第249回日本体育大学長距離記録会は、4月23日に開催され、筑波大学の学生・大学院生が関東インカレのA・B標準記録を目指して1万mに出場した。その中で、1年生の金丸逸樹が30分を切る29分59秒81をマークし、関東インカレ・ハーフマラソンの参加標準記録を突破した。
この記録会に向けて、長距離の新パート長になった勝谷を中心に、河野と金丸、そして、4月から大学院生になり競技を続ける吉成が意欲的にハードなトレーニングを消化してきた。レベルの高い練習をしているのは事実だが、驚くことに、1年生の金丸が自身初となる29分台の自己新記録をマークした。練習内容からは、29分30~40秒で走れる走力は十分に有しているのはわかっていたが、1年生が環境の変化を強いられる4月に、1万mを29分台で走るのは、なかなか難しいことである。それを難なくやってのけるところに、高い将来性を見出すことができる。
勝谷と河野は、高い意欲が裏目に出てしまった格好か。疲労を抱えた状態での出場となったようで、もう一歩の記録に終わった。二人は、関東インカレに出場することが濃厚であり、「インカレに向けてスピードの強化練習をしたと思って、自信を失わずに引き続き頑張っていきます」と残念な結果に項垂れながらも、前向きな気持ちは失わない姿勢を見せていた。
前回の箱根駅伝で、関東学連選抜チームに選ばれた吉成は、4月から筑波大学大学院 「生命環境科学研究科 生物化学専攻」 に進学した。全日本大学駅伝出場を夢見て、競技を続けることを決意。昨年度の駅伝キャプテンであり、学生からの信頼も厚いことから、プレーイング・コーチ的な役割も担ってもらうことになる。この日は、関東インカレ3部(大学院の部)に出場するための実践練習という位置づけ。目標の30分20秒に5秒足りなかったが、「目処が立った」と納得顔を見せていた。
この4人は、記録会の結果に一喜一憂している暇はなく、これから関東インカレの長距離種目に向けて、さらなる強化が始まる。高まる意欲を上手くコントロールしてトレーニングができれば、大幅な記録更新が期待できるはずだ。