2月2日に茨城県守谷市にて行われた第41回守谷ハーフマラソン、また同日に香川県丸亀市にて行われた第28回日本学生ハーフマラソン選手権大会(通称:学生ハーフ)に多くの選手が出場しました。
年末年始を挟んでのおよそ2か月間に渡り行ってきた冬季練習における最大目標であった、箱根駅伝予選会を見据えたハーフマラソンの試合に出場しました。主将である小山洋生(体育3)の筑波大記録更新を中心に、多くの自己ベスト更新者が現れ、冬季練習の成果を確認することができました。その他にも1年生を中心にハーフマラソン初挑戦となった選手が多くみられ、チームとして勢いのあるレースとなりました。ここでは上記2試合の結果を報告させていただきます。
文責:伊藤俊(障害3)、髙久浩輔(体育1)
第41回守谷ハーフマラソン
守谷ハーフは学生ハーフよりも30分ほど早い、10時からのスタートだった。この日の守谷市では、朝方から雨が降り、スタート時の気温も約3度と、あいにくのコンディションでのレースとなった。この寒さを見越した選手の中には、いつも通りのユニフォームの選手もいれば、半袖Tシャツや長袖のインナーを着る選手も見受けられ、各自で寒さ対策が行われていた。
筑波大学からは19名が出場し、その中で9名の選手が初のハーフマラソンとなった。予選会に出走したメンバーをはじめ、練習を順調に消化できていた選手たちが、冬季練習の成果として最大パフォーマンスを発揮する場となった一方で、練習の一環としてペース走を行う選手もいた。それぞれが自身の目標を達成するためのレースという位置づけであった。
レースはスタート直後から、1キロを3分前後のペースで進める先頭集団と3分10秒前後のペースで進める第2集団に分断された。
先頭集団には主に予選会に出走した選手たちが続いた。その中でも、堀口花道(体育3)が10km過ぎまで先頭集団に食らいつく積極的な走りを見せた。10kmを30分06秒で通過すると、その後は集団から離れて単独走となるも、苦手な距離走を克服した堀口が後半も大きくペースを落とすことなく、チーム内トップでゴールし、1時間05分07秒で自己ベストを更新した。後続には鈴木将矢(医学3)と松浦海瑠(化学3)が全体20番以内に飛び込み、それぞれ1時間05分35秒、1時間05分45秒と自己ベストを更新する走りを見せた。予選会に出走し、4月からラストイヤーとなる3年生が安定した強さを見せる結果となった。
第2集団には照内淳和(医学5)と、ともに初ハーフとなった成石昌平(国際2)、髙久浩輔(体育1)の3人が終盤まで集団に食らいついた。10kmを31分台で通過すると、18km付近からの集団のペースアップに照内と成石がうまく反応した。最後は2人の勝負を照内が制し、それぞれ1時間07分11秒、1時間07分13秒でゴールした。髙久も最後はペースを落としたものの、1時間07分36秒でゴールした。成石と髙久は悪いコンディションの初ハーフながらまずまずの走りを見せた。来年の予選会の戦力として期待がかかる。
また、保科大樹(医療3)、小山陽生(体育2)、髙橋應介(総合1)の3人は練習の一環としての出場となったが、3人全員が設定よりも速いペースで初のハーフを乗り切った。今年度は怪我で苦しむシーズンとなったが、春からのトラックシーズンでは悔しさを晴らす走りを見せてくれることだろう。
【選手コメント】
堀口「体育専門学群3年の堀口花道です。先日行われた守谷ハーフマラソンにおいて、65分07秒で総合14位という結果でした。これまで苦手意識のあったハーフマラソンでしたが、冬季練習の成果を発揮し、自己ベストを2分以上更新することができました。まだ満足できるタイムではありませんが、この経験を活かし、箱根駅伝予選会に向けてさらに成長していきます。応援ありがとうございました。」
成石「日頃より多大なるご支援、ご声援を賜りありがとうございます。守谷ハーフマラソンに出場し、1時間07分13秒でした。タイムは目標に及びませんでしたが、初めてのハーフマラソンでまとめ切ることができ、良い経験になりました。8ヶ月後の予選会に向け、まずは春シーズンで課題であるスピードを強化し、もう一段二段強くなって本戦出場に貢献できるよう精進してまいります。今後も応援の程よろしくお願いいたします。」
髙久「日頃より多くのご支援、ご声援を賜りまして、ありがとうございます。2月2日に行われました第41回守谷ハーフマラソンに出場し、1時間07分36秒を記録することができました。初のハーフマラソンだったこともあり、不安が大きかったですが、なんとか最低限まとめる走りができ、箱根駅伝予選会で戦うにあたって良い経験をすることができました。8か月後に控えた箱根駅伝予選会に向けて、来年こそは自分がチームの戦力として、筑波大学の予選会突破に貢献できるようにこれから練習に取り組んでまいります。これからも応援のほどよろしくお願いいたします。」
【第41回守屋ハーフマラソン結果】
着順 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|
14 | 堀口花道 | 体育3 | 1時間05分07秒 | PB |
16 | 鈴木将矢 | 医学3 | 1時間05分35秒 | PB |
18 | 松浦海瑠 | 化学3 | 1時間05分45秒 | PB |
38 | 山本健介 | 人文3 | 1時間07分04秒 | |
42 | 照内淳和 | 医学5 | 1時間07分11秒 | |
43 | 成石昌平 | 国際2 | 1時間07分13秒 | 初 |
51 | 髙久浩輔 | 体育1 | 1時間07分36秒 | 初 |
58 | 丸子晴樹 | 工シス3 | 1時間08分25秒 | |
72 | 鍔颯人 | 体育3 | 1時間09分23秒 | PB |
75 | 黒木聖 | 体育1 | 1時間09分28秒 | |
84 | 小牧直登 | 体育3 | 1時間10分05秒 | PB |
85 | 磯谷虎樹 | 体育1 | 1時間10分06秒 | 初 |
87 | 半澤朝陽 | 工シス1 | 1時間10分20秒 | 初 |
88 | 相川隼吾 | 体育1 | 1時間10分25秒 | 初 |
93 | 大津勇人 | 体育3 | 1時間11分42秒 | |
98 | 中野景太 | 体育1 | 1時間12分09秒 | 初 |
99 | 小山陽生 | 体育2 | 1時間12分11秒 | 初(PR) |
106 | 保科大樹 | 医療3 | 1時間13分05秒 | 初(PR) |
107 | 髙橋應介 | 総合1 | 1時間13分05秒 | 初(PR) |
※PR=ペース走(練習の一環)
第28回日本学生ハーフマラソン選手権大会
前年までは立川シティハーフマラソンと併催されていた学生ハーフであったが、今年からは香川丸亀国際ハーフマラソンとの併催となり、世界レベルの高速レースが期待された。
小雨が降るやや肌寒いコンディションの中、筑波大学からは塚田萌成(医学5)、小山洋生(体育3)、川﨑颯(体育2)の3選手が出場した。塚田と小山洋は2023年大会以来2度目の丸亀での試合となり、前回の経験を活かせるかがカギとなった。川﨑は初出場であったが、持ち前の明るさで高速レースの流れに臆することなく乗れるかが期待された。
レースは序盤から実業団選手を中心に速いペースで進み、先頭集団は5㎞通過14分05秒と日本記録が狙えるペースであった。塚田、小山洋、川﨑はスタート位置が後ろだったこともあり、序盤は前を追う展開となった。
●小山洋
小山洋は5㎞を14分17秒で通過すると、8㎞前後で10人ほどの集団に追いついた。そこからは他の選手の力をうまく使い、力を溜めながらレースを進めた。その後も集団を使いながらペースを維持し、10㎞通過が28分42秒と10000mの自己ベストを大きく上回るペースで快走した。、15㎞を43分16秒で通過しラスト3㎞は苦しくなったものの、「目の前の選手一人一人に勝つことを意識して動かせた。」と本人も振り返る粘りを見せた。最後の1.0975㎞を3分10秒でカバーし、ゴールタイムは1時間01分03秒とハーフマラソンの筑波大学記録を塗り替える見事な走りであった。先月行われた第101回箱根駅伝での好走を経て、さらに進化し続ける小山洋の走りには今後も要注目である。
●川﨑
川﨑は小山洋を追い5㎞を14分19秒で通過したものの、5㎞以降差し込みによる腹痛に見舞われた。一時ペースを落としたが、差し込みにも冷静に対処し、5‐15㎞は1㎞3分ペースで淡々と押していく走りを見せた。その結果、10㎞通過29分09秒と自身の10000mの自己ベストに迫るペースで中盤をカバーした。、15㎞を44分09秒で通過し16㎞地点の最後の坂を下ると、少しずつラストスパートに向けて切り替え始め、ラスト3㎞では後ろから来た集団との競り合いでさらにペースを上げた。そこでの競り合いの甲斐もあり、ゴールタイムは1時間02分41秒と筑波大歴代4位の好記録をたたき出した。2年生にして副主将を務める川﨑の今後はまだまだ底知れない。
●塚田
塚田は小山洋・川﨑よりは遅れたものの、5㎞を14分34秒と5000mの自己記録から5秒しか変わらないタイムで通過した。前半突っ込んだことで5㎞以降苦しくなったが、そこからは持ち前の粘りの走りでペースを維持し、10㎞通過は29分25秒とこれまた10000mの自己ベストを大きく上回るタイムで通過した。その後は後続集団の力も借りながらペースを維持し、ゴールタイムは1時間03分35秒で筑波大歴代8位、見事自己ベストも更新した。医学類5年生として日々病院実習に追われながらも、常に月間走行距離チーム上位を譲らないその継続力は、筑波大学の文武両道を体現する存在と言えるだろう。
【選手コメント】
小山洋「今回のレースでは61分台、筑波大記録の更新を目標に走りました。結果は想定を超え、筑波大記録を40秒更新することができて驚いています。箱根駅伝までのいい流れを維持しながら練習のレベルを一段上げることができたことや前半に突っ込んで後半は粘るレースが経験できたことが要因ではないかと考えています。しかし、学生の中でも前には多くの選手がおり、他校のエースと勝負するにはまだ力不足だと感じました。今後はトラックレースが中心になるのでトラックでも記録を更新してさらに上のレベルで戦えるようトレーニングを積んでいきます。応援ありがとうございました。」
川﨑「先日行われました、日本学生ハーフマラソンにおきまして、ハーフマラソン62分42秒で約2分自己ベスト更新する走りができました。62分台を目標の1つとしていたため、それを達成することができ、嬉しい気持ちがある反面、前でゴールした洋生さんとの差がかなり大きかったり、レースコースや気候条件に助けられて出すことのできたタイムだということを考慮すると、まだまだ競技力を上げていく必要性があると感じました。ここからはトラックレースに向けての移行期となるため、関東インカレでの入賞を目標に更に走りに磨きをかけていけるように努力していきます。応援、ありがとうございました。」
塚田「日頃より筑波大学箱根駅伝プロジェクトへのあたたかいご支援ご声援感謝申し上げます。今回のレースはタイムとしては物足りなかったですが、練習状況も考えれば自分の今の力は出し切れました。今後は日々強くなっていく後輩達をもっと強くできるよう陰ながら少しでも力になれればと思います。今後とも箱根駅伝プロジェクトをよろしくお願いいたします。」
【第28回日本学生ハーフマラソン選手権大会】
着順 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
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14 | 小山洋生 | 体育3 | 1時間01分03秒 | PB (筑波大歴代1位 ) |
72 | 川﨑颯 | 体育2 | 1時間02分41秒 | PB (筑波大歴代4位) |
102 | 塚田萌成 | 医学5 | 1時間03分35秒 | PB (筑波大歴代8位) |