関東インカレが終わり、早くも1ヶ月以上が経過しました。現在チームは、トラックレースに向けたスピード練習に加えて、夏合宿に向けた持久的な練習にも取り組んでいます。日に日に暑さが増す中ではありますが、夏の強化を乗り越えるためにも、今の時期からスピードと持久力、両面の向上に励んでいます。
5月から6月にかけて開催されました筑波大競技会には、1年生が入学後初めてのレースに出場し、多くの選手が頭角を現しました。また上級生は6月中旬の5000mと1500mに出場。厳しい気象コンディションの中で、タフなレースとはなりましたが、それぞれの選手が自身の現状と課題を見つける貴重な機会となりました。
今回は5月・6月に開催された各競技会の結果について報告いたします。(4年:藤原潤乃佑)
5/20,21 第1回筑波大競技会
関東インカレから1週間後に開催された筑波大競技会。今回の競技会にはインカレ選手を除いた多くの学生が出場した。上級生は約1ヶ月ぶりの試合、そして1年生にとっては “待望の大学デビュー戦” となり、チームとしても注目度の高い試合となった。
今回の1500mと3000mの目的は様々だが、特に1年生は入学後1ヶ月半の練習を経て、大学受験期から「どれくらい基礎体力が戻ったのか」という確認ができる絶好の機会となった。加えて関東インカレに出場した選手が、チームによるインカレまでのサポートと応援への感謝の意を込め、ペースメーカーを務めることとなった。筑大競ならではのサポート体制を受け、選手はスタートラインに立った。
【5/20(土) 男子1500m】
初日の1500mには14名の選手が出場した。また関東インカレの1500mに出場した藤原(体育4)と小牧(体育2)、3000mSCに出場した鍔(体育2)がペースメーカーを務めた。
〈1組〉
目標タイムを3分55秒切りに設定した1組目。PMの小牧を先頭に鈴木将(医学2)と川崎(体育1)が400mを60秒で通過しハイペースで押していく。後ろの集団もPMの藤原を先頭に400mを62秒で通過し、十分に目標タイムを達成できる展開でレースは進んだ。
レースは800mを通過すると、第2集団を走っていた小山陽(体育1)が先頭を猛追、一気に先頭に躍り出るとそのまま先頭でフィニッシュ。約4年ぶり且つ8秒も自己ベストを更新(4:02.81→3:54.25)する走りで、実力を示す結果となった。
また、2着に入った松浦(化学2)はラスト400mを58秒でカバーし、自己ベストをマーク。怪我に泣かされ続けた1年時の鬱憤を晴らす走りに、これからの活躍へ向けての決意を感じられた。
〈2組〉
2組目は関東インカレ 3000mSC に出場した鍔(体育2)がペースメーカーを務め、4分切りの目標達成に向けてサポートをした。鍔の引っ張りもあった中だが、出場した3選手は序盤から苦しい走りとなってしまう。
タイムこそ目標に遠く及ばなかったが、特に鈴木晨(体育4)には大きな声援が送られた。鈴木は今年からプレイングマネージャーとして活動しており、普段は選手のサポートをしながら少ない時間を使って練習に取り組んでいる。その苦労を見ている選手たちは、日頃の感謝の想いを精一杯の声援に換えて届けていた。
【小山陽コメント】
「2年半振りのトラックレースでした。まずこうして再びレースの舞台に戻って来れたことを嬉しく思っています。復帰レースをPBラインでまとめることができて一安心な一方で、まだまだ実力不足です。慣れない練習が多く、思うように継続できない日々が続いていますが、心は熱く精進していきます。ありがとうございました。」
【松浦コメント】
「今競技会において、1500mに出場し、3’55″64で、自己記録を約2秒更新できました。まだまだ誇れるタイムではありませんが、試合に出走できたこと、自己ベストを出せたことが昨シーズンの苦難を考えると、心から嬉しく思います。今後は、昨年は参加すら叶わなかった夏合宿を乗り越えて、ハーフマラソンまでの距離に対応できる走りを身につけ、第100回大会への出場に貢献できる選手になることを目標に頑張っていきます。今後とも、ご声援の程よろしくお願い致します。」
〈男子1500m 1組 結果〉
着順 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 小山陽生 | 体育1 | 3:54.25 | PB |
2 | 松浦海瑠 | 化学2 | 3:55.64 | PB |
3 | 鈴木将矢 | 医学2 | 3:56.75 | |
6 | 川﨑 颯 | 体育1 | 4:01.21 | |
7 | 丸子晴樹 | 工シス2 | 4:02.95 | PB |
8 | 富山翔太 | 地球4 | 4:02.97 | |
9 | 立野晴士 | 体育1 | 4:08.51 | |
10 | 大崎友裕 | 体育3 | 4:09.54 | |
11 | 寺田周世 | 人文2 | 4:11.67 | |
12 | 中山純静 | 体育3 | 4:12.23 | |
13 | 小林大晃 | 体育4 | 4:13.38 |
〈男子1500m 2組 結果〉
着順 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|
8 | 本村春人 | 資源3 | 4:19.15 | |
9 | 鈴木晨耀 | 体育4 | 4:20.36 | |
10 | 照内淳和 | 医学4 | 4:27.22 |
【5/21(日) 男子3000m】
前日の1500mに続いて3000mには15名が出場した。3000mのペースメーカーには1500mでも務めた3名に加え、平山(体育4)と吉田(体育3)、小山洋(体育2)と計6名が参加した。
レースは2000mの通過目標を定め、ペースメイクしていくこととなった。かなり蒸し暑さを感じるタフなコンディションの中、それぞれが立てた目標を達成すべくスタートラインに臨んだ選手たち。前日の1500mで悔しい思いをした選手も多く、3000mで挽回しようと意気込んでいた。
レースは2000mを5分40秒、50秒、6分切りと3グループに分かれて進んでいった。そして、2000mを過ぎ、PMが離れていくと最後の絞り込みが始まっていく。先頭集団からは、前日の1500mで悔しい思いをした鈴木将(医学2)が抜け出し1着フィニッシュ。持ち前のスピードを活かし、今後長い距離にも対応していくに当たって足がかりとなるレースになった。
【鈴木将コメント】
今競技会において、3000mに出場し、8’31″12で、自己記録を約1秒更新することができました。この先の順大5000mのことを考えるとまずまずのタイムを出すことが出来、幸先の良いスタートを切ることが出来ました。ですが、夏合宿、予選会を見据えるとまだまだの実力なので、より一層努力していきたいと思います。今後とも、ご声援の程よろしくお願い致します。
〈男子3000m 結果〉
着順 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 鈴木将矢 | 医学2 | 8:31.12 | |
2 | 松浦海瑠 | 化学2 | 8:34.61 | PB |
3 | 富山翔太 | 地球4 | 8:35.77 | PB |
4 | 小山陽生 | 体育1 | 8:37.81 | PB |
5 | 丸子晴樹 | 工シス2 | 8:43.90 | PB |
6 | 川﨑颯 | 体育1 | 8:43.94 | |
8 | 中山純静 | 体育3 | 8:50.54 | PB |
9 | 寺田周世 | 人文2 | 8:50.81 | |
10 | 大崎友裕 | 体育3 | 8:55.71 | PB |
11 | 立野晴士 | 体育1 | 9:04.07 | |
12 | 熊谷秀人 | 国際3 | 9:06.03 | |
13 | 照内淳和 | 医学4 | 9:08.36 | |
15 | 小林大晃 | 体育4 | 9:11.27 | |
17 | 本村春人 | 資源3 | 9:29.89 | |
18 | 鈴木晨耀 | 体育4 | 9:36.77 |
6/10,11 第2回筑波大競技会
第1回の筑波大競技会から3週間後。今回の競技会は、7月の5000mに向けた強化練習の一環として、5000mと1500mに出場した。季節の変わり目となる6月、安定しない気候に左右されながらも、各選手が現状の走力とチーム内での立ち位置を確認する良い機会となった。
【6/10(土) 男子5000m】
湿度が高く、外にいるだけで汗ばむような気候の中で開催された5000m。7月の記録会で自己ベストを狙うべく、多くの選手が3000mの通過タイムを意識してスタートラインに立った。
レースは先頭が1000mを2分48秒前後とハイペースで入ったこともあり、その後は、蒸し暑さに全員が苦しむ展開となってしまった。中盤以降タイムを落としていく選手が続出し、自己記録を更新した選手は0名と厳しい結果となった。
しかし、教育実習から帰ってきた主将の平山がペースを作り、教育実習から一時帰宅した副主将の皆川が中盤以降先頭を引っ張るなど、どんよりとした蒸し暑さを吹き飛ばすようなレースでもあった。頼れる主将、副主将が戻ってきたことで、さらに活気あるチームになっていくことが期待できるレースであった。
〈男子5000m 結果〉
着順 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 皆川和範 | 物理4 | 14:42.91 | PM |
2 | 吉田海渡 | 体育3 | 14:45.65 | |
3 | 富山翔太 | 地球4 | 14:53.02 | |
4 | 藤原潤乃佑 | 体育4 | 14:56.46 | |
5 | 鈴木将矢 | 医学2 | 14:57.94 | |
6 | 平山大雅 | 体育4 | 14:58.27 | PM |
7 | 小山洋生 | 体育2 | 15:00.54 | |
8 | 塚田萌成 | 医学4 | 15:02.97 | |
9 | 中山純静 | 体育3 | 15:04.94 | |
10 | 丸子晴樹 | 工シス2 | 15:05.36 | |
11 | 小牧直登 | 体育2 | 15:05.46 | |
12 | 寺田周世 | 人文2 | 15:06.88 | |
13 | 堀口花道 | 体育2 | 15:14.90 | |
14 | 長谷川健太 | 資源3 | 15:17.78 | |
15 | 大崎友裕 | 体育3 | 16:03.81 |
【6/11(日) 男子1500m】
前日の5000mの疲労もある中、短い距離のスピード持久力を試す絶好の機会となった1500m。またこの1500mには1年生も出場し、上級生にとっては負けられない一戦となった。
主将の平山がペースを作った1500m。序盤からペースを維持し先頭でゴールしたのは、現在のチームで最も速い3分46秒台の記録を持つ吉田(体育3)であった。そしてその吉田に最後まで果敢に食らいついたのは小山洋(体育2)。2年生ながらチームのエースとして期待される小山が1500mのスピード領域でも対応できることを証明し、この夏の好記録に期待が持てる結果となった。
また、入学後から実力を遺憾無く発揮し続けている川﨑(体育1)も自己ベストを更新。惜しくも関東インカレB標準(3’54″00)には届かなかったが、今後の活躍への期待が大きくなるレースとなった。
【小山洋コメント】
「前日の5000mで納得のできる走りができず、1年ぶりの1500mであまり自信はなかったですが、一定のペースで1000mまで落ち着いて走り、ラスト1周で切り替えて絞り出すことができました。関東インカレ後から出力を上げた練習をしてきたので、その成果を記録として出すことができてよかったです。次のレースが前半シーズンの最終戦となるので、狙った記録を出して、いい流れで夏を迎えられるよう更に頑張っていきます。応援ありがとうございました。」
【川崎コメント】
「第2回筑波大学競技会におきまして、3分54秒67で自己ベストを約4秒更新する走りが出来ました。自己ベストではありますが、関東インカレB標準の3分54秒00を切るという目標を持って挑んだレースだったため、少し悔しさが残っています。筑波大学に入学してから順調に練習等もこなすことができているため、この調子で今後も成長し続けられるように頑張ります。」
全体としては前日に蒸し暑さの中走った5000mの疲労が大きかったのか、スタート直後からスピードに乗り切れない選手が多くみられた。課題が多く残るレースとなったが、7月の記録会に向けて「選手それぞれが取り組むべき課題を明確にできた」と前向きに捉え、残りの強化期間に向かっていくことができそうだ。
着順 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 吉田海渡 | 体育3 | 3:51.01 | |
2 | 小山洋生 | 体育2 | 3:52.07 | PB |
3 | 川﨑颯 | 体育1 | 3:54.67 | PB |
4 | 鈴木将矢 | 医学2 | 3:56.22 | |
5 | 藤原潤乃佑 | 体育4 | 3:57.46 | |
6 | 富山翔太 | 地球4 | 4:00.08 | |
7 | 余村佑太朗 | 体育1 | 4:02.36 | PB |
8 | 堀口花道 | 体育2 | 4:03.75 | |
9 | 小牧直登 | 体育2 | 4:03.86 | |
10 | 長谷川健太 | 資源3 | 4:05.74 | |
11 | 丸子晴樹 | 工シス2 | 4:07.13 | |
12 | 中山純静 | 体育3 | 4:11.20 | |
13 | 寺田周世 | 人文2 | 4:12.56 | |
14 | 塚田萌成 | 医学4 | 4:16.50 | |
15 | 大崎友裕 | 体育3 | 4:22.04 | |
16 | 源侑也 | 応理2 | 4:25.48 | |
DNF | 平山大雅 | 体育4 | PM |
6/24,25 第3回筑波大競技会
ここ1ヶ月で3回目となる筑大競、今回は春先から基礎鍛錬を続けてきた1年生と怪我明けの復帰組が出場した。1年生が取り組んできた基礎鍛錬は、これから4年間をかけて成長し続けるための大事な土台づくり。練習量も多く、全身が悲鳴を上げながらも我慢強く取り組んできた成果を発揮する機会となった。
【6/24(土) 男子1500m】
9名が出場した1500m。1組目は今シーズン好調を維持し、関東インカレの標準記録(B 3’54″00)突破を狙う川﨑(体育1)が集団を引っ張り、渡辺、余村(共に体育1)が続く形となった。先頭に食らいつく渡辺はこれが大学デビュー戦。久々のレースとなったが意地の3分台で走り切り、見事自己ベストを更新した。続いた余村は惜しくも3分台とはならなかったが、自己ベストを更新する走りを見せた。
また、このレースで長井(体育4)が復帰。長かった故障期間に加え、4週間もの教育実習から帰ってきた事でチームに再び競争の嵐を巻き起こしてくれるだろう。
【渡辺コメント】
「今回の競技会が大学デビュー戦となりました。多くの課題が浮き彫りになるレースとなってしまい、タイムも内容も満足できるものではありませんでしたが、久しぶりのレースで1500mと3000m共に最低限のタイムで走ることができた点は良かったと思います。確実に練習を積み、今後のレースではもっと良い走りができるように精進していきます。」
【余村コメント】
「第3回筑波大競技会において、1500mで自己ベストを更新することができました。ラストで上げ切ることができず、まだまだ持久力に課題があるなと感じました。これから箱根駅伝予選会に向けて、まずは夏合宿をこなせることができるように体力をつけて、怪我等で離脱することがないようにしていきます。」
2組目には、成石(国際1)、大瀧(応理1)の1年生コンビと伊藤(障害2)が出場。体育専門学群以外の学生も活躍することができるのも筑波大の魅力。それを体現するかのように懸命な走りを見せ、成石は自己ベストを3秒近く更新(4:17.38→4:14.51)。これからの飛躍に期待したい。
〈男子1500m 1組 結果〉
着順 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|
3 | 川崎 颯 | 体育1 | 3:59.69 | |
4 | 渡辺大星 | 体育1 | 3:59.93 | PB |
6 | 余村佑太朗 | 体育1 | 4:01.94 | PB |
7 | 長井隆星 | 体育4 | 4:02.59 | |
12 | 斉藤一樹 | 体育3 | 4:12.77 | PB |
14 | 源侑也 | 応理2 | 4:18.64 |
〈男子1500m 2組 結果〉
着順 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|
9 | 成石昌平 | 国際1 | 4:14.51 | PB |
14 | 大瀧圭佑 | 応理1 | 4:29.98 | |
15 | 伊藤 俊 | 障害2 | 4:37.82 |
【6/25(日) 男子3000m】
日差しが降り注ぎ、蒸し暑さの感じられる中で行われた3000m。前日の1500mに出場した9名が、3000mにも出場した。1500mと同じく、これまでの基礎鍛錬の成果を発揮できるか、期待された。
レースは中距離ブロックの井内先輩(M2)の引っ張りで、8分30秒ペースで進んでいった。川﨑、余村に加え、3年目の飛躍を目指す斉藤(体育3)が果敢に食らいつく展開となった。そして中盤以降ペースを落とさず走り切ったのは川﨑。安定した強さを見せ、ほぼ目標タイム通りに走り切り、その実力を発揮した。
余村、斉藤は苦しい走りとなったが、臆せず突っ込んだことは評価できるだろう。この経験をどう活かしていくか、これから楽しみだ。
そして特筆すべきは成石だろう。1500mに続いて3000mでも自己ベストを更新し、更なる記録の更新が楽しみな選手の一人である。これまでの基礎鍛錬、そして迎える夏を越えた先で、どのような選手に成長していくのか大いに期待したい。
【成石コメント】
「第3回筑波大競技会において、1500m、3000mで自己ベストを更新することができました。どちらも後半粘りきれず、目標タイムには届かなかったのですが、入学後初レースでどちらの種目でも自己ベストを出すことができて良かったと思います。しかし、箱根駅伝を目指す上ではまだまだ遠く及ばない自己記録なので、今回のレースで得たことを今後の練習に生かしながら、もっともっと力をつけていきます。」
〈男子3000m 結果〉
着順 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 川﨑颯 | 体育1 | 8:31.13 | |
2 | 余村佑太朗 | 体育1 | 8:51.40 | |
4 | 長井隆星 | 体育4 | 8:55.85 | |
5 | 渡辺大星 | 体育1 | 8:57.93 | PB |
9 | 成石昌平 | 国際1 | 9:11.96 | PB |
10 | 源侑也 | 応理2 | 9:18.70 | |
12 | 斉藤一樹 | 体育3 | 9:32.58 | |
14 | 大瀧圭佑 | 応理1 | 9:45.49 | |
15 | 伊藤俊 | 障害2 | 10:02.66 |