2026年10月17日に、東京・立川市にて第103回東京箱根間往復大学駅伝競争予選会(通称:箱根駅伝予選会)が行われました。私たち筑波大学陸上競技部男子長距離ブロックは、「筑波大学箱根駅伝プロジェクト」としてのプライドと誇りを胸に、12名のベストメンバーと強力なライバル校に立ち向かい、本戦出場を目指す『ジャイアント桐ング』に挑戦しました。本稿では、レースの詳細とその結果について報告させていただきます。
文責:髙久浩輔(体育3)
〈強い日差しと風のあった立川駐屯地〉
当日の朝、スタート地点である立川駐屯地は、当初は肌寒さを感じたものの、日が昇ってからは強烈な日差しが選手たちを照らす、昨年と似つかわしい気温状態となった。しかし今年は、スタート時間に近づくにつれ、北向きの風が徐々に存在感を増していった。遮るものが何もない駐屯地内において、選手たちに強烈な風の影響をもたらすことが容易に予想された。加えて、スタート直前には空にもさえぎるものが無く、気温以上に暑く感じる強烈な日差しが選手たちを襲っていた。私たちは昨年同様、帽子を直前まで冷やすなどの暑熱対策を取りながら、風の吹く状況を踏まえて、選手間でレースプランを再確認し、自信をもってスタートラインに立った。
〈スタート~10km〉
私たちは今回の予選会において、メンバーをおおよそ3つのグループに分け、各グループが駐屯地内でそれぞれのポジションを見つけ、その集団の中で勝負するという作戦をとった。チームのエースである川﨑颯(体育4)と小林晴琉(体育2)は日本人先頭集団で勝負し、2人に負けず劣らずの練習消化を見せた中村優太(体育3)が2人が見えるポジションに位置付けた。また、鈴木将矢(医学5)、成石昌平(国際4)、畠中悠(応理2)の3人がやや後方の集団でレースを進め、残りのメンバーがより後方の集団で、余村佑太朗(体育4)を中心とした集団走を行う作戦をとった。
北向きの強い風の影響で、スタート直後は向かい風だが、ひとたびカーブを曲がれば追い風になるという状況になっていた。序盤は留学生集団も含めて一団と縦長の集団が形成され、駐屯地内でもペース変動のある難しいレース展開となった。その影響もあってか、日本人集団からやや後方の集団が序盤から分裂する展開となり、5km地点をチーム9位で通過したところで、成石がその集団から徐々にポジションを落とし始めていた。また、集団走を行う後方の集団でも、8km手前の追い風を境にペースアップが徐々に行われ、他大学の集団に早々に置いていかれてしまう展開となった。10km通過時点でチームは11位。10位との差も40秒と開いてしまったが、川﨑と小林が未だ前方の集団で戦ってくれていたこともあり、予選会突破には望みがつながっていた。
〈10km~ゴール〉
日本人の上位集団では、10kmを通過したところで、小林が集団から飛び出す果敢な走りを見せた。公園内に入ってもその勢いは衰えず、最後まで集団の中で他大学のエース級の選手と渡り合い、個人41位でゴール、記録は1時間03分を切る1時間02分57秒をマークした。2年生ながらチームの先頭を駆け抜け、昨年の自己記録も更新する見事な走りを見せた。川﨑は15km過ぎから位置を落とすも、主将としての意地の走りで上位で粘り続け、個人59位でゴールした。2人は日本人先頭という目標には届きはしなかったが、チームのダブルエースとして上位でタイムを稼ぐ走りを見せてくれた。
しかし、この上位集団から後方の選手たちは、10km過ぎからのレース全体のペースアップの波に飲まれていた。ほとんどの選手は公園内からペースを守り切れず、徐々に後退していった。エースが奮闘を見せるも、このチーム全体のペースダウンが尾を引き、15km地点ではチームは16位。10位と2分14秒差と、予選会通過は厳しい状況となってしまった。
それでも選手たちは、チームのために1秒をふり絞ろうと最後まで戦い抜いた。序盤から速いペースでレースを進めた中村や鈴木・畠中、公園内で順位を上げた荻原悠生(応理3)らを中心に、自己ベスト更新を含む記録でゴールへなだれ込む。しかし、それぞれが目標としていた記録・順位からは程遠く、最終的にチームは18位。10位との差は6分50秒と、本戦出場ラインから突き放される惨敗となった。
〈箱根駅伝予選会を戦い終えて〉
結果発表後、応援に駆けつけてくれた陸上競技部のメンバーと、日頃からご支援いただき、この日も早朝から声援を送ってくださった方々を前に結果報告の挨拶を行い、今回の箱根駅伝への挑戦は幕を閉じた。
今回は前回大会の高速化をふまえ、それぞれがよりレベルの高い位置で勝負するというイメージのもと、『10時間38分00秒』を目標にレースに臨みましたが、結果は10時間46分58秒。目標からは約9分も遅れる結果となりました。
それぞれが持つ自己ベストから逸脱した挑戦、またはハーフマラソン自体が初挑戦となったメンバーもいた中で、出走した選手たちはそれぞれが出せる力を出し切り、10人中7名の自己ベスト、2名の初記録というポジティブな要素も見られましたが、私たちが設定していた目標、ないし10位以内に入らなければならないという観点から見れば、理想には遠く及ばない結果となり、我々の力不足と他大学との差、箱根駅伝予選会の厳しさを痛感することになりました。
来年の予選会突破に向けて、今回出走したメンバーの中で、8名が経験者として次年度のチームに残ります。今大会において日本人上位でゴールした小林や、夏の強化を経てエース、主力級にまで成長を遂げた中村・荻原・畠中など、新たな戦力がチーム内で徐々に台頭し始めています。ただ、今年が最後の挑戦となったメンバーには、大エースの川﨑を始め、予選会4度目のエントリーとなった5年の鈴木や、4年の成石・余村・伊佐・小山と、チームの中核を担ってきた選手が名を連ねており、来年に向けては、3年生以下の他のメンバーが、それぞれの空いた穴を埋める大きな成長を遂げる必要があります。今回出走した者も、出走できなかった者も、今回の結果から目を逸らさず、自身の力でチームの空いた穴を埋めると共に、それ以上に成長するという覚悟のもと、心を一つに来年の予選会へ精進を重ねて参ります。
今後とも、『筑波大学箱根駅伝プロジェクト』への変わらぬご支援・ご声援のほど、よろしくお願いいたします。
〈チーム成績〉
筑波大学 18位 10:46:58
〈個人成績〉
| 順位 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 41 | 小林晴琉 | 体育2 | 1:02:57 | PB |
| 59 | 川﨑颯 | 体育4 | 1:03:15 | |
| 120 | 中村優太 | 体育3 | 1:04:09 | PB |
| 174 | 鈴木将矢 | 医学5 | 1:04:45 | |
| 181 | 荻原悠生 | 応理3 | 1:04:49 | PB |
| 187 | 畠中悠 | 応理2 | 1:04:51 | 初 |
| 192 | 髙久浩輔 | 体育3 | 1:04:56 | PB |
| 215 | 小嶋潤 | 応理3 | 1:05:22 | PB |
| 252 | 山口潤 | 応理1 | 1:05:52 | 初 |
| 261 | 余村佑太朗 | 体育4 | 1:06:02 | |
| 296 | 成石昌平 | 国際4 | 1:06:35 | PB |
| 298 | 井上月 | 応理2 | 1:06:36 | PB |
| 伊佐昂大 | 体育4 | |||
| 小山陽生 | 体育4 | |||
| 相川隼吾 | 体育3 | |||
| 黒木聖 | 体育3 |
次稿では、予選会にエントリーした選手たちのコメントを記載しています。併せてそちらもご一読ください。






























