現在チームは駅伝主将の古川幸治を中心に、第101回箱根駅伝予選会を突破し箱根路に返り咲くべく、冬季練習に取り組んでいます。本レポートではその様子をお伝えしていきます(文責:熊谷)
年明けから本格的に始まった冬季練習も早いもので1カ月(準備期間を含めると昨年12月中旬から)が経過しました。箱根駅伝予選会という大きな目標達成のために、冬季練習は「すべての土台となる基礎作り」を目指すものです。
筑波大学・男子長距離チームは、この冬季練習を重要視しており、実際に過去の先輩を見ても、冬季練習をしっかり消化するほど、春シーズンにおいて一気にブレイクする傾向にあると感じます。
つまりは、「冬季練習の完全消化」→「トラックシーズン」という流れで「大幅自己ベスト更新」→「過酷な夏合宿を乗り越える」→「予選会で戦える選手になる」→「箱根駅伝本選出場」という段階的な成長曲線を描くためにも、今の時期は重要な期間なのです!
【冬季練習は何をするのか】
ここからは冬季練習で実施しているトレーニングを3つに分けて(本当はもっと細かく目的が分けられています)説明させていただきます。
①坂やクロスカントリーを使った脚づくりとフォーム改善
坂やクロスカントリーの活用は冬季練習に限ったことではなく、年間を通して行っていますが、冬季練習では特に大切にしています。
坂では大きな動きで身体全体の動きを調和させながら「伸びのある走り」を意識して練習を行っています。例えば、坂走を行ってからトラックでペース走を実施するなどしています。
クロスカントリー走は、ペースを抑えたロング走やインターバルに活用しています。細かいアップダウンと不安定な足場での「筋腱強化」「心肺刺激」「フォームづくり」などの効果が期待できる練習場所です(つまり、負荷は高い)。トラックやロードといった平坦な場所だけでなく、起伏を利用することで、1年間の練習に耐えうるカラダの土台を作っていきます。
②サーキットトレーニング
二つ目はサーキットトレーニングです。これはいわゆる「筋トレ&総合動作」を何種類も組み合わせて身体に負荷をかけていくトレーニングです。冬季練習では「走ること以外」で身体に負荷をかける練習が組み込まれます。
ただ、走ることではなくても「走りの改善」に直結するメニューになっており、走りの特徴と種目の得意不得意は分かりやすくリンクしています。
例えばメディシンボール(3~5キロのバスケットボールをイメージしてください)を正面や背面で遠くに飛ばす動きは一見走りに関係ないように見えますが、股関節に溜めた力を一瞬でボールに正確伝えるという点で走りの改善につながります。
また、単純に腹筋を繰り返すメニューでは涼しい顔でこなす上級生の隣で今年初めて冬季練習に取り組む一年生が苦しんでいる様子がよく見られます。サーキットトレーニングで走動作とは違った動きを行うことで、正しい身体の使い方を習得し走りに落とし込んでいます。
冬季練習を開始した頃は、サーキットトレーニングの次の日の朝は全身筋肉痛になります。それだけ効果的な練習だと思います。
③ハーフマラソンの距離に慣れる
三つ目はロングジョグや距離走です。ハーフマラソンで勝負するために、走り続ける「時間」や「距離」に対する抵抗をなくし、それに耐え得うる身体をつくることが目的です。
冬季練習の導入部分では週末にサーキットトレーニングとセットで120分走ることで全身の持久力と距離、時間に対する慣れを目的にメニューが組まれました。
1月後半から2月初旬にかけては、ロードを活用したハーフマラソン以上の距離走を行ってきました。距離走はじわじわと身体がキツくなる練習ですが、上級生が積極的に先頭を引っ張り下級生を背中で引っ張る場面が多くみられたように思います。
【今後のチーム強化の流れ】
冬季練習の前半期間は、チームとして非常にいい雰囲気で練習を消化することができました。ここから3月の学生ハーフマラソンやトラックシーズンに向けて、走り(スピード)を意識した練習が入ってきます。
これまで培った土台を走力向上へと繋げていくことができるよう、駅伝主将の古川を中心に、チーム一丸となって全力で冬季練習を継続していきます!
今後とも変わらぬご支援よろしくお願いいたします。