年が明け、早くも2月中旬になろうとしています。現在チームは冬季練習の真っ只中、一年の中で最も身体がキツい日々を過ごしています!そのような中、ロードレース(ハーフマラソン)の経験を積むことを目的に、また、練習の一環として多くの選手がハーフマラソンを走りましたので、今回はその結果をご報告いたします。(担当 藤原・宮代)
【2/5 香川丸亀国際ハーフマラソン】
通称「丸亀ハーフ」と呼ばれる大会は、香川県丸亀市を舞台に開催されるハーフマラソン大会で日本屈指のスピードレースである。大学生や実業団チームのトップ選手が集う大会としても有名であり、ハーフマラソンの現・日本最高記録は、丸亀ハーフでマークされている。
今年の丸亀ハーフマラソンは、冬季鍛錬の真っ只中での出場となった。現在、筑波大学では、冬季トレーニングを実施中であり、肉体面(筋腱)の強化はもちろんのこと、これから先に怪我せずに練習を積んでいくためのフォーム改善にも重点を置いている。徹底的に基礎トレーニングを敢行するのは、「春のトラックシーズンでスピード能力を高めること」と「夏の走り込みを乗り越えられる体づくり」が目的であるからだ。
その内容はかなりハードであり、疲労困憊にな場面が多く、夏の走り込み期間とはまた違った過酷さを味わう中身の濃い練習が続く。そんな冬季鍛錬中、ハーフマラソンに挑むのは、簡単なことではない。ロードレースに向けた専門トレーニングをあまり積むことができないからである。
筑波大からはチームの中心選手である皆川(物理3)と塚田(医学3)、小山(体育1)の3選手が出場した。今の状態で、どのくらいの記録が出せるか、それは箱根駅伝予選会に向けても、大事な指標になる。そのためにも、現時点での精一杯の走りをすることが大切になってくる。駅伝主将の平山もエントリーしていたが、現地での体調不良により欠場となった。
丸亀ハーフのコースは、概ねフラット(平坦)であり、高速レースが展開されることが予想される。この日の天候は穏やかな冬晴れの絶好なコンディションとなり、先頭集団はハイペースでレースが進んだ。それに引っ張られるように後続集団のペースも当然速くなった。
筑波大は皆川が後続集団の流れに上手く乗り、10㎞を29分36秒で通過。続く小山は29分50秒と63分台を狙えるペースでレースを進めた。「カラダが思うように動かなかった」という塚田の10km通過は30分22秒にとどまり、序盤から我慢の時間が続くレースになった。
レース終盤、皆川は15㎞を44分56秒で通過、目標の63分00秒を狙える位置につけていたが、少しずつラップを落としていった。しかし、後半の失速をカバーする渾身のラストスパートをかけ、63分24秒でゴールした。目標にはわずかに届かなったものの、筑波大学歴代6位となる自己新記録をマークした。
続く小山は、(練習の割には)積極的に走った影響で、後半はペースを落としてしまったが、なかなかの粘りを見せ、自身のベスト記録を3分50秒も更新する走りを見せた。
塚田は、中盤以降も苦しい展開が続き、何とか粘るものの65分46秒でゴールし、悔しい結果となった。3月12日に行われる、日本学生ハーフマラソン選手権での雪辱を誓っていた。
【皆川コメント】
日頃から筑波大学を応援していただきありがとうございます。このたび、丸亀ハーフマラソンに出場し63分24秒でした。目標は、63分00秒としていたため達成できず悔しいです。また、他大の選手の結果と比較しても物足りないように思います。しかし、ハイレベルな試合に参加でき、自分の課題がより明確なものになりました。箱根駅伝を通して自分の実力が不十分であることを感じ、少しずつ改善している最中です。今回の経験を通して、さらに差を埋めることができるよう精進していきます。
【小山コメント】
今回のレースでは積極的な走りをして粘り切ることを目標にしていたので目標を達成することができました。最初の5kmを自己ベストより少し遅いくらいで突っ込んで入り、後半はペースが落ちましたが最低限の粘りで64分台で走れたので良かったです。日本のトップレベルの選手と走る貴重な経験ができ、収穫も多かったので、今回のレースを今後の競技につなげていきます。次のレースは学生ハーフなので、予選会へのいいイメージと春のトラックシーズンに向けて流れを作ることを目標に頑張ります。
【塚田コメント】
速いペースに対応できず、思うような走りができませんでした。そんな中でも65分台でまとめられたのは最低限良かったと思います。次の日本学生ハーフでは自己ベストを出せるよう、ここからしっかりと練習に励んでいきます。応援ありがとうございました。
〈香川丸亀国際ハーフマラソンの結果〉
着順 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|
63 | 皆川和範 | 物理3 | 1:03:24 | 歴代6位 |
96 | 小山洋生 | 体育1 | 1:04:45 | PB |
113 | 塚田萌成 | 医学3 | 1:05:46 | |
– | 平山大雅 | 体育3 | DNS | |
– | 金子佑太朗 | 工シス2 | DNS |
〈5km スプリットタイム〉
氏名 | 5km | 10km | 15km | 20km | 記録 |
---|---|---|---|---|---|
皆川 | 14:33 | 29:36 15:03 |
44:56 15:20 |
1:00:14 15:18 |
1:03:24 3:10 |
小山 | 14:34 | 29:50 15:16 |
45:22 15:32 |
1:01:16 15:54 |
1:04:45 3:29 |
塚田 | 14:57 | 30:22 15:25 |
46:20 15:58 |
1:02:18 15:58 |
1:05:46 3:28 |
【2/5 守谷ハーフマラソン】
丸亀ハーフと同日、茨城県守谷市の市街地コースにて第39回守谷ハーフマラソン大会が開催され、上記3名以外の冬季練習を怪我なく継続している選手と故障からの復帰過程を歩んでいる選手、計25名が出場した。今大会が初めてのハーフマラソンになる選手が22名(内7名は練習=ペース走として出場)もいたように、結果と共にハーフマラソンへの経験値をいかに高められるかが求められた。
守谷ハーフの出場者は事前にテーマや目標を立ててレースに挑んだ。これは当たり前の事かもしれないが、初めてのハーフマラソンという想像がつきにくいレースで目標を立てることは案外難しいものである。この目標設定では単純なゴールタイムだけではなく、レース展開や10km通過タイムなどを設定することで、それぞれが、より明確な目的を持ってレースに挑めるように意識するようにした。
今回の目標やテーマとして多く挙げられていたのが「日本学生ハーフの目標をタイムを高くするためのレースにすること」である。守谷ハーフでは「3’05”-10″で走り切る」といった日本学生ハーフのための守谷ハーフという位置づけで、全員が出場したことになる。
イメージ通りに走れた者とそうでない者、そもそも練習と経験(とにかく経験しないと始まらない)を兼ねて出場した者がいて、結果の受け止め方は様々になると思うが、それぞれ収穫があったのは間違いない。箱根駅伝予選会に向けて、ハーフマラソンの経験値を高めるという目的は、果たすことができたように思う。
【吉田コメント】
今回の守谷ハーフはあまり調整をせずに冬季練習の一環として出場したため、少し不安がありましたが目標としていた自己ベスト更新を達成することができました。予選会で上手く走れなかったことでハーフに対して苦手意識がありましたが、今回でハーフの走り方が少しずつ分かってきたため、この感覚を忘れず次の学生ハーフで自己ベストを目指したいとおもいます。
【富山コメント】
いつも多大なるご支援のほどありがとうございます。今回の守谷ハーフは初ハーフで66分01秒という結果でした。今回のレースは目標を66分と設定しており、その目標に僅かに届かなかったものの内容としてはしっかりと攻めた走りをすることができ、今後に繋がるようなレースをすることができました。残り1ヶ月ほどの冬期練習で更なるパワーアップをして学生ハーフでは今回の記録を上回ることができるように精進してまいります。応援ありがとうございました。
【照内コメント】
初ハーフということもありましたが、12月、1月といい練習ができていたので自分の力を試すことができるいい機会と思い走りました。目標には及びませんでしたが、レース展開は良かったと思います。学生ハーフでの更なる記録更新を目指して生活、練習を頑張ろうと思います。応援ありがとうございました。
【丸子コメント】
初めてのハーフでスタートするまでは不安もありましたが、集団で流れに乗り、中盤以降はきつい中でも気持ちを切らさず全身を動かし続けて粘ることができました。今大会は現状の力を発揮することができましたが、上位との差も痛感しました。これからは課題であるスピード発揮度を高めて初めからもっと速いペースで戦えるように練習を重ねていきます。
〈守谷ハーフマラソンの結果〉
着順 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|
19 | 吉田海渡 | 体育2 | 1:05:38 | PB |
25 | 富山翔太 | 地球3 | 1:06:01 | 初 |
41 | 照内淳和 | 医学3 | 1:07:01 | 初 |
47 | 藤原潤乃佑 | 体育3 | 1:07:09 | |
50 | 古川幸治 | 体育2 | 1:07:13 | 初 |
55 | 丸子晴樹 | 総Ⅱ 1 | 1:07:35 | 初 |
57 | 堀口花道 | 体育1 | 1:07:46 | 初 |
62 | 長谷川健太 | 資源2 | 1:08:05 | PB |
64 | 金子佑太朗 | 工シス2 | 1:08:07 | PR |
66 | 大津勇人 | 体育1 | 1:08:09 | 初 |
68 | 寺田周世 | 人文1 | 1:08:12 | 初 |
73 | 田中康聖 | 心理2 | 1:08:21 | PR |
76 | 平野大樹 | 体育2 | 1:08:28 | 初 |
78 | 黒木聖 | 日日1 | 1:08:35 | 初 |
81 | 鈴木将矢 | 医学1 | 1:08:45 | PR |
86 | 斉藤一樹 | 体育2 | 1:09:01 | 初 |
93 | 中山純静 | 体育2 | 1:09:25 | 初 |
94 | 宮代和騎 | 体育2 | 1:09:28 | PR |
106 | 熊谷秀人 | 国際2 | 1:10:50 | 初 |
108 | 本村春人 | 資源2 | 1:11:24 | 初 |
109 | 源侑也 | 応理1 | 1:11:45 | PR |
110 | 山本健介 | 総Ⅰ 1 | 1:11:47 | 初 |
112 | 小野木宏太 | 体育2 | 1:12:03 | PR |
123 | 鍔颯人 | 体育1 | 1:13:23 | 初 |
141 | 小牧直登 | 体育1 | 1:16:21 | PR |
※PR=ペース走(練習の一環)