第251回日本体育大学長距離記録会は、6月4~5日の2日間で開催され、6月4日に実施された1万mには、筑波大学の学生7人が出場し、全日本大学駅伝・予選会の出場権をかけて力走した。-6月18日に予定されている全日本大学駅伝の予選会には、シード校を除く20の大学が出場できる。その大学の選出は、チームのエントリー選手上位8人の1万mの合計タイム。6月4日のこの記録会が最後のチャンスであった-
この日までに29分台をマークしているのは、勝谷と吉成、金丸、河野の4人。他の4人の1万m平均タイムが30分10秒以内となれば、可能性が出てくる。
第5組には、30分台前半のタイムを狙う5人が出場。この組の先頭集団に付くのは、森田と1万m初出場の新人・池田。少し自重ぎみに入ったのが、武田と1万m初挑戦の川瀬、そして、村上だった。
森田は、5000mを15分09秒で通過し7000mまでは先頭集団で走ったが、その後は、春先の故障による練習不足からペースダウンしてしまった。池田も快調に中間付近まで先頭集団で走っていたが、先頭から離れてからは、ズルズルと後退してしまった。1500mでインカレ出場を狙っていただけに、1万mの練習を積むことはできていないのだから、致し方ない。
途中から第2集団で走った武田と初1万mとなる川瀬がまずまずの走りを見せた。武田は、最後まで第2集団で走りきり、大幅な自己記録更新で30分台をマークした。川瀬は、第2集団から7000m付近で離れたしまったが、以降も粘り通して、31分17秒。タイムは不満かもしれないが、3000mSCでインカレを走ったことを考えると健闘の部類であろう。ここでも成長を感じることができる。村上は、インカレの1500mを狙ったために、持久力養成はなされておらず、後方から追い上げる作戦を採ったが、不発に終わり、31分23秒。練習不足での結果であり、一応は、自己新記録。悲観するものではない。
第7組に出場したのは、吉成と金丸。ともに自己記録(29分48秒、29分59秒)を大幅に更新することを目標に走った。だが、先頭のペースは思いのほか上がらず、5000mの通過が14分53秒。7000mを過ぎてレースが動き出し、対応できたのは金丸。終始余裕を持って走っており大幅な記録更新が期待された。しかし、その後、8000mを過ぎて金丸のペースは思うように上がらず、前回マークした記録を1秒更新する29分58秒に留まった。4月から多くのレースに出て練習の貯金がない状況で、2戦連続の29分台は、1年生だけに立派と言える。一方の吉成は、7000m過ぎから、少しづつ遅れ始めてしまったが粘って、30分02秒。大会に出場しながら、徐々に復調してきており、今後の走りが楽しみである。
という結果に終わり、残念ながら、全日本大学駅伝の予選会出場枠に入ることはできなかった。ただ、筑波大学が全日本大学駅伝を意識したのは、一体、何年以来のことだろう。おそらく30年振りではないだろうか。来年こそは予選会出場を果たすべく、「1万mの記録を出していく」と学生たちは意を強くしていた。