第3回筑波大学競技会が6月19・20日に開催され、計28名の学生が出場しました。その結果を報告させていただきます。(担当:長谷川嵩汰)
6/19(土)第3回筑波大学競技会(1日目)
1500m
この日は1日中雨が降り続き、ウォーミングアップ中には土砂降りにもなった。ウォーミングアップの場所を確保するのも難しい状況で皆が考えて体を動かし、雨天走路ではレースに向けた熱気が伝わってきた。幸いレース時には雨は弱まったが、決して良いコンディションといえる状況ではなかった。その中でも自己ベスト更新者が多数出たのはプラスに考えられる点だといえる。
1500mには、主に一年生が出走した。入学してからの数か月間は、サーキットトレーニングやバイクトレーニング、フォーム改善練習など基礎的な練習に取り組んできた。基礎的な能力を高めることができれば、成長が見込める後輩たちばかりなので、今後が楽しみである。それを裏付けるように、雨天でのレースにもかかわらず、自己記録を数名の学生が更新しており、夏に向けていい流れができているように思う。
上級生は、次の日の5000mにもエントリーし2種目の出場となった。2日連続のレースをこなすことで長い距離にも対応できる体力を養う狙いがあり、どちらのレースも頑張る姿勢が見られた。
【1500m 1組】
1組では、上位の記録を狙う中距離の学生が飛ばしたが、その他は、スタート直後から20人ほどの集団が形成され、その状態がラスト1周手前まで続く混戦となった。ペースは1周64秒前後で推移し、集団の先頭付近には上級生とも肩を並べて練習している古川(体育1)と宮代(体育1)が位置し、積極的な姿勢を見せた。
ラスト1周に差し掛かる手前で古川がペースアップし、そのままスパートをかけ3分台でゴールした。宮代も必死にスパートをかけるが惜しくも3分台には届かなかった。長谷川嵩(医療科2)も追い上げを見せるが集団の後方からスパートが遅れたこともあり、3分台には少し及ばなかった。それでも自己ベストを更新し、次の日に勢いをつけることはできた。
ラスト1周、力を振り絞ってスパートをかける[左が宮代(体育1、右が長谷川(嵩)(医療2)]
〈宮代コメント〉
『順調に練習も積めてこれた上に前日の刺激でも動きがよかったものの3分台を達成できず、自分としては満足のいかない結果となりました。今回の反省を生かし、7/10に行われる順大記録会に向けて調子を上げていきます!応援ありがとうございました!』
〈古川コメント〉
「春シーズンに取り組んだスピード養成のまとめとして位置づけとして1500mに出場しました。3分台の自己ベストで走ることができましたが、まだまだ力不足であることを痛感しました。夏シーズンでしっかりと走り込んで、秋にはチームの戦力に成長できるよう頑張っていきます。」
【2組】
2組目では一年生のメンバーが奮闘した。スタート直後は本村(資源1)、中山(体育1)、熊谷(国際1)が前に出て積極的な姿勢を見せた。その後が1周67秒とスローな展開となり、最後にスパートをかけるが自己ベストを更新できなかった。
その中でも小野木(体育1)は、スタートから集団先頭付近で良い位置をキープ。1000m付近でも余裕があった。満を持して、ラスト1周手前からスパートをかけ、後続を引き離して組トップでゴールした。タイムが伴えば最高だったが、見ていて気持ちのいいレース内容だった。
〈小野木コメント〉
「充分に練習を積めてない中で、不安はありましたが、PBを出すことが出来て嬉しさと同時に、これからの練習へ身のひきしまる思いになりました。夏にかけて、厳しい練習が続くと思いますが、1回1回の練習を大切にして精進していきます。ご声援の程ありがとうございました。」
組 | 順位 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 古川幸治 | 体育 1 | 3’59″66 | PB |
3 | 長谷川嵩汰 | 医療 2 | 4’01″75 | PB | |
5 | 宮代和騎 | 体育 1 | 4’02″18 | ||
8 | 村田修作 | 体育 3 | 4’05″27 | PB | |
11 | 長谷川健太 | 資源 1 | 4’06″58 | ||
17 | 鈴木晨燿 | 体育 2 | 4’10″77 | ||
18 | 大崎友裕 | 体育 1 | 4’12″13 | PB | |
19 | 岡田拓郎 | 体育 2 | 4’17″76 | ||
2 | 1 | 小野木宏太 | 体育 1 | 4’10″28 | PB |
3 | 中山純静 | 体育 1 | 4’14″36 | ||
4 | 本村春人 | 資源 1 | 4’14″61 | ||
8 | 熊谷秀人 | 国際 1 | 4’18″50 | ||
11 | 岡島広周 | 人文 4 | 4’27″38 | ||
12 | 斎藤一樹 | 体育1 | 4’29″98 |
6/20(日)第3回筑波大学競技会(2日目)
雨の予報であったが午前中から日差しの照りつける天気となった。レースの時間帯には少し涼しくなり、寒暖差の感じられる1日となった。コンディションとしては悪くなく、3000mでは小林竜也(体育3)が筑波大新記録なる自己ベストをマークして1位となった。
3000m
【1組】
スタート直後から杉山(体育4)、小林竜也(体育3)、平山(体育2)の3人がまとまってハイペースの流れを作って、先頭集団を形成した。1600mまで杉山が引っ張り、そこからは小林がペースを刻む。平山も奮闘するが残り800mで2人から離される。ラスト200mまで杉山と小林の二人、そこから小林がギアを上げて200mを30秒切る猛スパートで見事に筑波大記録を更新した。
冬の復帰から春の関東インカレの活躍に始まり、小林の今の勢いは凄まじい。最近の箱根プロジェクトのブログでも毎度非常に大きく取り上げている。その輝きは、レース毎に増していくようである。去年のブランク(怪我が長引いた長期の練習離脱)を感じさせないパフォーマンスは、怪我からの復帰に苦しむメンバーにとって大きな希望となり、チーム全体の士気も大きく上がっている。何より本人が自分自身の勢いに乗っている感じがする。さらに成長し続ける小林の活躍に今後も期待していただきたい。
<小林コメント>
『7月のレースで13分台を出す為に、練習の一環で8分15切りを目標に走りました。レースを終えて課題も見つかったので、残りの期間でクリアし、次は5000mで筑波大記録を更新します。』
また、駅伝主将の杉山も春先の故障から立ち直り本格的に復帰し、平山も二人に匹敵する走力を身につけつつある。平山においては、2年生の中心になって皆の意識を向上させようと引っ張ってくれている。それに答えようと2年生も少しづつチームの戦力になりえるようにとモチベーションが向上している。こうした主力陣の結果や働きかけによって、これから益々チームが勢いづいていくように感じている。
<平山コメント>
「今回の記録会は2週間後の順天堂大記録会に向けての実践的な練習という位置付けでした。強化期間の最中・調整無しということもあり身体の疲労度は高い状態でしたが、3000mはPB(8.31→8.27)を更新できました。その後の5000mでは、序盤から苦しい展開になってしまい、イメージとかけ離れた走り(タイム)になってしまいました。同じ設定で練習をしている小林(竜)さん、杉山さんと大きく差をつけられてしまい実力不足を痛感しましたが、順調にトレーニングは積めているので順天堂大記録会に向けてさらに強化していきたいです。」
3人の後ろの集団はスタートから五十嵐(体育3)が引っ張り、1000mからは自分でペースを刻んで後ろを引き離していった。後方集団はその後2000m付近から分かれ始め、各々が数人でまとまって走った。競技後にすぐ5000mがあるにも関わらず、皆が実践練習の意図を理解してハイペースを刻んで勢いを示してくれたと思う。上半期の終盤に、それぞれが自己記録を更新できるよう引き続き高い意識を持ってトレーニングに励んでいきたい。
また、今回の3000mのレース動画をYouTubeで公開しております。ぜひ筑波大新記録の瞬間をご覧下さい!
YouTube「2021/06/20 筑3 3000m1組 小林 筑波大記録!!」
組 | 順位to | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 小林竜也 | 体育3 | 8’13″39 | PB 筑波大新 |
2 | 杉山魁声 | 体育4 | 8’16″55 | PB | |
3 | 平山大雅 | 体育3 | 8’27″33 | PB | |
5 | 五十嵐優汰 | 体育3 | 8’34″39 | PB | |
6 | 山本尊仁 | 応理4 | 8’37″68 | ||
10 | 岩佐一楽 | 体育3 | 8’41″56 | ||
11 | 松村匡悟 | 体育3 | 8’44″68 | ||
13 | 長井隆星 | 体育2 | 8’50″70 | ||
14 | 永山龍吉 | 体育3 | 8’53″10 | ||
19 | 塚田萌成 | 医学2 | 9’05″89 |
5000m
【1組】
3000mが終了して10分と立たないうちに5000mがスタート。3000mを走ったメンバーは足が重い中、着実にペースを刻み、練習として非常にいい形で終えることが出来た。杉山と小林(竜)に関してはあのハイペースレースの後にも関わらず15分を切るという安定ぶりを見せた。岩佐(体育3)も復帰からの回復ぶりを見せ、積極的に集団を引っ張って自己新を狙うメンバーをサポートした。
自己新を狙うメンバーはスタートから積極的な姿勢を見せていった。藤原(体育2)はペースメイクを担当した伊藤(体育4)の後ろにつき、先頭集団で記録を狙っていった。1000mを2分54秒、3000mを8分44秒と良いリズムで流れに乗っていた。3200mまで伊藤が引っ張り、そこからは藤原の単独走となる。後半の2000mを5.59でカバーし、見事自己ベストを更新した。
<藤原コメント>
「今回のレースは、前半シーズンの最大目標として4月から練習に取り組んできました。タイムとしてはベストでしたが、3000mの通過以降ペースを落としてしまったので悔しいです。練習状況から見てももっと良い記録を狙えると思うので、故障せず走り続けます!」
第2集団は、レースの始めに、村田(体育3)が1000mまで引っ張り、代わって長谷川嵩(医療2)が2000m過ぎまで引っ張り積極的な姿勢を見せた。村田は2000m手前で集団から離れる苦しい展開になるが、後方から追いついてきた集団に食らいついた。長谷川は残り1000m手前まで1キロ3分ペースを維持していたがそこから失速。古川(体育1)は2400m過ぎで後ろから来た杉山、小林竜に付き、4000mで長谷川まで追いつく。しかし、もう少しのところで離され、ラスト切り替えるも14分台には届かなかった。長谷川も追いつかれて一度は持ち直したがそれを維持できず、14分台を逃してしまった。
組 | 順位 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 藤原潤乃佑 | 体育2 | 14’43”04 | PB |
2 | 杉山魁声 | 体育4 | 14’55”57 | ||
3 | 小林竜也 | 体育3 | 14’55”63 | ||
5 | 古川幸治 | 体育1 | 15’04”26 | ||
6 | 山本尊仁 | 応理4 | 15’05”12 | ||
7 | 長谷川嵩汰 | 医療2 | 15’10”71 | PB | |
8 | 岩佐一楽 | 体育3 | 15’17”75 | ||
10 | 塚田萌成 | 医学2 | 15’19”98 | ||
13 | 松村匡悟 | 体育3 | 15’22”80 | ||
14 | 長井隆星 | 体育2 | 15’26”52 | ||
15 | 薮下温司 | 社会4 | 15’27”37 | ||
16 | 五十嵐優汰 | 体育3 | 15’29”83 | ||
20 | 村田修作 | 体育3 | 15’44”61 | ||
21 | 永山龍吉 | 体育3 | 15’44”69 | ||
24 | 鈴木晨燿 | 体育2 | 15’51”28 | ||
25 | 平山大雅 | 体育2 | 15’58”04 | ||
28 | 照内淳和 | 医学2 | 16’24”81 |
この二日間を通して、見えてきたものはとても多いです。主力陣は小林の筑波大記録に始まり、その3000mを走った後の5000mもしっかりとまとめました。怪我で記録会に出場できていなかった杉山や岩佐も復帰し、箱根予選に向けてチームのエースが戻りつつある。逆に、自己ベストの更新を狙ったメンバーが十分に結果を出すことが出来なかったのも事実。去年の箱根予選会で浮き彫りになった選手層の薄さという課題を今だ充分に克服しきることが出来ていません。
箱根予選会は12人の走者が必要であり、チームの総合力での勝負となります。他大学よりも人数が少ないため、他大学よりも一人一人の成長が求められてきます。これから夏の強化期間に入るまでに記録を狙える機会も少なくなっていますが、その少ない機会を活かして記録を更新してチーム全体がいい流れで夏の強化期間に入っていきます。
これからも応援のほどよろしくお願い致します。