こんにちは。新3年生になりました伊藤太貴です。現在のチームの活動状況を報告させていただきます。
部活動禁止
新型コロナウイルス感染が世界中で拡大し、社会は大混乱に陥っています。日本においても“緊急事態宣言”が発令され、人々の生活が制限される中、教育機関も同様で、感染を防止しウイルスを終息させるために、多くの大学で授業延期や部活動停止など措置を取らざるを得ない状況に置かれていると思います。
筑波大学でも4月4日より体育施設の使用禁止と部活動が停止されることとなりました。この措置は、最短でも5月6日までとなっており、活動制限がいつまで続くのか、全く見通しが立ちません。僕たちは、苦境に立たされている社会の一員として、感染リスクの高い行動は採らないよう徹底して感染防止に努めていきたいと思います。
そうは言っても、体力を最低限維持すべく自主練習を続けていかなければなりません。チームとしての練習・活動は出来ないことから苦しい期間となっていますが、幸い、長距離走は一人でも実施可能な競技なので、周りに迷惑をかけないように注意しながら細々と自主練習を続けています。
このような状況下で、僕たちが、この先の何を目指して、どこに心の拠り所を求め、どのような想いでトレーニングを積んでいくのかを記してみたいと思います。
消えた目標
春シーズンを目指してきたこれまでの期間、長距離パートとしてはまず、全日本大学駅伝の出場(関東地区の予選突破)を目標に活動してきました。毎年6月末に行われる全日本大学駅伝の予選会で走る10000mのタイムを短縮するために、箱根駅伝後から計画を立てトレーニングを積んできました。
冬季トレーニングでパワーアップしたチームは、全日本大学駅伝の出場が可能だと確信できるレベルにまで成長できていただけに、残念な思いは強いです。
また、陸上競技部としても5月に開催予定であった大学対校戦である関東インカレにおいて、1500m・5000m・10000m・3000mSC・ハーフマラソンで多数の出場選手を輩出し、箱根駅伝のライバル校に少しでも迫る実力を示しつつ、「男女アベック優勝」を目標として掲げる陸上競技部に貢献することを目指していました。その原動力は「箱根駅伝で味わった悔しさをトラックレースで晴らす」という強い思いです。
しかし、先日の日本陸上競技連盟のコロナ対策関連の方針発表で、6月までの試合(記録会を含む)が全て中止になる見込みとなり、先が見えない活動をせざるを得なくなりました。
今まで経験したことのない暗闇に入り込むようで、正直に言って、チームとしては、イレギュラーな流れに戸惑いを隠すことができません。
自分たちはどうあるべきか
一方で、箱根駅伝という最終目標に向けての時間は刻々と奪われていきます。箱根駅伝予選会までに残された期間は、既に半年となりました。皆が同じ状況下にいる中で、自分たちだけが嘆いたところで、何も得るものはありません。
新型コロナウイルス感染症による部活動停止という避けられない事態を言い訳にするのではなく、「制限がかかる今の時期に何ができるか」「自分たちはどうあるべきか」を自分たちに問いかけ続けています。
クラウドファンディング等で支援してくださる多くの方々、本学卒業生や陸上競技部ОBОG会など応援・サポートしてくださる方々がいる僕たちは、簡単にあきらめるわけにはいきませんし、何よりも僕たち自身が絶対に箱根駅伝の舞台で良い結果を残したいと思っています。今は、チーム全員が前を向いて個々で自主トレーニングに励むことができています。
それは、先日いただいた言葉にあります。
疾風に勁草を知る
先日、テレビ会議でチームミーティングをした際に、弘山駅伝監督から紹介された言葉ですが、「筑波大学 水泳部 顧問教員の高木英樹先生が会議の中で言われた言葉(内容)」だそうです。「後漢書」からの言葉で「激しい風が吹いてはじめて丈夫な草が見分けられる」という意味で、「苦難にあってはじめて、その人の節操の堅さや意志の強さがわかる」というものです。
この苦難に負けない強い人間であろう!という高木先生からの熱いメッセージだと僕たちは受け止めました。
逆風に負けない強い草として
チームとして厳しい状況にあることには変わりありませんが、この“コロナ危機”を乗り越えた先には、かつてない飛躍が生まれると信じています。筑波大学だけではなく、他の大学も大変な時期だと思いますが、このような時こそ真のチーム力と個々の強さが試されるのだと思います。
「今の状況下で何ができるか?」をオンライン・ミーティングで話し合い、個々の課題などと向き合う良い機会であることを確認し合い、それぞれ強い意志を持ってトレーニングに励み、各自が実施したトレーニングを皆で共有し、一緒に戦っている意識を持つようにしています。チーム全員が一致団結して次のステップへ進もうと取り組むことができていると感じます。
自立と自律を育む
部活動停止というとデメリットばかりのような印象を受けますが、より個人と向き合う時間が増えると考えるなどプラスに捉えられる事も多くあります。チームで活動しているとできないことが、今なら可能なこともある気がします。自分の長所を伸ばす、短所を克服するなど人によって異なる課題と今まで以上に向き合う事が出来る機会だと感じています。
この期間をより充実したものにするためにも、各々が高い志を持って、自律した生活をしていこうと話しています。実際に、部活動自粛になってから、JOGの距離が増えた学生、新たなトレーニングを工夫して導入する学生が多くいるように、主体的な取り組みが目立つようになっています。
また、外部との接触を極力減らすためにも外食は禁止とし、自炊での食事を徹底し、栄養面をはじめとした学生アスリートらしい生活スタイルを確立するよう自覚をもって日々過ごしています。
社会の一員として
最後に、日本を救うために頑張っていただいているたくさんの方々に感謝しながら、僕たちは、チームという小さな枠で物事を考えるのではなく、社会の一員として、筑波大学の一員としての自覚を持って行動をしなければなりません。
不要不急の外出を控えることや手洗いうがいなどの予防を徹底し、僕達自身が感染しないように、そして感染源とならないように気をつけて生活をしていきます。その中で僕達が今出来ることに精一杯取り組んでいきます!
新型コロナウイルス感染症の蔓延がいつまで続くかわかりませんが、世界が一つとなり、この苦境を皆で乗り越え、多くの人々に笑顔が戻る日が1日でも早く訪れることを祈り続けながら、社会のため、未来のために、自分たちにできることをしていきたいと思います。