第31回六大学対校陸上競技選手権大会は、7月14日(土)に千葉総合スポーツセンターで開催され、順天堂大学(今回の主管校)、東海大学、日本大学、日本体育大学、中京大学、筑波大学が参加し熱戦が繰り広げられた(男子のみ)。
この日は、5000mが中止(閉会式後に有志校によるタイムトライアルに変更)されるなど、たいへんな猛暑となった。記録が期待できない過酷な気象条件の中、筑波大学の中長距離勢が活躍。800mで優勝、1500mで2位3位、3000mSCで2位3位、オープン1500mで1位、非公式戦となった5000mタイムトライアルで1位になるなど、大健闘の成績を収めた。
最初の決勝種目となった3000mSCには、全日本インカレの標準記録突破を狙う川瀬と斎藤、伸び盛りの2年生 重山が出場。“うだるような暑さ”から記録を狙う条件ではなかったが、優勝した東海大の選手が積極的に引っ張る流れは、「もしかしたら記録(9分1秒0)が狙える」と思わせるペースで進んだ。
先週のJUNTENDO DISTANCEも暑さで記録突破を逃した川瀬は、実に3週連続のレースとなってしまった。その疲労と暑さから「身体が重かった」とレース後に話すように、動きにキレがなかったように見えた。それでも、2000m過ぎにトップに立つなど、最後まで諦めずに記録を目指して走り、最後はかわされたが2位でゴール。酷暑を考えると、9分6秒台は及第点であろう。
最近、崩れることが多かった齋藤だが、この日は最後まで優勝争いに加わり、最後は離されたが、酷暑の中でベスト記録まで0.44秒と迫るタイムでまとめてみせた。徐々に調子を上げており、今後の走りに期待したい。重山も5位まで射程圏内にある位置でレースを進めていたが、最後のスパートが甘くなり8位。1点でもチームに貢献したことは、最低限の走りではあるが、評価したい。
混戦の1500mは、誰が勝ってもおかしくない雰囲気。多くの選手が優勝を狙っていたと思われる。案の定、レースはスローペースで展開された。筑波勢は、集団の後方で脚を溜めるように走り、勝負所で前に上がっていった。
800mが専門の登坂は、今年になって1500mに挑戦しているが、スピードは一級品。その長所を存分に出して、ラスト100mで先頭に立ったが、デットヒートの末に僅かに敗れ、残念ながら2位に。「余分な動きが多かった」と悔しさを滲ませて反省していた。
相澤は、400m過ぎに足に異変(変な痛み)を感じ、走りに集中できなかったようで、ラスト1周から遅れ出してしまった。完全に圏外に去ったと思われた残り200mから目の覚めるようなスパートを見せて、3位に食い込む底力を発揮した。足に異変がなければと悔やまれる内容だった。
藤田は、今季は5000mと1万mの練習に集中していたために、1500mを走るのは1年以上振り。それでも、スピードに難なく対応し、3位争いに加わった。最後は、さすがにキレ負けし、5位に終わったが、「久しぶりの1500mなので、十分です」とサバサバした表情で自己評価していた。
勝負とは別に盛り上がったのがオープン種目の1500m。才記が、スタートから果敢に飛ばした。400mの通過が57.8秒。800m通過が1分57秒8という超ハイペースな流れを自ら演出。それに付いたのは、チームメイトの三津家だけ。さすがに最後はバテたが、ペースダウンを最小限に抑えて3分49秒でゴール。得点にならないオープンでの出場がもったいなく感じる圧巻の強さを見せた。
800mには、怪我で関東インカレを棒に振った薄田が気合い満点で出場。猛暑の中で、予選・決勝の2レースとあって、決勝は超スローペース。ポケットされて身動きが取れなかったが、ラスト300mで外に出ると、残り120mでスパートして余裕の差し切りで優勝を飾った。ラスト1周を53秒台でカバーし、素質の高さを十分に示す貫禄勝ちだった。
オマケと言ったら失礼だが、閉会式後に実施された有志校(順大、日大、筑波大)による5000mタイムトライアルで、西が1位でゴール。17時半でも32度あり、過酷なレースであったが、走路近くで陸上部全員の声援を受けての力走は、感動的だった。猛暑の中を9時から17時半まで待たされたことを考えると、14分47秒は評価していいタイムであろう。
田川は、猛暑の影響で後半に失速したが、ラスト200mのスパートは見所があった。最後に意地を見せてくれたことで、大会が「引き締まった感」で終えることができた。
この六大学対校で、上半期のレースは全て終了。いよいよ夏季の走り込みが開始される。今日の走りを見ても、逞しさを増す学生が多くなってきている。箱根駅伝予選会に向けて、学生たちのさらなる頑張りに期待したい。
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