3/12に第26回日本学生ハーフマラソン選手権大会(通称学生ハーフ)が東京・立川で開催されました。この大会は箱根駅伝予選会と一部同じコースで行われ、例年新戦力の力試しとして全国の大学から多くの選手が出場し、ハイレベルなレースが展開されます。
今回、筑波大学からも冬季練習の総まとめとして復帰過程のペース走組を含めて25名の選手が出場したため、その結果をご報告いたします。(担当:寺田・伊藤)
昨年は設けられていた参加標準記録が今年はなかったこともあり、筑波大からは37名もの学生がエントリーされていた。この背景には、チームの誰もが次の箱根駅伝予選会を走る可能性があり、そのためにハーフマラソンの経験値を高めるという狙いがあった。
ハーフマラソンの経験値とは、単にレースを走ることだけを指すのではない。「ハーフマラソンに向けてのトレーニング・調整を実施すること」「レースマラソンの走り方やその厳しさを直に知ること」さらには、学生ハーフの会場が予選会と同じ東京・立川であることから「ホテル宿泊を伴うレースへの臨み方」や「予選会のコースの厳しさを学ぶこと」も含まれていると言ってよい。
しかしながら、冬季練習の流れのなかでハーフマラソンに出場し、一定以上のパフォーマンスを確保することは非常に難しい。筑波大学では例年、冬季練習を3段階に分割して徹底した基礎鍛錬に励んでいる。
「春から始まるトラックレースに向けてスピード走能力を高めること」、そして「夏の走り込みに耐えられるカラダのキャパシティを大きくすること」が主な目的である。その内容は走練習に加え、数種類のサーキットトレーニングや坂などを用いたフォーム改善トレーニングを含み、相当ハードなものである。
箱根駅伝予選会に向けては、長距離の走り込み(距離走)や実践的な練習(変化走など)が重要になるが、基礎鍛錬を目的とする冬季練習では、それらの練習は組み込みづらい。そのため、この時期のハーフマラソンは冬季練習で培った基礎的な能力で戦い、その進歩具合を評価する場となる。
この冬、チームはハーフマラソンの経験値を高めるために、既に2月の丸亀・守谷ハーフマラソンに出場しており、多くの学生にとって今回がこの冬2回目のハーフマラソンとなった。
レースの1週間ほど前から日中の気温が高くなっており、この日も朝方はやや肌寒い曇り空だったがスタート前には照りつける日差しとともにぐんぐんと気温が上がった。全国の大学から多数の選手がエントリーされ、予選会以上に大規模なレースとなった感があった。
そのためスタート前は混雑し、スタート後は転倒してしまった学生もいた。今年の箱根駅伝でも活躍した選手で形成された先頭集団では、ワールドユニバーシティゲームズの代表を争う勝負のレースが進められた。そこに筑波大からは、先月の丸亀ハーフでも積極的な走りをみせた皆川和範(物理3)が加わった。
他の学生も前回のハーフマラソンの経験を活かしてレースを進めていった。また、冬季練習を十分に積むことができていなかった学生も、この日はペース走として参加し、目標ペースで淡々と予選会のコースを走り抜けた。
全体の結果としては、概ねレースに出場する目的が達成されたと言えるだろう。前述のように冬季練習という強化期間のなかで出場したため、疲労感が残ったままレースを走った学生も多かった。その中でも、9名の学生が自己記録を更新したことは冬季練習の充実度を評価する物差しとなった。
【皆川和範(物理3)コメント】
「いつも応援していただきありがとうございます。今回の学生ハーフでは、予選会を想定して先頭集団に出来る限りついていき40位以内で走ることを目標にしていました。結果としては、60位と自分としては70点です。上位選手と比較して明らかにスピードに対する余裕度が違うということを改めて感じました。以前からの課題を改善できていない悔しさがあります。しかし、10km以降はラップタイムを極端に落とさず走ることができ体力面では成果を感じました。箱根予選会で戦うために残りの期間をより大切に過ごしていきます。これからも応援のほど宜しくお願い致します。」
【藤原潤之佑(体育3)コメント】
「今回のハーフは冬季練の締めとして出場しました。試合前の調子も悪く、身体が動く感覚がなかったですが、序盤から冷静に走ることができました。15km通過までは64分台もみえていたので結果としては悔しさもありますが、これまでハーフをまともに走れなかった分、やっとまとめられたので良かったのかなと思います。これからは全日本大学駅伝予選会の出場権を掴むべく練習に励みます。応援ありがとうございました!」
【寺田周世(人文1)コメント】
「私の地元が立川市であることから、この大会には特別な思い入れがありました。そのため、コンディションが万全ではなく苦しい走りとなったなかでも自己記録を更新できたことにほっとしています。しかし同時に、春からのトラックレースや予選会本番を見据えた際に改善すべき課題が多く見つかりました。今後は、課題解決に向けてプラスアルファの努力を重ねていきたいと思います。この度は応援ありがとうございました。」
【松浦海瑠(化学1)コメント】
「日頃より、多大なるご支援賜りまして誠にありがとうございます。今回の学生ハーフは、7ヶ月という長い離脱期間の末、練習の一環ではありましたが、久しぶりの試合となりました。スタート前は不安でしたが、キロ3分20秒の設定丁度で走り切ることができ、次につながる結果を残すことが出来ました。今後は、トラックシーズンでの自己ベスト更新、その先の箱根駅伝出走を目指し練習に取り組んで参ります。応援ありがとうございました。」
〈日本学生ハーフマラソン選手権大会の結果〉
順位 | 氏名(所属) | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|
60位 | 皆川和範 (物理3) | 1時間04分08秒 | |
139位 | 塚田萌成(医学3) | 1時間05分18秒 | |
149位 | 藤原潤乃佑 (体育3) | 1時間05分24秒 | PB |
202位 | 平山大雅(体育3 ) | 1時間05分52秒 | |
295位 | 富山翔太(地球3 ) | 1時間06分48秒 | |
330位 | 古川幸治(体育2 ) | 1時間07分06秒 | PB |
347位 | 大津勇人(体育1) | 1時間07分16秒 | PB |
374位 | 寺田周世(人文1) | 1時間07分27秒 | PB |
428位 | 長谷川健太(資源2) | 1時間07分53秒 | PB |
442位 | 丸子晴樹(総Ⅱ1) | 1時間08分06秒 | |
445位 | 吉田海渡(体育2) | 1時間08分07秒 | |
479位 | 金子佑太朗(工シス2) | 1時間08分27秒 | |
507位 | 田中康聖(心理2) | 1時間08分43秒 | |
512位 | 小林大晃(体育3) | 1時間08分45秒 | 初 |
523位 | 中山純静(体育2) | 1時間08分53秒 | PB |
590位 | 小野木宏太(体育2) | 1時間09分35秒 | PB |
594位 | 斉藤一樹(体育2) | 1時間09分38秒 | |
596位 | 堀口花道(体育1) | 1時間09分38秒 | |
629位 | 鈴木将矢(医学1) | 1時間10分00秒 | |
641位 | 鍔颯人(体育1) | 1時間10分08秒 | PB |
651位 | 宮代和騎(体育2) | 1時間10分13秒 | |
658位 | 松浦海瑠(化学1) | 1時間10分19秒 | 初 |
679位 | 大崎友裕(体育2) | 1時間10分37秒 | 初 |
735位 | 黒木聖(日文1) | 1時間11分38秒 | |
765位 | 小牧直登(体育1) | 1時間12分36秒 | PB |
大事なのは、今回のレースで得たものを春から始まるトラックレース、そして秋の予選会本番のレースに活かしていくことである。その点に関しては、現在チームはまもなく始まるトラックシーズンに向けて順調にトレーニングを積むことができている。
学生一人ひとりが課題に向き合って更なるレベルアップを図っていきますので、これからも応援の程よろしくお願いいたします。