3月13日(日)に東京都立川市で開催された日本学生ハーフマラソンの結果を報告させていただきます。冬季練習の一環として出場したレースでありますが、各々がテーマを持って走り、自身の課題を確認することが出来ました。(レポート:長谷川嵩汰)
今年の日本学生ハーフマラソンは、昨年と違い、駐屯地内周回走路だけではなく、公道と昭和記念公園を走るコースで開催された。つまり、箱根駅伝予選会にかなり近いレースとなる。
自信をもって出場した昨年の予選会では、思うような走りのできなかった学生が多かった。それは、チームの半数がハーフマラソン未経験者だったからである。この反省を踏まえ、各自が春に向けた課題の確認と今年の予選会に向けた試走を目的に9人の学生が出場した。
日本学生ハーフマラソンは、冬季トレーニング(基礎鍛錬)期間の真っ只中に開催される。筑波大学では冬季練習を3段階に分割して取り組んでいる。徹底した基礎トレーニングは「春のトラックシーズンでスピード走能力を高めること」と「夏の走り込みを乗り越えていける体づくり」が目的である。
筋肉的な面はもちろん、これから先に怪我せずに練習を積んでいくためのフォーム改善にも取り組んでいる。その内容はハードで、疲労困憊になるものが多く、夏の走り込みとはまた違ったキツさを味わう中身の濃い練習である。
ハーフマラソンを走るためには、走行距離を多くするような練習をしなければならず、冬季練習の流れの中にハーフを組み込むのは難しいと感じる(ちなみに、去年の出場はしていない)。しかし、経験不足を痛感した昨年の予選会の結果を踏まえ、コーチ陣と学生間での話し合いの末に、今年は出場することを決めた。
レース当日、学生だけで1000人以上がエントリーしているため、大会会場には選手が多い。予選会の時よりも慌ただしいしい雰囲気に、緊張感も増す感覚があったが、これもまた、大事な経験になると感じる。
予選会出場校も多く、スタート前は緊迫した空気に包まれていた。学生ハーフマラソンという名前ではあるが、同時に市民ランナーの部もあり、レースの序盤に混雑で立ち止まるトラブルが発生し、流れが途切れる場面もあった。公園内に入ってからは、カーブやアップダウンが続き、後半までペースを維持するのが難しいコースであることを実感したようだ。
【試合結果】
順位 | 氏名 | 所属 | タイム | 備考 |
---|---|---|---|---|
54 | 福谷 颯太 | 体育3 | 64:00 | |
99 | 國井 辰磨 | 体育3 | 64:47 | PB |
139 | 皆川 和範 | 物理2 | 65:14 | |
143 | 岩佐 一楽 | 体育3 | 65:15 | |
220 | 平山 大雅 | 体育2 | 66:11 | |
259 | 藤原 潤乃佑 | 体育2 | 66:44 | PB |
286 | 永山 龍吉 | 体育3 | 67:06 | 初出場 |
390 | 長谷川 健太 | 生物1 | 68:51 | 初出場 |
401 | 五十嵐 優汰 | 体育3 | 69:17 |
全体的な総評として、弘山監督も「想定通りの走りをしてくれた」と評し、良い手応えが得られたレースだった。前述のように、ハーフマラソンのための準備をきちんとしたわけではなく、疲労がカラダに残る状態で挑んだレースであり、その中での結果としては上出来だといえる。特に、國井と藤原は昨年の箱根駅伝予選会に出場しており、今回そのベストを更新した。昨年の悔しさをバネに、これまでの期間も練習してきて成長していることを示した。
福谷颯太(体育3・駅伝主将)コメント
「自分も含め筑波大全体を通じて記録はあまり良いものではありませんでしたが、いくつかの成果を得られました。昨今の社会情勢などもありハーフ経験が少ないことが筑波大の弱みでしたが、ハーフ経験者が増えたのはチームとしてプラスになりました。また、岩佐以外の選手は昭和記念公園内を走るのが初めてで、終盤のアップダウンを肌で感じることが出来ました。そして、ほとんど学生ハーフに向けた練習をしない中でも64~65分台で複数人走れたのは良い結果だと感じています。ここからトラックシーズンに向けての練習や夏合宿をこなしていければ自分たちの目標に達する手応えもある程度感じられました。まずはシーズンインまでの残り数週間を良いものにしていこうと思います。」
國井辰磨(体育3)
「今回のレースはあまり調整していない中でどのくらいのタイムで走れるか、冬季練習の途中成果を試すことを目的に走りました。
苦しくなった中盤以降、リズムを立て直すことができ公園内に入ってからの約8キロは多くの選手を抜かすことができ、ハーフの後半に対する不安が少し拭えました。ほとんど目標タイム通りに走れ、順調に冬季練習の成果が出ていることを確認できたのでもう少しの期間、強化を積んでトラックシーズンに臨んでいきたいと思います。」
藤原潤之佑(体育2)コメント
「駐屯地内で転倒したり、給水を上手く取れなかったりとアクシデントがありながらも15kmまでは粘れましたが、公園内に入ってから大幅にペースを落としてしまいました。結果は満足のいくものではありませんが、レース中盤の差し込みへの対策や後半のスタミナ不足といった課題に対してこれから向き合うことが出来る良いきっかけとなりました。」
永山龍吉(体育3)コメント
「冬季練習を順調に行えていたので、初ハーフに自信を持って臨めました。ラスト5kmが想像以上に苦しかったので、予選会ではそこでペースアップ出来るぐらい力をつけたいと思います。」
長谷川健太(生命環境1)コメント
「初のハーフは悔しい結果となってしまいましたが、目標とするレベルと現在の自分の実力の差を確認することができたので、予選会までにその差を埋め、予選会を突破できるよう頑張ります。応援ありがとうございました。」
皆川和範(物理2)コメント
「後半の公園内でのきつさを痛感し今の実力を知ることを目的としていました。ハーフマラソンに向けての実践的な練習を行なっていない中でしたが、後半は粘り走ることができました。ここで得たものをチーム全体に伝えていき7ヶ月後に繋げます。」
今大会で初めてハーフマラソンを走った選手もおり、チーム全体の経験値が大きく上昇したと思います。それぞれがレースから何かを学び、これからの練習にも活かせる部分があるだろう。加えて、何度かハーフマラソンを走っている選手たちも、調整のないハーフマラソン出場は初めてであり、今までとは違った経験をすることもできた。
日本学生ハーフマラソンが終わり、冬季練習も最終段階へと移行し、トラックシーズンに向かっていきます。残りの冬季練習でベースとなる身体づくりとフォーム改善を図り、まずはトラックレースで結果を出していくことを目標に、トレーニングに励んでいきます。
これからも応援よろしくお願いいたします!