第3回相模原クロスカントリー大会は、2018年3月10日(土)に神奈川県相模原市で開催され、筑波大生が多数参加。「春季シーズンに向けての強化練習の一環」で出場となったが、相馬崇史(1)が1組目で2位、相澤拓実(2)が2組目で1位となるなど、チームの勢いを感じさせる走りが見られ、春から始まるシーズンが楽しみになってきた。
相模原CC大会は、相模原ギオンスタジアムを発着とする周回コースで実施され、一般・大学の部は8kmの距離で争われる。カーブが多く、減速と加速を繰り返すことを強いられる競走は厳しい。更には、雨上がりの天候から、ウッドチップは上滑りし、なおかつ重い。かなりタフなレースなること必至な状況だったが、「冬季で獲得した走力を試すに相応しい大会になる」と筑波大生は果敢に挑んだ。
1組目は 5000m と 10000m の持ちタイム上位者、2組目がそれ以外という組み合わせ。それぞれ50名を少し超えるエントリー数だったが、実際は30人前後の出走となり、当初の予想よりも走りやすい状況になったのは、選手にとっては幸いと言えるだろう。
速い選手が揃った1組目は、ややハイペースの展開。池田と相馬は、作戦通りに集団の前のほうに位置した。ハイペースにもかかわらず、相馬が2キロ過ぎに先頭に踊り出て、更にペースを上げる作戦を採った。この相馬のペースアップに反応できたのは神奈川大学の越川選手だけ。全日本大学駅伝で区間賞を獲得した選手を相手に、相馬は前半から一騎打ちのかたちに持ち込んだ。
中間点を過ぎると、相馬は越川選手から徐々に離され出したが、最後まで粘りの走りを見せ、そのまま2位でゴール。越川選手が大会新記録であったことから、相馬の記録も価値は高いと評価できるのではないだろうか。
ハイペースの度合いを計る物差しとして、中間点の4km を11分56秒で通過したことを挙げてみるが、コースの形態と路面のコンディションを考えると、これは相当なハイペースと言える。それは、後半の4000mに表れている。優勝者が後半の4000mを12分30秒、相馬が12分50秒という落差。前後半の比較からも、かなりのハイペースであったことが窺い知れる。春に1万mで28分台を狙う相馬の強化は、順調に進んでいると言ってよいだろう。
その他、後方待機から追い上げて7位争いまで加わった村上も、中々のタイムで走破。前半から積極的に飛ばした池田は中弛みしたものの、後半に再度のペースアップができた。
故障でこのレースに向けて順調さを欠いてしまった児玉も健闘した部類だろう。藤田は、苦手なクロカンレースを2組目のトップと遜色ないタイムで走破した。
1組目に関しては、相馬は高得点、その他は、及第点を与えられる結果だったと言っていい。
2組目は、前半がスローペースとなり、大きな集団を形成して、レースが推移していった。前半は田川が先頭に立ち、中盤は西が、後半は相澤が、という具合に、筑波大の学生が、常に先頭を引っ張る積極的な走りを見せた。猿橋も粘って先頭集団に食らいついていたが、終盤まで優勝争いに加わったのは、相澤と尾原だった。
相澤は、後半の5km全てで先頭を譲らずに走り切り、見事トップでゴール。タイムは、1組目の19位相当でしかないが、自らレースを組み立てての余裕の逃げ切りは、評価できる。伸び盛りの勢いを十分に感じさせる走りだった。
2組目で3位に入った尾原も最近になって勢いを増している学生。先頭争いに加わったことで、力を付けている実感を抱くことができたはずで、さらなるモチベーションの向上があるだろう。今後の成長が楽しみだ。
各々に反省すべき点はあるが、全体的には、元気な走りを見せてくれた筑波大生。相模原クロスカントリー大会をアクセントにして、いよいよこれから春のシーズンに向けての本格的な強化練習(実践練習)が始まる。
鍛錬期を経た学生たちが、この春にどんな成長を遂げるのか、大いに楽しみになってきた。そんな高揚感を相模原で抱けたことが一番の収穫なのかもしれない。
<相模原クロスカントリー大会の結果>
組 | 順 位 | 氏 名 | 記録 |
---|---|---|---|
1 | 2 | 相馬崇史(1) | 24’46” |
10 | 村上 諄(3) | 25’15” | |
13 | 池田 親(2) | 25’24” | |
15 | 児玉朋大(1) | 25’26” | |
19 | 藤田黎士(2) | 25’44” |
組 | 順 位 | 氏 名 | 記録 |
---|---|---|---|
2 | 1 | 相澤巧実(2) | 25’43” |
3 | 尾原健太(1) | 25’53” | |
10 | 田川昇太(1) | 26’31” | |
12 | 大土手嵩(1) | 26’36” | |
15 | 重山源斗(1) | 26’48” | |
17 | 西 研人(1) | 26’57” | |
19 | 益川洋武(2) | 26’59” | |
20 | 寺澤龍之輔(2) | 27’11” | |
21 | 植田 樹(2) | 27’18” | |
23 | 伊藤直哉(1) | 27’42” | |
26 | 上迫彬岳(1) | 27’50” |