5月20日〜23日にかけて相模原ギオンスタジアム(神奈川県)にて行われました第100回関東学生陸上競技対校選手権大会(以下、関東インカレ)に、伊藤太貴・小林竜也・福谷颯太・松村匡悟・吉田海斗の5名が出場いたしました。その結果を種目別に報告させていただきます。(担当:藤原)
5月20日(木)【1部ハーフマラソン】
第100回という節目の大会は、よみうりランド敷地内周回コースで実施行された男子ハーフマラソンで幕を開けた。そのハーフマラソンに筑波大学から伊藤太貴(体育4)が出場した。
伊藤にとって最初で最後の関東インカレは、新型コロナウイルス感染防止対策として例年と違ったコースかつ無観客開催となった。そのようなイレギュラーな状況でも実力を発揮すべく万全な準備をしてレースに挑んだ。
よみうりランド内に設定された周回コースは、かなり起伏が激しいため、ペースの変動が激しくなることが予想された。伊藤はペース変動と難コースに苦しめられながらも、粘りの走りで65分01秒というタイムでゴールをした。秋に行われる箱根駅伝予選会に向けて改善していかなければならない自身の課題や他大学との差というもの肌で感じ、チームに還元してくれることだろう。更なるレベルアップを図り、箱根駅伝出場に向けてより力を付けていくであろう伊藤に今後もご期待ください!
【伊藤コメント】
今回、関東インカレのハーフマラソンに出場させて頂きました。前半落ち着いて入り、後半上げていこうと考えてレースに臨みましたが、ペースの変化に対応できず、悔しい結果となりました。他大学の選手との力の差を痛感しましたが、この経験を次に繋げられるように今後も練習に取り組んでいきたいです。秋以降、良い結果を残すためにもこの夏頑張ります。
<ハーフマラソン(1部)の結果>
順位 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|
30 | 伊藤太貴 | 体育4 | 65分01秒 |
5月20日(木)【男子1部1500m予選】
トラックの長距離種目は1500mで幕を開けた。長距離パートからは小林竜(体育3)と吉田(体育1)が出場した。1500mは3分50秒切りの選手が21人エントリーするなど非常にレベルの高い種目ではあるが、その中でも小林は資格記録で9番目に位置し入賞が期待された。
【1組】
1組目には吉田が出場した。吉田は一年生ながら関東インカレ出場を決めるなどこの春先から好調なスタートを切っており、組で5着以内に与えられる決勝進出の切符を掴むべくレースに挑んだ。
レースはスタート直後から中距離種目特有の激しい位置取り争いが繰り広げられ、吉田は最後方からのスタートとなってしまった。一周目で上手く波に乗ることができなかったが、持ち前の力強い走りで徐々に順位を上げていった。しかしながら結果は11着と決勝進出ならず。初の関東インカレはほろ苦いデビューとなったが、この悔しさを6月に行われるU20日本選手権、そして来年以降の関東インカレに繋げてほしい。
【吉田コメント】
入学してすぐに、PBを更新できたこと、また関東インカレの場で走れたことはとても良い経験となりました。しかし、思うように走れず、自分の力不足を痛感しました。そのため、今後は課題である、体力やレースでの対応能力を身につけ、U20及び来年の関東インカレで躍進できるよう、努力したいです。
2組には小林竜也が出場した。小林も今シーズン好調を維持しており、自身2度目となる今回の関東インカレは、決勝に進出して勝負をすることを目標にレースに挑んだ。
小林はスタート直後から抜群の位置取りでレースを展開し、前方の位置をキープしラスト勝負にも動じず2着でフィニッシュ。無事に翌日行われた決勝に進出した。
5月21日(金)【男子1部1500m決勝】
前日の予選で決勝進出を決めた小林が入賞を目指し決勝レースに挑んだ。
レース後には「嬉しいけれど悔しい」と本音を漏らすなど、更なる高みへ向かっていこうとする小林の走りは今後のチームを引っ張っていく原動力となるだろう。
【小林コメント】
練習の段階で自信をつけられていたので、予選、決勝共に攻めたレースをすることが出来ました。7位という順位で満足はしていませんが、入賞という目標を達成出来たのは素直に嬉しいです。来年は必ず表彰台に登れるように、今回の経験を今後に活かしていきます。
【予選】
組 | 順位 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 11 | 吉田海渡 | 体育1 | 3分54秒16 | |
2 | 2 | 小林竜也 | 体育3 | 3分48秒36 | Q |
【決勝】
順位 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|
7 | 小林竜也 | 体育3 | 3分53秒42 |
5月20日(木)【男子1部10000m決勝】
関東インカレ初日最後の長距離種目は男子10000mが行われ、福谷(体育3)が出場した。福谷は今シーズン安定した成績を残しており、10000mでも自己ベストを更新するなど、好調を維持した中で、自身初めての関東インカレのレースとなった。
レースは断続的に雨が降り続き天気には恵まれなかったが、日中に比べると気温が下がり良好なコンディションでのスタートとなった。福谷はスタートから集団の真ん中に位置し、最初の1000m を3分を切るペースでレースを進めた。しかし中盤以降に集団がばらけた際に上手く反応できず、前の集団と差が開いてしまい、後方集団でペースを維持したままゴールするという消化不良のレースに終わった。福谷にとって悔いの残るレースとはなったが、それでも29分台でまとめたことは確実に力を付けている証拠だろう。この悔しさをバネにより一層の活躍を期待したい。
【福谷コメント】
今回関東インカレに10000m代表として出場させて頂きました。初のインカレの感想は悔しいの一言に尽きます。他大学の選手に全く歯が立たなかったこと、インカレで戦うために十分な準備ができなかったこと、全てのことで力が及ばなかったと感じました。良かったことはこの悔しい経験を3年生の内に経験できたことだと思います。来年は自信を持ってスタートラインに立てるようにまた一から頑張ります。
<男子10,000m(一部)>
順位 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|
26 | 福谷颯太 | 体育3 | 29分51秒79 |
5月22日(土)【男子1部3000m SC予選】
関東インカレ3日目に実施された男子3000m SC予選に松村(体育3)が出場した。松村は1、2年次の苦しい期間を乗り越え、初めての関東インカレに挑んだ。参加資格記録は組12人中11番であるが、松村の高校時代にマークした自己記録はそれを大きく上回るものであり期待がかかった。
レースは序盤から一塊の集団で動き、松村は集団中央に位置し流れに乗ることができた。組着上位5人までが自動的に次の日の決勝に進むことができるため、集団が少しずつばらけていく中先頭についていくことができた松村は決勝進出が見えてきた。しかしラスト勝負で惜しくも敗れ6着となり自動での決勝進出は叶わなかったが、タイムによる決勝進出者の2人に入り決勝進出を決めることができた。また予選でマークした8分59秒80は、自身3年ぶりとなる8分台となった。
5月23日(日)【男子1部3000m SC決勝】
前日の予選で記録上位2名に入り決勝進出を決めた松村がレースに挑んだ。天候は前日までのどんよりとした天気が一変し、強い日差しが照りつける気象条件でのレースとなった。
スタート直後、他大学の選手一名が飛び出る形となったが、松村は冷静に2位集団につけた。レースは前日と同じようなペースで進み、松村は2000m付近まで集団の中で流れに乗ることができた。ラスト1000mを過ぎ、集団が引き伸ばされていくが、必死に食らいつく粘りの走りを披露。惜しくも最後は離されてしまったが、それでも入賞まであと一歩に迫る9位でフィニッシュ、2日連続の8分台をマークした。
1、2年次は怪我を繰り返し思うようにいかないシーズンを過ごした松村が本来の力を取り戻しつつあることは、チームにとっても、そして何より松村本人にとって非常に喜ばしいことである。今後これまで以上の力を発揮することを期待したい。
【松村コメント】
関東インカレ3000mSCに出場し、セカンドベストの8分59秒38で9位でした。昨年の全日本インカレで同種目において12位と悔しい思いをしたので、今回はその悔しさを晴らす思いと筑波大学に貢献するという気持ちで出走しました。レース内容など課題が残る結果となったので、一つ一つ自分に足りない部分を強化し、全日本インカレ、来年の関東インカレでは最高の結果を残せるように努力します。応援ありがとうございました。
<男子 3000mSC(1部)>【予選】
組 | 順位 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
2 | 6 | 松村匡悟 | 体育3 | 8分59秒80 | SB |
<男子 3000mSC(1部)>【決勝】
順位 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|
9 | 松村匡悟 | 体育3 | 8分59秒38 | SB |
5月23日(日)【男子1部5000m決勝】
関東インカレ最終日、長距離最後のトラックレースであった5000mに小林竜也が出場した。小林は1500mに次いで2種目の出場、レース自体は4日間で3本目となった。
小林の出場資格記録はエントリー39人中39番目であったが、レースでは攻めた走りをすると決意して挑んだ。その意気込みが良い精神状態へと導いたのか、スタート前には笑顔を見せるなど結果に期待できるレース前であった。
レースはスタートからしばらく大集団で推移し、小林も集団の前方で流れに乗り快調に進んでいった。積極的にチャレンジをする小林は集団の前方に位置していたこともあり、集団がばらけ始めてもしっかりと対応することができた。他大学のエース級の選手が集うハイレベルのレースで堂々と走る小林は勇ましく、終盤になっても自己記録を超えるペースで走り続けた。結果的に全体10位(日本人8位)でフィニッシュし、また自己ベストを更新する走りを披露した。
この日の酷暑・強風という厳しい条件下のレースで自己ベストを更新した選手は小林のみであり、存分に強さを示すことができた。1500m、5000mとタフなレースが続いたが、どちらも誇ることのできる結果を残した小林の姿は非常にたくましく、チーム全員が目標とする存在となっただろう。
【小林コメント】
他大学のエースが集まる中、自分がどこまで戦えるのかレース前はワクワクしていました。13分台と先頭集団に食らいつくことを目標に掲げ、結果は13分台を出すことは出来なかったのですが、10位という順位と当日のコンディションを考えると、13分台と同等の価値のあるパフォーマンスを発揮出来たかなと思います。
今年は駅伝チームから、インカレに出場した選手が少なかったので、来年チームとして多くのメンバーが活躍出来るように、走りでチームを引っ張っていきます。応援ありがとうございました。
<男子 5000m(1部)>
順位 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|
10 | 小林竜也 | 体育3 | 14分12秒37 | PB |
第100回大会という節目の記念すべき大会となった今回の関東インカレは無観客開催と寂しい雰囲気になってしまいましたが、出場した選手は熱い気持ちをそれぞれ持ってレースに挑みました。また大会が終了した後、出場した選手はそれぞれ様々な気持ちを抱いてつくばへと戻りました。この結果に満足している選手はもちろん誰一人としていません。今回出場した選手も、参加失格記録を持っていながら怪我で欠場した選手も、出場せず大学から応援した選手も、より強くなるため、そして最大の目標である箱根駅伝出場のため、これからの厳しい夏を乗り越えていきますので、今後とも応援の程よろしくお願いいたします!
最後にはなりましたが、このような社会情勢の中大会を開催してくださいました関係者の皆様に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。