2016ホクレンディスタンスチャレンジ第三戦は、2016年7月11日に北海道網走市で開催され、筑波大からは3名の学生が5000mに出場し、2名が自己記録を更新した。森田佳祐は、2戦連続14分10秒以内となる14分09秒20で走り、小林航央は、14分20秒を切る14分18秒65をマークし来年の関東インカレB標準記録を突破した。
この日の網走地方は、曇りで気温が15度。風は吹いていたが、長距離種目にとっては絶好のコンディションに恵まれた。出場した3名は、JUNTENDO DISTANCEから中3日、しかも、北海道までの移動を伴う強行スケジュールなだけに、身体に重ダルさがあったようだが、「天候を言い訳にできないし、北海道まで連れてきてもらって手ぶらで帰るわけにはいかない」と気合い十分に、それぞれがスタートラインに立った。
5000mD組に河野と小林が出場。小林は、スタートするなり先頭に立ち、1000mを2分46秒8というハイペースで集団を引っ張り出した。自らハイペースを演出し速い流れに持ち込む作戦だ。場内アナウンスに促されながら、先頭のペースは緩まない。結局、この組のトップが13分台となるハイレベルな争いになったために、さすがに、小林は3000m手前から遅れ出す。それでも最後まで諦めずに自己新記録を出し、最低限の目標である「来年の関東インカレB標準記録」を突破した。
河野も積極的に先頭集団に付き、3000mを自己最速で通過。大幅な記録更新が期待されたが、アキレス腱の痛みからバランスを崩し、大きくペースダウン。最後まで諦めずに記録を狙ったが、自己ベストまで僅か1秒7ほど及ばなかった。抱えるアキレス腱の不安に思うように練習が積めないフラストレーションがあるようだが、積極的な走りで今シーズンのベスト記録をマークできたことで、前向きな気持ちが出てきたとレース後に話した。
5000mC組に森田が出場。目標は、14分05秒(全日本インカレB標準記録)切り。最初は集団の前目に付けていたが、40人を超す大集団で揉まれながら、位置取りを下げていった。ラップタイムは、JUNTENDO DISTANCEとほぼ同じような感じだったが、3000m通過時点では余裕があったという。しかし、余裕があったわりには、後半の伸びが見られず、4日前のタイムを僅かに更新するに留まった。大集団で走るには、もっと上の走力が必要ということだろう。だが、2戦連続での14分10秒切りは、フロックではない証拠。持ち前のスピードに持続力が身に付いた時には、すぐに13分台も見えてくる。そう思わせる走りだった。
学生が北海道まで遠征するのは、金銭的に厳しいところではあるが、こうした日本のトップクラスの選手が集まる大会に出場する意義は大きい。自分の実力(弱さ)がはっきりわかるであろうし、課題を見出すことができるはずである。大会名にある通りの “チャレンジ” が3名ともできていた。今後に繋げていってほしい。
組 | 順位 | 氏名 | 記録 | 備考 |
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D | 7 | 小林 航央 | 14’18″65 | PB |
D | 20 | 河野 誉 | 14’36″99 | SB |
C | 7 | 森田 佳祐 | 14’09″20 | PB |
※PB=パーソナルベスト(自己新記録) / SB=シーズンベスト(今季最高記録)