団から離され単独走状態に。

レースの後半、2人は必死に粘るも、小山は 24着 29’41‘’98、平山は 27着 29‘50’‘34でゴールし、ともに悔しい結果となった。平山は4日目の男子1部 5000m決勝での雪辱に期待がかかる。

他大学の主力たちに果敢に食らいつく平山(前方)と小山(後方)

【小山のコメント】
「関東インカレでは満足のいく記録が出せず、勝負に加わることもできずとても悔しい結果となりました。3週間前の日体大長距離競技会やその後の練習から考えると妥当な結果で、当日に持っていた力は出すことができたと思いますが、他大学はエースではない選手が出場していた中において、その選手たちに歯が立たなかったので、力の差を痛感しています。

箱根駅伝予選会で勝つためにはもっと強くならなければいけないと感じることができたので、今回の経験や感じたことを日々の練習に生かして力をつけていきます。応援ありがとうございました。」


●3日目 男子1部 3000mSC 予選

3000mSCいは、鍔颯人(体育2)が出場した。鍔は180センチを超える長身を活かした広いストライドが武器の選手で、春にA標準記録を突破したことで勢いに乗っており、8分台の自己ベストと決勝進出を目標にレースに臨んだ。レース序盤は、良い位置取りで落ち着いたレース運びを見せた。顔にも余裕が見え予選突破に大きな期待がかかった。

終盤、集団のペースが上がると少しずつ集団から離れ、結果は2組 8着 9’10″11 となった。目標にはあと一歩届かなかったが、関東インカレという大舞台で得た経験は今後の糧になるはずだ。

集団の力で落ち着いたレース運びを見せる

【鍔のコメント】
「今回の関東インカレは決勝に進み、そこで入賞争いに加わることを目標として臨みましたが、今までに経験したことのないレース展開に対応できず、タイム、順位ともに悔しい結果となってしまいました。今回の反省を生かし、来年は絶対に決勝で勝負できるような選手になります。」


 ●4日目 男子1部ハーフマラソン、5000m決勝

最終日にはハーフマラソンと5000m決勝が行われた。

【男子1部ハーフマラソン】

ハーフマラソンには、皆川和範(物理4),塚田萌成(医学4),古川幸治(体育2)の3選手が出場した。3選手とも関東インカレは初出場となったが、ロードでの安定感は抜群で、箱根駅伝常連校の選手たちとどのように渡り合うことができるかが期待された。スタートから山梨学院の留学生選手が 1km 2’55″を切るハイペースで集団を引っ張った。皆川、塚田、古川の順に競技場を飛び出し競技場周辺の周回コースへとレースの舞台は移された。

序盤、皆川は先頭集団の後方で積極的にレースを進める。塚田は第二集団、古川は集団の後方でレースを進めた。早い段階で集団がばらけはじめ、皆川は持ち味である攻めて粘る走りを見せ、入賞が見える位置で終盤まで力走した。入賞にはあと一歩及ばなかったが、他大のエースに引けを取らない見事な走りだった。

塚田は淡々とほぼイーブンペースで走り通し、次々と順位を上げていく。レース後半でもラップを落とさず、ロードでの強さをいかんなく発揮したレースとなった。古川は序盤、集団の後方で苦しい走りとなったが決して諦めることなく、1人、また1人と順位を上げていった。その走りからはこれからチームの中心選手として走っていく覚悟が感じられた。以下が最終結果です。

皆川和範 64.07  10着
塚田萌成 65.41  21着
古川幸治 68.50    31着

皆川は終盤単独走になるも果敢に入賞ラインを目指す

淡々と前を追う塚田

古川も必死に前を追う

【皆川のコメント】
「第102回関東インカレにおきましてハーフマラソンに出走し、64’07” で 10位でした。入賞を目指していましたが、およそ 30秒及びませんでした。しかし、この 30秒はわずかのものではなく大きな差だと感じています。他校のエースと戦うためには、この差を埋める必要があります。夏を越えて自分がどのように変化するかを楽しみに、箱根駅伝予選会までの残りの期間、練習に取り組んでいきます。応援ありがとうございました。」

【塚田のコメント】
「初めての関東インカレの舞台で緊張しましたが、自分の力はしっかりと発揮することができました。それでも 21位という結果に終わり、他大学との力の差を痛感するレースとなりました。自分がまだまだ力不足だということがよく分かったので、予選会ではもっと良い走りができるように精進していきます。」

【古川のコメント】
「初めての関東インカレでしたが、“箱根駅伝予選会も見据えて” のハーフマラソンという位置付けで出場しました。勝負をするため、練習では以前よりも高い水準で強化練習を積んできましたが、脚の怪我を抱えたままの出場となり、苦しい戦いになりました。それでも、他大学の選手との実力差を肌で感じることが出来たのは夏に向けての大きな収穫でした。この悔しさを胸に、箱根駅伝予選会でリベンジを果たせるようこれからも精進してまいります。ご声援ありがとうございました!」

【男子1部 5000m決勝】

長距離の最終種目である5000mにはフィナーレにふさわしく各大学のエースがエントリーされていた。筑波大学からは主将の平山大雅(体育4)と吉田海渡(体育3)が出場した。二人とも初日のレースでの雪辱を果たすべくスタートラインに立った。

レースは留学生や順天堂大学の三浦龍司選手らを先頭にハイペースで進んでいく。冷たい雨が降る中のハイペースでのレースに、二人は徐々に集団の後方に下がり後半は苦しい走りになった。それでも両選手はチーム、そして大学の代表として最後まで全力で駆け抜けた。この悔しい経験が必ず今後に活きる、そんなレースとなった。

吉田海渡 14″53.57   34着
平山大雅 14”57.62  35着

序盤は集団の中で

平山も必死に食らいつく

【平山のコメント】
「日頃より沢山の応援ありがとうございます。
目標の入賞には程遠い 14’57″62 で 35位という結果でした。今シーズンは自分が目指すべきタイムと実際のタイムの乖離が大きく、関東インカレでも修正ができませんでした。この大会を春シーズンの大一番として考えていたのでこのような結果で終わってしまい悔しい気持ちと情けない気持ちでいっぱいです。残された試合は箱根駅伝予選会と全日本インカレだけなので、そこに向けて全てをかけて練習していきます。多方面からの応援、ご支援ありがとうございました。」

【吉田のコメント】
「タイムも順位も目標に届かず、悔しい結果となってしまいました。しかし他大学のエース選手と走れた経験は、自分の中でとても貴重なものとなったので、今後は彼らと張り合えるよう、一から頑張ります。応援ありがとうございました。」

第102回 関東学生陸上競技対校選手権大会の結果

種目 着順 氏名 所属 記録
 1500m
予選1組
15着 小牧直登 体育2 4’00″00
 1500m
予選2組
9着 吉田海渡 体育3 3’58″13
 1500m
予選2組
11着 藤原潤之佑 体育4 3’59″72
10000m 24着 小山洋生 体育2 29’41‘’98
10000m 27着  平山大雅 体育4 29‘50’‘34
3000mSC
予選2組
8着 鍔颯人 体育2 9’10″11
 ハーフ
マラソン
10着 皆川和範 物理4 64’07”
ハーフ
マラソン
21着 塚田萌成 医学4 65’41”
ハーフ
マラソン
31着 古川幸治 体育3 68’50”
5000m 34着 吉田海渡 体育3 14’53″57
5000m 35着 平山大雅 体育4 14’57″62

 


【総括】今回の関東インカレにおいて、チームとして思い描いていたような結果を残すことはできませんでした。しかし、出場した選手はインカレという大きな舞台を経験し、その経験を箱根駅伝予選会に活かすために練習を始めています。

また、会場で応援、サポートに回った選手も目指すべきレベルの高さを痛感し、「予選会では自分が筑波を背負う選手になる」と決意を新たに日々の練習に取り組んでいます。

大会前にモチベーションを高める写真撮影をする代表選手たち

箱根駅伝予選会突破に向けてチーム一丸となって精進してまいります。今後も変わらぬご支援、ご声援のほどよろしくお願いします。

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http://tsukuba-hakone.win/topics/competition_report_20230511-14/feed/ 0
韋駄天ランニングアカデミー設立のお知らせ http://tsukuba-hakone.win/topics/established_idaten_academy/ http://tsukuba-hakone.win/topics/established_idaten_academy/#respond Thu, 18 May 2023 06:54:07 +0000 http://tsukuba-hakone.win/?p=7420 韋駄天ランニングアカデミーの立ち上げ

筑波大学箱根駅伝復活プロジェクトがプロデュース

筑波大学箱根駅伝復活プロジェクト
男子駅伝監督 弘山勉

アカデミー設立と目的

この度、筑波大学箱根駅伝復活プロジェクトは、多くの方々(韋駄天ファミリー)とタッグを組んで、「韋駄天ランニングアカデミー」というアカデミックな事業とコンテンツを立ち上げました。

 韋駄天ランニングアカデミー(WEBサイト TOP)
 https://idtn-tsukuba-ac.jp/

「筑波大学 箱根駅伝 復活プロジェクト」は、人材育成プロジェクトと位置付けられていますが、それは、筑波大学陸上競技部・男子長距離ブロックの学生が、箱根駅伝出場という難題に挑戦する過程で、創意工夫を凝らして努力することで養われる人間力の向上が期待できるからです。

理工学群 物理学類で研究にも熱心に取り組む皆川 (第99回箱根駅伝に関東学生連合チームで出場)

ただ、それでは単なる学生スポーツの話になってしまいますが、本学は、さらに上のステージを目指しています。本プロジェクトでは学生の本分である修学(教育)と研究を含めて、学生の人材育成という観点で「4本の柱」を大事にしています。その4本の柱で自ら成長した学生の姿を「スカラーアスリート」と呼んでいます。


スカラーアスリートとは

高い競技能力と倫理観、スポーツ愛好精神に加え、高い教養と知的探究心をもって自身の能力開発を進め、将来的にはその経験を活かして社会に貢献できるような人材です。

例えばオリンピックで活躍したのち、競技の世界から離れても、それぞれ活躍の場でリーダーシップを発揮し、周囲の範たる有為な人材となることを目指します。そうした人材を育成できたとしたならば、セカンドキャリアとして、教育界、スポーツ界、産業界、国際機関などでの活躍が期待されます。

そのために、博士前期・後期課程やそこに設けられた様々な学位プログラム(国際スポーツ学、スポーツ国際開発学、高度大学体育指導者養成、次世代健康スポーツ科学)での学びの可能性が筑波大学には開かれております。


その中の「社会貢献・社会還元活動」を我々独自の方法で具現化するために構想したのが「韋駄天ランニングアカデミー」になります。

アカデミーが目指す活動(事業内容)

社会貢献と言っても、様々な要素が含まれますが、韋駄天ランニングアカデミーでは、以下のような目標を掲げて活動していきます。

1.School 機能

正しい知識や理論、方法論を提供するアカデミックコンテンツやシステムの構築。特に陸上競技長距離選手・ランナーへ有益な情報提供。

2.Produce 機能

ランニングのパフォーマンス向上プログラム、ランニングの普及に繋がる大会やイベントなどをプロデュース(スポーツ科学の応用)

3.Consult 機能

地域や企業と連携した健康・スポーツ事業の推進。とくに、市民マラソンを活用した地域スポーツ発展に寄与していく

4.Develop 機能

本アカデミーの人財の発想・新規開拓の能力、知見・知財を活用し、共同研究(実験・エビデンス提供)や商品・サービス開発を手掛ける

5.Research 機能

事業と研究活動を結び付けて、様々なデータを取得・蓄積・解析を経て、新たなサービスへの応用や開発により社会に貢献していく

※事業内容について、詳しくはWEBサイトでご確認ください↓
 https://idtn-tsukuba-ac.jp/about-us/business/

アカデミーのスタートとして

目標に沿って、段階的に私たちが目指す “かたち(姿)” に近づくことができるように努力していきますが、まずは、スタートとして、WEBサイトを構築し、「1.School機能」の充実を図りながら、事業の立ち上げにも積極的に取り組んでいくつもりです。

いろいろと目標はありますが、当面は、以下の活動になると思います。

スポーツ科学・理論

・筑波大学体育系教授・准教授・助教・研究員らによる講座(動画、テキスト)
・筑波大学の学群性・大学院生らによる論文・文献の紹介
・筑波大学陸上競技部男子長距離ブロックのコーチによるランニング パフォーマンスアップ講座
・WIT(健康スポーツ科学センター)トレーナーによるコンディショニング科学・実践
・筑波大学アスリートが実践するトレーニング紹介
・外部有識者らによる確かな理論の紹介

アカデミー事業

・ランニングクリニックの開催
・スポーツ科学 体力・走力測定
↳スポーツ科学的な側面からアドバイス
・筑波大アスリートによる練習会
・ジュニア選手向けランニング教室
・韋駄天長距離記録会の開催

地域スポーツ事業

・地域マラソンとの連携事業
・ランニングイベントの企画・運営

共同研究開発

・学内研究領域との連携による新規格の開発
・企業様との共同研究開発(商品開発)

韋駄天に込めた意味

「韋駄天ランニングアカデミー」と名付けたのは、韋駄天こと「金栗四三(かなくり しそう)」大先輩の想いや功績を本アカデミーが引き継ぐためです。日本マラソンの父と呼ばれ、日本のマラソンやスポーツに尽力し、数々の偉業を成し遂げた人物が金栗四三です。そんな「偉大な先輩に習い、社会のために貢献する何かをすることが我々の使命である」とずっと考えてきました。

金栗四三の功績について↓
https://idtn-tsukuba-ac.jp/about-us/kanakuri_shisou/

マラソンの父 金栗四三さん
※熊本県玉名市ホームページに かなり詳しく記されています。
https://www.city.tamana.lg.jp/q/aview/112/2193.html#yomikata

この韋駄天ランニングアカデミーの立ち上げには、正しい理論や有益な情報を皆様に紹介し、競技人生やランニングライフ、生涯スポーツ(ランニング)を充実したものにしていただきたいという願いを込めています。さらには、前述した通り、アカデミーの事業(取り組み)に学生たちが係わり、学生自身の成長に繋げてもらうことも企図しています。

アカデミー設立の目的や想いをプロデューサーを務める二人がコラムで書いています。

弘山 勉 男子駅伝監督のコラム
韋駄天ランニングアカデミーが目指す“もの”は!? 目的と理由
 https://idtn-tsukuba-ac.jp/idaten/blog_hiroyama_1/

木路 修平 男子駅伝コーチのコラム
韋駄天ランニングアカデミーへのワクワク感
https://idtn-tsukuba-ac.jp/idaten/kiji/

学生たちが取り組む卒業研究、それに付随して学ぶ文献なども紹介していきますので、どうぞお楽しみに!

最後になりますが、我々の趣旨に賛同していただき、参画してくださった韋駄天ファミリー各位(本学教員や卒業生、WIT様など)には感謝しています。学生を含めたランニングと陸上競技を愛する韋駄天ファミリーで本アカデミーを運営してまいりますので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。

 韋駄天ランニングアカデミー(WEBサイト TOP)
 https://idtn-tsukuba-ac.jp/

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http://tsukuba-hakone.win/topics/established_idaten_academy/feed/ 0