個々の記録短縮がテーマとなるトラックシーズン、チームは5月31日に行われた第122回平成国際大学長距離競技会、6月15日に行われた第2回筑波大競技会、第322回日体大長距離競技会にそれぞれ出場いたしました。ここでは、それぞれ目的を持って出走したレースを振り返ります。
文責:寺田周世(人文4)
5/31 第122回平成国際大学長距離競技会
この大会には、5000mでの記録短縮が前半シーズンの最大目標となるグループの選手8名が出場した。当日は15℃前後の季節外れの冷え込みもあり苦戦が予想されたが、事前に「走る組での上位争い」を目標に考えていた選手たちが積極的なレース展開を見せてくれた。
(5000m第4組)
相川隼吾、中野景太(ともに体育2)が出場した第4組。両者とも直近のレースでは中盤から思うような走りができていなかったため、この日は最後までまとめるレースが望まれた。スタートして、相川は集団の中盤、中野は後方でレースを進める。徐々に縦長になり単独で走る場面も出てきた中で、相川は一人一人前を追いながら3000mから4000mで落ちたタイムを立て直し、15:18.62でゴールした。
(5000m第5組)
続く組には、小山陽生(体育3)、成石昌平(国際3)、黒木聖(体育2)が出走した。まず小山が積極性を見せ、最初から先頭集団に位置すると途中には先頭にも立つなど、レースを作る走りをする。そして先頭集団のペースが落ちてきたレース後半、ここで成石が予想外の展開を見せた。苦しくなるレース後半は耐える走りが多かった成石が、第2集団から自ら抜け出し瞬く間に先頭集団に追いつくと、そのままさらにペースを上げる。そしてラスト1000mを最速のラップタイムで走り抜け、初の14分台となる14:52.96をマークした。
(5000m第6組)
この大会で最終組となる第6組には丸子晴樹(工シス4)、小林晴琉(体育1)、畠中悠(総合1)が出走した。事前の本人たちが目論んでいた通り、小林と畠中は集団の中盤に、丸子はやや後方で1年生二人を窺う形でレースを進める。練習から実力を示していた小林は、前のペースが落ちてくると徐々に前方に移動し、4000m手前で一気に先頭に躍り出る。表情も走りのリズムも何一つ変えぬままペースを上げてゴールし、14:29.74での組トップを獲得した。記録としては高校時代の自己記録には及ばぬものの、大学での練習を積み始めて狙ったタイムをきっちり出せたことに、非常に手ごたえを得たようだった。
【選手コメント】
成石「日頃から多大なるご支援、ご声援を賜り、誠にありがとうございます。第122回平成国際大学記録会5000mにおいて、14分52秒96で自己ベストを出すことができました。今までやってきたことを一つ形にすることができ、嬉しく思います。しかし、まだまだ他大学と戦えるレベルには達していないので、さらなる鍛錬を重ね、箱根駅伝予選会突破に貢献できるよう精進してまいります。引き続きご支援の程よろしくお願いいたします。」
小林「日頃より筑波大学への支援ありがとうございます。体育専門学群1年の小林晴琉です。今回の平成国際大学記録会の5000mで14’29”74でした。目標としていた14’30を切ることはできましたが、もう少し積極的なレースをしたかったです。1年生らしいフレッシュな走りでチームの勢いをつけていけるように頑張ります。応援ありがとうございました。」
【リザルト表】
組 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|
4 | 相川隼吾 | 体育2 | 15:18.62 | |
中野景太 | 体育2 | 16:10.10 | ||
5 | 成石昌平 | 国際3 | 14:52.96 | PB |
小山陽生 | 体育3 | 15:05.36 | ||
黒木聖 | 体育2 | 15:08.03 | ||
6 | 小林晴琉 | 体育1 | 14:29.74 | |
丸子晴樹 | 工シス4 | 14:49.63 | ||
畠中悠 | 総合1 | DNF |
6/15 第2回筑波大競技会
前回の記録会後、5000mの記録更新を狙うグループは、基礎強化の練習や怪我からの復帰練習を続けてきた他の学生も加わり、一大グループとなった。そして5000mで記録を狙う一週間前となる6月15日、筑波大競技会で3000mに出場し、5000mに向けた最大練習を行った。生憎、この日は一カ月前の大会時とは真反対に、前日の冷雨から一気に気温が上がり、レース時は照りつける日光も加わってかなりタフなコンディションとなった。
レースは、事前にグループ内で打ち合わせたことで、5000mでの目標記録に基づいて分けた、3つの大まかな集団を形成した。先頭には鍔颯人(体育4)、丸子晴樹、小山陽生、磯谷虎樹(体育2)、小林晴琉が加わり、暑さに苦しみながらもペースを落とさないよう粘る走りを見せた。先頭でゴールしたのは小林。タイムは8:33.19だった。その後ろに鍔が8:37.39の自己ベストでゴールしたが、暑さを苦手にしていた鍔だけに今回の走りは嬉しい誤算だった。
その後ろで活躍を見せたのが、1年生の井上月(応理1)。2000mまでは第3グループについて進めていたが、その後前を追う走りを見せ8:49.94の大幅自己ベストで大学デビュー戦を飾った。練習の仕方やランニングフォームについてよく考え、上級生にも積極的に質問をするなど熱心に取り組む井上だが、今後さらに成長を見せてくれそうだ。
【選手コメント】
鍔「今回の3000mは翌週の5000mに向けたレースの入りをイメージして臨みました。かなり蒸し暑い気候で目標には届きませんでしたが、収穫のあるレースにすることができました。次の5000mは夏のトラックシーズンで最後のレースとなるので、自己ベストを出して気持ちよく夏合宿に向かえるよう頑張ります!」
井上「日頃より温かいご支援をいただきありがとうございます。理工学群応用理工学類1年の井上月です。自分は浪人を経験したこともあり、今回の競技会が約2年ぶりのトラックレースでした。暑い中で練習の成果を発揮できたこと、最後の1kmでペースを上げてゴールできたことが次のレースにつながる大きな収穫となりました。コツコツ練習を積んでいけることが自分の長所だと思うので、これからも練習を積んで結果を出し、チームのみんなに期待してもらえるような選手となれるよう頑張っていきます。」
【リザルト表】
氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|
小林晴琉 | 体育1 | 8:33.19 | |
鍔颯人 | 体育4 | 8:37.39 | PB |
丸子晴樹 | 工シス4 | 8:40.93 | PB |
磯谷虎樹 | 体育2 | 8:42.81 | PB |
小山陽生 | 体育3 | 8:48.95 | |
渡辺大星 | 体育3 | 8:48.48 | PB |
黒木聖 | 体育2 | 8:49.01 | |
井上月 | 応理1 | 8:49.94 | PB |
山本健介 | 人文4 | 8:51.34 | |
小嶋潤 | 応理2 | 8:55.34 | |
寺田周世 | 人文4 | 8:55.95 | |
髙久浩輔 | 体育2 | 9:00.27 | |
大津勇人 | 体育4 | 9:00.77 | |
岩田明輝哉 | 体育2 | 9:01.34 | |
相川隼吾 | 体育2 | 9:08.61 | |
中野景太 | 体育2 | 9:42.64 |
6/15 第322回日体大長距離競技会
チームの主力の3名が出場した日体大長距離競技会。この日は予想だにしない蒸し暑さにより、スタート時間が予定より遅れる事態となった。7月に北海道で行われる記録会での大記録を目指す選手たちが、今回の記録会では現状確認として出場した。
(5000m第11組)
この組に出走した鈴木将矢(医学4)は、直近の練習消化具合から今回のレースに対しては不安と挑戦の思いで臨んだ。集団後方からレースを進めたが、序盤から組全体が縦長に分かれたことで、遅れた集団での走りが続いた。14:34.90のシーズンベストを記録したが、ラストには前を追い抜いていく走りだっただけに前半の遅れが課題となった。
(5000m第12組)
小山洋生と堀口花道(ともに体育4)が出走したこの組は、前の組とは反対にややスローペースで入ったことで3000m時点まで一つの大集団のまま推移した。序盤から集団前方で走っていた小山はラストスパートの争いにもしっかり加わり、本調子でない中でも14:16.00と自己ベスト(14:11.63)に迫る記録をマークした。
【選手コメント】
小山洋生「今回のレースは7月のレースに向けた現状の確認が目的でした。調子が上がらない中で自己ベストから5秒遅れのセカンドベストで走ることができ、次につながるレースにできたと思います。ここをきっかけに調子を上げ、更なる記録更新を目標にトレーニングを積んでいきます。」
【リザルト表】
組 | 氏名 | 所属 | 記録 | 備考 |
---|---|---|---|---|
11 | 鈴木将矢 | 医学4 | 14:34.90 | |
12 | 小山洋生 | 体育4 | 14:16.00 | |
堀口花道 | 体育4 | 14:29.99 |