第3回筑波大学競技会が6月19・20日に、第3回筑波大学記録突破会、順天堂大学記録会が7月2日に開催され、計29名の学生が出場した。これから始まる夏の強化練習直前のトラックシーズンの締めくくりとして、各学生がレースに臨みました。
また、第3回筑波大学競技会にはスピードと持久力の両面を実践的に強化することを目的としたグループCの選手、1年生を含めた体力向上を目的としたグループDの選手が出場しました。そして順天堂大学記録会には、ホクレンDCに出場予定の選手を除いたチームの主力となる選手と、グループCの一部の選手が出場しました。その結果を報告致します。(担当:宮代和騎、熊谷秀人)
第3回筑波大学競技会(6/19、6/20)
今大会では、春シーズンから順調に練習を積んだ選手たちが夏合宿に向けたスピードと持久力の強化を目的に、1日目に1500m、2日目に3000mのレースに臨んだ。練習を積んで体が疲労状態にある中で2日間に開催されるレース、どのように走り切ることができるかが注目された。
1500m
【1組目】
1組目には春から故障をすることなく順調に練習を積んできた上級生と、自己ベストが3分台とスピードに自信のある松浦(化学1)の計6名が出場した。レースは1周64秒を切るペースで推移するものの、徐々に集団が縦長になり、3分台でゴールしたのは、ラスト300付近からスパートをかけた大塚(体育3)だけであった。それに続いた長谷川(資源2)、松浦(化学1)は3分台には僅かに届かず、1組目に出場した選手たちは、皆が自己ベスト更新と3分台を目標に掲げていただけに悔しい結果となった。ただ、3分台を狙って前半から攻めたレースを展開したことは、今後に繋がるだろう。
【2組目】
2組目にも10名の学生が出場した。こちらはほとんどが1年生であり、入学してからの数か月はフォーム改善やサーキットトレーニング、バイクトレーニングなどの基礎鍛錬に取り組んできた。基礎的な能力を高めることができれば、成長が見込める後輩たちばかりであるため、今後の更なる活躍が楽しみである。
それを裏付けるように、2組目に出場した1年生の5名が自己記録を更新し、夏合宿に向けて順調に練習が積めているように思う。特に鈴木(医学1)は、レース序盤から集団を飛び出し、後ろを寄せ付けることなく自己ベストを更新する渾身の走りを見せた。
〈第3回筑波大学競技会 1500m 〉
組 | 順位 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 4 | 大塚 陸渡 | 体育3 | 3:59.34 | |
5 | 長谷川 健太 | 資源2 | 4:00.30 | ||
7 | 松浦 海瑠 | 化学1 | 4:04.93 | ||
9 | 熊谷 秀人 | 国際2 | 4:05.89 | ||
12 | 本村 春人 | 資源2 | 4:08.50 | ||
14 | 大崎 友裕 | 体育2 | 4:10,80 | ||
2 | 1 | 鈴木 将矢 | 医学1 | 4:02.88 | PB |
4 | 小牧 直登 | 体育1 | 4:05.79 | PB | |
6 | 保科 大樹 | 医療1 | 4:06.59 | PB | |
8 | 寺田 周世 | 人文1 | 4:09.05 | PB | |
9 | 丸子 晴樹 | 総合Ⅱ 1 | 4:10.91 | PB | |
10 | 照内 敦和 | 医学3 | 4:13.62 | ||
11 | 黒木 聖 | 日文1 | 4:13.70 | ||
12 | 鈴木 晨耀 | 体育3 | 4:15.03 | ||
13 | 田中 康聖 | 心理2 | 4:15.14 | ||
14 | 山口 翔吾 | 社会1 | 4:18.85 |
3000m
2日目の3000mには計15名の選手が出場した。前日の1500mの疲労に加えて、この日は気温が高く、風も強く難しいレースを強いられた。しかし、その中でもレース出場者の半数以上の8名が自己ベストを更新。厳しい気象条件の中、序盤から多くの選手が積極的に先頭集団に食らいつき、1000mを2’50前後で通過。中盤以降も72秒/周を切るペースで推移し、ラスト一周で鈴木(医学1)が飛び出した。そこに続いた保科(医療1)、松浦(化学1)、丸子(総合Ⅱ1)の1年生4名による激しい攻防の末、鈴木(医学1)が逃げ切り、それに続いた3名が自己記録を更新した。
また、第2集団の照内(医学3)、大崎(体育2)も8分台を達成し、目標通りに自己記録を更新。惜しくも8分台に届かなかった寺田(人文1)は、3週間前のレースから10秒以上もタイムを短縮し、田中(心理2)は復帰明けのレースの中、自身の記録を更新する渾身の走りを見せた。1年生を中心に自己ベストを更新した選手が多かった一方で、上級生の記録更新はあまり見られなかったのは残念だった。
2日間のレースを通して、それぞれが自身の課題を知る良い機会になっただろう。今回出場した一部の選手は、順天堂大学記録会(7/2)の5000mへ、他の選手は、第3回筑波大学記録突破会の1500mに分かれ、次の目標に向けて、レースに臨むことになる。
【保科のコメント】
「3000mを走るのは3年ぶりでしたが自己ベストを更新し、初めての8分台を出すことができ嬉しいです。速いペースで入りましたが、きついところでもペースをあまり落とさずに走れ、体力がついたことを実感できてよかったです。」
〈第3回筑波大学競技会 3000m 〉
組 | 順位 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 鈴木 将矢 | 医学1 | 8:45.41 | |
3 | 保科 大樹 | 医療1 | 8:47.92 | PB | |
5 | 松浦 海瑠 | 化学1 | 8:51.09 | PB | |
6 | 丸子 晴樹 | 総合Ⅱ 1 | 8:52.09 | PB | |
7 | 大塚 陸渡 | 体育3 | 8:55.28 | ||
9 | 照内 敦和 | 医学3 | 8:56.38 | PB | |
10 | 大崎 友裕 | 体育2 | 8:58.78 | PB | |
11 | 寺田 周世 | 人文1 | 9:00.89 | PB | |
12 | 田中 康聖 | 心理2 | 9:01.34 | PB | |
13 | 山口 翔吾 | 社会1 | 9:06.94 | ||
14 | 長谷川 健太 | 資源2 | 9:09.74 | ||
15 | 熊谷 秀人 | 国際2 | 9:13.83 | ||
16 | 本村 春人 | 資源2 | 9:15.10 | ||
17 | 小牧 直登 | 体育1 | 9:16.01 | PB | |
18 | 鈴木 晨耀 | 体育2 | 9:26.21 |
第3回筑波大学記録突破会 1500m
今大会には、同日開催された順天堂大学記録会の5000mには出場せず、練習を順調に積んでいる1年生7名が、練習の一環として出場した。試合前日まで、かなり気温が高い日が続いていたが、この日は天候にも恵まれ、タイムを狙うには十分な条件がそろった。
レースは序盤からハイペースで展開され、100m付近で集団は縦長になるほどだった。第1集団に食らいついた鈴木(医学1)は、400mを61秒前後で通過、その後もペースを落とすことなく、第2集団を段々と離していく。第2集団は松浦(化学1)を先頭に、3分台を充分に狙えるペースで推移し、大きな集団のままラスト一周に差し掛かる。
鈴木(医学1)は、その後もペースを落とすことなく、自身のベストを約8秒更新する3分54秒という好記録をマーク、会心の走りを見せた。なお、この記録は関東インカレのB標準を突破する記録である。
第2集団を形成していた小牧(体育1)は、ラスト一周で集団を抜け出し、1200mを3分15秒で通過するも、惜しくも3分台には届かず。しかし小牧は入学してから三度目の試合であったが、すべてのレースでベストを更新し続けており、順当に力を付けてきている。今後の活躍が期待できる選手に成長を遂げている。
12着の鍔(体育1)は、故障明けに加え、練習の一環として今大会に出場したが、SBでゴールをした。また、黒木(日文1)も目標には届かなかったものの、大きな故障なく練習を積み、自己ベストを更新。出場した1年生は、受験のブランクがある中、入学してから約3ヶ月で、順当に力を伸ばしてきている。今後の夏合宿を経て、長い距離への適正を図れば、チームの中心メンバーとして活躍する選手も多く出てくるだろう。
【鈴木のコメント】
「今回1500mを走り、3’54で約8秒ベストを更新し、関東インカレB標準を突破することが出来ました。今回は気象条件に恵まれたこともありますが、自分の実力を発揮出来たという点で満足出来る結果となりました。ですが、自分には様々な課題が残っているので、それらを改善しながら、さらに長い距離で結果を残しチームに貢献出来るよう頑張りたいと思います。」
【小牧のコメント】
「筑波大学での3度目の試合で、毎日の練習にも慣れてきた時期での試合でした。結果は目標としていたタイムよりも速く走れ、ベストも4秒更新できたので、嬉しかったです。しかし、ラスト300m地点で3分15秒、100m地点で3分46秒の読み上げが聞こえたのにも関わらず、4分を切れたかったことは悔しかったです。次はもっとタイムにこだわりをもって、必ず4分を切って走ります。」
〈第3回筑波大学記録突破会 1500m〉
組 | 順位 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 鈴木 将矢 | 医学1 | 3:54.70 | PB&関カレB標準突破 |
3 | 小牧 直登 | 体育1 | 4:01.68 | PB | |
7 | 寺田 周世 | 人文1 | 4:05.26 | PB | |
8 | 松浦 海瑠 | 化学1 | 4:06.05 | ||
12 | 鍔 颯人 | 体育1 | 4:08.53 | ||
13 | 黒木 聖 | 日文1 | 4:10.12 | PB | |
16 | 伊藤 俊 | 障害1 | 4:38.31 |
第5回順天堂記録会(7/2)
筑波大学記録突破会と同日の7/2、千葉県印西市(順天堂大学さくらキャンパス)で開催された順天堂大学記録会に、自己記録の更新とチーム内の目標であった14分30秒切りを目指して多くの選手が出場した。
★1組目
熊谷(社会国際2年)が出場した。前半は集団の流れに乗ってレースを進めたが、2000mを過ぎて集団が分かれた際に先頭集団から遅れる形になってしまった。中盤は粘るレースとなった中、終盤ペースを上げて自己ベストを更新した。入学からおよそ1年で1分の自己ベスト短縮となった。
★2組目
照内(医学3年)、大崎(体育2年)、本村(生物2年)、丸子(総合1年)が15分を切ることを目標にレースを進めた。4人とも集団の中でレースを進めて照内、大崎、丸子の3人は3000mを8分台で通過した。後半は高い気温の影響もあってペースは落ちたが、粘りのレースを見せ、照内と丸子が自己記録を更新した。照内は約3年ぶりの自己ベストを更新、丸子は大学初の5000mで自己ベストを更新した。両名とも離脱なく順調に練習をつめており、その成果を発揮した。大崎、本村も自己ベストまであと数秒ほど足りない結果に悔しさをにじませたが、終盤の粘りは練習の成果を感じさせるものだった。
★3組目
永山(体育4年)、小林(体育3年)、富山(地球3年)、小野木(体育2年)、古川(体育2年)、小山(体育1年)が出場した。チームの目標としていた「14分30切りの人数を増やすこと」に貢献できるメンバーが出走した。集団の前めに位置してレースを進めていき、ほとんどの選手が、3000mを8分45秒で通過した。筑波大の中では2年の古川を先頭に、富山、永山、小山、小林が続いた。
富山が切れ味抜群のラストスパートを見せ、古川と小山も自己ベストでゴールした。永山は自己記録に僅かに及ばなかったが、小林も14分台でゴールした。目標の14分30秒切りは果たせなかったが3人が自己記録を更新し最終組に勢いを与える結果となった。
★4組目
最終組となる4組目には、練習を完璧にこなし自己記録の大幅更新に期待がかかる6人が出走した。五十嵐(体育4年)、坂見(体育4年)、藤原(体育3年)、皆川(物理3年)、大津(体育1年)、堀口(体育1年)が出場した4組目は、先頭が最初の1000mを2分42で通過するハイペースでレースが展開された。皆川と五十嵐が積極的に前方で、藤原は中盤、後方で堀口と坂見、大津がレースを進めた。依然としてハイペースでのレースとなったが五十嵐、皆川を中心に攻めのレースを展開した。
レースの終盤まで力を溜めていた五十嵐が、ラスト1周で渾身のスパート!ラスト100mでの失速はもったいなかったが14分26秒でゴールし、自己記録の更新と目標を達成した。続く皆川も自己ベスト更新となった。惜しくも14分30には届かなかったが、実りあるレースとなった学生が多かったように感じる。他のメンバーも目標には届かなかったものの、ハイペースのレースを経験できたことは。今後に向けては良い経験になったはずだ。
【五十嵐のコメント】
「先日行われた順天堂大学競技会で5000mに出場し、14’26″85で自己ベストでした。3月の疲労骨折からシーズンインが遅れてしまい、限られた練習期間で、パフォーマンスを効率よく高められるかをテーマにしてきました。まだまだ課題だらけですが、一つ自己ベストという結果を残せたことは4年生として一歩踏み出せたと思います。最上級生として、少しでもチームの主戦力になれるように、より一層頑張ります。」
【照内のコメント】
「レース内容は後半に失速してしまい、目標には届きませんでしたが、大学初ベストでやっと前進はできたなと感じます。次は目標を達成してチームの戦力に数えてもらえるように、これからも頑張ります。応援ありがとうございました。」
【小山のコメント】
「目標は14’30でそのタイムに届かず悔しさがありますが、1年半ぶりに自己ベストを出すことができたので嬉しく思います。」
組 | 順位 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 9 | 熊谷 秀人 | 国際2 | 15:27.02 | PB |
2 | 9 | 照内 淳和 | 医学3 | 15:22.38 | PB |
12 | 丸子 晴樹 | 総合1 | 15:24.26 | PB | |
16 | 大崎 友裕 | 体育2 | 15:33.02 | ||
18 | 本村 春人 | 生物2 | 15:40.08 | ||
3 | 8 | 富山 翔太 | 地球3 | 14:43.20 | PB |
9 | 古川 幸治 | 体育2 | 14:43.88 | PB | |
11 | 永山 龍吉 | 体育4 | 14:45.09 | ||
12 | 小山 洋生 | 体育1 | 14:45.19 | PB | |
20 | 小林 大晃 | 体育2 | 14:55.69 | ||
29 | 小野木 宏太 | 体育1 | 15:55.96 | ||
4 | 10 | 五十嵐 優汰 | 体育4 | 14:26.85 | PB |
15 | 皆川 和範 | 物理3 | 14:32.72 | PB | |
22 | 藤原 潤乃佑 | 体育3 | 14:40.71 | ||
27 | 堀口 花道 | 体育1 | 14:50.04 | ||
28 | 坂見 一将 | 体育4 | 14:58.14 | ||
29 | 大津 勇人 | 体育1 | 15:09.50 |
第6回順天堂記録会(7/7)
7/2の結果に勢いをもらった4年の國井(体育)が順天堂記録会に出場した。7/2とは打って変わって涼しい気候となり、練習も順調だった國井に自己記録の大幅更新に期待がかかった。
最初の1000mを2分45秒のハイペースで通過すると、集団の流れに乗って3000mも8分27で通過した。序盤積極的にレースを進めていたことで中盤は我慢の走りになったが、ラスト1周を66秒でカバーし、自己記録を15秒更新する14分27秒でゴールした。一年以上ぶりの5000mということもあり、自己記録を更新するのは当然と考えられたが、最近の練習状況や関東インカレでの経験を踏まえると、まだまだ記録は伸ばせるはずだ。
逆に言うと、練習で身に付けた実力をレースで100%発揮できるか(発揮率)が國井の課題であるように感じる。夏の強化を経て、どのような成長をみせてくれるのか、4年生としての覚悟に期待だ。
組 | 順位 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
2 | 12 | 國井 辰磨 | 体育4 | 14:27.10 | PB |
【國井のコメント】
「今回はチームの流れとは少しずれた中でのレースとなりましたが、狙った試合だったので自己記録はもちろん、14分10秒以内を目標にしてしました。当日はコンディションも良く、記録を出せる雰囲気でレースに臨むことができました。展開としても良い位置取りで進められたので、これはいける!と思っていましたが、3000過ぎで動きが固まってしまい、ラストも切り替えられませんでした。チームで決めた14分30秒というノルマは達成することができましたが、練習状況を考えるとまだまだ本番での発揮率が低いと痛感しました。狙った試合に向けての準備や心構えについて、もう一度見直し、夏の強化練習を経て予選会に向けて体を作っていきます。これからも筑波大学のご声援のほどよろしくお願い致します。」