新年度を迎え、冬季強化練習を終えたチームは、トラックシーズンに向けた本格的な練習をスタートさせました。
順調に練習を積んだ選手たちは、4月に開催された各記録会に出場。記録会には関東インカレの標準記録突破、全日本大学駅伝予選会出場に向けた10000mのチーム平均の短縮、自己ベストの更新等、それぞれ目的を持って臨みました。その結果をまとめて報告させていただきます。(担当:宮代和騎)
4/8(土) 世田谷記録会
今年度のシーズン初戦は世田谷記録会となった。例年であれば4月初旬に開催される筑波大競技会でのシーズンインとなるが、競技場の公認検定の関係により今年度は学外競技会からスタートすることになった。
5000mと10000mに分かれて11名が出場。毎年、1500mからシーズンインすることが多いが、今年は、チームとして全日本大学駅伝予選会の出場権を掴むべく、例年とは異なり長距離種目からの始動である。
5000mに出場した8名のうち田中以外の7名は2週間後の日体大競技会の10000mに照準を定め、田中は1週間後のかすみがうらマラソン10マイルの部に向け、練習の一環として出場した。
10000mに出場した藤原、吉田、堀口の3名は、関東インカレに向けて2週間後の日体大長距離競技会の1500mと5000mに出場予定であり、今回の世田谷では、全日本大学駅伝予選会出場に向け、10000mの記録短縮を目指した。
【5000m】
レースは練習の一環ということもあり、各選手とも動きに“キレ”がなかったように感じる。加えて当日は気象コンディションが悪く、強い風と低い気温の影響を多分に受けたように思う。悪条件下で どれだけ力を出し切れるかということが試される厳しいレースとなった。
シーズン初戦ということもあり、レース勘も鈍く、集団の流れに乗り切れない選手が多かった。一人で走る時間が多くなり、風に煽られペースを落としてしまった。悪条件の中でのレースは一人になると苦しくなるのは当然である。しかし、「各自が現状を把握し、これからの試合に向けてやるべき事を改めて把握する良い機会にもなった」と前向きに捉えていた。
レースで皆が苦しむ中、一人気迫を見せたのが、5組に出場した小山(体育2)である。序盤から大集団の中で落ち着いてレースを進め、後方から徐々にポジションを上げていく走りを披露した。最終的には自己記録にあと1秒まで迫る粘りの走りを見せ、チームに明るい光を灯してくれた。
5組に出場の皆川、7組に出場の平山は前半から積極的なレースを展開したが、スピード領域の余裕度が低く、かつ集団を引っ張ったことで風に煽られてしまい、中盤以降失速してしまった。しかし、現在の自身に足りていないものがハッキリしたことで、関東インカレに向けて今後の練習に活きてくるだろう。
【小山コメント】
今回のレースはシーズン初戦で、2週間後の日体大記録会に向けてレース感覚を取り戻すことが1番の目的でした。万全の状態ではなかったため、前半から無理をせずに走ることを意識し、中盤以降でキツくなってからは集団の流れに乗ることで我慢することができました。記録は自己ベストに1秒足らないくらいで悔しい結果になってしまいましたが、シーズンインとしてはいいレースにすることができました。
<世田谷競技会 5000m 結果>
組 | 着順 | 氏名 | 所属 | 記録 |
---|---|---|---|---|
2 | 6 | 田中康聖 | 心理3 | 15分13秒42 |
3 | 4 | 富山翔太 | 地球4 | 14分54秒60 |
5 | 長谷川健太 | 資源3 | 14分56秒49 | |
6 | 塚田萌成 | 医学4 | 15分08秒43 | |
4 | 6 | 古川幸治 | 体育3 | 14分45秒08 |
5 | 2 | 小山洋生 | 体育2 | 14分25秒53 |
15 | 皆川和範 | 物理4 | 14分46秒61 | |
7 | 13 | 平山大雅 | 体育4 | 14分42秒37 |
【10000m】
10000mに出場した3名は関東インカレ1500m、5000mの出場を目指している選手。2週間後の日体大競技会で10000mを走るスケジュールが組めないために、今回は10000mに出場した。
5000mのレース後に行われた10000mのレース。グラウンドコンディションは変わらず厳しいもので、「如何に集団の中で力を使わずに後半まで走れるか」という点が鍵を握ると予想された。
1組目に出場した堀口(体育2)、2組目に出場した藤原(体育4)は序盤から苦しい走りとなってしまい、中盤以降は一人で走る展開に。風の強いコンディションでは、ペースアップは難しくなるのも当然だ。一方、藤原と同じ2組目に出場した吉田(体育3)は7000m手前まで安定した走りを見せ、大幅な自己記録更新が期待された。しかし強い風に煽られ続けたことが影響したのか、ラスト3000mは一転して苦しい走りとなってしまった。
10000mに出場した3名も自己記録更新、そして全日本予選に向けた10000mチーム平均タイムの短縮とはならなかった。しかし、まだシーズンは始まったばかり。これから少しずつコンディションを上げていき、目標を達成していくことがアスリートとして求められている。次戦、日体大競技会での好走と関東インカレでの活躍に期待したい。
<世田谷競技会 10000m 結果>
組 | 着順 | 氏名 | 所属 | 記録 |
---|---|---|---|---|
1 | 13 | 堀口花道 | 体育2 | 31分59秒56 |
2 | 8 | 吉田海渡 | 体育3 | 30分30秒14 |
11 | 藤原潤乃佑 | 体育4 | 31分02秒25 |
今回の世田谷記録会では自己記録を更新した選手が0名と、チームとして厳しい結果となってしまったが当日のコンディション等を考慮すると、致し方ないように思える。しかし、この厳しい条件下でも好走している選手がいたことも事実である。改めて試合に向けて心身のコンディションを整えていくことの難しさを感じたシーズン初戦となった。
4/16(日) かすみがうらマラソン
今年のかすみがうらマラソン10マイルには、田中康聖(心理3)が出場した。今大会には茨城や千葉に拠点を構える他大学の選手も多数参加しており、田中としては他大学の選手にどれだけ食らいつくことができるかをテーマに、好タイムを目指して力走した。
当日は湿度が高かったが曇っており、風も弱く良好であった。序盤は安定したペースを刻みリズムよく走っていたが、3km過ぎからはほぼ単独走となってしまった。しかし、その中でも大崩れすることなく、集団で走れていればもう少し良い記録を出せそうな感覚を掴んだようだった。
シーズンインから2週連続のレースとなり、疲労も多かっただろう。これからまた練習を重ね、トラックレースでの大幅な記録更新を達成してほしい。
【田中コメント】
今回のかすみがうらマラソンは、トラックレースでの中盤の粘りや持久的な刺激を入れる狙いで出場しました。序盤から単独走になってしまい、他大の選手との実力差やロードレースの難しさを実感しました。しかし、集団に着くことが出来ればもっと勝負はできるように感じたので、今後のトラックレースに活かしていきたいです。
<かすみがうらマラソン10マイル 結果>
順位 | 氏名 | 所属 | 記録 |
---|---|---|---|
26 | 田中康聖 | 心理3 | 51分22秒 |
4/15(土) 順天堂大学記録会3000SC
今大会には関東インカレのA標準(9分08秒)突破を目指し、鍔颯人(体育2)が出場した。
この日はあいにくの雨で、コンディションは決して良好ではなかったが、鍔は先頭集団に位置を取り淡々とレースを進めた。
1000mを2’57、2000mを6’04で通過。ラスト2周に差し掛かった所で更にスピードを上げ、逃げ切りを図る。そのまま後ろの集団を寄せ付けず、9’05’’10で組1着でゴールした。これは鍔自身のこれまでの自己記録よりも約27秒も早く、見事関東インカレA標準を突破し、関東インカレ出場権を獲得した。
前回大会では筑波大歴代2位の記録を持つ松村匡悟が3位入賞を果している。先輩の成績を越えることが出来るのか、勢いに乗る鍔に大きな期待がかかる。5/13(土)に組まれている1部3000SC予選2組目にエントリーされている。ぜひご注目いただきたい。
【鍔のコメント】
「当日は雨で気温も低かったですが、2000mまでは集団の中で落ち着いて走り、ラスト2周で飛び出してそのまま逃げ切れました。関東インカレはより一層レベルの高いレースとなりますが、その中でも自分の走りをして決勝に進出すると共に、全日本インカレのA標準記録である8‘55″をクリアすることを目標に頑張ります!」
<順天堂大学記録会 3000mSC 結果>
順位 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 鍔颯人 | 体育2 | 9分05秒10 | PB |
4/22(土) 第304回日体大記録会 1500m
第304回日体大記録会1500mには、関東インカレ標準記録(A標準3:50.50,B標準3:54.00)を突破すべく、小牧直登(体育2)と堀口花道(体育2)が出場した。
レースはスタートからハイペースの展開となり、位置取りに苦戦した小牧と堀口は、少し出遅れ後方からのスタートとなった。
1周目を62秒台で入った二人は、後半にかけて先頭集団が見える位置まで淡々と順位を上げていき、1100m2’51で通過。ラスト1周次第ではA標準突破が見えるが、堀口はかなり苦しい表情を見せペースを落とした。小牧も踏ん張ってペースを上げていくがラスト200m地点で顎が上がり苦しい展開に。それでも、小牧はペースを大きく落とすことなく62秒台でカバーをし、3:53.26でゴールをした。この結果、見事関東インカレB標準を突破し、関東インカレ出場権を得た。続く堀口は、標準記録に届かない3:59.68でゴールし、悔しい結果となった。
小牧は冬季練習で大きく調子を落としていたが、我慢を続け、怪我による離脱をすることなく春シーズンまで継続して練習に取り組んできた。練習に取り組みながらも徐々に調子を上げていき、その努力が実を結び、残り1枠の関東インカレ出場権を勝ち取った。
すでに関東インカレ1500mの出場権を得ている、藤原潤乃佑(体育4)、吉田海渡(体育3)はA標準を突破している。3人ともここから更に調子を上げ、好記録・好成績に期待がかかる。
【小牧のコメント】
「この度1500mに出場し、3’53″26を出すことができました。目標としていた関東インカレA標準には届かなかったですが、B標準を突破することができました。冬の強化期間は思うように走れず、苦戦しましたが、大幅にベストを更新できて嬉しかったです。これからもさらなるベスト更新に向けて練習に取り組んでいきます。
また今回、関東インカレの代表選手に選ばれました。関東インカレというような大舞台のレースは初めてになりますが、自分の走りを忘れずに、下から這い上がる精神で頑張ります。」
<日体大長距離競技会 1500m 結果>
組 | 着順 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
6 | 3 | 小牧直登 | 体育2 | 3分53秒26 | 関カレ B標! |
8 | 13 | 堀口花道 | 体育2 | 3分59秒68 |
4/22(土) 第2回筑波大学記録突破会 1500m
同日開催の第2回筑波大学記録突破会には翌日に5000mを控えた5名の選手が、前日刺激の目的で1500mに出場した。
この5名は夏合宿前までに14’30を切ることを目標にした練習グループに入り、冬季練習を終えてからも離脱をすることなく、継続してトラックシーズンに向けた練習に励んできた。
上記の通り、今大会の1500mの位置づけとしては、翌日出場予定の日体大記録会5000mに向けた前日刺激の意味合いが強い。
レースは序盤からハイペースで推移した。先頭のペースメーカーが400m62秒前後で通過すると、集団は一気に縦長になった。先頭集団には、大崎友裕(体育3)、中山純静(体育3)、丸子晴樹(工シス2)の3名が食らいつく。その数メートル後方の寺田周世(人文2)、黒木聖(日文2)は険しい表情を見せながら、必死に前を追う展開に。
先頭の3名は1000mを2’40前後で通過し、ラスト1周に差し掛かると中山が一気にペースを上げ逃げ切りを図る。続く丸子、大崎、は必死に前を追いながら順位を上げていく。寺田は第二集団、黒木は第三集団で推移した。
先頭集団の3名は、見事全員PBを更新する渾身の走りを見せた。黒木もわずかながら自己ベストを塗り替え、翌日の5000mに向けて良い刺激を入れることが出来た。各選手調子が上がってきていることが確認できたため、翌日の試合にも期待がかかった。
<筑波大学記録突破会② 1500m 結果>
組 | 着順 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 中山純静 | 体育3 | 4分01秒80 | PB |
5 | 丸子晴樹 | 工シス2 | 4分03秒85 | PB | |
7 | 大崎友裕 | 体育3 | 4分04秒96 | PB | |
9 | 寺田周世 | 人文2 | 4分07秒35 | ||
10 | 黒木聖 | 日文2 | 4分10秒10 | PB |
4/23(日) 第305回日体大競技会 5000m
上記の第304回日体大記録・筑突2の1500mに出場した6名は、翌日4/23に開催された第305回日体大記録5000mにエントリーをし、目標の14’30切りを達成するべく出走した。また、寺田は復帰過程であることを考慮し今回の5000mは欠場した。
【5組】
5組には黒木、小牧、大崎の3名が出場した。序盤から落ち着いた入りで淡々とレースを進め3名とも3000mを8’57~59で通過した。黒木と大崎は、時折苦しい表情を浮かべながらも72″/周のペースを維持しながら、4000mを12’00で通過。自己ベスト更新に期待がかかる。
小牧は3000m過ぎからペースを落とし苦しい展開に。黒木はラスト1周でペースが上がらず、14分台突入とはならなかったものの、15:07.91とPBを更新した。小牧がラストスパートで一気にペースを上げ大崎を抜き、15:10.35でゴール。続く大崎も、15:11.81と自己記録に約2秒程迫る上々の走りを見せた。
【黒木のコメント】
「シーズン初戦で自己ベストを更新できたことに冬季の継続した練習の成果を感じられました。3000mを自己ベストで通過し、前方へと推移していくことができましたが最後の1㎞で先頭集団が見えたところで力尽きてしまい14分台とはなりませんでした。位置取りの他にも自身のコンディションやレース展開等の改善点を数多く見つけることもでき、次回のレースに向けた貴重な材料としてこれています。次戦でのさらなる記録更新、その先の箱根駅伝本選出場を見据えて走りに磨きをかけていきます」
【6組】
6組には、中山、丸子の2名が出走した。丸子は先頭が見える絶好のポジションでスタートをし、集団の流れに上手く乗りながら3000mを8’54前後で通過した。中山はスタートから位置取り争いに競り負け最後尾からのスタートとなった。少しずつ位置を上げ、3000m過ぎには丸子の集団に追いついた。
しかし、両者とも3000m過ぎから苦しくなり3’10/㎞ペース前後で4000mを通過。その後もペースを上げきれず、中山は15:10.97、丸子は15:18.11でゴールした。目標達成とはいかず、レース中盤以降に対する課題が見えたレースとなった。
【9組】
9組には、堀口が出場した。レースは序盤からハイペースで推移し、集団は縦長になった。堀口は時折苦しい表情を見せながらも、集団の流れに乗り、3000mを8.49で通過。3000m以降ペースを落とすも、72秒台/1周で堪え、14:51.39でゴールした。
昨日の1500mで悔しい結果であったが、気持ちを切り替え14分台でまとめあげた。この経験は今後の糧になるだろう。
5000m14分30秒切りを目指して練習に励んできたため、かなり悔しい結果であった。前日の1500mと合わせて各自が課題を見つける良い機会になったことだろう。
寺田を含めた上記の7名は、5/7(日)に開催される日体大競技会で5000mに出場予定だ。そこで再度14分30切りを目標に練習に励んでいる。気持ちを新たに、リベンジに燃える7名に期待したい。
<日体大長距離競技会 5000m 結果>
組 | 着順 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
5 | 13 | 黒木聖 | 日文2 | 15分07秒91 | PB |
17 | 小牧直登 | 体育2 | 15分10秒35 | ||
18 | 大崎友裕 | 体育3 | 15分11秒81 | ||
6 | 20 | 中山純静 | 体育3 | 15分10秒97 | |
24 | 丸子晴樹 | 工シス2 | 15分18秒11 | ||
9 | 16 | 堀口花道 | 体育2 | 14分51秒39 |
4/23(日) 第305回日体大競技会 10000m
10000mには、全日本大学駅伝予選会出場に向けた10000mのチーム平均の短縮を目指し、9名の選手が出場した。全日本大学駅伝関東予選会の出場権獲得をするには、チーム内上位8名の平均タイムが、シード校(8校)を除いた大学の中で上位20位以内に入ることが条件である。出走前の段階で筑波大学は20位であったが、他大学の記録更新を考慮すると20位圏外にはじかれる可能性が高い状況であった。その中、チームの主力の選手たち9名が、チーム内平均を短縮するべくレースに臨んだ。
【4組】
4組には富山翔太(地球4)、長谷川健太(資源3)の2名が出走。2人とも持ちタイムが30分台であるため、目標を29分台に掲げてチーム内平均タイムの短縮に挑んだ。
序盤から先頭集団がハイペースで推移し、集団は縦長に。2名は後方に位置を取り、2.55/㎞ペースで淡々と刻み、5000mは15’00で通過。少しずつペースが落ちていき、6000m以降は、3’10/㎞のペースで我慢が続く。ラスト1000mからペースを上げて。3’00でカバーするも、富山は30:32.27、長谷川は 30:45.99でゴールし、2名とも悔しい結果となった。
【5組】
5組には塚田萌成(医学4)、古川幸治(体育3)の2名が出走した。
古川は自己ベストが29:54.32であり、チーム内7位であるためPBの更新が必須であった。塚田は記録短縮に向け29分台を目標に出走した。古川は序盤から積極的に先頭集団でレースを進めたが、5000mを14’56で通過するもそれ以降ペースを上げられず、30:52.77と悔しい結果となった。塚田は5000mを15’08で通過後、3’10/㎞を切るペースで堪え、29分台には届かなかったものの、自己ベストとなる 30:28.60 をマークした。
【塚田のコメント】
「授業も始まり、練習と勉強との両立に苦しみ、正直思うような練習を積むことができていない状態でした。そんな中、なんとか自己ベストだけは更新できましたが、全日本大学駅伝予選会出場を目指す中、記録短縮に貢献出来なかったことは不甲斐なく、申し訳なく思います。この悔しさを胸にまずは関東インカレハーフで納得のいく走りができるように日々精進していきます。」
【6組】
6組には吉田海渡(体育3)、 藤原潤乃佑(体育4)の2名が出走した。2名ともチーム内上位8名に入っており、PB更新に期待がかかった。天気は曇り、少し風も吹く中、レースは序盤から29分台を狙うには丁度良いペースで推移し、2名は5000mを14’50で通過した。6000手前から吉田が時折苦しい表情を見せつつも何とか踏ん張り、我慢の時間が続く。藤原も7000mを21’00で通過するも、少しずつラップを落としていく。ラスト一周、吉田が5秒前にいる藤原に渾身のスパートで追い抜き、30:07.10 でゴールした。 チーム内8番手の吉田が見事自己記録をマークしたことで、チーム内平均タイムが短縮され、20位圏内に向けて、夢の扉に一歩近づいた。
【吉田のコメント】
「今回は全日本予選に出場するため、29分台を出しチームに貢献することが目標でしたが、思うようにいかず結果的にチームの平均タイムを短縮することができませんでした。悔しさと申し訳なさはありますが、チームのために多少の自己犠牲を厭わず、10000mに挑めたことは良かったと思います。数日後の関東インカレでタイムを出して少しでもチームに勢いをつけられればと思います。応援ありがとうございました。」
【8組】
8組には皆川和範(物理4) 、小山洋生(体育2) の2名が出走した。前の組の吉田がチーム内平均タイムを短縮したことで、2人の記録更新にも期待がかかった。レースは序盤からハイペースで推移した。2名は3000mを8’40で通過したが、皆川は少しずつラップを落とし8000m手前で単独走になり苦しい展開に。
小山は、5000mを14’34で通過するも、少しずつ険しい表情を見せ、ラップを落としていく。皆川はラスト1000mを2’50まで追い上げるも30:18.62と悔しい結果となった。小山も6000以降レース終盤まで切り替えることが出来ず 30:43.11でゴールし、悔しくもチーム内平均の短縮とはならなかった。
【9組】
9組には平山大雅(体育4) が出走した。この時点で筑波大学は20位圏外であったため、最後の砦として主将兼エースである平山に命運が託された。各大学の力のある選手たちが集った9組は、序盤から高速レースが展開された。平山は、1000mを2’46、3000mを8’28で通過するも先頭集団のハイペースに対応できず、少しずつラップを落としていく。ラスト1周を64秒と渾身のスパートをするも、29:45.18と自己ベスト更新とはならなかった。ただ、序盤から積極的にハイペースで入ったこの経験は、今後の糧になったに違いない。
<日体大長距離競技会 10000m 結果〉
組 | 着順 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
4 | 20 | 富山翔太 | 地球4 | 30分32秒27 | |
28 | 長谷川健太 | 資源3 | 30分45秒99 | ||
5 | 25 | 塚田萌成 | 医学4 | 30分28秒60 | PB |
33 | 古川幸治 | 体育3 | 30分52秒77 | ||
6 | 21 | 吉田海渡 | 体育3 | 30分07秒10 | PB |
23 | 藤原潤乃佑 | 体育4 | 30分11秒40 | ||
8 | 38 | 皆川和範 | 物理4 | 30分18秒62 | |
39 | 小山洋生 | 体育2 | 30分43秒11 | ||
9 | 35 | 平山大雅 | 体育4 | 29分45秒18 |
今回のレポートでは、4月に開催されました多くの競技会・大会の結果をご報告いたしました。特に全日本大学駅伝予選会の出場権をかけてチームの主力選手が10000mに挑戦しましたが、チーム8番手の吉田が自己記録を更新してチーム平均記録を短縮したのみとなりました。現段階でランキングは24位となり、予選会の出場権を獲得できる20位以内に留まることが出来ませんでした。留学生擁する他大学との差は広がる一方であり、予選会の出場権を獲得することは難しい状況となりました。
現在チームは、5/7の日体大競技会、5/11~5/14に相模原ギオンスタジアムで開催されます関東インカレに向けた調整期間に入り、選手それぞれが目指すべき所に向かって日々練習に励んでいます。また5月中旬には、今春に入部した新入生のデビュー戦が控えています。新たな主力候補が何人出てくるのか、今から楽しみです。
今後の活躍をぜひご期待ください!ご声援のほど、よろしくお願いいたします。