ホクレン ディスタンス チャレンジ 第4戦 網走大会は、7月13日に北海道網走市運動公園陸上競技場で開催され、男子1500mに出場した筑波大学の小林航央(3)が今季日本ランキング1位となる3分41秒81の記録で優勝、森田佳祐(4)も筑波大学記録を上回る3分43秒01で3位となった。
ホクレンディスタンスチャレンジ大会は、日本のトップ選手が涼しい北海道で記録を狙う日本陸連が主催するサマーシリーズ大会である。男子1500mAにも、日本の一流選手が集結し、ペースメーカーが設定されることも相まって、好記録誕生が期待された。第3戦で3分43秒78の筑波大学新記録をマークしている小林は好調を持続しており、森田も5000mから急遽、種目変更したにもかかわらず上々の調子でレースに臨んでいた。
ペースメーカーが作る流れは、400m が57秒、800m が1分57秒、1000mが2分27秒。二人の動きも調子も良く、森田が2番手、小林が4番手で1000mを通過した。ペースメーカーが抜けるとペースは落ち始めたが、すかさず、森田が先頭に立ちスピードを緩めることなく走力の勝負に持ち込む。ラスト一周の鐘と同時に東海大の木村選手がスパートをかけたが、森田が残り300mでさらにスパートを仕掛け、他選手に脚を使わせながら最後の直線へ。
そのまま森田が逃げ切るかに見えたが、スピードの切れ味鋭い小林のスパートが冴え、2位に1秒差をつける圧巻の走りで、今季日本最高のタイムで優勝した。森田も2位を死守しようと粘ったが、最後に顎が上がり、ゴール寸前に抜かれて3位となり、筑波大勢のワンツーフィニッシュにはならなかった。
ともに、7月9日の北見大会で、小林がマークした筑波大学記録を上回り、関東インカレに続き、チームの勢いと成長を示す高いパフォーマンスを披露した。二人とも、3月からかなりの試合数を消化しており、その中で上半期の最後のレースを自己新記録で終えたことには高い評価を与えてよいだろう。
また、5000mに、筑波大学の学生3名が出場した。この日の網走は記録的な猛暑となり、12~14時の時間帯で36℃を記録。長距離種目には、非常に厳しいコンディションとなった。
男子5000mF組のスタートは12:35。走るのも嫌になるほどの暑さの中、武田と村上は、3000mを8分台で通過する積極的な走りを見せたが、後半ズルズルと後退。武田が9位(15’15″)、村上が20位(15’46″)だった。
男子5000mE組のスタートは13:20。この日の最高気温を記録する中で、レースは行われた。この組で走ったのは池田。6月に1万mで29分50秒を切っていることから、5000mでも自己記録の更新を十分に狙えると思っていたが、この日のコンディションではさすがに不可能である。後半もペースダウンすることなく、14分41秒で走破したのは実力を高めていると言える。この組で持ちタイムが最下位だったにもかかわらず、37人中11番目でゴールしたことが、それを証明している。
全員が自己記録更新を目標に北海道まで遠征したわけだが、生憎のコンディションとなり、がっくりと肩を落とす結果となった。「暑さを言い訳にできない。しっかり走っている選手がたくさんいるのだから、僕たちは、まだまだ弱いと思う」とコメントしているように、挑戦するために臨んだ戦の中で、しっかりと「己の弱さを知った」という収穫を得て、今後の頑張りを誓っていたことに筑波大生の成長を感じることができる。