5月18日(土)に鴻巣市陸上競技場で開催された平成国際大学長距離競技会に、筑波大学の学生と大学院生が1万mの記録短縮と自己記録更新を目指して、インカレ選手以外が出場しました(金丸は記録を狙いつつインカレ・ハーフマラソンの調整として強い練習)。その結果報告をさせていただきます。今回の報告は、伊藤太貴(体育2)が担当させていただきます。
1万mには、5人の選手が出場。とくに最終組に出場した金丸(体育4)と相馬(体育3)に記録(=全日本大学駅伝予選会の出場資格タイム)短縮の期待をかけていた。スローペースで始まった最終組は、ペースを上げようと前半は相馬が先頭を引いた。途中で山梨学院大の外国人選手が一気にペースを上げたために、レースが動いた後も、相馬は第2集団の先頭を終始引っ張る展開に。徐々に苦しくなった後半は3分ペースを少しずつ超えていった。
最後の2000mでギアチェンジをして、第2集団から抜け出し、3位でゴールする力は示したが、30分10秒というタイムに終わり、自身の資格タイムを短縮することはできなかった。ただ、良い練習を積むことはできており、集団を引っ張っても崩れなかったレースに手応えは掴んだようだ。
レース後、相馬は「先頭を引っ張る形となってしまいました。調子は良いと感じていただけに結果だけを見ればとても残念です。しかし、走った後の感覚としてレース展開次第ではもっとタイムを出せるという手応えは掴めました。今までのアプローチは間違っていないと感じているので、今日の結果から課題を明確にして、さらにレベルの高い練習を重ねていきます。」と語った。
金丸は、相馬と同等の練習を積んできたにもかかわらず、4000m過ぎに集団から離れ出し、後半はまったく良いところがなかった。実力の半分も出せないレースに、本人も首を傾げるばかり。4年生としてチーム平均タイムを短縮できなかった責任を感じてか、言葉は少なく「調子は良かったのですが、トラックになると上手く走れない・・・」と結果に対する理由が明確に出せないもどかしさがあるように見えた。
第4組に出場した田川(医学3)が積極的なレースを展開した。1周目から先頭に出て3周ほどレースを引っ張ると、前半は集団の2~3番手に位置し、30分00秒を狙っていった。良い表情で走っていたが、5000m手前で集団から離れてしまい、その後は粘るレースに。ペースが落ちることに抵抗できず、目標達成とはならなかった。
ただ、今までにない積極性を見せて、4000mを11分台で通過したことは、今後に必ず繋がるレースをしたと言えるだろう。それを表すように「4000mまでは、かなり良い感覚で走れましたが、それ以降はかなり大崩してしまいました。ゴールデンウィークからレース続きで、強化する練習をあまり積むことができなかったこと、要は練習不足だと感じています。これまでは出されたメニューをこなすことに必死でしたが、力がついてきた今からは、練習を闇雲に取り組むのではなく、自分に足りないものや課題を解決出来るようにしていきたいです。」とコメントしている。
尾原(生命環境3)は、実践に強いタイプで、自己ベスト更新を期待していたが、3000mを8分57秒で通過したところで集団から離れて以降は、持ち前の粘り強さを発揮することなくペースを落とす苦しいレースとなった。レース後、尾原は「走れなかった原因は持久練習の不足だと思います。持久練習とポイント練習をどちらも完全にできるわけではないので、うまく自分に練習を落とし込めていないと感じています。自分の特徴や今の走力にマッチした内容を付加していく必要があると思います。」と話した。
第2組に出場した田中(体育2)は、貧血症状であることを承知の上で出場した。この記録会を春の大きな目標としていたために、「たとえ良い結果が出なくても走り切る」という強い意志。身体の状態そのままの記録に終わったが、逃げずに出場したことで、今後の進むべき道に強い気持ちで歩むことができるのではないだろうか。田中自身の「中盤から後半にかけてズルズルと後退してしまうレースでした。原因は色々とありますが、まずは血液状態を治すことを最優先として取り組みます。その後は一からやり直すつもりで、しっかり走り込んで身体を作りたいです。」というコメントにも、それが表れていると感じた。
5000mには、自己記録の更新を目指し、多くの選手が出走。1年生にとっては初の対外試合となりました。しかし、自己ベストを達成した者は1名に終わり、チームとしては物足りない結果になってしまった。ずっと2レーンを走っていたり、後方で自重し過ぎたり、練習の出来具合とペースが噛み合っていなかったり、理由は個々にあり様々です。ただ、多くの選手が順調に強化を積めており、この結果に悲観することなく、次の目標へ向けて、また精進していってもらいたいと思います。
唯一の自己ベストは、大学院生の小林。山梨大学から本学の大学院に入学し2年目。研究に追われながら忙しい日々を過ごす中、できる限りの練習を積んでいる。この日で4戦連続の自己ベスト。レベルは低いかもしれないが、なかなかできることではない。この調子で頑張ってもらいたい。
この日は、気温が高く強風が吹く気象コンディションで始まり、天候が曇り気温が下がると今度は湿度が上昇していくという記録を狙うには、条件はあまり良くないと感じた。それを表すように、どの選手も後半の失速が多かった。暑い時期は、スピードだけでは押し切れないことは明らかで、多くの選手が「持久力が足りない」と口にしたように、その強化が必要なのかもしれません。
持久力という課題はあるとしても、全体としては良い練習ができている割に、結果に結びつけることができない“もどかしさ”のような苦い感覚があります。その理由を探し、チームと個人の課題を明確にしていく必要があります。集団と個別性という難題に、それぞれの選手が向き合って工夫していくことができるかどうか、だと感じます。その答えは、プラスアルファの練習なのかもしれません。
全日本大学駅伝予選会出場という目標に向けては、ここがこのチームの正念場だと思います。最後まで諦めずに出場を目指し、6月23日に行われる全日本大学駅伝予選会では、レベルアップした姿を見せられるよう、しっかりと練習を積んでいきます。シーズンはまだ始まったばかり。箱根駅伝出場という大目標に向かって、全員が全員で全員を強くできるよう、チーム一丸となって切磋琢磨していきます。引き続き応援をよろしくお願いします!
平成国際大学長距離競技会
10000m
組 | 順位 | 所属 | 氏名 | 記録 |
---|---|---|---|---|
2 | 24 | 体育2 | 田中蒼大 | 32’0913 |
4 | 19 | 医科3 | 田川昇太 | 31’26″56 |
4 | 27 | 地球3 | 尾原健太 | 32’12″55 |
5 | 3 | 体育3 | 相馬崇史 | 30’10″53 |
5 | 28 | 体育4 | 金丸逸樹 | 31’35″83 |
5000m
組 | 順位 | 氏名 | 所属 | 記録 |
---|---|---|---|---|
6 | 25 | 寺澤龍之輔 | 応理4 | 15’30″66 |
6 | 26 | 小林雄晟 | M2 | 15’30″67 PB |
6 | 30 | 植田樹 | 物理4 | 15’38″13 |
7 | 21 | 薮下温司 | 社会2 | 15’13″02 |
9 | 16 | 山本尊仁 | 応理2 | 15’15″80 |
9 | 22 | 永山龍吉 | 体育1 | 15’25″20 |
9 | 26 | 五十嵐優太 | 体育1 | 15’41″29 |