第30回六大学対校陸上競技選手権大会は、7月16日(日)に筑波大学陸上競技場で開催され、酷暑の中、6校が熱戦を繰り広げた。順天堂大学と日本大学、東海大学、日本体育大学、中京大学、筑波大学の6校による対校戦であり、入賞して得点することが求められる。1500mで才記壮人(院1)が3分47秒92の記録で優勝し、池田親(2年)が自己ベストとなる3分51秒15で5位、3000mSCでは川瀬宙夢(3年)が9分05秒58で3位となった。
中長距離の最初の種目は800m予選。出場した3人全員が予選通過を果たし、幸先の良いスタートを切った。大会は、流れというか空気が大切であるが、この日の天候は、曇りがちだが、気温は34度を超え、湿度も高い。ピリっとした雰囲気の出しづらさがあるので、大学としても中長距離ブロックとしても、この空気を1日持続させたいところだ。
最初の決勝は、3000mSCで、川瀬が優勝と全日本インカレ参加標準記録(9分01秒)を狙って出場した。入りの1000mが2分57秒と絶好の滑り出し。しかし、ペースはどんどん落ち始める。4周目に入ったところで記録を狙いたい川瀬が先頭に立ち、ペースの落ち込みを食い止めようとするが、35度もの気温が、選手の肉体と精神(意欲)の持続を困難にさせる。2000mの通過が6分02秒。誰も先頭を替わってくれず、ラスト1周へ。レースの終盤を終始引っ張った川瀬に、余力はなく、9分05秒で3位に終わり、悔しい表彰台となった。
そして、最も期待される1500mの決勝。大学院生の才記と池田が上位入賞を目指して出場。2週間前に3分46秒の自己新記録をマークしている才記は、自信満々のレース運び。スローペースの流れを2~3番手で進め、残り500mでスパート。ラスト1周を55秒でカバーし、3分47秒92の好記録を楽々とマークし優勝。実力の差を示した。全日本インカレでも好勝負が期待できる圧巻の走りと言っても良いだろう。
爆発力のある池田も、集団の後方で脚を溜めて、ラストの勝負にかけたが、スローペースでスパートの反応が遅れ、優勝争いに絡むことはできなかった。しかし、ラスト1周を57秒でカバーし、自己記録を4秒も更新する3分51秒15をマークし、走力が高まっていることを証明できた。3日前に、猛暑の中でホクレンディスタンスチャレンジ5000mを走っており、強行スケジュールの中で出した記録であるから、価値は相当高いと言える。
長距離種目の最後は、5000m。スチームサウナに入っているかのような天候に、記録はまったく望むことはできない状態。モチベーションの高まりは、順位争いしかない。そのことを念頭に置き、4年の中川と1年の児玉、山下がスタートを切った。1周70秒のペースで2000mまで進んだが、さすがの暑さに集団のペースは72秒前後に落ちた。山下は3000mまで先頭集団で走っていたが、後半、急激に失速した。中川も同じような走りでペースダウン。先頭から最初に離れた児玉が粘って順位を上げたが、11位まで。記録も15分32秒に留まったように、3人とも暑さに対応できるような走力はまだ有していない証拠。そのことを本人たちはわかっており、レース後に今後の頑張りを誓っていた。
この六大学対校選手権で、本年度前半シーズンは終了となり、多くの者が箱根駅伝予選会に向けての走り込みとなる。一部の学生は、全日本インカレも睨んでの走り込みと強化になる。この春は、筑波大生の成長を示す結果を残せたと思う。この勢いで夏季鍛錬期を乗り切り、さらに成長した姿で秋シーズンを迎えたいところだ。心身ともに成長真っ只中の筑波大生のさらなる進化を期待したい。