これから始まる箱根予選会に向けた夏合宿の前に、シーズン上半期の締めくくりとして、各学生がレースに臨んだ。7月3日の第4回筑波大記録突破会には一年生を含め体力向上を目的とした基礎体力組の選手が、第5回順天堂大学競技会にはチームの主力となる選手たちが、そして、実習の日程が重なり7月3日に出場できなかった選手は7月10日の第6回順天堂大学競技会に参加した。(担当:國井)
第4回筑波大記録突破会(7/3)
一年生は、夏合宿で走り切れる体力をつけているため練習の一環として3000mと5000mに出場した。入学当初と比べ確実に体力はついているので、練習を積んで体が疲れている中どれだけ力を発揮できるかが求められる。
3000mでは集団でレースが展開された。2分53秒あたりで1000mを通過したが体に蓄積された疲労で前半の流れに乗れず、後半は失速してしまった。残り2周で先頭に出てそのまま逃げ切った小野木(体育1)もゴール後は少し物足りないというような表情を浮かべていた。
〈第4回筑波大記録突破会3000m〉
順位 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1着 | 小野木宏太 | 体育1 | 8分59秒93 | PB |
3着 | 平野大樹 | 体育1 | 9分07秒16 | PB |
4着 | 岡島広周 | 人文4 | 9分10秒59 | |
5着 | 大崎友裕 | 体育1 | 9分16秒99 | |
6着 | 熊谷秀人 | 国際1 | 9分18秒08 | PB |
7着 | 岡田拓朗 | 体育2 | 9分40秒20 | |
8着 | 斉藤一樹 | 体育1 | 10分10秒28 |
5000mではOBの才記をペースメイクをしてくれ、多くの選手が15分切りを目指してレースに臨んだ。才記を先頭に全員が3000mまではついていったが、その後数人が遅れはじめ上原(人文3)と長谷川健太(資源1)が先頭争いをした。長谷川は4000m手前で先頭に立ち果敢に記録を狙いにいったが、最後で失速してしまい最終的には上原が先輩の意地を見せる結果になった。
しかし長谷川を始め一年生は確実に成長している。チームに入ってきた時は持ちタイムが一番遅かった本村(資源1)は自らの志願で5000mに出場、3000m過ぎまで先頭につきPBを更新した。一年生は成長のための姿勢がとても積極的で、これからの夏合宿での飛躍が楽しみだ。
レース後コメント
長谷川健太「今回のレースでは、高校2年以来の自己ベストが出せて順調に練習が詰めていると感じられました。この調子で怪我に気をつけながら夏の練習を乗り越えたいと思います!」
本村「最初から突っ込み、3000mを自己ベストのタイムで通過した中でラスト2000mも何とか耐えることができました。その結果、高校時代の自己ベストを30秒近く更新し、初めて15分台で走ることができました。合宿に向けて収穫の多いレースとなったのでこれからも頑張っていきます!」
〈第4回筑波大記録突破会5000m〉
順位 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|
2着 | 上原佑太 | 人文3 | 15分01秒91 | |
3着 | 長谷川健太 | 資源1 | 15分12秒96 | PB |
4着 | 持永佳輝 | 医学6 | 15分25秒94 | PB |
5着 | 中山純静 | 体育1 | 15分36秒11 | |
6着 | 本村春人 | 資源1 | 15分47秒73 | PB |
7着 | 鈴木晨耀 | 体育2 | 16分00秒47 |
第5回順天堂大学競技会(7/3)
筑波大競技会と同じ日に小林や福谷をはじめとしたチームの主力選手は順天堂大学記録会にて自己記録の更新を目指しレースに臨んだ。コンディションとしては肌寒いくらいで好記録が期待された。
2年生の藤原(体育2)、長井(体育2)、塚田(医学2)が出場。スタートから3人とも集団の中でよい位置を確保、3000mを集団前方で藤原が通過し、そのすぐ後ろを長井、塚田がつき、粘る展開に。後半で集団のペースが落ちたところで3人ともペースを落としてしまったのは惜しいところではあったが、最後まで粘りの走りを見せ、3人とも自己ベストを更新した。長井は高校時代16分台の選手であったが2年目にして大躍進。自身初の14分台を14分46秒で走り切ったのは特筆すべき点だ。
3組目
この組にはAチームで安定して走れている福谷(体育3)、山本(応理4)と今年の冬にしっかりと土台をつくり次期エースとしての期待がされている平山(体育2)が出場。スタートから一つの大集団を形成してレースが進んだ。集団真ん中には流れに乗ろうと平山が、福谷と山本は集団後方で力をため、チャンスをうかがっていた。レース中盤で集団がばらけそうになった時に力をためていた福谷が前へ。平山は集団前方で苦しい中粘りの走りを見せた。ラスト1周を62秒で上がった福谷は14分12秒の自己ベスト、平山も14分24秒としっかりと実力を発揮するレースとなった。山本は後半、レースの流れに乗り切れず、悔しい結果となった。レース後平山は「もう少しタイムを削れた」と今回の反省を満足ながらに述べた。福谷はホクレン・ディスタンスチャレンジにも出場予定。一流選手相手にどう戦うのかが楽しみだ。
積極的にレースを進める平山と力をためている福谷
4組目
最終組にはエース小林竜也(体育3)が出場。自身初となる13分台を目指した。前半から積極的なレースを進め3000mを8分19秒で通過、そこからの苦しい場面を乗り切り、先頭が遅れてくる中一人また一人とほかの選手を抜いていき、集団前方へつく。そしてラスト1周を60秒でまとめ上げ、見事13分54秒92でフィニッシュ。これは筑波大学歴代3位の好記録だ。
小林の快進撃が止まらない。昨年はケガで苦しんだが今年はチームを引っ張るエースとして成長した。本人も「自分が結果を出すことで故障者や結果が出ずに苦しんでいるチームメイトに元気を与えたい」と述べた。小林もホクレン・ディスタンスチャレンジに出場予定。筑波大記録を目指し力走が期待される。
レース後コメント
長井「今回のレースは初めての14分台がかかった重要なレースだったため、前日から緊張していましたがうまくレースの流れに乗って自己ベストを大幅に更新することができました。高校時代に15分台ですら走れなかった自分が14分46秒というタイムで走ることができ、本当に嬉しかったです。この勢いのまま、夏の練習でさらに力をつけていきます!」
平山「14分15秒を目標に今回のレースに臨みました。順調に練習を積めていて、自信をもってスタートラインに立てたのですが、目標に届かない14分24秒というタイムでした。気候や調子が良かっただけに目標タイムに届かず悔しかったですが、高校2年以来の自己ベストを更新することができました。今回のレースを通して一つ殻を破れた気がします。次の大きな目標は箱根予選会となります。箱根駅伝の出場権を勝ち取るために夏を越えて強くなります!」
第五回順天堂大学競技会
組 | 順位 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
2 | 9着 | 藤原潤乃佑 | 体育2 | 14分36秒50 | PB |
2 | 14着 | 長井隆星 | 体育2 | 14分46秒17 | PB |
2 | 18着 | 塚田萌成 | 医学2 | 14分52秒92 | PB |
3 | 6着 | 福谷颯太 | 体育3 | 14分12秒87 | PB |
3 | 19着 | 平山大雅 | 体育2 | 14分24秒33 | PB |
3 | 33着 | 山本尊仁 | 応理4 | 14分53秒89 | |
4 | 8着 | 小林竜也 | 体育3 | 13分54秒92 | 歴代3位 |
第6回順天堂大学競技会(7/10)
チームの勢いそのままに、多くの選手が第6回順天堂大学競技会に臨んだ。この時期には体育専門の実習があり、前週のレースと日程がかぶってしまった選手が出場。このあたりが文武両道を目指す我々チームの難しいところでありまた面白いところであろう。この日のコンディションは高温多湿でかなり厳しい条件となった。
2組目5000m
集団がスローペースで展開される中、3000m手前から五十嵐(体育3)が逃げ切りを図り飛び出した。
しかし4000mあたりで集団に追いつかれてしまい吉田(体育1)、岩佐(体育3)、伊藤(体育4)を含む集団で先頭争い。最後は持ち味のスピードを生かして吉田が逃げ切り組1着でゴール。初めてまともに走る5000mにおいて14分39秒は立派だろう。
また長谷川嵩汰(医療科2)も自己ベストを更新、自身初の14分台をマークした。冬季から長い故障が続いていた岩佐(体育3)も復帰に向けて着実に力をつけているなど、ほかの選手も厳しいコンディションの中、目的をもってレース展開を進められた選手が多かった。
レース後コメント
長谷川嵩汰「今回は大学初の学外記録会の参加ということで緊張感の高い中、自己ベストを出すことができて非常に嬉しいです。昨年は怪我の連続で練習が継続できず、苦しい一年を過ごしました。しかしその一年があったからこそ今期で30秒の自己ベストを更新することができたのだと思います。ベストを出せたことを自信にしつつ、これからの夏期間でさらなる記録更新をを目指し努力していきます。」
夏の強化期間に向けてそれぞれの現状を把握できたレースとなった
第6回順天堂大学競技会
組 | 順位 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
2 | 1着 | 吉田海渡 | 体育1 | 14分39秒89 | PB |
2 | 2着 | 岩佐一楽 | 体育3 | 14分40秒60 | |
2 | 3着 | 伊藤太貴 | 体育4 | 14分42秒75 | |
2 | 7着 | 五十嵐優汰 | 体育3 | 14分48秒05 | |
2 | 11着 | 長谷川嵩汰 | 医療科2 | 14分50秒25 | PB |
2 | 20着 | 松村匡悟 | 体育3 | 15分04秒45 | |
2 | 21着 | 古川幸治 | 体育1 | 15分13秒23 | |
2 | 24着 | 宮代和騎 | 体育1 | 15分20秒52 | |
2 | 28着 | 永山龍吉 | 体育3 | 15分38秒78 |
今回のレースを通して、バイクトレーニングや動き改善のドリルといった最近のチーム全体の取り組みの成果が少し表れてきて、成績(タイム)に繋がり出している気がしている。シーズンの前半を良い形で締めくくることができたので、これから夏合宿に向けそれぞれの学生がどのような躍進を遂げるのかが楽しみだ。