第29回六大学対校陸上競技大会は、7月17日(日)に神奈川県の相模原ギオンスタジアムで開催され、中京大・順天堂大・東海大学・日体大・日本大・筑波大の6校による熱戦が繰り広げられた。筑波大学の長距離チームからは、1500mと5000m、3000mSCにそれぞれ出場し、1500mで藤田黎士が自己新記録で5位入賞、3000mSCで川瀬宙夢が自己新記録をマークし3位となり表彰台に上がった。
「曇ってはいるが暑い」夏特有の粘りつくようなコンディションだが、学生たちは集中してレースに臨んだ。記録会ではない対校戦独特の緊張感が周囲にも伝わってくる。
最初の競技は、5000m。筑波大チームに勢いをつけることができるか、大事なレースとなる。入賞が期待された金丸が欠場したが、1年の池田が健闘。入賞まで届かなかったが、4000mまで勝負に加わることができていた。村上は、暑さにやられたような走りで勝負するに至らなかった。対校競技でないオープン種目の5000mでは、大学院生の吉成が3位となった。
3000mSCには、才記と川瀬が、順位だけではなく、全日本インカレの参加標準記録(A:8分55秒、B:9分01秒)突破を目標に出場した。東海大の選手がハイペースで飛ばす展開を積極的に走ったのが才記(A標準狙い)。ハイペースを見越して中位からレースを進めたのが川瀬(B標準狙い)だった。才記は、2000m手前でペースを落としながらも3位で粘っていたが、終始安定した走りで前に上がる川瀬が逆転。
最後は、川瀬が9分01秒を切れるか?にチームの焦点が注がれる中、僅か0.4秒届かず・・・。大幅な自己新記録(7秒更新)でも喜べない結果に複雑な心境だったであろう。しかし、表彰台では笑顔を見せ、チームのムードを高めていた。才記は必死にラストスパートを利かせ4位に入賞、1年の齋藤が見事な粘りとスパートで7位に入賞した。
1500mには、全日本インカレのB標準記録(3分52秒)を狙う藤田と三連戦ながら得点してチームに貢献しようと森田が出場。藤田のために、森田が最初の700mまでを引っ張り、速い流れを作った。東海大の選手が急激なペースアップを図りバラける展開となる中を藤田は冷静に走り3位争いを演じた。競り勝てばB標準記録突破となったが、競り負けての5位。僅か0.31秒届かない悔しい結果となり、藤田も心から喜べない自己新記録になってしまった。森田は、崩れかけながらも、後半盛り返して6位に入賞する地力を示した。
昨年の六大学対校では、0点に終わった長距離チームが20点を獲得したことが、成長の証。何より、全日本インカレの標準記録を目標とする学生が増えていることが意識の高まりを示している。僅かに届かなかったという事実は、「まだ実力が足りないよ」と言われているかのよう。学生たちは成果が出ていることを実感しながらも「もっと頑張らなければならない」と気を引き締めていた。
種 目 | 順 位 | 氏 名 | 記 録 | 備 考 |
---|---|---|---|---|
5000m
対校戦 |
10 | 池田 親 | 14’52″15 | |
12 | 村上 諄 | 14’57″41 | ||
14 | 武田勇美 | 15’14″97 | ||
5000m
オープン |
3 | 吉成佑人 | 14’47″80 | |
11 | 斎須克久 | 15’33″68 | ||
3000mSC
対校戦 |
3 | 川瀬宙夢 | 9’01″40 | PB |
4 | 才記壮人 | 9’03″76 | ||
7 | 齋藤零司 | 9’18″16 | ||
3000mSC
オープン |
1 | 高石陽平 | 9’33″39 | |
3 | 井口 謙 | 9’40″85 | ||
1500m | 5 | 藤田黎士 | 3’52″31 | PB |
6 | 森田佳祐 | 3’53″84 |