第201回東海大学長距離競技会が5月29日に開催され、12名の学生が1万mに出場しました。また、同日の29日、翌30日に開催された第3回筑波大学記録突破会には、その他の学生19名が出場しました。その結果を報告させていただきます。(担当:宮代和騎)
5/29(土)東海大学長距離競技会 10000m
12名の選手が全日本大学駅伝予選会への切符を掴むべく、自己記録の更新に挑んだ。この日は、蒸し暑い気象コンディションで、記録を狙うには非常に厳しい条件となった。それでも、出場した全員が記録短縮への意欲を前面に出して、最後まで力走した。
【第6組】
1万mの最終組(最も速い組)で小林竜(体育3)が出場。小林は序盤から先頭集団でレースを進め、5000mを14分35秒前後で通過した。発汗量も多く、6日前に終了したインカレで3レースを全力で消化している疲労も重なり、レースの終盤に腹痛を引き起こしてしまった。タフなレースで周囲の選手が大失速していく中、最後まで日本人トップ争いを演じ、さらにスパートも利かせて、日本人1位でゴール。自己記録を20秒以上も更新する29分34秒05で走破した。
先日行われた「関東インカレの好調さをそのままに」というよりも、チームのために疲労で疲弊したカラダを精一杯動かし続けた小林の力走はチームメイトにも感動を与えた。上級生としてエースとして、その自覚と強い気持ちは頼もしく感じる。今後は、更に成長し、日本のトップへと昇りつめてほしいと思う。そんなことを考えたくなる強いレースだった。
【小林のコメント】
「関東インカレから1週間で迎えたレースになりましたが、
【第5組】
5組目は、福谷(体育3)、山本(応理4)、杉山(体育4)、伊藤(体育4)、平山(体育2)の5名が出走。福谷、杉山は序盤から先頭集団に食らいつき、福谷は先頭争いをした。8000mを過ぎて先頭から徐々に離れたものの、暑さからくるペースダウンを最小限にとどめ、この組で2位となる力走を見せた。
杉山は、ケガが明けて間もない試合で、しかも今季初戦となったが、駅伝主将らしい粘りのある走りを見せた。
山本は、中盤まで良い感じでレースを進めていたが、やはり暑さが堪えた模様。よく粘ったと思うが、自己記録更新とはならなかった。伊藤、平山は序盤から苦しい展開が続き、先頭から大きく離され、目標とは程遠いタイムになってしまった。関東インカレでハーフマラソンに出場した伊藤は、1週間では、この日の気象条件では、やむを得ない結果だと思う。
【第4組目】
4組目は、五十嵐(体育3)と松村(体育3)の2名が出場し、二人とも29分台を目標にスタートし、五十嵐は15分前後で通過したものの6000mで大きく失速。松村は4000mまで29分台を十分狙えるタイムで通過したものの、それ以降に失速。タイムは目標とは程遠いものとなってしまった。特に松村は関東インカレから連戦ということもあり、苦しい走りとなった。
【第2組目】
2組目は、長井(体育2)、深澤(障害4)、永山(体育3)、河合(体育4)の4名が30分前半を目指してレースに臨んだ。しかし、暑さと強い風の影響は強く、レースは序盤から比較的スローな流れで始まり、終盤に一気にペースアップする難しい展開となった。長井、深澤の2名は5000mまで大きな集団のなかでレースを進めたが、ペースアップにうまく対応できずに後手を踏み、その後に先頭を追ったために後半失速。永山、河合も4000m付近でのペース変化に対応できず失速となった。練習を順調に積めてきていただけに、悔いの残るレースとなってしまった。
<東海大学長距離競技会 男子1万mの結果>
組 | 順位 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
4 | 9 | 五十嵐優汰 | 体育3 | 31’13”67 | |
4 | 16 | 松村匡悟 | 体育3 | 31’41”56 | |
2 | 7 | 長井隆星 | 体育2 | 31’43”83 | PB |
2 | 9 | 深澤陸 | 障害4 | 31’47”84 | |
2 | 13 | 永山龍吉 | 体育3 | 32’14”60 | |
2 | 16 | 河合俊太郎 | 体育4 | 32’56”76 | |
5 | 2 | 福谷颯太 | 体育3 | 30’02”92 | |
5 | 4 | 杉山魁声 | 体育4 | 30’23”34 | |
5 | 9 | 山本尊仁 | 応理4 | 30’50”32 | |
5 | 19 | 伊藤太貴 | 体育4 | 31’50”28 | |
5 | – | 平山大雅 | 体育2 | – – – | DNF |
6 | 2 | 小林竜也 | 体育3 | 29’34”05 | PB |
第3回筑波大記録突破会(5/29,30) 第3回筑波大記録突破会(5/29,30)
2日間にわたって開催された第3回筑波大記録突破会には多くの学生が1日目に1500m、2日目に3000mという流れで出場した。ほとんどの1年生にとっては今回のレースが大学でのデビュー戦となった。
1500m
第1組には9名の学生が出走した。スタートすると、すでに3分台の自己ベストを持っている上原(人文3)や藤原(体育2)が積極的に前方でレースを展開した。その後ろに1年生の古川(体育1)、宮代(体育1)、さらには自身初の3分台を狙う薮下(社会4)らが続いた。1000mを過ぎると、ルーキーの宮代が勢いよく前に出て、3分台を狙っていく姿勢を見せた。
ラスト1周の鐘がなると、負けじとスピード能力の高い上原がスパートをかけた。最後の直線でやや失速したものの、自己ベストを更新し、1着でゴールした。さらに、ラスト300mからスパートをかけた藤原が続いてゴールし、こちらも自己ベストを更新した。最後は先輩2人に差を広げられたものの、古川、宮代がそこに続く形で走り切り、2名とも自己ベスト更新となる走りを見せた。薮下は後半失速したが、3分台を狙って前半から攻めたレースを展開したことは今後につながるだろう。
【上原のコメント】
出遅れてしまいましたが、結果としてそれが功を奏し、余力を残してラスト400mで切り替えることができました。これまで1500mは前半に飛ばして後半粘るレース展開が多かったですが、今回のようにイーブンで刻んで自己ベストを更新できたことは自信になりました。春シーズンで培った1500mのスピード領域の動きと感覚を5000m以上の長い距離に活かしたいと思います。
<2021年度 第3回 筑波大学記録突破会 1500m 1組>
組 | 順位 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 上原佑太 | 人文3 | 3’57″02 | PB |
2 | 藤原潤乃佑 | 体育2 | 3’58″52 | PB | |
3 | 古川幸治 | 体育1 | 4’00″78 | PB | |
4 | 宮代和騎 | 体育1 | 4’01″49 | PB | |
5 | 薮下温司 | 社会4 | 4’06″59 | ||
7 | 富山翔太 | 地球2 | 4’08″48 | ||
8 | 村田修作 | 体育3 | 4’11″10 | ||
10 | 鈴木晨燿 | 体育2 | 4’12″84 | ||
12 | 岡田拓郎 | 体育2 | 4’14″34 |
第2組にも8名の学生が出場した。こちらはほとんどが1年生であり、デビュー戦での走りに注目が集まった。スタートすると、長谷川健(資源1)、大崎(体育1)らが前方につけ、レースを進めた。中盤長谷川は失速し、先頭から遅れたが、ラスト300mから切れ味抜群のスパートを見せ、組のトップでゴールした。自己ベスト更新とはならなかったが、スピード能力の高さをうかがわせる結果となった。長谷川に続いてゴールしたのは中山(体育1)。後半まで粘り強く走り、自己ベストを更新した。また、組の5着でゴールした本村(資源1)も自己ベストを更新し、順調に大学初レースを走り切った。
<2021年度 第3回 筑波大学記録突破会 1500m 2組>
組 | 順位 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
2 | 1 | 長谷川健太 | 資源 1 | 4’09″55 | |
2 | 中山純静 | 体育1 | 4’10″73 | PB | |
3 | 大崎友祐 | 体育 1 | 4’12″95 | ||
5 | 本村春人 | 資源 1 | 4’14″03 | PB | |
6 | 岡島広周 | 人文4 | 4’18″24 | ||
7 | 熊谷秀人 | 国際 1 | 4’18″93 | ||
8 | 照内淳和 | 医学2 | 4’25″47 | ||
9 | 斎藤一樹 | 体育1 | 4’38″07 |
2日目に行われた3000mには19名が出場した。レースが始まると、先頭集団は1000mを2’50を切って通過した。そこに前日の1500mで自己ベストを更新した藤原、宮代、古川、上原、さらには関東インカレ1500m代表選手の吉田(体育1)、今シーズン好調の長谷川嵩(医科2)がついていく展開になった。
中盤集団が割れる中、しっかり先頭集団に着けていた藤原が2000m手前で後続を離しにかかった。そのまま藤原が独走するかと思われたが、スピード能力の高い吉田が一気に追いつくと、ラスト300mあたりで先頭に出て、そのまま1着でフィニッシュ。ゴールタイムは8’27″26だった。1500mの練習を続けてきた中でのこの記録は上々の結果といえるだろう。
藤原は吉田から3秒ほど遅れてのフィニッシュとなったが、前日の1500mに続いて自己ベストを更新。次の5000mが楽しみになるような内容であった。さらには前半から積極的に先頭集団に着いた長谷川嵩や古川も自己ベストを更新し、着実にレベルアップしていることを示した。特に古川は大学初レースで2日連続自己ベストを更新し、これからが楽しみになる走りを見せてくれた。
【藤原のコメント】
今回は6月に狙う5000mに向けて良いイメージを作れるように、目標タイムを8分40秒切りに設定し挑みました。1週間前に行われた関東インカレに審判員派遣されていた事もあり練習量や身体の重さに不安はありましたが、目標以上のタイムで走れたことは自信になりました。冬季の故障が原因で春先出遅れましたが、これから夏、秋と故障なく走り続けていきたいです。
【古川のコメント】
練習の一環として出場した試合でしたが、両種目自己ベストを更新することができました。夏以降に向けて体を作れるよう、これからも基礎練習を徹底して練習に臨みたいと思います。
順位 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 吉田海渡 | 体育1 | 8’27″26 | PB |
2 | 藤原潤乃佑 | 体育2 | 8’30″45 | PB |
3 | 長谷川嵩汰 | 医科 2 | 8’40″27 | PB |
5 | 古川幸治 | 体育 1 | 8’46″01 | PB |
6 | 上原佑太 | 人文3 | 8’48″45 | PB |
7 | 薮下温司 | 社会4 | 8’49″05 | |
8 | 宮代和騎 | 体育1 | 8’51″16 | |
9 | 富山翔太 | 地球2 | 8’51″84 | |
10 | 長谷川健太 | 資源1 | 8’57″98 | |
11 | 鈴木晨燿 | 体育2 | 8’59″74 | |
12 | 村田修作 | 体育3 | 9’01″63 | |
13 | 大崎友裕 | 体育1 | 9’03″83 | PB |
14 | 中山純静 | 体育1 | 9’06″29 | |
15 | 岡島広周 | 人文4 | 9’10″22 | |
16 | 本村春人 | 資源1 | 9’19″99 | |
17 | 熊谷秀人 | 国際1 | 9’26″08 | |
18 | 照内淳和 | 医学2 | 9’27″07 | |
19 | 岡田拓郎 | 体育2 | 9’37″52 | |
20 | 斎藤一樹 | 体育1 | 10’07″18 |
この日は気温も高く、厳しいコンディションでのレースを強いられ、多くの選手が目標としていたタイムには届かないという結果に終わってしまいました。その結果全日本大学駅伝予選の出場権を獲得するには至りませんでしたが、この日までに取り組んだ精一杯の活動をさらに高めて、箱根駅伝本選予選会に向けて日々精進して参りますので、応援の程よろしくお願いいたします。