筑波大学の長距離パートの2017年度シーズン第2戦目は、2017年4月8日に開催された世田谷陸上競技会と順天堂大学記録会の2箇所に分かれての参戦となった。
世田谷の5000mでは、中距離パートでスピードに磨きをかけている小林(3)が、関東インカレA標準記録を突破する14分11秒19の自己新記録をマーク。順天堂大学の3000mSCでは、齋藤(2)が、関東インカレA標準記録に僅か(0.12秒)届かずの9分08秒12の自己新記録をマークした。
世田谷では、小林が執念の走りを見せた。序盤から積極果敢に先頭を引くなどハイペースを自ら演出し、ペースが落ちた中盤も、そして、ラスト600mからも先頭に立ち、「何が何でも関東インカレA標準(14分12秒)を破るんだ」という気迫の走りで、ラスト1周を61秒でカバーして記録突破に結びつけた。
最終組で自己記録(13分51秒)の更新を狙った森田は、中盤で脱落し、レースでは久しぶりに崩れた走りとなった。1週間前に練習で走った記録会の3000mで自己新記録となる8分18秒をマークしており、調子は良かったはずだが、上手くはいかなかった。冬季シーズンは、身体作りやスピード養成に専念してきたために、ハイペースでの持続力不足が露呈してしまった格好だ。本人も原因はわかっており、悲観はしていないが、悔しさは相当にあるようだ。その悔しさを起爆剤にして、5000mの専門練習に移行していってもらいたい。
その他では、冬場に故障し2ヶ月ものブランクがあった武田と村上が、それぞれ目標通りの14分台で走り、復調してきたことが明るい話題としてチームを活気づけた。
新1年生も3人出場。1年生は、まだ腹八分目の練習しかしておらず、記録の期待はできなかったが、浜松日体高校出身の渡辺が14分43秒で大学初戦をしっかりと走り、豊かな将来性を存分に示した。
一方の順天堂大学記録会では、齋藤が一人で会場に行き、3000mSCに出場。孤独な大会遠征となったが、2000mを6分03秒で通過し、関東インカレA標準突破を目指して力を振り絞ってゴールを目指した。しかし、無情にも0.12秒届かず。ひじょうに悔しい結果となったが、初戦で自己記録を5秒以上も短縮したのだから、力を付けている証拠。今後が楽しみになった。
レースの総評をすると、高強度の持久系トレーニングは、チームとして、まだ実施していないことが要因として挙げられる。冬季トレーニングで高めた基礎体力(スピード)を、今後は徐々に持続力養成の方向に傾けていくことになる。全体的に少し物足りないタイムではあったが、全て納得できるものであり、現状把握としては十分に及第点が与えられる。シーズンインして、いよいよ実践強化の始まりとなる。筑波大勢の今後の躍進に期待していただきたい!
組 | 順位 | 氏名 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|
5 | 1 | 武田勇美 | 14’55”39 | |
9 | 19 | 猿橋拓己 | 15’06”62 | |
30 | 中川 凛 | 15’31”07 | ||
10 | 7 | 渡辺珠生 | 14’43”59 | |
28 | 山下和希 | 15’10”10 | ||
11 | 10 | 川瀬宙夢 | 14’48”92 | |
13 | 20 | 村上 諄 | 14’41”04 | |
23 | 河野 誉 | 14’44”34 | ||
14 | 1 | 小林航央 | 14’11”19 | PB |
24 | 吉成祐人 | 14’33”54 | ||
16 | 29 | 森田佳祐 | 14’25”15 | |
1 | 3 | 齋藤零士 | 9’08”12 3000mSC |
PB |