(写真:2019年の箱根駅伝予選会を突破し喜びを爆発させる学生たちと弘山駅伝監督)
弘山勉・男子駅伝監督が、2024年3月31日付で、男子駅伝監督(陸上競技部男子長距離コーチ)を退任することになりましたので、お知らせいたします。
弘山駅伝監督は、2015年4月から箱根駅伝復活プロジェクトを本格的に稼働させ、学内外の協力を仰ぎながらチーム強化を図り、2019年10月に第96回箱根駅伝予選会を突破し、母校を26年振りに箱根駅伝へと導きました。
「筑波大学×箱根駅伝」というブランド創出を目標に掲げ、国立大のハンディを乗り越えようとする熱意は本物でした。学生と共に箱根駅伝出場を懸けて戦った9年間の活動は、永遠に語り継がれるものだと思います。
9年間に渡る弘山駅伝監督の功績に賛辞を送り、その想いと熱量をしっかりと受け継いでいきます。筑波大学が再び箱根駅伝の舞台に立つ夢は、次世代の学生と新駅伝監督に託されることになりますが、引き続き、筑波大学の応援を何卒よろしくお願いいたします。
<新・男子駅伝監督の紹介>
2024年4月から筑波大学箱根駅伝復活プロジェクトを率いる新・男子駅伝監督を紹介いたします。
木路修平(きじ しゅうへい)
(経歴)
京都・洛南高校出身
1990年3月 筑波大学 卒業
箱根駅伝出場2回(2回とも7区)
1990年4月 大塚製薬入社(陸上競技部選手)
1994年4月~2010年3月 同陸上競技部コーチ
2010年4月 筑波大学大学院 (2012年3月 修了)
2012年4月~2013年3月 筑波大学 研究員
2013年4月~2018年3月 日本薬科大学教員・コーチ
2018年4月~2020年3月 日本薬科大学 教員
2020年4月~ 筑波大学男子長距離コーチ・研究員
※新監督の抱負は、あらためて掲載させていただきますので、木路駅伝監督が率いる筑波大学の活躍を期待していただければと思います。
最後に、弘山駅伝監督よりご挨拶申し上げます。
<弘山勉・男子駅伝監督の挨拶>
春の到来が間近に迫る中、冬季練習に励んでいた学生たちが、シーズンに向けてトレーニングの質を上げている段階に入っています。活気ある雰囲気を見ると、関東インカレや各種大会での活躍が楽しみになってきますが、私は、4月から間近で学生たちを見ることができなくなります。
それは、私・弘山勉は、3月末をもって、筑波大学を退職し、それに伴い、陸上競技部・男子長距離コーチ(男子駅伝監督)も退任することになるからです。定年まで務めるつもりで頑張ってきましたが、諸々の理由により「退職」という苦渋の決断をするに至りました。
2015年4月に男子駅伝監督に着任して以来、多くの方々に、沢山のご支援と応援を賜りました。感謝してもしきれないほどのご協力とサポートをいただいたことで、学生たちは、箱根駅伝を本気で目指す活動を続けることができました。「2019年箱根駅伝予選会突破→2020年箱根駅伝本戦出場」という26年振りの悲願を達成できたのは、多くの方々の想いが一つになったからです。
クラウドファンディング・継続寄附サポーター制度・筑波大学基金のご支援者、筑波大学陸上競技部OBOG、夏季合宿などで協力していただいた自治体や宿泊施設の皆様、サポートしていただいた企業の方々、筑波大学の教職員、何より、筑波大学で箱根駅伝出場を目指して入学してくれた学生たち、これら全ての気持ちが一つになって、大きな熱量を産み出した結果だったと思っています。あらためて感謝の意をお伝えさせていただきます。
退職理由は、箱根駅伝に関わることではありませんが、一方で、翌2020年の予選会において18秒差で惜敗したことを機に、4年連続で予選敗退を喫している状況を変えなければいけないと思っています。多くの方々からの多大なるご支援に対して、結果で応えることができていない状況は、言い訳することができない私の責任です。
つまり、私が退職を決意するに至った理由の一つに「この悪い流れを断ち切るべく、チーム体制を変える必要があるのでは」と考えたことがあります。新旧の学生が入れ替わり続ける学生スポーツといえ、駅伝はチーム競技という色合いが濃く、同一指導者の体制が長く続くと、マンネリ化をもたらす可能性があると思っています。
知らず知らずのうちに「やっていることは正しい」と指導者は思い込み、学生たちは信じて身を委ねるなど、実態を主観的に評価してしまう=正当化してしまう心理状況を作り出していることは否定できません。意外とそのことに気づけないものなのです。昨年の箱根駅伝予選会における20位は、その現状が表面化した結果の惨敗だったと感じています。
私の退任を経て、筑波大学男子長距離チームは、生まれ変われるはずです。筑波大学には、それを簡単にやってのける学生たちが揃っています。
その新しい芽吹きをアシストしていくのが、現コーチである木路修平です。私に代わって陸上競技部の男子長距離コーチに昇格し、男子駅伝監督を務めることになります。
木路コーチは、私の一つ下の後輩で、学生時代に箱根駅伝を一緒に走り、4年次には男子駅伝主将を務めています。卒業後は、大塚製薬陸上競技部での選手活動を経て、コーチも務め、日本のトップ選手を何人も輩出することに携わっています。その後、筑波大学大学院を修了し、箱根駅伝本戦出場を目指している日本薬科大学でも、コーチを5年間務めています。そして、2020年4月から、現在までの4年間、筑波大学で一緒に箱根駅伝を目指してきました。
陸上競技を愛し、学生の指導に全てを注ぐ情熱に溢れています。安心してチームを任せることのできる指導者であることを私が保証します。筑波大学箱根駅伝復活プロジェクトは継続していきますので、新・駅伝監督の木路が率いる男子長距離チームの箱根駅伝への挑戦を、引き続き応援していただければ幸いです。
私は、4月から実業団チームの監督として、陸上競技の発展に寄与できるよう、引き続き頑張っていく所存です。同時に、これからは一人のOBとして、筑波大学陸上競技部を支える側になりますので、精一杯の応援をしていきたいと思います。
9年間、たいへんお世話になりました。この場をお借りして、感謝の意をお伝えさせていただきます。本当にありがとうございました。そして、これからも筑波大学をよろしくお願い申し上げます。
筑波大学 陸上競技部
男子駅伝監督 弘山勉