平成28年度関東学連春季オープン競技会は、3月25日・26日に東京都江戸川区陸上競技場で開催され、筑波大学の学生が、1500mと3000mSCに出場し、今季シーズンを始動させた。
陸上競技の暦で言うとまだ2016年度であるが、春季と名が付くように、事実上は2017年度の開幕である。今季、筑波大学の学生は、1500mから始動した。冬季トレーニングの成果と長距離の基本となる1500mのスピードの確認が今大会出場の目的であった。
この冬、筑波大学の学生は、基本的な能力を向上させるべく、厳しい冬季トレーニングを積んできた。基本のレベルを引き上げて、「それぞれが持つ潜在能力を引き出すこと」と「持久的な能力の伸びしろを大きくすること」が狙いである。このことを弘山コーチは非常に重視しているし、学生も十分に理解して取り組んでいる。その成果を見たいところだったが・・・。
生憎の雨と風に加えて、気温が7度にしか満たない真冬の天候となり、スピード能力のパフォーマンス発揮は、まったく期待できない条件となってしまった。しかも、それぞれの組で出場者が20人以上いて、1500mでは信じられない2列スタートになるなど悪条件が重なった学生もいる。受け入れるしかないこととは言え、とても残念な条件であった。それでも、自己新記録を出した者や自己記録に肉薄した者もいて、トレーニングの成果はそれなりに確認することができた。
それぞれが出走した組で、積極果敢に飛び出したり、先頭を引っ張ったりしたことも成長している証であろう。レースでの「思い切りの良さ」が出てきたことは、とても良い傾向であり、さらなる成長が期待できるはずである。
低温で評価が難しくなった(3秒~4秒はパフォーマンスは落ちたと考えるのが妥当)が、今季初戦の1500mでフォーム含めたスピード能力の確認ができたことは、今後に繋がるはずである。これからインカレを目指すにあたり、各々が課題を見出し、改善していくことだろう。
また、前日の25日には、二人の学生が3000mSCに出場。初戦の障害飛越に戸惑い失速したが、この二人が翌日の1500mでしっかり走るのだから、調整方法も考えていかなければならないことを教えられる。日々、勉強ということである。いろいろな経験を積んで、学生は成長していってもらいたい。