2017年度の春季トラックシーズンが間近に迫り、筑波大学の学生たちは、トレーニングの質を上げているところ。もちろん、目標とする種目(距離)も違えば、走力差もある。順調な仕上がりを見せる者とそうでない者もいて、今は、細分化されたグループで個人とチームの強化を図っている段階である。
ここまで冬季トレーニングをビッシリと積んできた。クロスカントリーでの走行練習に加え、サーキットトレーニングやウェイトトレーニングなどの筋力トレーニングも積極的に実施。フォーム改善とスピード能力の養成に主眼を置いて、強化してきたわけである。
トレーニングを消化しながら、科学的な検証も同時に行っている。部活動の強化のために大学の設備が自由に使えるわけではないので、研究とのタイアップで運動能力の指標を出してもらっている。とくに、体力学(鍋倉賢治教授)の研究室では、年に何度か、最大酸素摂取量や乳酸閾値、ランニング経済性などの測定を実施し、研究に役立ててもらう一方で、学生たちにデータのフィードバックをしてもらっている。
大学という研究機関であるために、共同研究や産学連携事業などが盛んに推進されている環境下に私たちは在籍している。そのために、被験者の依頼が数多く舞い込んでくる状況である。それらの全てを受け入れていたらカラダがもたないので、有益な情報をフィードバックしていただけそうな研究に対しては、協力を惜しまない姿勢で臨むようにしている。それは、自分のためでもあるからだ。
某企業様との共同研究では動作測定と解析をしている。定期的に実施している実験なので、変化が追跡できることが、とてもありがたく感じている。自画撮りの動画で常に確認しながら、自分の課題と向き合って、常にフォームを意識する習慣が身につくようになってきた。
また、先日は、JISS(国立スポーツ科学センター)から、ある研究の被験者の依頼を受けたので、8人が協力させていただいた。4日連続でトレッドミルを走るという「単調でありながら厳しいトレッドミル上での走行」となったが、なかなかできない経験を積ませてもらえたことも成長の一助になるような気がしている。今度、フィードバックをしていただけるので、そのデータを見るのも大いに楽しみだ。
このように、筑波大学では「卒業論文・修士論文・博士論文・共同研究・産学連携事業」において、自分や他者を被験者にして、あらゆるデータを取得し、検証し、新たな視点や観点を発見し、それらを応用してトレーニングに活用している。自分の競技に活かすことはもちろんのこと、将来、アスリートとして、指導者としての知見を高めることにも繋がるので、積極的に取り組んでいるのです。素晴らしい環境にいることを幸せに感じながら、日々、勉強・研究と部活動に精進していきたいと思います。
最後に、久しぶりの投稿となりましたので、2月のレースの結果を少しだけ報告させていただきます。
2月5日の香川丸亀ハーフマラソンでは、距離に苦手意識のある森田がハーフマラソンに初挑戦した。冬季トレーニングで走り込みが不足する中、10kmを30分ちょうどで通過し、1時間4分49秒で走破。今年は、ユニバーシアード代表を視野に入れ、自身が成長するにはどうしたら良いかを考えながら目標に向かって進んでいる森田。春の活躍が楽しみになってきている。
2月19日の千葉クロスカントリーでは、池田が5キロの部で優勝。中川も10kmの部で健闘を見せた。冬季トレーニングの一環として出場したわりには、力強く走っていた。春シーズンにしっかりと繋げていってもらいたい。