第51回 織田幹雄記念国際陸上競技大会は、4月29日(土)広島広域公園陸上競技場(エディオンスタジアム広島)で開催され、筑波大学の森田佳祐(4年)が グランプリ男子5000m に出場し、14分11秒23で15位となった。
筑波大学の学生が日本国内グランプリの長距離種目に出場するのは、2015年に兵庫リレーカーニバルの3000mSCに津田修也が出場して以来。5000mとしては、いったい「いつ以来?」だろうか。かなり過去に遡る必要があるだろう。とは言っても、今回は、ユニバーシアードの代表選考会も兼ねていることから、グランプリの組に枠が用意された幸運があるのも事実。このチャンスを“もの”にしたいところであった。
しかし、今季初戦の世田谷競技会での凡走(ハイペースで失速)から、ユニバーシアード代表を意識するまでの気持ちになりえなかったような気がしている(本人の気持ちはわからない)。ただ、精一杯の挑戦はした。世田谷競技会で失速してから2週間、スピード系のトレーニングで高い負荷をかけてきた。その負荷は今までで最も高いかもしれない。
だが、この日のレースは、練習の強度を上回るペースで進む。後方に位置する森田のラップタイムですら、64秒9-65秒5-64秒7-65秒4-67秒5。2000mの通過は、森田の5000mのレースとして 最速タイムの5分28秒3であった。「スピードの余裕はあるが、持続することに不安を抱かせるような信号が、身体から送られてくる感覚から、自然とブレーキがかかる状況になっていった」と推測する。それを物語るように、2000m以降はラップタイムを落としていった。
3000mの通過が8分22秒で、この間の1000mが2分54秒1と一気のペースダウン。そのままズルズルと失速していくかと思われたが、3分ペースを超えることはなく、ラスト1周だけではあったが、スイッチを入れて63秒8でカバーしてフィニッシュした。13分51秒を記録した昨年の日体大長距離記録会では、2000mが5分30秒、3000mが8分18秒。この日の結果の差は、最初の1000mの入りの速さと持久系トレーニングの不足が原因であることは、明白である。
↑新しいスパイクを履き 集中してレースに臨む 森田↑
冬場は、基礎トレーニングに徹し、走り込みは、敢えて一切していない。この日のレース展開(ペース)で、14分11秒であれば及第点だろう。これから関東インカレまでの4週間で、持久系の負荷を身体に与える予定。全ては、逆算しての練習計画となっている。
最終段階の仕上げを施していくことで、森田の本領発揮となるが、本人は今大会も全力投球しており、悔しさ一杯のレースであることは間違いない。この悔しさを 目標としている関東インカレで晴らしてもらいたいと思う。
<第51回 織田記念国際陸上 グランプリ男子5000m結果>