5月6、7日の二日間で開催された記録会に、関東インカレを目指す筑波大学の学生が多数出場した。中でも、7日の第3回筑波大学競技会の男子1500mにおいて、森田佳祐(4年)が3分44秒67の筑波大学新記録を樹立する素晴らしいパフォーマンスを発揮し、日本選手権参加標準記録も突破した。
関東インカレの学内最終選考会という位置づけである第3回筑波大学競技会の男子1500mには、インカレ代表を目指す3名が出場。4月の日体大記録会で、すでに3分46秒をマークしている小林航央(3年)がペースメーカーを務め、3分45秒を狙えるペースでレースは流れた。刻まれたペースは以下の通り。
400m: 59秒7
800m:2分00秒2(60秒5)
1200m:3分00秒2(60秒0)
1500m:3分44秒6(44秒4)
このペースに対応できたのは、森田だけで、ラスト300mを44秒4でカバーし、好記録を出してみせた。ハイペースで展開されるレースの終盤、応援は熱を帯び、大声援の後押しを受けて森田がゴールに飛び込んだ。「この記録は筑波大学新記録です!」というアナウンスに会場は沸き、ゴール後にガッツポーズを繰り返す森田を囲むように歓喜の輪が広がった。
森田に離されはしたが、池田も高校以来2年振りに自己記録を更新する粘りの走りを見せた。練習での強さをなかなか発揮できない状況が続いていたが、ようやく出せた自己ベストに笑顔を浮かべた。僅かではあっても自己の前進は、嬉しいこと。これを機に、練習での強さを記録に繋げていってもらいたい。
<ペースメイクした小林(左)とガッツポーズの森田>
筑波大学新記録誕生の立役者は1000m過ぎまでレースを引っ張った小林であることは間違いない。その小林は、2時間後の800mに出場し、1分51秒63の自己新記録をマークしている。小林の実力は相当高まっており、関東インカレでは、森田と小林の両名での上位争いが期待できる。とても楽しみだ。
その後に行われた3000mSC。すでに関東インカレA標準記録を突破している川瀬が先導役を務め、1000mを2分59秒で通過。2000mを6分05秒で通過すると、集団はバラけ、川瀬と中川だけになった。
川瀬は、インカレに向けて、さらにラストスパートを利かせようとするが、障害でバランスを崩して思うようにペースは上がらなかった。だが、終始先頭で走り切り、概ね順調と言える状態にある。関東インカレに向けて、「さらなる強化をし、しっかり勝負したい」と意気込みは高い。
皆がペースを落とす中で、猛然と追い込んできたのが4年の井口。ラストチャンスのインカレ出場に向けて、自己ベストとなる9分13秒77をマークし、関東インカレB標準記録を突破して、インカレ代表を決めた。実は、井口は、この2ヶ月間に就職活動で全国を飛び回っており、思うように練習を詰むことができなかった。井口を動かしたのは、4年の意地なのかもしれないが、練習不足の中で出した自己新記録に手応えを掴んだ様子。井口の関東インカレでの激走を期待したい。
<右から井口(4)、森田(4)、川瀬(3)、猿橋(1)>
今後は「関東インカレで勝負する者」と「全日本大学駅伝予選会に出場するために1万mの記録向上を目指す者」に分かれて、トレーニングに励んでいくことになる。森田の激走に、チームの雰囲気は最高潮になりつつある。この勢いをチームの成長に繋げていってもらいたい。