今年は新入部員が17人と、例年に比べかなり多くの選手が加入し、早速チームに溶け込んで活動をしています。今年度の特徴として、体育専門学群以外の学群で学ぶ学生が多いことが挙げられます。競技力の面では、5000mの持ちタイムは特筆されるものではありませんが(私大に比べて)、伸びしろのある選手が多いように感じます。
新入部員がチームに合流し、現在は50人近くの集団となり、活気のある雰囲気になってきました。人数が増えるということは、チーム内の連携やマネジメントが難しくなってくると思いますが、それも学びになります。上級生を中心に新入部員たちとうまくコミュニケーションを取り、部員全体でチームづくりに励んでいければと思います。
それでは、今年度の新入部員の紹介をしていきます。
まず最初に、体育専門学群の推薦入試に合格し入学してきた学生から。高校時代までに優れた競技実績を残してきましたが、いづれも粗削りな印象で課題も多いと感じます。つまりは、相当な伸びしろがあるということなので、筑波大学を代表するような選手になってくれそうな逸材だと思います。
▼木村歩峻(きむら ほだか)長野・佐久長聖高校
新入生の中で5000mの持ちタイムがトップの木村は、駅伝強豪校で知られている佐久長聖高校で主将を務め、チームを牽引してきた経験がある。大学でもそのリーダーシップを発揮し、チームの要として活躍が期待される。現在は故障明けということもあり、夏を乗り越え秋冬の復調に期待大だ。
▼堀口花道(ほりぐち はなみち)群馬・高崎高校
中学校時代に全国大会入賞と都道府県男子駅伝区間賞(中学生区間)の実績がある。大きなストライドと、安定した走りでチームからの期待も大きい。また、今まで怪我をあまりしたことがないという強みを持っており、練習を順調に積んでいけたら更に高みを目指せるであろう、とても楽しみな選手の一人だ。
▼大津勇人(おおつ ゆうと)水城・茨城
高校時代は1500mから10000mまで多くの種目をこなしており、集団の中で様子を伺い、ラストスパートで勝負を仕掛けることが得意な選手だ。このスピードを武器に、春夏を経て、ハーフマラソンのような長い距離への適応ができれば、1年目から箱根駅伝予選会、そして箱根駅伝での活躍までも期待したくなる。
体育専門学群以外の推薦入試に合格して入学してきた松浦と保科、黒木は、それぞれ理工学群化学類、医学類医療科学類、人文・文化学群日本語日本文化学類で学び、これからも文武両道を体現していこうとする楽しみな選手たちだ。
▼松浦海瑠(まつうら かいる)静岡・浜松西
5000mの持ちタイムが14分48秒と新入生のなかでも上位の記録を持ち、小柄ながらラストスパートが得意なスピード走能力に優れた選手。現在は怪我をしているが、ケガをしにくいタフな体を手に入れ、きっとレギュラー選手争いに名乗りを上げてくれるにちがいない逸材。
▼保科大樹(ほしな だいき)長野・伊那北
高校時代からコツコツと練習を積んできた努力家な一面を持っている。怪我無く順調に練習を積んで、上のステージで活躍してくれることを楽しみにしたい。
▼黒木聖(くろき ひじり)千葉・専修大松戸
練習に対してとても意欲的なタイプであるが、高校時代は怪我に泣かされることが多かったようだ。この悔しさをバネに練習を継続して、素晴らしい結果を残してくれることを期待したい。
一般入試で体育専門学群に入学をしてきた選手たちで、身長が170㎝後半という大型ランナーが3人いる。スケールも大きくポテンシャルの高さを大いに感じ、どんな成長を見せてくれるか、とても楽しみだ。
▼小山洋生(こやま ひろき)埼玉・所沢北
今年の一般生の中で5000mの持ちタイムがトップであり、軽やか且つダイナミックな走りが特徴な選手。入学してからも順調に練習を積むことができており、非常に期待値の高い選手。
▼小牧直登(こまき なおと)大阪・四条畷
一年浪人して入学をしてきた筑波大学での陸上競技を熱望した選手。高校時代は800mを専門としたスピードランナーで、練習メニューは自身ですべて立てていたという、自主自立の精神を堅持している選手だ。このスピードを長距離へと適応・変換できれば、大きな飛躍が期待できる。
▼鍔 颯人(つば はやと)福島・磐城
高校時代は1500m、3000mscを中心にやっていた経験があり、持ち前のスピードと大きなストライドを生かした競技力向上が期待される。入学してからも順調に練習が出来ている。現状では、大柄ながら動きは小さいので、フォーム改善による長い距離の適応次第で、相当な活躍が見込める選手だと思う。
風間は総合学域群理系Ⅱ、山口は社会国際学群社会学類に一般入試で合格し入学してきた、まさに文武両道を体現している筑波大学を象徴するような学生である。彼らは小柄な体格ではあるが、5000mの記録が示すように、伸びのある走りが特徴的で、かなりのポテンシャルを秘めた選手であり、今後の成長が楽しみだ。
▼風間銀河(かざま ぎんが)栃木・宇都宮
一年間浪人をして入学してきたが、高校時代は5000m15分01秒という記録を有しており、ランニングフォームからは、相当な伸びしろを感じる。現在は、長期のブランク明けで本領発揮は出来ていないものの、夏を通して継続した練習ができれば、飛躍の可能性は大いにある。
▼山口翔悟(やまぐち しょうご)福岡・修猷館
九州トップクラスの進学校出身で、5000mの持ちタイムも14分59秒と、文武両道に励んできた逸材。入学後もケガなく練習が積めているため、今後の飛躍が大いに期待できる。
丸子は総合学域群第二類、源は理工学域群応用理工学類、鈴木は医学群医学類に入学し、文武両道に邁進していく学生。一般入試という困難な挑戦を乗り越え、「箱根駅伝を走りたい」という強い意志をもって我々のチームに入部してくれた。受験勉強で培われた忍耐力、実行力を新たなステージでも遺憾なく発揮してほしい。
▼丸子晴樹(まるこ はるき)山形・米沢興譲館
中学時代に生徒会長、高校時代は長距離ブロックの主将を務めていたという、リーダーシップに優れた選手。練習にも意欲的で、入学してからは順調に練習が詰めている。とても楽しみな選手だ。
▼源 侑也(げん ゆうや)富山・高岡
高校時代にマイルから駅伝までを経験してきたマルチランナー。さまざまな種目で培ってきたものを長い距離に生かし、これからの活躍を期待したい。
▼鈴木将矢(すずき まさや)愛知・岡崎
は、現役で医学部医学類に合格を果たした医学部ランナー。同じ医学部に所属し、第96回箱根駅伝に出走したOBの川瀬宙夢先輩のように競技面でも活躍を見せてほしい。
山本は総合学域群文系、伊藤は人間学群障害学類、寺田は人文文化学群人文学類に、一般入試で合格をし入学してきた。高校時代は協議環境に恵まれず、「強くなるために自分に何が必要か」を彼ら自身で実践してきた自立した選手である。これまで指導者がいなかったことを考えると伸びしろしかなく、4年間でどれだけ記録を伸ばすことができるか楽しみである。
▼山本健介(やまもと けんすけ)徳島・富岡東
最後まで粘りのある走りが特徴で、練習に対しても真面目に取り組む努力家という印象。現在は怪我明けであるため、徐々に練習の強度を上げている段階だが、光るものを感じる。トレーニングを継続することが出来れば、飛躍の可能性は大いにある。
▼伊藤 俊(いとう しゅん)東京・都立駒場
高校から陸上競技を始めた選手。また高校時代は指導者がおらず、チームメイトで練習メニューを考えていたそうだ。高校時代に培った自主自立の精神のもと、体のコンディショニングには誰よりも気を遣っている真面目な選手で、今後の活躍が楽しみだ。
▼寺田周正(てらだ しゅうせい)東京・都立立川
中学高校と指導者がおらず、自分自身でメニューを立てていたという。筑波大学にはこのような経験を持つものが多い。弘山監督の指導のもと、どのようにポテンシャルを開花させるか、周囲はもちろん、本人も楽しみと話す。
< 新入生の所属学群と5000mの記録(高校時代)>
氏名 | 所属 | 出身県 出身校 |
5000m ベスト記録 |
---|---|---|---|
木村歩峻 | 体育 | 長野 佐久長聖 |
14分16秒22 |
堀口花道 | 体育 | 群馬 高崎 |
14分39秒72 |
大津勇人 | 体育 | 茨城 水城 |
14分32秒94 |
松浦海瑠 | 理工 | 静岡 浜松西 |
14分48秒67 |
保科大樹 | 医療科学 | 長野 伊那北 |
15分30秒02 |
黒木 聖 | 日本文化 | 千葉 専修大松戸 |
15分48秒59 |
小牧直登 | 体育 | 大阪 四条畷 |
16分23秒87 |
小山洋生 | 体育 | 埼玉 所沢北 |
14分51秒71 |
鍔 颯人 | 体育 | 福島 磐城 |
15分56秒22 |
風間銀河 | 総合理系 | 栃木 宇都宮 |
15分01秒38 |
山口翔悟 | 社会国際 | 福岡 修猷館 |
14分59秒21 |
丸子晴樹 | 総合第二 | 山形 米沢興譲館 |
15分38秒47 |
源 侑也 | 理工 | 富山 高岡 |
15分28秒47 |
鈴木将也 | 医学 | 愛知 岡崎 |
15分10秒18 |
山本健介 | 総合文系 | 徳島 富岡東 |
15分30秒34 |
伊藤 俊 | 人間 | 東京 都立駒場 |
16分16秒66 |
寺田周正 | 人文 | 東京 都立立川 |
15分45秒12 |
以上17名の新入生が加入しました。入学して一か月が経ち、段々とチームにも慣れてきた頃だと思います。現在、チームは活気あふれる雰囲気の中、とても良い練習を積むことができています。この新入生から何人が箱根駅伝予選会のメンバー争いを繰り広げ、そして出走をしてくれるのか、要注目です。
エネルギッシュな新入生の加入により、上級生たちは気を引き締めています。その良好な雰囲気を持続しながら、チーム一丸となって精一杯頑張っていきたいと思います。今後とも、私たち筑波大学長距離パートのご支援、ご声援よろしくお願いいたします。(文責:宮代和騎)