第93回箱根駅伝予選会
筑波大学 10時間38分57秒 総合24位
※金丸逸樹(1年)が、関東学連選抜チームに選出されました
箱根駅伝予選会に向けて、陸上競技部OBOGの先輩方、卒業生の皆様、さらには、クラウドファンディングを通して多くの方々からご支援をいただきました。にもかかわらず、このような成績に終わったことは、たいへん申し訳ない気持ちで一杯です。そうしたご支援に対する説明責任があると思いますので、男子駅伝監督である弘山から詳しく報告させていただきます。場合によっては、言い訳になってしまう部分もあるかもしれませんが、どうかご理解いただきますようお願い致します。
~第93回箱根駅伝予選会を戦い終えて~
「挑戦したからこそ掴めるもの」
筑波大学 男子駅伝監督 弘山 勉
昨年、悔し涙を流してから1年間、最大の目標としてきた箱根駅伝予選会が終わりました。結果は、昨年からさらに順位を落とすという思いもしなかった成績となりました。呆然と立ち尽くす自分がそこにはいました。厳しい戦いになることは覚悟していましたが、ここまで悪い結果は、正直予想もしていなかったからです。
目標は、あくまで予選通過ラインに置きました。無謀と言われるかもしれませんが、このラインに向かっていかない限り、何も見えてこないと考えたからです。極端な言い方をさせていただくと、「敗戦覚悟で10時間15分を狙う」のと、「10時間25分を狙って16位前後を目指す」のと、どちらを選ぶのかという話です。後者を選んでいたら、昨年の成績を上回っていたかもしれません(勝負にタラレバはないので、架空の議論になりますが)。仮に後者を選んで、「何が得られるだろうか?」「ご支援いただいた方々に失礼ではないか」と私は考えました。
賛否両論あるとは思いますが、学生と話し合って決めた戦い方です。迷いはありませんでした。
惨敗でもいいとは言いませんが、予選を通らなかったら、どんな順位であろうと同じです。大切なことは、予選会を戦って“何を得るか”です。私は、挑戦しない戦いからは、“得るもの”は少ないと思っています。強がっているわけではなく、敗戦から多くを学ぶことで、チームや個人、何より指導者である私の更なる成長を促していけると確信しています。
学生たちは、この1年間(1年生は半年間)本当に頑張ってきました。
昨年の予選会敗退後は、「強くなったことを証明しよう」と記録会で自己新記録を連発し、冬場は、レースにほとんど出場せずに、基礎体力作りにたっぷりと時間を注ぎました。その結果、この春は、何人もの学生が5000mの記録を大幅に伸ばし、あとは、20キロを走破できる持久力を養うだけとなりました。夏合宿では、40キロ走にも挑戦するなど、今までにない走り込みを消化しました。走力が増していることが確実視できる状態になっていきました。
ただ、故障者が数名出てしまったことでベストメンバーを組めなかったこと、最後の調整段階で私の采配ミスがあったことは、指導者として私の至らぬ部分です。ここは大いに反省しています。それでも、ある程度はやれると思っていましたし、学生もその気でスタートしていきました。しかし、それが裏目に出てしまったようで、“気負い”が見られました。20キロという長丁場、高い気温を考慮し、もう少し冷静にならなければならなかったと自責の念を抱かずにはいられません。
繰り返しますが、これらは、「予選突破を目指した」から、陥った事態だと思います。挑戦することで生まれる失敗や反省、心身の体感は貴重な経験となるはずです。
レースに関して、これ以上を語ると敗者が言い訳を雄弁に語っているに過ぎなくなるので、ここまでとしますが、今回の結果は、もしかしたら、自分たちの力を過信していた可能性もあります。戦略ミスも、調整ミスもあったので、これは何とも言えませんので、これからのレースで証明していくしかないと思います。
ただ、ピンポイントで標準を合わせていく力が足りないのは明らかですし、プレッシャーのかかる本番で実力を発揮することもまだまだできないと感じています。これらを含めて、総合力を高めていく必要がありそうです。
課題は山積みですが、この敗戦(経験)を今後に活かして、チームと個人の課題を確実にクリアしていけるよう、さらなる精進を重ねてまいります。筑波大学は発展途上のチームです。今回の結果に悲観することなく、どんどん成長を促し、来年こそは、真の挑戦ができるようにチーム一丸となって頑張っていきます。
最後になりましたが、予選会の大会会場では、たくさんの卒業生と陸上競技部OBOG、クラウドファンディングにてご支援いただいた方々に声援を送っていただきました。例年の5倍以上の数だったと思います。寄附等のご支援を含め、心から御礼申し上げます。ありがとうございました。引き続き、応援をよろしくお願い致します。
筑波大学陸上競技部
男子駅伝監督
弘山 勉
<筑波大学の成績>
順位 24位
総合タイム 10時間38分57秒
【個人成績】
122着 61’59” 金丸 逸樹(1) ※関東学連選抜チームに選出
154着 62’38” 勝谷 徳仁(4)
167着 62’45” 河野 誉(3)
182着 63”01″ 才記 壮人(4)
186着 63’04” 川瀬 宙夢(2)
231着 63’49” 池田 親(1)
242着 63’58” 村上 諄(2)
257着 64’19” 森田 佳祐(3)
348着 66’32” 武田 勇美(3)
366着 66’52” 藤田 黎士(1)
421着 68’22” 薛 玄太郎(1)
426着 68’26” 斎須 克久(4)