5月11-14日に神奈川県相模原ギオンスタジアムで開催された 第102回 関東学生陸上競技対校選手権大会の結果を報告させていただきます。(担当:熊谷秀人 宮代和騎)
- 1日目 男子1部 1500m予選、男子1部 10000m決勝
【1部 1500m予選】
関東インカレ中長距離種目は1500mで開幕し、男子長距離ブロックから小牧直登(体育2)、藤原潤乃佑(体育4)、吉田海渡(体育3)の3名が出場した。
昨年の関東インカレ1500mで6位入賞を果たしている吉田と、順調に調子を上げ初関カレの切符を掴み取った藤原、小牧の活躍に期待がかかる。
【1500m 予選1組目】
1組目には、小牧が出場。小牧は冬季練習で調子を大きく落としていたものの、怪我を一度もすることなく継続して練習に励んできた。春シーズンに入り順調に調子を上げ、トラックレース初戦では 3‘53’‘26 の自己記録をマークし、関カレの出場権を得た。
決勝進出ラインである組5着以内を目指し、小牧はスタートを切った。レースはスタート直後からスローペースで推移したが、残り600mを切ったところで集団のペースが一気に上がった。
「中距離は格闘技」と呼ばれるように、位置取り争いが激化した。後方に押し出された小牧は必死に前に食らいつくが、先頭集団のペースが更に上がり、どんどん差を離されていく。最終的に小牧は先頭と10秒の差を付けられ、1組目 15着、タイムは 4‘00’‘00 と、悔しさの残るレースとなった。
【小牧のコメント】
「この度、関東インカレの1500mに出場させていただきました。このような大きな舞台で走ること自体初めてであったため、緊張感というよりも高揚感の方が上回っていました。しかし、ただ走るだけで終わりたくはなかったため、スタートからはできるだけ前方で積極的にレースを進めた。
2周を過ぎた辺りで、集団のペースが少し上がりました。その瞬間集団に呑まれ、後ろに弾き出されてしまいました。そのまま切り換えることができず、結果は 4’00″00 予選1組 15着で、目標としていた決勝進出には及びませんでした。
しかし、今回のレースで入賞するためにはどのくらいの力が必要か、どのようなレース展開になるのかなど、色々と肌で感じることができました。この経験を活かして、来年再来年に向けてさらにレベルアップしていきます。
関東インカレ後からは、5000mで14分30秒切りを20人出すという上半期のチーム目標に向かって練習を始めています。1500mで培ったスピードを、まずは5000mまで上手く落とし込み、14分52秒66 から大幅にベストを更新できるように頑張っていきます。」
【1500m予選2組目】
2組目には、昨年度同大会同種目で7位入賞を果たしている吉田と、昨年度 3’49’’34 の好記録をマークし、トラックレースの勝負強さに定評のある藤原が出場した。
風の影響からか、1組目と同様に序盤からスローペースでレースが進んだ。ラスト500m地点で集団のペースが一気に上がり、集団が少しずつ縦長になっていく。
2人は懸命にラストスパートをかけ、ラスト1周を56‐57秒でカバーするも吉田は組9着、藤原は11着でゴールした。ハイレベルな上に、今まで経験したことのない難しいレースを強いられ、予選通過とはならなかった。
吉田は4日目の男子1部 5000m決勝にも出場予定である。気持ちを切り替え好走に期待したい。
【藤原のコメント】
「関東インカレ1500mに出場しました、まず、たくさんの応援をありがとうございました。結果は予選落ちとなり、目標としていた決勝進出には届きませんでしたが、ハイレベルな駆け引きやスパート合戦を経験することができ、これまで経験してきたレースの中で一番楽しかったです。
関東インカレが終わった今、次の目標は箱根駅伝です。個人としては競技人生の集大成を、チームとしては第1回大会出場校としての意地とプライドを胸に、出場権獲得のために頑張っていきます。これからも応援、ご支援のほどよろしくお願いいたします。」
【男子1部 10000m決勝】
関東インカレ初日の夕方、男子1部10000m決勝が行われた。男子長距離ブロックからは主将兼エースである平山大雅(体育4)と、入部後から飛躍的な成長を遂げている期待の小山洋生(体育2)の2名が出場した。
10000mには箱根駅伝常連校の大学の選手も多くエントリーされ、ハイレベルなレース展開が予想された。この日は冷たい雨に見舞われ、悪天候の中レースがスタートした。にもかかわrず、序盤から2‘50/㎞前後のハイペースで推移し、集団はかなりの縦長になった。
2人は後方から落ち着いてレースを展開するも、先頭集団のペースが速く、徐々に離される苦しい展開に。小山はうまく集団を見つけレースを進めたものの、平山は集団から離され単独走状態に。
レースの後半、2人は必死に粘るも、小山は 24着 29’41‘’98、平山は 27着 29‘50’‘34でゴールし、ともに悔しい結果となった。平山は4日目の男子1部 5000m決勝での雪辱に期待がかかる。
【小山のコメント】
「関東インカレでは満足のいく記録が出せず、勝負に加わることもできずとても悔しい結果となりました。3週間前の日体大長距離競技会やその後の練習から考えると妥当な結果で、当日に持っていた力は出すことができたと思いますが、他大学はエースではない選手が出場していた中において、その選手たちに歯が立たなかったので、力の差を痛感しています。
箱根駅伝予選会で勝つためにはもっと強くならなければいけないと感じることができたので、今回の経験や感じたことを日々の練習に生かして力をつけていきます。応援ありがとうございました。」
●3日目 男子1部 3000mSC 予選
3000mSCいは、鍔颯人(体育2)が出場した。鍔は180センチを超える長身を活かした広いストライドが武器の選手で、春にA標準記録を突破したことで勢いに乗っており、8分台の自己ベストと決勝進出を目標にレースに臨んだ。レース序盤は、良い位置取りで落ち着いたレース運びを見せた。顔にも余裕が見え予選突破に大きな期待がかかった。
終盤、集団のペースが上がると少しずつ集団から離れ、結果は2組 8着 9’10″11 となった。目標にはあと一歩届かなかったが、関東インカレという大舞台で得た経験は今後の糧になるはずだ。
【鍔のコメント】
「今回の関東インカレは決勝に進み、そこで入賞争いに加わることを目標として臨みましたが、今までに経験したことのないレース展開に対応できず、タイム、順位ともに悔しい結果となってしまいました。今回の反省を生かし、来年は絶対に決勝で勝負できるような選手になります。」
●4日目 男子1部ハーフマラソン、5000m決勝
最終日にはハーフマラソンと5000m決勝が行われた。
【男子1部ハーフマラソン】
ハーフマラソンには、皆川和範(物理4),塚田萌成(医学4),古川幸治(体育2)の3選手が出場した。3選手とも関東インカレは初出場となったが、ロードでの安定感は抜群で、箱根駅伝常連校の選手たちとどのように渡り合うことができるかが期待された。スタートから山梨学院の留学生選手が 1km 2’55″を切るハイペースで集団を引っ張った。皆川、塚田、古川の順に競技場を飛び出し競技場周辺の周回コースへとレースの舞台は移された。
序盤、皆川は先頭集団の後方で積極的にレースを進める。塚田は第二集団、古川は集団の後方でレースを進めた。早い段階で集団がばらけはじめ、皆川は持ち味である攻めて粘る走りを見せ、入賞が見える位置で終盤まで力走した。入賞にはあと一歩及ばなかったが、他大のエースに引けを取らない見事な走りだった。
塚田は淡々とほぼイーブンペースで走り通し、次々と順位を上げていく。レース後半でもラップを落とさず、ロードでの強さをいかんなく発揮したレースとなった。古川は序盤、集団の後方で苦しい走りとなったが決して諦めることなく、1人、また1人と順位を上げていった。その走りからはこれからチームの中心選手として走っていく覚悟が感じられた。以下が最終結果です。
皆川和範 64.07 10着
塚田萌成 65.41 21着
古川幸治 68.50 31着
【皆川のコメント】
「第102回関東インカレにおきましてハーフマラソンに出走し、64’07” で 10位でした。入賞を目指していましたが、およそ 30秒及びませんでした。しかし、この 30秒はわずかのものではなく大きな差だと感じています。他校のエースと戦うためには、この差を埋める必要があります。夏を越えて自分がどのように変化するかを楽しみに、箱根駅伝予選会までの残りの期間、練習に取り組んでいきます。応援ありがとうございました。」
【塚田のコメント】
「初めての関東インカレの舞台で緊張しましたが、自分の力はしっかりと発揮することができました。それでも 21位という結果に終わり、他大学との力の差を痛感するレースとなりました。自分がまだまだ力不足だということがよく分かったので、予選会ではもっと良い走りができるように精進していきます。」
【古川のコメント】
「初めての関東インカレでしたが、“箱根駅伝予選会も見据えて” のハーフマラソンという位置付けで出場しました。勝負をするため、練習では以前よりも高い水準で強化練習を積んできましたが、脚の怪我を抱えたままの出場となり、苦しい戦いになりました。それでも、他大学の選手との実力差を肌で感じることが出来たのは夏に向けての大きな収穫でした。この悔しさを胸に、箱根駅伝予選会でリベンジを果たせるようこれからも精進してまいります。ご声援ありがとうございました!」
【男子1部 5000m決勝】
長距離の最終種目である5000mにはフィナーレにふさわしく各大学のエースがエントリーされていた。筑波大学からは主将の平山大雅(体育4)と吉田海渡(体育3)が出場した。二人とも初日のレースでの雪辱を果たすべくスタートラインに立った。
レースは留学生や順天堂大学の三浦龍司選手らを先頭にハイペースで進んでいく。冷たい雨が降る中のハイペースでのレースに、二人は徐々に集団の後方に下がり後半は苦しい走りになった。それでも両選手はチーム、そして大学の代表として最後まで全力で駆け抜けた。この悔しい経験が必ず今後に活きる、そんなレースとなった。
吉田海渡 14″53.57 34着
平山大雅 14”57.62 35着
【平山のコメント】
「日頃より沢山の応援ありがとうございます。
目標の入賞には程遠い 14’57″62 で 35位という結果でした。今シーズンは自分が目指すべきタイムと実際のタイムの乖離が大きく、関東インカレでも修正ができませんでした。この大会を春シーズンの大一番として考えていたのでこのような結果で終わってしまい悔しい気持ちと情けない気持ちでいっぱいです。残された試合は箱根駅伝予選会と全日本インカレだけなので、そこに向けて全てをかけて練習していきます。多方面からの応援、ご支援ありがとうございました。」
【吉田のコメント】
「タイムも順位も目標に届かず、悔しい結果となってしまいました。しかし他大学のエース選手と走れた経験は、自分の中でとても貴重なものとなったので、今後は彼らと張り合えるよう、一から頑張ります。応援ありがとうございました。」
第102回 関東学生陸上競技対校選手権大会の結果
種目 | 着順 | 氏名 | 所属 | 記録 |
---|---|---|---|---|
1500m 予選1組 |
15着 | 小牧直登 | 体育2 | 4’00″00 |
1500m 予選2組 |
9着 | 吉田海渡 | 体育3 | 3’58″13 |
1500m 予選2組 |
11着 | 藤原潤之佑 | 体育4 | 3’59″72 |
10000m | 24着 | 小山洋生 | 体育2 | 29’41‘’98 |
10000m | 27着 | 平山大雅 | 体育4 | 29‘50’‘34 |
3000mSC 予選2組 |
8着 | 鍔颯人 | 体育2 | 9’10″11 |
ハーフ マラソン |
10着 | 皆川和範 | 物理4 | 64’07” |
ハーフ マラソン |
21着 | 塚田萌成 | 医学4 | 65’41” |
ハーフ マラソン |
31着 | 古川幸治 | 体育3 | 68’50” |
5000m | 34着 | 吉田海渡 | 体育3 | 14’53″57 |
5000m | 35着 | 平山大雅 | 体育4 | 14’57″62 |
【総括】今回の関東インカレにおいて、チームとして思い描いていたような結果を残すことはできませんでした。しかし、出場した選手はインカレという大きな舞台を経験し、その経験を箱根駅伝予選会に活かすために練習を始めています。
また、会場で応援、サポートに回った選手も目指すべきレベルの高さを痛感し、「予選会では自分が筑波を背負う選手になる」と決意を新たに日々の練習に取り組んでいます。
箱根駅伝予選会突破に向けてチーム一丸となって精進してまいります。今後も変わらぬご支援、ご声援のほどよろしくお願いします。