2025年10月18日に、東京・立川にて第102回東京箱根間往復大学駅伝競争予選会(通称:箱根駅伝予選会)が行われました。私たち筑波大学陸上競技部男子長距離ブロックは、「箱根駅伝復活プロジェクト」としての誇りを胸に、『古豪復活』のスローガンの下、10位以内での本戦出場を目指し、本大会に臨みました。12名が出走し、結果は以下の通りです。そして、当日は8時30分という朝早いスタートにも関わらず、現地、テレビの前でたくさんの応援を本当にありがとうございました。皆様の声援のおかげで、楽しく、最後まで走り切ることができました。力になりました。また補助員等サポートをしていただいた皆様も本当にありがとうございました。この場をお借りして、改めて感謝申し上げます。
筑波大学 総合16位 10時間44分03秒
ここでは選手からの予選会結果報告をさせていただきます。
レースの詳細、分析に関しては木路監督の総括にも載せていただいております。こちらも併せてご覧ください↓
〈強化期間〉
予選会初出走の選手が12人中5人、14名のエントリーのうち7名が初めてのエントリーとなりました。力のある代が卒業し、新たな戦力の台頭を求められながら春のトラックシーズン、夏の強化期間を過ごしました。ハーフマラソンで61分03の記録を持つ小山洋生(体育4)、日本インカレ10000mで7位入賞した川﨑颯(体育3)は他校のエースたちと互角に戦えることを証明しており、他の10人がいかにして彼らの貯金を守り切るか、いかにして彼らへの負担を減らすかという意識のもと、どこかでブレイクすることを自分自身に期待しながら、厳しい夏合宿を乗り越えました。上位陣は過去最高レベルの練習消化状況、他のメンバーも例年以上に充実した強化期間を過ごすことができ、経験の浅いチームながら期待感を持ってスタートラインに立つことができました。
〈10月18日、レース当日〉
試合当日の朝、開催地である立川駐屯地は、少し肌寒さを感じる気候でしたが、スタート時には日差しが選手たちを照らし、比較的気温の高いコンディションとなりました。昨年の予選会は例年以上の酷暑に見舞われ、後半の落ち込みが大きく、脱水症状が出た選手もいたことから、調整期に暑熱順化をし、水分補給はもちろん、帽子を直前まで冷やすなど暑熱対策を十分に行った上でスタートラインに立ちました。また、前半10kmはできる限り前を見ながら、それぞれの集団で自分の位置を確保し、公園内では順位を意識しながら我慢、集団内で勝ち切るレースにしようとイメージを共有していました。
〈レース前半〉
前半は予定通りに流れた印象です。①小山洋、川﨑の2人が日本人先頭集団、②小林、鈴木の2人が日本人第2集団、③残り8人が筑波大学の集団走、という3グループ構成になっており、大集団が比較的落ち着いて入ったことから、私たちも焦ることなくレースを進めることができました。前半の順位はほとんど意味を成さないところではありますが、10kmまでは通過圏内で推移しており、そこからも予定通りのレース運びができたと言えます。10km地点では、小林が予定よりも少し前の位置、後ろの集団は3名が遅れる状況となりました。
トラックレースの記録、夏のメイン練習の消化状況から考えても、10番目〜12番目の選手にとってはPBに近いところでレースが推移するため、なかなか余力を残せないのが毎年の課題です。トラックのタイムの向上を一つの目標に、10番目〜12番目の選手がいかに早くゴールするかを考えていく必要があります。下位の選手層を厚く、そして底上げをしていきます。
〈レース後半〉
10〜15km、市街地から昭和記念公園に向かうところで、川﨑が日本人トップに躍り出ました。他校の主力を従えて、チームのエースとして存在感を遺憾無く発揮しました。
全体としては、前半集団走でかなり余裕を持って入ったチームが徐々にポジションを上げ始めます。私たちは10kmでは通過圏内でしたが、ここでのペースアップ、ポジションのアップに対応しきれず15kmでは、10位と1分56秒差の16位に沈みました。
やはりチームの下位ほどここでの対応力の無さ、落ち込みが顕著になるという現実があります。箱根駅伝予選会において本当の勝負が始まるのはやはり15km手前あたりからです。10kmを超えて、15kmを超えて、上がって来れるような力をつけていかなければなりません。
〈総評〉
結果としては総合16位、10時間44分03秒(Ave.64’24)でした。通過ライン10位(Ave.63’42)との差は7分07秒です。
私たちは予選会前の目標として、10時間44分00を掲げており、3秒届いてはいませんが想定通りの走りだったと言うことができます。『持っている力を発揮できたものの、勝負にはならなかった』今回の結果はそのように捉えています。川﨑が日本人トップ集団で戦えることを示し、小林は1年生として歴代トップクラスの好記録、新たに3人の関カレ標準突破、PBが7名と間違いなく収穫のあるレースになりました。ただ勝負の世界です。箱根駅伝出場を目指す以上、10位以内に入らなければ意味がありません。力を発揮するのは当たり前であり、結果の基準は自分たちの記録ではなく、10番目のチームの記録になります。収穫と同時に、改めて箱根駅伝予選会突破の厳しさを痛感する結果でもありました。上位層は間違いなく他校と戦える力がついています。彼らの力、存在を無駄にすることがないような下位層の育成、成長を目指して取り組んでいきます。
以下14名のエントリー選手コメントになります。
小山洋生(体育4)
「日頃より多大なるご支援、ご声援を賜り、誠にありがとうございます。個人としては、最後の予選会で思い描いた走りができず、非常に悔しい結果となりました。昨年はチームとして何もできずに終わってしまいましたが、今年は2つ順位を上げ、確かな成長を感じられるレースができたと思います。他大学も力をつけている中で、さらに6つ順位を上げることは容易ではありませんが、それでも箱根駅伝出場を成し遂げてくれるのではないかと感じさせてくれる、頼もしい後輩が多くいます。『箱根駅伝で筑波大学の襷をつなぐ』この夢は後輩に託します。今後とも変わらぬご支援のほど、よろしくお願いいたします。」
松浦海瑠(化学4)
「日頃より多大なるご支援、ご声援賜りまして誠にありがとうございます。結果としては、63’56で個人107位、チーム内4位でした。チームを箱根駅伝に導くと誓ったあの日から1年、主将の小山洋生を中心としてチームを作って参りましたが、目標には届きませんでした。当日は、自分の持っている力は出し切れたものの、当日までの自身を振り返ると、今大会を迎えるまでの過程で、個人としての走り、副主将としてチームに出来ることがまだあったのでは無いか、と考える日々が続いております。今年は、チーム全体として、寺田を中心とした充実したサポートのお陰もあり、当日に持ち得る力は出し切れたものの、10位大学との差は7分7秒と大きく、並大抵の努力では到達し得ない事を痛感いたしました。後輩たちが、この高い壁を越え、箱根駅伝に出場できる様、私も応援する側に回りたいと思います。最後になりますが、当日は、朝早くから、フューチャーブルーの絶え間ない応援を頂き、最後まで諦めず走り切る事が出来ました。今大会は勿論のこと、応援していただいている皆様に支えられ、4年間走り切る事が出来ました。本当に、ありがとうございました。」
鈴木将矢(医学4)
「日頃より筑波大学を応援していただきありがとうございます。先日行われました、第102回箱根駅伝予選会にて、個人では64分42秒で190位、チームでは全体16位という結果でした。去年の敗北から1年間、他大学との差を埋めるために試行錯誤し、当日は自信を持ってスタートすることが出来ました。しかし、他大学はそれを上回る走りをし、自分の役割を全うしきることが出来ず、申し訳なさと悔しさでいっぱいになりました。ただ、このチームで過ごした4年間は自分にとって財産となりました。予選会当日の沿道での応援がとても力になりました。本当にありがとうございました。これからも筑波大学の応援の程よろしくお願いします。」
堀口花道(体育4)
「日頃より多大なるご支援・ご声援を賜りありがとうございます。今回の予選会では、個人としてはまだやりきれなかった部分もあり、悔しさが残りました。ただ、チームとしてはこれまでの努力を予選会でしっかり出せたと思います。箱根駅伝出場への壁の高さも感じましたが、後輩たちにはその壁を越えていける力があると感じました。4年間挑戦し続けられたこと、そして仲間と最後まで走り抜けられたことを誇りに思います。この経験をこの先の人生に活かしていきたいと思います。」
丸子晴樹(工シス4)
「日頃より箱根駅伝復活プロジェクトへのご支援、ご声援をいただきありありがとうございます。レースに関しては駐屯地内を落ち着いて、市街地に出るところでしっかり流れに乗る想定でしたが、それを実行する余力を持てませんでした。その後は声援を感じながら必死に体を動かし、ゴールに辿り着きましたが、結果でチームに貢献することができず不甲斐なさや申し訳なさを強く感じています。また、今年は卒業研究と並行しながら、つくばで夏季強化を行い予選会に向かいました。塚田さんや皆川さん、プレマネのサポートのおかげで合宿組に引けを取らない練習を行うことができました。強化期間に関わらず、スタートに立つまでにたくさんのサポートや応援をいただき、走れることの幸せを強く感じました。今後とも筑波大学箱根駅伝復活プロジェクトへの温かいご支援、ご声援をよろしくお願いします。」
川﨑颯(体育3)
「日頃から多大なるご支援・ご声援を賜りまして誠にありがとうございます。今回のレースは日本人1位を取り、チームを勢いづけることを目標にスタートラインに立ちましたが、ラスト1km手前からの集団のペースアップに対応できず、62分20秒で個人19位という結果でした。目標は達成できませんでしたが、背中を強く押してくれる現地での力強い応援のおかげで今持っている実力は出し切れたと思います。来年、立川の地でチームおよび支援者の方々と喜び合うためにこれからの1年間、練習を積み上げて行きます。現地、SNS上での応援が本当に力になりました。ありがとうございました。」
小山陽生(体育3)
「日頃からたくさんのご支援、ご声援を賜り、誠にありがとうございます。チーム12番、ということでたくさんの声援の中で、情けない走りをしてしまいました。やってきたことしか出ないことを痛感させられました。選抜合宿も、エントリーも、当日出走も、全て当落線上にいて、正直、運よく最後まで残れただけだと感じています。ただ、これまで思うように走れない期間が長く、3年目にしてやっと故障なく夏を超え、予選会の舞台を経験させてもらうことはできました。この経験、悔しさ、情けなさを無駄にすることなく、来年は確固たる実力をつけた上で予選会に臨みます。ラストイヤーを飛躍の年にできるように覚悟を決めて精進していきます。たくさんの応援、ありがとうございました。今後とも変わらぬご支援のほど、よろしくお願いいたします。」
成石昌平(国際3)
「日頃から多大なるご支援、ご声援を賜り、本当にありがとうございます。第102回箱根駅伝予選会は補欠で、出走はありませんでした。夏まで良い取り組みができていただけに、直前で調子を上げることができず悔しい結果となりました。まだ来年最後のチャンスが残されているので、来年こそは個人としてリベンジを達成し、チームとしても箱根駅伝への出場を果たせるよう1年間精進して参ります。今後ともご支援の程、よろしくお願いいたします。」
余村佑太朗(体育3)
「64分38秒で個人181位でした。予選会では、朝早くから応援や補助員していただきありがとうございました。たくさんの応援が本当に力になりました。初の予選会、力は発揮できたと思いますが力及ばずでした。来年はもっと戦えるよう強くなって戻ってきます。」
荻原悠生(応理2)
「日頃より私たち筑波大学箱根駅伝復活プロジェクトへのご支援、ご声援、誠にありがとうございます。第102回箱根駅伝予選会に出走し、66分33秒で324位、チーム内10位という結果でした。例年より、1時間ほどスタートが前倒しになったにもかかわらず、レース中は本当にたくさんの応援が聞こえ、改めて多くの方に支えられていることを心の底から実感しました。しかし、前にいる選手、抜いていった選手を追いかけることができず、自身の力不足を痛感させられる結果となってしまいました。多くの声援をいただきながら応えることができず、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいです。この悔しさをエネルギーに変え、皆様の応援に結果で応えることができるよう、この一年、覚悟を持って練習に励んでいきます。今後ともご声援のほど、よろしくお願いいたします。」
髙久浩輔(体育2)
「日頃より筑波大学箱根駅伝復活プロジェクトへの多大なるご支援、ご声援を賜りまして、誠にありがとうございます。先日行われました、第102回箱根駅伝予選会に出走し、65分00秒で個人216位という結果でした。個人としては、皆様の手厚い支援のもと、自分が目標としていた予選会出走を形にすることができ、本番では自分の力を最大限発揮することができました。しかし、本戦出場を勝ち取るためにはまだまだ実力不足であることを痛感しました。朝早い時間帯にもかかわらず、筑波大学を応援する声が沢山あり、終始楽しく走ることが出来たと共に、多くの方々に支えられていることを実感しました。本当にありがとうございました。チームの最大目標である箱根駅伝本戦出場を達成できず、また、応援して下さる皆様の期待に応える結果を残すこともできず、大変申し訳ない気持ちでいっぱいです。例年タイムの高速化が進んでいく中、10位までおよそ8分の差があるという結果を真摯に受け止め、必ずや本戦出場を果たすために、覚悟を持って仲間と共に精進して参りますので、今後とも、変わらぬご支援、ご声援のほど、よろしくお願いいたします。」
中村優太(体育2)
「64分38秒で、チーム6番、個人184番でした。2回目の出走ということで、昨年の反省を生かして走ることはできましたが、まだまだ力不足を感じさせられるレースでもありました。これからも精進して参ります。応援ありがとうございました!」
神崎晴彦(体育1)
「先日の東京箱根間往復大学駅伝競走予選会において個人としては大会2週間前からの過呼吸の症状により出走にはいたりませんでした。夏合宿では良い練習が積めていただけに走りでチームに貢献できなかったことには悔しさが残ります。しかし結果は伴いませんでしたが、予選会メンバーとしての流れを経験できたことで予選会で戦うために必要なことは明確になりました。来年は必ず選手としてチームの予選会突破に貢献できるよう、もう一度力をつけ直してまいります。今後とも変わらぬご支援、ご声援のほどよろしくお願いいたします。」
小林晴琉(体育1)
「日頃より筑波大学へのご支援を賜り、誠にありがとうございます。体育専門学群1年の小林晴琉です。先日行われた箱根駅伝予選会において、63分20秒で個人64位、チーム16位という結果でした。個人としては目標を上回るタイムで走ることができましたが、チームとしては本戦出場のボーダーには大きく及ばず、とても悔しいです。来年はエースとしてチームに貢献できるよう、日々の練習を大切に励んでまいります。応援ありがとうございました。」
第103回箱根駅伝予選会に向けての戦いはスタートしています。1年間は長いようでとても短いです。通過ラインまで7分07秒。ここにはタイムだけでない大きな壁があることは事実です。一方で、同じ大学生ができていることでもあります。今回感じた課題や反省を次に活かしながら、個人・チームの成長に繋げていきます。幸いにも、次年度のチームには8名の予選会経験者が残ります。今年、若い力で戦った経験を無駄にすることなく、盤石の布陣をつくり上げていきます。『筑波大学で箱根駅伝出場』ということに誇りを持ち、壁を感じることなく、日々邁進していく所存です。
日々の取り組み、そして箱根駅伝出場という結果で支援者の皆様に恩返しができるように、今後も部員一同精進して参ります。今後とも変わらぬご支援・ご声援のほどよろしくお願いいたします。
(文責:3年小山陽生)










































