男子駅伝監督の木路です。
学生たちは2月2日の第28回日本学生ハーフマラソン選手権大会および第71回守谷ハーフマラソンで2024年度シーズンを締めくくり(一部選手は2月16日の日本学生男女混合駅伝が残っていますが)、こちらも2024年度を締めくくるテスト週間に入っていきます。この区切りで学生と行った全体ミーティングでの資料を使いながら2024年度の振り返りを私の方から総括として記したいと思います。
<2024年度目標と実績>
2024年度に向けた課題と取り組みに関しては、【前半試合期を終えて | 筑波大学 箱根駅伝復活プロジェクト】に詳しく述べておりますが、「エース・準エースの育成と中間層の強化の両立とそのスピードアップ」を目標に掲げ、具体的な数値として「S・A+ランク迄を10名、Aランク迄を15名、Bランク迄を20名のチーム編成」を目標としました。
その実現に向けて
①チーム全員の個の力の強化(全員の自己記録更新)
②挑戦と確実性のバランス(狙った試合に確実に結果を残す)
③選択と集中(レベルに応じた試合の選択)
の3つをテーマとして取り組んだ2024年度の実績は「S・A+ランク迄が4名、Aランク迄が11名、Bランク迄が18名」とトップ層の強化育成はある程度進んだが、A(主力)からA+(準エース)への強化育成が今一歩であったと言えます。
全選手に上の表に記したそれぞれのランクに対応したポイントを配分し、全選手のポイント合計を選手数で割った平均ポイントをその年度のチーム力として比較としたものが以下のグラフです。
チームポイントは2022年度の4.30に次ぐ4点台(4.00)をマークしており、昨年度よりチーム力は向上したことを示しています。ただ、最高ポイントの2022年度と比較すると前述の通り準エース(A+)の人数が明らかに少なく、また中軸層以下のグループの底上げも昨年と変わらないレベルにとどまり、戦うチームとしては一段届かなかったという評価になると思います。
一年間の取り組みの評価として、もう少しチーム構成の推移を詳しく見ていきたいと思います。下の図は1年生を含めた2024年度期首(4月)と2月3日時点でのチーム構成とチームポイントの比較です。この図からトップ層(エース・準エース・主力・中軸)の強化・育成は進んだが、その構成の向上と育成層の底上げは今一歩であったことがわかります。特に中軸層(A・B)への成長が望まれながらも年間を通して試合に出場できなかった選手(NM)が複数名いたことが残念であり、早期の解決が必要な課題の一つであると言えます。また、エース級が育っているが準エースの役割を担う選手が少ないこと、トップ層の強化・育成は進んだが育成層の底上げが今一歩であったことからも、エースの孤立、チーム戦力の二極化が進んでしまう懸念も早期解決に取り組まなければならない課題であると言えます。
<2025年度の取り組み>
昨年度と比べてもかなり高い2月3日時点での現有戦力(4年生、新入生を除く)の評価(3.59)から、また、2024年度の取り組みの評価検証を通して明らかとなった「エースの孤立、チーム戦力の二極化」の課題解決に向けてもどのレベルではなくチームの成長の流れに乗り遅れることのない全員のランクアップが重点目標となると考えられます。特に昨年の古川、吉田が金子を孤立させなかったように、堀口、鈴木、松浦の新4年生が小山、川崎に食らいついてチームを盛り上げていってもらいたいと思います。
<箱根駅伝復活プロジェクトの存在意義>
チームの成長の流れに乗り遅れることのない全員のランクアップという2025年度の強化重点目標は、ただ単に学生の頑張りで達成できるものではありません。今回の小山のハーフマラソンや、金子の5000m、10000mの筑波大記録更新も、箱根駅伝復活プロジェクトの取り組みをご理解いただいた皆様方の多大なるご支援や諸先輩方のご協力によって得られたチャンスを活かせた結果です。また、高度なトレーニングの継続と更なる上乗せが必須条件となっているある意味過酷な強化環境において運動栄養研究室、体力学研究室、体育心理学研究室、TSAトレーナーチームとの連携による「心・技・体の医科学的トータルサポート」チームのご協力は、学生たちの努力を安心・安全にかつ効果的なものにするためになくてはならないものであります。
これらのサポートシステムが関わってくださる皆さまの「学生のために」という想いで成り立っているものであることが改めて凄いことだなと思うとともに、このことが箱根駅伝復活プロジェクトの存在意義だと思います。この皆さまの想いが詰まったこのサポートシステムを、学生の頑張りが目標達成により結びついていくものに更に充実させていくことが、私の本年度の大きな役目だと考えています。
このことに関しては、また機会を作って書かせていただきたいと思います。
今後とも変わらぬご支援宜しくお願い致します。
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