2023年度4月10日、9名の新入生が筑波大陸上競技部 男子長距離ブロックに加入しました。4学年が揃った新体制での活動も、間もなく1ヶ月が経とうとしています。今年度の新入生は、多様なバックグラウンドを持ち個性豊かであることが特徴として挙げられます。
筑波大学は、国立総合大学として箱根駅伝を目指すチームであることから、これまでにも多種多様な経歴を持った学生が活動してきました。部員の多様性は、常にチームに良い影響を与えていると感じています。
今年度の1年生は、5000mの持ちタイムが例年より速いことも特徴の一つです。例年自己記録が15分台や16分台で入学する学生が多い中、今年度はなんと9人中5人が14分台の自己記録を有しており、15分10秒以内まで含めると7人になります。
筑波大は、レベルに応じて細かくグループ分けをして強化することで、入部時には15分台・16分台の学生も毎年大きく実力を伸ばしています。このことからも、今年度の1年生たちが現時点からどれだけ成長していくのか、平均タイムを考えると、とても楽しみな存在であると言うことができます。
それでは、このような特徴を持った今年度の新入部員たちの紹介をしていきたいと思います。
(担当:寺田、伊藤)
▼伊佐昂大(いさ こうた)新潟・長岡大手高校
高校3年の時に3000m障害でインターハイに出場したスピードランナーである。3000m障害の持ちタイムは9分07秒94であり、今後筑波大での練習に適応していくに従い、長い距離でも結果を出していけるポテンシャルを秘めている。今後の活躍が楽しみな選手で、持ち味は「狙ったレースを外さない」との自己分析にも大物感が漂う。高校の恩師に結果で恩返しをしたいと語る。
▼小山陽生(こやま はるき)福井・美方高校
高校から陸上競技を始め、その魅力に気づくと、より良い環境を求めて福井県の強豪校である美方高校に転校。スポーツ推薦で大学に入学するも、故障に苦しみ退学。心機一転、一年の浪人を経てこの筑波大学に入学した。チームの2年生エースである小山洋生(体育2)の兄であり、稀有な背景と現況からも、筑波大学の多様性を体現する選手の一人であると言える。「陸上競技人生の第2章と題して、21歳の決意と覚悟を見せたい」と語る。
▼川﨑颯(かわさき そう)大阪・東海大仰星高校
高校1年次に14分台を出したがその後2年間は伸び悩み、苦労して筑波大に入学してきた選手である。ポテンシャルは相当に高く、大学で どれだけ大化けするのか楽しみである。「陸上競技を楽しむ」という考えを大切に競技に取り組んでおり、また今後に向けては「積極的なレース展開ができる選手になりたい」と語っていることからも、その意気込みは十分である。
▼立野晴士(たての はると)大阪・生野高校
立野も川崎とともに大阪出身である。小中学校の9年間はバスケットボール一筋だったようだが、高校入学時に陸上競技に転身。怪我が多かったため突出した成績は残せなかったが、駅伝への思いは人一倍強い。ロード適性も抜群で、駅伝の10km区間では当時の5000mの自己記録のペースで走り切ったこともある。また、積極的なレース展開に絶対的な自信を持っており、大学のレースでどんな走りを見せてくれるのか、今から楽しみにしたくなる選手である。
▼余村佑太朗(よむら ゆうたろう)広島・広島皆実高校
余村も高校から競技を始めたが、高校3年時には5000mで中国大会に進出した経験を持つ。入部してからの練習でも、自分の考えを持って取り組んでいる印象がある。口数は多くないようだが、バラエティーに富んだ1年生を取りまとめる学年リーダーに立候補してくれた。本人曰く「やるときはやる」という性格のようで、大学4年間で、その持ち前の積極性と集中力を発揮してもらいたい。
▼渡辺大星(わたなべ たいせい)愛知・時習館高校
渡辺も異色の経歴を持つ。去年までは関西の大学に在籍していたが、箱根駅伝を走りたい思いが募り、昨年冬に一念発起して、筑波大学への受験勉強を開始。見事、合格し長距離ブロックの門を叩いた。中学時代に800mで全日本中学選手権に出場した経歴が示すように、中距離で培ったスピードが持ち味。走りを見ていてもスピードタイプのランナーであることがうかがえる。まだ公認での5000mの自己記録を持っておらず、まさに長距離種目は未知数。今後どのような成長曲線を描くのか、目が離せない。
▼平尾快(ひらお かい)徳島・脇町高校
長距離ブロックには、体育専門学群以外の学類に所属し文武両道を実践する学生が一定数おり、今年度も3人の1年生がその道を歩み始めた。その一人、平尾は周りの影響で幼い頃から走ることをしていたそうだが、高校の陸上部では練習で競い合う環境に恵まれず、自分で練習を計画し実行していたという。受験後から個人で段階的に練習を積めており、大学での練習も順調にこなしている。長距離が得意でスピードがないというので、フォーム改善が実現すれば今後大幅な記録向上が見込めるだろう。
▼成石昌平(なりいし しょうへい)埼玉・川越高校
成石は国際総合学類に所属し、箱根駅伝を目指して競技を行う。高校では専門的な指導は受けず、同級生と相談して練習を計画していた、とのこと。また、怪我の予防に関して自主的に情報を調べて実践するといった研究熱心な性格を持っている。「長距離走の適性はあると思うが、スピード能力は低い」と話すが、今後の取り組みで改善することができれば、大躍進すること間違いないだろう。
▼大瀧圭佑(おおたき けいすけ)茨城・水戸第一高校
大瀧は後期試験で合格したことで筑波大に入学してきた。浪人の手続きを完了させていたが、最後の最後に筑波大で箱根駅伝を目指すことを決意した、という。「集中力が持ち味です」と言い、今後のレースでの走りが楽しみである。現在は受験勉強によるブランクを抱えているものの、計画的に練習を積み上げ始めており、これからの飛躍が期待できる。
氏名 | 所属 | 出身県
出身校 |
5000m
ベスト記録 |
---|---|---|---|
伊佐昴大 | 体育 | 新潟
長岡大手 |
14分52秒77 |
小山陽生 | 体育 | 福井
美方 |
14分29秒20 |
川﨑颯 | 体育 | 大阪
東海大仰星 |
14分49秒46 |
立野晴士 | 体育 | 大阪
生野 |
14分56秒25 |
余村佑太朗 | 体育 | 広島
広島皆実 |
14分56秒73 |
渡辺大星 | 体育 | 愛知
時習館 |
15分10 (非公認) |
平尾快 | 総合 理系Ⅰ |
徳島
脇町 |
15分04秒88 |
成石昌平 | 国際 | 埼玉
川越 |
15分41秒85 |
大瀧圭佑 | 応理 | 茨城
水戸第一 |
16分01秒54 |
現在、1年生は競技レベルに関係なく基礎鍛錬に励んでいます。春シーズンは目先の結果を求めるのではなく、まずは今後の練習を充実させていくための土台強化を図っています。すでに1年生はチームになじんでおり、1年生の間でも和気あいあいとした雰囲気で活動し、練習に対しても非常に意欲的です。
今回紹介した1年生を筆頭に、成長を続ける僕たち男子長距離ブロックの活躍を期待していただくとともに、応援のほど よろしくお願い致します。