4月16日に行われた筑波大学陸上競技部の入部手続きをもって、10人の新入生が男子長距離ブロックに入部しました。
今年も全国から個性豊かなメンバーが出揃いました!今年度は例年に比べ、体育専門学群以外の他学群に属する選手が多く、10人中7人が他学群に所属しています。高校時から多様な文武両道を体現する選手が多いことは、国立総合大学である筑波大学の魅力の1つであり、強みであるともいえるでしょう。多様なバックグラウンドを持つ選手の存在は、チームに良い影響を与えてくれています。
加えて、今年はトップ層の実力も特筆すべき点として挙げられます。今年の新入生のタイム上位3人が、すでに5000mで14分30秒を切るタイムを保持しており、1年目からチームの主力としての活躍が期待されます。
筑波大学では、実力に応じて練習グループを細分化しており、全員が競技力を伸ばすことのできる環境を整えています。高校時の持ちタイムが14分台の選手はもちろんのこと、15分台、16分台の選手も毎年着実に力をつけ、チームの主力として活躍を果たしています。今年度の新入生も、今後の成長がとても楽しみです。
ここからは個人の紹介に移ります!個性豊かな新入生たちのプロフィールをぜひご一読ください!
(文責:2年髙久)
▼神崎晴彦(かんざき はるひこ)愛知・名経大高蔵高校
高校時代、全国高校駅伝(通称:都大路)1区を駆け抜けた強力なランナーが満を持して筑波大学に入学を果たした。本人も、自身を「ロードを得意としている」と評しているように、昨年は東海高校駅伝の1区を29分06秒で走破したほか、県駅伝では区間賞を獲得してチームを都大路に導くなど、ロードで圧倒的な成績を残している。また、自身の強みを「中盤のきついところを一人で押していける点」と語り、実力的にもメンタル的にも、既にハーフマラソンの適性が備わっていると言えるだろう。そんな神崎は、日常生活でも何事にも真摯に取り組む姿が印象的である。真面目に競技に取り組む姿勢で、1年目から心強い走りを見せてくれることだろう。
▼小林晴琉(こばやし はる)愛知・時習館高校
小林も神崎と同じ愛知県の出身である。高校から本格的に陸上に取り組みはじめた小林は、5000mは新入生トップのタイムである14分19秒、愛知県高校駅伝でも3区で区間2位を獲得しており、神崎と並んでこちらも素晴らしい実績を残している。また、小林は一般受験のため共通テストの勉強に取り組みながらも、1月の都道府県対抗駅伝に出場するなど、すでに文武両道を体現しており、筑波大にぴったりな選手であるといえる。自身の強みを「淡々とペースを刻めるところ」と語っており、こちらもハーフマラソンの適性はばっちりである。神崎とともに強力な愛知県タッグで、1年目からチームを引っ張ってくれる存在になること間違いなしだ。
▼西洸平(にし こうへい)兵庫・相生学院高校
中学校から陸上部に所属していた西は、中学時代から部員が1人であったため、競技を楽しみながら自分でメニューを考えつつ競技に取り組んでいたという。中学の時は県で上位に食い込むなどポテンシャルを秘めている。また、彼は高校の時から1人で30km走を行うなど長い距離への適性はバッチリだ。入学して間もないが、食堂では盛り上げ隊長として先輩・同期関係なくチームに活気を与えてくれている。持ち前のポテンシャルとその明るさで、チームを明るい方向へと導いてくれることだろう。今後の西の動向には目が離せない。
▼井上月(いのうえ るな)三重・四日市高校
男子長距離ブロックには、体育専門学群以外の他学群に所属し、文武両道を体現する学生が多く在籍しており、井上もその道を歩み始める新入生の一人である。小学校低学年からランニングを始め、中学校から本格的に陸上を始めたという井上は、応用理工学類に所属するランナーである。高校は強豪校の出身ではないものの、先輩の姿を見て練習に全力で取り組めたという。普段の会話からも、真面目な性格で献身的であることが伝わる人物である。自身の持ち味を「ラストで競り勝つことができる」と語っており、メンタル面も十分な様子が伺える。強いメンタルと練習に一生懸命取り組む姿で1年目から飛躍的な成長を見せてほしい。
▼崎山健之介(さきやま けんのすけ)京都・福知山高校
﨑山は、推薦入試を経て医学群医学類に入学するという、高校時代から文武両道を体現するような選手である。彼は中学の頃から陸上部に所属していたが、原因不明の痛みにより走ることができないもどかしい日々が続いていた。高校では走ることが出来るようになったが、3回の疲労骨折を経験し、練習を十分に積むことができなかった。しかし、これらの経験からケアやコンディショニングには長けており、圧倒的な知識量で先輩を驚かせている。ストイックに陸上競技に打ち込むことができる﨑山は、現在同学類に在籍する塚田、照内、鈴木の先輩を超える大物になってくれると期待せざるを得ない。
▼畠中悠(はたなか ゆう)京都・洛北高校
総合学域群第2類に所属する畠中は、高校の先生の勧めと、現在も実業団で競技を続けている同じ京都出身の西研人(OB)の活躍を見て筑波大学を志し、受験を経て見事合格を果たした。畠中は小学4年生から陸上を始め、高校では京都の強豪洛北高校に進学。そこから記録を伸ばし、5000mは14分28秒69という小林に次ぐ新入生2番目のタイムを持っている。そんな畠中だが、個人では近畿インターハイをあと一つの順位で、チームでは都大路をあと4秒で逃すなど非常に悔しい思いをしており、その悔しさを晴らすべく大学ではより高い競技レベルでの活躍を誓っている。畠中の身長以上にダイナミックなランニングフォームで、1年目から大きな存在感を見せてくれるはずだ。
▼平野悠樹(ひらの はるき)福島・会津高校
応用理工学類に所属する平野は、昨年度卒業した平野大樹(OB)の弟であり、また、髙久(体育2)の1学年下の高校の後輩であるなど、チームに馴染みのある人物と言っても過言ではない。そんな平野は、小学4年生から陸上を始めた。高校では貧血に苦しめられていた影響もあり、先生からの勧めで競歩を始める。競歩を専門に競技に取り組む傍ら、走りでも高校駅伝に毎年出走し、高校3年時に5000mのベストを更新するなど、歩きと走りの二刀流で陸上に取り組んできた。自身の持ち味を「競歩で培った精神力」と語るように、強い精神力でチームの最前線を歩いてほしい。
▼宮田海慈(みやた かいじ)神奈川・厚木高校
社会工学類に入学した宮田は、小学3年生から走り始めているが、その頃から箱根駅伝にあこがれを持っているという。中学、高校では高いレベルで勝負ができなかったことから、大学ではその悔しさを晴らしたいという思いがあると語る。日常生活では、今のところおとなしめな性格に思われるが、たまにユニークな一面を見せてくれる。スピードには自信があり、マイルリレーでは50秒台のラップタイムで走破したことがあるという。持ち前のスピードを生かして、トラックでもロードでも軽やかな走りをしてくれることだろう。
▼三輪駿介(みわ しゅんすけ)岡山・倉敷青陵高校
三輪は総合学域群第2類に所属している。中学生から陸上を始めた三輪は、高校時代は貧血に苦しめられ、十分に練習を積むことができず、満足いく記録を残せなかったという。そんな三輪は、自身を「メンタルが強い」と評し、試合前は吹っ切れるようになったと語る。また、ハーフマラソンを実際に走った経験もあり、大学に向けた距離対策も十分であると考えられる。持ち前のメンタルと距離への適性を活かして、今後十分な練習を積むことができれば、爆発的な成長を遂げるのも時間の問題だろう。持ちタイムは下からのスタートだが、ここから驚異の追い上げを見せてくれること間違いなしだ。
▼山形恵蔵(やまがた けいぞう)千葉・東葛飾高校
総合文系に合格を果たした山形は、中学から陸上を始め、高校では指導者がいない中、自分でメニューを立てて練習に取り組んでいたという。中学では新型コロナの流行による大会の中止で、高校では怪我に苦しめられたことで、思うような走りができず、大学での競技には非常に強い思いがある。自身の持ち味を「後方で淡々とレースを見極める力」と語っており、いざという時の勝負強さを見せてくれることを期待している。また、普段の会話でも低い声で淡々と話しかけてくれる。日常でも走りでも、チームに落ち着きをもたらしてくれるだろう。
氏名 | 所属 | 出身 | 出身校 | 5000m PB |
---|---|---|---|---|
神崎晴彦 | 体育 | 愛知 | 名経大高蔵 | 14’29″73 |
小林晴琉 | 体育 | 愛知 | 時習館 | 14’19″03 |
西洸平 | 体育 | 兵庫 | 相生学院 | 16’14″87 |
井上月 | 応理 | 三重 | 四日市 | 15’29″84 |
崎山健之介 | 医学 | 京都 | 福知山 | 16’08″02 |
畠中悠 | 総合Ⅱ | 京都 | 洛北 | 14’28″69 |
平野悠樹 | 応理 | 福島 | 会津 | 15’44″93 |
宮田海慈 | 社工 | 神奈川 | 厚木 | 15’17″87 |
三輪駿介 | 総合Ⅱ | 岡山 | 倉敷青陵 | 16’46″76 |
山形恵蔵 | 総合Ⅰ | 千葉 | 東葛飾 | 15’52″52 |
以上の10名になります。
すでに1年生はチームになじんでおり、新しい風をチームに吹かせてくれています。上級生もより一層身が引き締まる思いです。現在、1年生は基礎練習に取り組んでいます。デビュー戦はまだ先になりますが、そのための土台作りに非常に意欲的な姿勢で取り組んでくれています。時に上級生をおびやかす一面を見せ、その度にチームに勢いを生み出してくれています。今後の1年生のご活躍にご期待ください。
最後になりますが、平素より、筑波大学箱根駅伝復活プロジェクトへ多大なるご支援・ご声援を賜りまして、誠にありがとうございます。今回紹介した1年生が加わった新チームで、第102回箱根駅伝の出場を目指し、精進して参りますので、今後ともご支援・ご声援のほどよろしくお願いいたします。