今年度は例年よりも多い14名の新入部員がチームに加入した。昨年から続く新型コロナウイルス感染拡大の影響で昨年度は各種大会が開催されず、自己記録は必ずしも良いとは言えない。だが、その記録を上回る実力を兼ね備えている新入生が多いと感じ、期待は高まるばかりである。
今年の4月から1年生に加えて住居の関係で別々で行動していた二年生も合流し、50人近くの大集団になった長距離パートは、今までよりも活気が湧いてきた。その分チーム運営やマネジメントが難しくなってくるのを先輩が教えていくことで部員全員でチームとして機能しはじめるのが楽しみだ。
競技力の面でもチームに勢いを与えてくれる選手が多く、これからの活躍が期待できる。個別に紹介していこう。
まずは早くも頭角を現した吉田海渡(岩手・一関第一)。先日の記録会では2レース連続で自己記録を更新した。しかも、2戦目の東海大記録挑戦競技会では関東インカレのA標準を突破し見事インカレ代表選手に抜擢された。先輩の小林竜也は1500mでも活躍しながらロードでも適応できることを考えると夏を経てスピードを持ち合わせながら長い距離に対応できることが期待できる。
他の一年生は、2週間前にタイムトライアルを行い、そこで学年トップをとったのが古川幸治(愛知・名東)だ。古川は練習でも存在感のある走りでチームの期待も大きい。そんな古川は高校時代800mを専門に競技を行っていたようにスピードが持ち味。そんな彼も長い距離への適応次第で伸びしろは大きく、箱根駅伝での活躍も十分に期待でできそうだ。
他にも楽しみな選手が多い。
長谷川健太(福島・磐城)と金子佑太朗(神奈川・横浜翠嵐)は中学時代全国大会出場者。しかも両者ともに一般で入学してきた生命環境学群と理工学群に所属する学生。まさに筑波大を象徴するような選手だ。高校時代では影を潜めていた分、その秘めたポテンシャルを弘山監督の指導の元どう開花するかが楽しみだ。
宮代和騎(茨城・竜ケ崎一)は今年の一年の中で5000mの持ちタイムがトップの選手。バランス感覚が良く、走りもよい意味で癖のない選手だ。
大崎友裕(千葉・佐原)は高校時代キャプテンを務めていた選手。セルフケアは誰にも負けないといわんばかりにとてもカラダのコンディショニングに力を入れている。練習外での時間でも周りの選手に良い影響を与えてくれる存在だ。
斉藤一樹(千葉・佐原白楊)は高校時代は、自身で練習メニューを立てていたという。筑波大に入学してくれる選手はそのような経験を持つ者が多い。自主自立の精神のもと各自が自分に足りない要素を補いながら練習を行っている筑波大にぴったりの選手である。
中山純静(新潟・新発田)は、高校時代バスケ部に所属していたにもかかわらず、ハーフマラソンを経験したことのある異色の選手で、長い距離への恐怖心はないようだ。ケガをせず練習を積むことができれば、飛躍する可能性があり、大きな伸びしろを感じる。
平野大樹(福島・喜多方)は一年浪人して入学してきた。しかしそれを感じさせない走りで順調に練習を積めている。これからが楽しみな選手だ。
これから大化けするのではないかと期待しているのが小野木宏太(岐阜・岐阜高校)だ。彼は入学時伸長176㎝、体重52キロで、体の線も細い。これから時間をかけて筋肉をつけていき、それに対応する動きが完成すれば大化けするのは間違いない。
今年の新入生は文武両道を体現している選手が多い。それが田中康聖(広島・広島学院)と熊谷秀人(岩手・大船渡)、本村春人(静岡・韮山)である。田中は、人間学群心理学類、熊谷は、社会・国際学群国際総合学類、本村は、生命環境学群生物資源学類に所属しながら競技を続ける強い意志を持って入学してきた。4年間文武両道を貫いたOBの猿橋先輩のように競技面でも活躍してほしい。
そして最後に紹介するのは、今年度から箱根駅伝復活プロジェクトのマネージャー(研修生)としてチームで活動することになった今井小春(神奈川・山手学院)だ。今井は、医学群・医療科学類に所属しており、「将来、スポーツ医科学関連の職に就きたい」とスポーツ科学と医療、スポーツ現場の双方の知識を学び、さらに連携させるノウハウやスキルを高めるために、我がチームの門を叩いてきた。
僕たちの活動に加わる確たる目的を有しており、競技力向上とコンディショニングの両面において頼もしい学生サポートスタッフとして期待される。
以上14名の新入生が加入し、さらに活気を増したチームは、とても良い雰囲気で活動しています。新入生の中から何人が箱根駅伝予選会のメンバー争いをし、さらには、出走するのか、要注目です。意欲満々の1年生のエネルギーを刺激として、上級生たちも気を引き締めて頑張っていきたいと思います。
最後に、コロナ禍での活動について
新型コロナウィルス感染拡大防止にはチーム全員が細心の注意を払って練習しており、今も自由に練習ができている状態とは言えません。その中で学生たちが今できることを考え限られた環境の中、強くなるために必要なことを模索しております。地域と市民の皆様のご理解とご協力があってこそ練習ができているということを今一度胸に刻んで、これからも練習に取り組んでいきます。今後とも、私たち筑波大学長距離パートのご支援、ご声援よろしくお願いいたします。
(文責:國井)