第9 回関東学生陸上競技対校選手権大会は、2016年5月19日~22日の4日間、日産スタジアム/日産スタジアム付設ハーフマラソンコースで開催され、筑波大学の学生・大学院生が熱い戦いを繰り広げた。
長距離選手の学生・大学院生は、1500m~ハーフマラソンまでの全種目に出場した。残念ながら入賞者は1人も出すことはできなかったが、それぞれが実力を発揮し健闘を見せた。
<1部ハーフマラソン>
1年生の金丸が12位に入る大健闘。練習で20kmを走ったことも数えるほどしかないという状況での快走に周囲は驚く。本人は、「経験がない分、思い切っていけた。後半にキツくなったところで引いてしまったことが悔やまれる」と話す。大型新人ぶりを示した。勝谷は、前半から積極的にレースを進めたが、後半失速し、金丸に僅かに遅れるかたちでゴールした。1万mとの2種目出場の影響もあったであろう。こちらも健闘という評価を与えたい。河野は、「途中から身体に力が入らなかった」と実力を発揮することなくゴール。目標としていた大会だけに「理由がわからない」と肩を落とした。
12位 金丸逸樹(1) 1:07:04
16位 勝谷徳仁(4) 1:07:13
35位 河野 誉(3) 1:09:22
<1部 1500m>
昨年の全日本インカレで7位に入賞している才記に期待がかかったが、超スローペースの予選でラスト勝負に破れ、まさかの予選落ちとなった。「ラスト勝負でゴチャついて揉まれ負けでした。調子が良かっただけに、ショックです」と。ゴール後は放心状態だったが、翌日の3000mSCに向けて気持ちを切り替える気丈さを出した。
予選3組 6位 才記壮人(4) 3’53”28
<1部 10000m>
ハイペースで進む集団の後方に位置し、後半粘る作戦を採ったが、2度も転倒寸前の接触があるなど、前半でリズムを崩したのがもったいなかった。調子がよかっただけに、悔しい結果となってしまった。
23位 勝谷徳仁(4) 30’06″23
<3部 10000m>
3部(大学院生の部)の10000mは2部と同じレースを一緒に走る。吉成は、箱根駅伝常連校の強者に混じって粘りの走りを見せ、3部で優勝を果たした。「前半は身体が良く動いたのですが、この暑さの中で10000mをしっかり走り切る練習はできていないので仕方ない。5000mで2冠を狙います」とレース後に話した。
1位 吉成祐人(M1) 30’29″64
<1部 3000mSC>
1組目に出場したのは才記。前日の1500mの雪辱を果たすべくスタートラインに立った。しかし、先頭集団は、かなりのハイペースで推移。予選通過の5位を視野に入れながら上手く走って自己記録を5秒更新したが、この組の8位が8分53秒台では、1500m狙いの練習では太刀打ちできなかったということ。仕方ないだろう。2組目に出場は川瀬。伸び盛りの医学部2年生が予選通過を狙って力走したが、この組は超スローペースからの上がりの勝負。川瀬自身もラスト1000mを2分58秒で走破したが僅かに及ばず。予選通過ラインに届かなかった。インカレ初出場の川瀬は「9分を切る力がついてきたと思うので、それが出せずに残念」と無念の表情で語った。
予選1組 10位 才記壮人(4) 9’02″44(自己新)
予選2組 7位 川瀬宙夢(2) 9’09″04
<1部 5000m>
森田は、昨年に引き続き2年連続の5000m出場。昨年も故障明けだったが、今年も故障復帰から1か月で迎えることになってしまった。準備不足は否めないが、それでも、最初の1000mを2分44秒で入る積極的な走りを見せた。ゴールタイムは悪いが「収穫はあった」と本人の弁。「今後しっかりと練習を積んでいきたい」と意欲的に話していた。
25位 森田佳祐(3) 14:45.41
<3部 5000m>
大学院生の吉成が2種目めに出場。10000mと同様に2部に混じってのレース。ハイペースの展開を積極的に飛ばしながら、箱根駅伝の常連校の学生を相手に16番目でゴールする粘りの走りを見せた。東工大の大学院生が14分19秒という素晴らしいタイムを出したので、2位となり、残念ながら3部での2冠達成はならなかった。吉成はゴール後に「2800m~3800mの失速がいただけないですが、最後にもうひと踏ん張りできたことには満足しています」と語った。
2位 吉成祐人(大学院1) 14’37”47
関東インカレが終わり、大部分の学生が箱根駅伝予選会を意識したトレーニングへと移行していくことになる。今回、出場した学生たちがチームのトップ層として皆を引っ張りつつ、自身がチームのエースとして、さらなる成長を遂げられるかが鍵となっていくだろう。今後の頑張りに期待したい。