◇筑波大学陸上競技部・中長距離ブロック・長距離パート◇
--2019年度の新入部員紹介--
今年度は、11名の新入部員が加入。なかなかの粒ぞろいで、どんな活躍をしてくれるか楽しみな選手が多い。とくに、11人中8人が高校でキャプテンを務めていたことは特筆に値する。
11名が加わった長距離パートは、50名を超える大世帯となり、チーム運営や活動には、チームの結束と統率が必要とされる。さらには、チーム競技とも言える駅伝競走を目指すのだから、チームをまとめる力(意志)がある者が多くなることは心強く、まさしくエネルギッシュなパワーが注入されたような気分になる。
競技力の面では、インターハイ出場者が2名、全国高校駅伝(都大路)経験者が2名というように、実績も十分。個別に紹介すると、
松村(栃木・佐野日大高校)は、3000mSCの2018年度全国高校ランキング3位(日本人2位)となる8分55秒86という素晴らしい記録を持つ。その記録をマークした際に、最後の1000mを2分51秒でカバーしたというのだから、その破壊力は相当だろう。
小林(茨城・水城高校)は、1500mで3分50秒71の記録を持ち、スピードは一級品。2年連続で都大路のアンカーも務めており、箱根駅伝出場への意欲も高い。1500mから距離を伸ばした先輩(才記・森田・小林)のような活躍が期待できる逸材と言える。
永山(千葉・八千代松陰高校)は、自身は走ることができなかったが全国高校駅伝で7位入賞したチームをまとめたキャプテン。14分47秒という5000mの記録から走力もあり、人間力も併せてチームを牽引する存在になってくれるのは間違いない。
筑波大競技会でデビューした永山
五十嵐(千葉・専大松戸高校)も駅伝で活躍するチームのキャプテンを務めながら、自身は3000mSCを専門としてきた。3度目の5000mで14分51秒をマークしたようで、長距離の経験も浅い。可能性の高さは疑いようがなく、バネを感じさせる大きな走りが特徴的な期待の選手だ。
筑波大競技会でデビューした五十嵐
福谷(東京・都立日野台高校)は、高校時代に文武両道を貫きながら、キャプテンを務め、5000mで14分台もマークしている。“伸びしろ”しかないと思われ、今後の成長が非常に楽しみだ。
岩佐(千葉・東邦大東邦高校)は、中学までハンドボール選手でありながら、高校から陸上競技を始め、5000m14分58秒をマークしている異色の存在。さらには、キャプテンを務めたほどで、人望も厚かったのだろう。これから練習を積めば積むほど成長するはずで、一発(大躍進)が期待できる面白い存在である。
筑波大競技会1500mでデビューした岩佐
國井(千葉・東葛飾高校)も高校時代に文武両道を貫き、5000mで14分台をマークしている。細身で長距離の資質が非常に高そうな選手で、意欲も満々。どんな活躍を見せるか大いに楽しみである。
村田(埼玉・大宮高校)は、埼玉県でトップクラスの進学校でキャプテンを務めながら、5000mでも1万mでも標準以上の記録をマークしている。“伸びしろ”しかないはずで、その成長が楽しみだ。理数科だったことから、スポーツ科学と連携させるチームの知的な部分でも活躍を期待したい。
坂見(北海道・函館中部)は、3000mSCでインターハイ出場経験を持つ。スラリとした体形でストライドも大きいダイナミックな走りをする。スピード能力もかなり高そうで、大化けする(トップ選手に育つ)可能性を秘める。
上原(千葉・木更津高校)は、高校時代はキャプテンを務めながら中距離種目を中心に競技しており、800m1分56秒08のスピードは魅力タップリ。まだまだ粗削りな印象だが、順調に走り込むことができれば、1500m~5000mでの活躍が期待される選手である。
武藤(岩手・久慈高校)は、理工学群に進学した知的な学生。高校時代の練習量は少ないはずなので、どんどん伸びていくだろう。文武両道は大変なことだが、多くの先輩にアドバイスを受けながら、じっくりと成績を伸ばしていってもらいたい。
氏名 | 出身校 | 所属 | 自己記録 | 主将経歴 |
---|---|---|---|---|
松村 匡悟 まつむら きょうご |
佐野日大 | 体育 | 14’39″74 8’55″86 |
〇 |
永山 龍吉 ながやま たつきち |
八千代松陰 | 体育 | 14’47″15 | 〇 |
小林 竜也 こばやし たつや |
水城 | 体育 | 14’51″02 3’50″71 |
〇 |
五十嵐 優汰 いがらし ゆうた |
専大松戸 | 体育 | 14’51″29 9’19″10 |
〇 |
岩佐 一楽 いわさ かずもと |
東邦大東邦 | 体育 | 14’58″44 4’01″57 |
〇 |
福谷 颯太 ふくたに そうた |
都立日野台 | 体育 | 14’59″54 4’01″93 |
〇 |
國井 辰磨 くにい たつま |
東葛飾 | 体育 | 14’59″79 | |
坂見 一将 さかみ かずまさ |
函館中部 | 体育 | 15’17″14 9’26″84 |
|
村田 修作 むらた しゅうさく |
大宮 | 体育 | 15’18″57 31’45″09 |
〇 |
上原 祐太 うえはら ゆうと |
木更津 | 人文 | 4’02″07 1’56″08 |
〇 |
武藤 陽 むとう はる |
久慈 | 理工 | 16’19″32 9’51″36 |
以上、今年度の新入生を簡単に説明したが、どの学生も今後の活躍が楽しみな選手ばかり。一方で、新入生の加入に伴い所属人数が50人を超えたチームの課題は、トレーニングの効果的・効率的な処方と個別性になるだろう。
そのために、チームは、新年度からチーム運営の改革を施した。
「トレーニング班」「栄養・コンディショニング班」「データ・スポーツ科学班」を新設し、より一層のチーム内コミュニケーションと意識改革を図り、学生が主体となって、個とチームが伸びるための活動を徹底的に追及していく構え。
目指すは箱根駅伝本戦出場だが、新入生は慌てずに、まずは、大学生活(文武両道)に慣れてもらいたい。徐々に成長を遂げてもらうよう、上級生が上手くリードしてくれるだろう。
益々活気を帯びてきたチームが、箱根駅伝出場を目指して邁進していきます。引き続き応援をよろしくお願い致します。